JP2609181B2 - 有機性汚水の生物学的硝化脱窒素方法及び装置 - Google Patents
有機性汚水の生物学的硝化脱窒素方法及び装置Info
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
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- Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、し尿系汚水、下水、工
場廃水等の各種のNH3 −N含有有機性汚水を単一槽で
高度に硝化脱窒素するとともにSS、BODも同時に除
去することができる新規な有機性汚水の生物学的硝化脱
窒素方法及び装置に関するものである。
場廃水等の各種のNH3 −N含有有機性汚水を単一槽で
高度に硝化脱窒素するとともにSS、BODも同時に除
去することができる新規な有機性汚水の生物学的硝化脱
窒素方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機性汚水の処理においては生物学的処
理が広く用いられているが、従来の生物学的処理方式は
窒素を含む有機性汚水の処理する機能が劣り、このため
窒素を含む有機物が除去されないまま汚水が放流され、
水域の富栄養化の一因になっていた。
理が広く用いられているが、従来の生物学的処理方式は
窒素を含む有機性汚水の処理する機能が劣り、このため
窒素を含む有機物が除去されないまま汚水が放流され、
水域の富栄養化の一因になっていた。
【0003】富栄養化を防止するためには、硝化菌や脱
窒素菌の生理作用を利用した生物学的硝化脱窒方法が採
用されているが、最も一般的に行われる生物学的硝化脱
窒方法は脱窒素活性汚泥法である。しかしながら、SS
やBODを分解処理する通常の有機性汚水の処理におけ
ると同様に、活性汚泥法よりも散水濾床法や浸漬濾床法
の方が処理系中に存在する微生物の多様性が大きく生態
系が安定していて、汚水量の変動や負荷の変動に耐えら
れるので、処理効率を高めれば、窒素を含む有機性汚水
の処理する場合においても散水濾床法や浸漬濾床法が優
れている。
窒素菌の生理作用を利用した生物学的硝化脱窒方法が採
用されているが、最も一般的に行われる生物学的硝化脱
窒方法は脱窒素活性汚泥法である。しかしながら、SS
やBODを分解処理する通常の有機性汚水の処理におけ
ると同様に、活性汚泥法よりも散水濾床法や浸漬濾床法
の方が処理系中に存在する微生物の多様性が大きく生態
系が安定していて、汚水量の変動や負荷の変動に耐えら
れるので、処理効率を高めれば、窒素を含む有機性汚水
の処理する場合においても散水濾床法や浸漬濾床法が優
れている。
【0004】従来の浸漬濾床硝化脱窒方法は前段に脱窒
素部、後段に硝化部を設けた2段の処理槽からなる処理
方法であり、その処理槽内の充填固定床に充填する担体
にはアンスラサイト、シャモット、や人工あるいは天然
の軽量骨材などの粒状固体濾材が使用され、有機性汚水
は後段の硝化部から流出して、前段の脱窒素部に循環し
て硝化脱窒素処理する方法が代表的処理方法であった。
素部、後段に硝化部を設けた2段の処理槽からなる処理
方法であり、その処理槽内の充填固定床に充填する担体
にはアンスラサイト、シャモット、や人工あるいは天然
の軽量骨材などの粒状固体濾材が使用され、有機性汚水
は後段の硝化部から流出して、前段の脱窒素部に循環し
て硝化脱窒素処理する方法が代表的処理方法であった。
【0005】しかしこの方法は次の様な欠点がある。
処理槽が2槽必要であり、設備費や設置面積がかさ
む。また、ろ床洗浄が繁雑で、排水量も多くなる。
処理槽が2槽必要であり、設備費や設置面積がかさ
む。また、ろ床洗浄が繁雑で、排水量も多くなる。
【0006】 担体の微生物保持量が少ないため、硝
化反応及び脱窒素反応の速度が小さい。従って大きな設
置面積が必要である。 SSを同時に濾過除去しよう
とするとアンスラサイトなどの粒状濾材層の目詰まりが
速く、頻繁な濾材層の洗浄が必要となる。従って長期に
わたり安定した処理をするには前処理として沈澱池によ
るSSの沈降処理が必要で、さらに設備費や設置面積が
かさむ。
化反応及び脱窒素反応の速度が小さい。従って大きな設
置面積が必要である。 SSを同時に濾過除去しよう
とするとアンスラサイトなどの粒状濾材層の目詰まりが
速く、頻繁な濾材層の洗浄が必要となる。従って長期に
わたり安定した処理をするには前処理として沈澱池によ
るSSの沈降処理が必要で、さらに設備費や設置面積が
かさむ。
【0007】このため、従来の担体を用いた浸漬濾床法
はとうてい処理効率の高い方法とは言い難い。本発明者
は有機性汚水の浸漬濾床法による好気性生物処理におけ
る微生物の担体について多数の種類の濾材を対象として
実験的検討を行った結果表面と内部に大きな空隙(孔)
を持つ立体網目構造をもつ弾性多孔性の粒状固体、例え
ばポリウレタン・フォームなどプラスチックス・スポン
ジの小体によって固定床を構成し、下向流で有機性汚水
を流入し、散気泡と向流接触させる方法が目詰まりが起
こさず、速い汚水処理が可能になることを確認し、最近
提案している。
はとうてい処理効率の高い方法とは言い難い。本発明者
は有機性汚水の浸漬濾床法による好気性生物処理におけ
る微生物の担体について多数の種類の濾材を対象として
実験的検討を行った結果表面と内部に大きな空隙(孔)
を持つ立体網目構造をもつ弾性多孔性の粒状固体、例え
ばポリウレタン・フォームなどプラスチックス・スポン
ジの小体によって固定床を構成し、下向流で有機性汚水
を流入し、散気泡と向流接触させる方法が目詰まりが起
こさず、速い汚水処理が可能になることを確認し、最近
提案している。
【0008】従来、スポンジ活性汚泥法という技術が
「ウレタンフォームを用いた流動床生物膜処理」なるタ
イトルで文献に記載されている(用水と排水 Vol.32 N
o.5 pp17〜24 (1990) )。この技術の記述によれば、ス
ポンジ活性汚泥法とはスポンジ小体を活性汚泥法の曝気
槽中に投入し、曝気空気によってスポンジ小体を浮遊流
動させ、スポンジ小体表面に付着したフロックによって
汚水中のBODを除去するする方法である。この技術は
明らかに、フロックを表面に付着した軽いスポンジ小体
が汚水中に浮遊流動している活性汚泥法の一変法であり
浸漬濾床法による好気性生物処理における微生物の担体
としての利用ではない。まして有機性汚水の生物学的硝
化脱窒素処理に対する利用を想起させるものではない。
「ウレタンフォームを用いた流動床生物膜処理」なるタ
イトルで文献に記載されている(用水と排水 Vol.32 N
o.5 pp17〜24 (1990) )。この技術の記述によれば、ス
ポンジ活性汚泥法とはスポンジ小体を活性汚泥法の曝気
槽中に投入し、曝気空気によってスポンジ小体を浮遊流
動させ、スポンジ小体表面に付着したフロックによって
汚水中のBODを除去するする方法である。この技術は
明らかに、フロックを表面に付着した軽いスポンジ小体
が汚水中に浮遊流動している活性汚泥法の一変法であり
浸漬濾床法による好気性生物処理における微生物の担体
としての利用ではない。まして有機性汚水の生物学的硝
化脱窒素処理に対する利用を想起させるものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来の
浸漬濾床硝化脱窒素方法及び浸漬濾床装置の上記の〜
に挙げた欠点を改良し、有機性汚水を高い濾過速度で
通水でき、かつ濾過抵抗の上昇が少なく、高度に浄化さ
れた処理水が得られる新規な生物学的硝化脱窒素方法及
びその装置を提供することにある。
浸漬濾床硝化脱窒素方法及び浸漬濾床装置の上記の〜
に挙げた欠点を改良し、有機性汚水を高い濾過速度で
通水でき、かつ濾過抵抗の上昇が少なく、高度に浄化さ
れた処理水が得られる新規な生物学的硝化脱窒素方法及
びその装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の課題
は、 (1)処理槽内に立体網目構造をもつ粒状固体を充填し
た充填層を設け、前記粒状固体の内部に主に脱窒素菌を
固定化し、前記粒状固体の表層部に主に硝化菌を固定化
せしめて粒状固体内外に異なる機能を生じせしめ、処理
槽上部から有機性汚水を入れ、下部より酸素含有気泡を
供給しつつ、処理水の一部を充填層内に循環せしめるこ
とによって硝化脱窒素をおこなわしめて、有機性汚水の
BOD、窒素及びSSを同一処理槽内で除去することを
特徴とする有機性汚水の生物学的硝化脱窒素方法。
は、 (1)処理槽内に立体網目構造をもつ粒状固体を充填し
た充填層を設け、前記粒状固体の内部に主に脱窒素菌を
固定化し、前記粒状固体の表層部に主に硝化菌を固定化
せしめて粒状固体内外に異なる機能を生じせしめ、処理
槽上部から有機性汚水を入れ、下部より酸素含有気泡を
供給しつつ、処理水の一部を充填層内に循環せしめるこ
とによって硝化脱窒素をおこなわしめて、有機性汚水の
BOD、窒素及びSSを同一処理槽内で除去することを
特徴とする有機性汚水の生物学的硝化脱窒素方法。
【0011】(2)処理槽の上部に有機性汚水の供給手
段、下部に散気手段及び処理水による逆洗手段を有する
生物学的処理装置において、前記装置の生物学的処理槽
内に立体網目構造をもつ粒状固体を充填し、前記粒状固
体の内部に主に脱窒素菌を固定化し、前記粒状固体の表
層部に主に硝化菌を固定化せしめて粒状固体内外に異な
る機能を生じせしめた充填層よりなる濾床を設け、処理
水の一部を前記処理槽に還流する手段を設けることを特
徴とする有機性汚水の生物学的硝化脱窒素装置を用いて
解決される。
段、下部に散気手段及び処理水による逆洗手段を有する
生物学的処理装置において、前記装置の生物学的処理槽
内に立体網目構造をもつ粒状固体を充填し、前記粒状固
体の内部に主に脱窒素菌を固定化し、前記粒状固体の表
層部に主に硝化菌を固定化せしめて粒状固体内外に異な
る機能を生じせしめた充填層よりなる濾床を設け、処理
水の一部を前記処理槽に還流する手段を設けることを特
徴とする有機性汚水の生物学的硝化脱窒素装置を用いて
解決される。
【0012】すなわち、1槽で構成された生物学的硝化
脱窒素処理装置の処理槽内に立体網目構造をもつ粒状固
体を充填した充填層を設け濾床とし、前記粒状固体の内
部に主に脱窒素菌を固定化し、前記粒状固体の表層部に
主に硝化菌を固定化せしめて粒状固体内外に異なる機能
を生じせしめ、処理槽の上部に有機性汚水の供給手段を
設けて有機性汚水を下向流として充填層内に流し、処理
槽の下部に散気手段を設けて酸素含有気泡を供給しつ
つ、処理水の一部を有機性汚水と共に充填層内に導くこ
とによって硝化、脱窒素、SS除去及びBOD除去を1
槽で高度に行い、工程を単純化する。
脱窒素処理装置の処理槽内に立体網目構造をもつ粒状固
体を充填した充填層を設け濾床とし、前記粒状固体の内
部に主に脱窒素菌を固定化し、前記粒状固体の表層部に
主に硝化菌を固定化せしめて粒状固体内外に異なる機能
を生じせしめ、処理槽の上部に有機性汚水の供給手段を
設けて有機性汚水を下向流として充填層内に流し、処理
槽の下部に散気手段を設けて酸素含有気泡を供給しつ
つ、処理水の一部を有機性汚水と共に充填層内に導くこ
とによって硝化、脱窒素、SS除去及びBOD除去を1
槽で高度に行い、工程を単純化する。
【0013】前記した通り、生物学的硝化脱窒素処理装
置の処理槽内に設けられている濾床には立体網目構造を
もつ弾性多孔性の粒状固体が充填されており、粒状固体
の内部には主に脱窒素菌が固定化されており、その表層
部には主に硝化菌が固定化される。このように微生物を
固定化するためには特別な手段を使用する必要はなく、
生物学的硝化脱窒素処理を続けていると自然に前記のよ
うに固定化される。
置の処理槽内に設けられている濾床には立体網目構造を
もつ弾性多孔性の粒状固体が充填されており、粒状固体
の内部には主に脱窒素菌が固定化されており、その表層
部には主に硝化菌が固定化される。このように微生物を
固定化するためには特別な手段を使用する必要はなく、
生物学的硝化脱窒素処理を続けていると自然に前記のよ
うに固定化される。
【0014】処理水の一部を前記処理槽に還流するして
充填層内に循環せしめる手段としては、前記生物学的処
理槽外に処理水の中間貯留槽を設け、処理槽と中間貯留
槽との間に処理水を循環せしめる方法が好ましい方法で
ある。
充填層内に循環せしめる手段としては、前記生物学的処
理槽外に処理水の中間貯留槽を設け、処理槽と中間貯留
槽との間に処理水を循環せしめる方法が好ましい方法で
ある。
【0015】本発明で使用する立体網目構造をもつ粒状
固体は、例えばプラスチックスを連続気泡を造る発泡法
で発泡して作成されるスポンジ小体であり、材質として
は、スポンジとして吸水性のあるものであれば特に限定
する必要はないが、特に好ましい材質としてはウレタン
樹脂類が挙げられる。その粒径は10〜30mm、好まし
くは15〜20mmであり、その形状は角形、球状、その
他種々の形状がとれるが、角形が好ましい。孔の径は、
大小があるが、最高は数mmにおよぶ。スポンジ小体の空
隙率は90%以上である。(図2参照)図1に従って、
以下に本発明の装置の構成を説明する。以下の説明は本
発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれによ
って制限されるものではない。
固体は、例えばプラスチックスを連続気泡を造る発泡法
で発泡して作成されるスポンジ小体であり、材質として
は、スポンジとして吸水性のあるものであれば特に限定
する必要はないが、特に好ましい材質としてはウレタン
樹脂類が挙げられる。その粒径は10〜30mm、好まし
くは15〜20mmであり、その形状は角形、球状、その
他種々の形状がとれるが、角形が好ましい。孔の径は、
大小があるが、最高は数mmにおよぶ。スポンジ小体の空
隙率は90%以上である。(図2参照)図1に従って、
以下に本発明の装置の構成を説明する。以下の説明は本
発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれによ
って制限されるものではない。
【0016】図1において、有機性汚水は有機性汚水供
給管4によって1槽で構成された生物学的硝化脱窒素処
理装置の処理槽1に供給される、処理槽1内には、微生
物をその表面及び内部に固定化した立体網目構造をもつ
弾性多孔性の粒状固体20(例えばポリウレタンフォー
ム)を充填して形成された充填層を有する濾床2が設け
られている。
給管4によって1槽で構成された生物学的硝化脱窒素処
理装置の処理槽1に供給される、処理槽1内には、微生
物をその表面及び内部に固定化した立体網目構造をもつ
弾性多孔性の粒状固体20(例えばポリウレタンフォー
ム)を充填して形成された充填層を有する濾床2が設け
られている。
【0017】処理槽1上部には前記有機性汚水供給管4
の他、処理水を中間的に貯留する中間貯留槽6から処理
槽1へ処理水の一部を還流するための処理水還流管7
(循環ポンプ8が設置されている)と濾床2の逆洗用の
洗浄排水流出管12とが設けられている。また、濾床2
の上部には逆洗の際に粒状固体20が逸流しないように
多孔性部材13が張られている。
の他、処理水を中間的に貯留する中間貯留槽6から処理
槽1へ処理水の一部を還流するための処理水還流管7
(循環ポンプ8が設置されている)と濾床2の逆洗用の
洗浄排水流出管12とが設けられている。また、濾床2
の上部には逆洗の際に粒状固体20が逸流しないように
多孔性部材13が張られている。
【0018】濾床2の下部には、酸素含有気体供給管3
を通して酸素含有気体を供給するための散気手段が設け
られている。また、 処理槽1の下部には、処理水送水
管5が設けられており、処理水はこの送水管により中間
貯留槽6に、そして更に処理水流出管9を通って処理水
貯留槽(図示されていない)に送液される。
を通して酸素含有気体を供給するための散気手段が設け
られている。また、 処理槽1の下部には、処理水送水
管5が設けられており、処理水はこの送水管により中間
貯留槽6に、そして更に処理水流出管9を通って処理水
貯留槽(図示されていない)に送液される。
【0019】また、中間貯留槽6から処理槽1下部に逆
洗用の洗浄排水供給管10が設置され、供給管10には
処理水を供給する逆洗ポンプ11と弁14が設置されて
いる。
洗用の洗浄排水供給管10が設置され、供給管10には
処理水を供給する逆洗ポンプ11と弁14が設置されて
いる。
【0020】
【作用】以下に本発明の作用を説明する。以下の説明は
本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれに
よって制限されるものではない。
本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれに
よって制限されるものではない。
【0021】従来は、粒状固体からなる濾材が充填され
ている充填層に酸素含有気泡を送り込むと、層内の溶存
酸素のため、脱窒素反応が進行しないものとされてお
り、必ず脱窒素領域の層内には酸素含有気泡を供給しな
いように構成していた。
ている充填層に酸素含有気泡を送り込むと、層内の溶存
酸素のため、脱窒素反応が進行しないものとされてお
り、必ず脱窒素領域の層内には酸素含有気泡を供給しな
いように構成していた。
【0022】この考え方の正当性を確認するために、図
1の充填層をアンスラサイトによって構成し、処理を行
った結果従来の知見の通りBODの除去とNH3 −Nの
硝化が行えるだけで、脱窒素反応は進行しないことが確
認された。
1の充填層をアンスラサイトによって構成し、処理を行
った結果従来の知見の通りBODの除去とNH3 −Nの
硝化が行えるだけで、脱窒素反応は進行しないことが確
認された。
【0023】これに対して、濾床2の充填層を立体網目
構造をもつ弾性多孔性の粒状固体(図2)によって構成
すると、極めて効果的に硝化脱窒素反応が進行し、処理
水の窒素成分の除去率は80%以上に達することを確認
できた。
構造をもつ弾性多孔性の粒状固体(図2)によって構成
すると、極めて効果的に硝化脱窒素反応が進行し、処理
水の窒素成分の除去率は80%以上に達することを確認
できた。
【0024】このように効果的な硝化脱窒素反応が濾床
2の充填層内に酸素含有気泡が存在している状態にもか
かわらず進行する理由は次の通りである。すなわち、濾
床2の充填層に充填されている立体網目構造をもつ弾性
多孔性の粒状固体は図2に示されているように、空隙率
が極めて高く、高濃度に微生物を固定化しているので
(実測した結果では、15,000〜16,000mg
/リットルの微生物が固定化されていた)、充填層内に
酸素含有気泡から供給される溶存酸素が存在していて
も、溶存酸素は弾性多孔性の粒状固体の内部には拡散で
きず、充填層内部には脱窒素菌の増殖に好適な環境がつ
くり出されているためである。
2の充填層内に酸素含有気泡が存在している状態にもか
かわらず進行する理由は次の通りである。すなわち、濾
床2の充填層に充填されている立体網目構造をもつ弾性
多孔性の粒状固体は図2に示されているように、空隙率
が極めて高く、高濃度に微生物を固定化しているので
(実測した結果では、15,000〜16,000mg
/リットルの微生物が固定化されていた)、充填層内に
酸素含有気泡から供給される溶存酸素が存在していて
も、溶存酸素は弾性多孔性の粒状固体の内部には拡散で
きず、充填層内部には脱窒素菌の増殖に好適な環境がつ
くり出されているためである。
【0025】すなわち、充填層の脱窒素領域には原水中
のBODと、循環処理水中及び充填層内で生成したNO
X −Nが供給されるので、これらBODとNOX −Nが
弾性多孔性の粒状固体の内部に拡散して、そこで下記化
学式で表される脱窒素反応が進行するためであろう。
のBODと、循環処理水中及び充填層内で生成したNO
X −Nが供給されるので、これらBODとNOX −Nが
弾性多孔性の粒状固体の内部に拡散して、そこで下記化
学式で表される脱窒素反応が進行するためであろう。
【0026】
【数1】 また、充填層中を酸素含有気泡が上昇するに従って酸素
が消費されて減少するので、充填層下部では硝化菌部分
が、上部では脱窒素部分が大きい傾向を示している。
が消費されて減少するので、充填層下部では硝化菌部分
が、上部では脱窒素部分が大きい傾向を示している。
【0027】立体網目構造をもつ弾性多孔性の粒状固体
の粒径が小さ過ぎると、酸素が粒状固体の内部に拡散
し、脱窒素菌の増殖に好ましくない影響を与える。適切
な粒径は凡そ15〜25mmである。しかして、原水中
のSSも濾床2の充填層内で濾過除去され、処理水はS
Sが5mg/リットル以下の清澄水となる。
の粒径が小さ過ぎると、酸素が粒状固体の内部に拡散
し、脱窒素菌の増殖に好ましくない影響を与える。適切
な粒径は凡そ15〜25mmである。しかして、原水中
のSSも濾床2の充填層内で濾過除去され、処理水はS
Sが5mg/リットル以下の清澄水となる。
【0028】このように、本発明では処理槽は1槽で、
原水中のSS、BOD、及び窒素成分のすべてが高度に
除去できるという類例のなく高い排水処理性能を発揮す
る。SSの濾過除去が進むに連れて、充填層の濾過抵抗
が増加するので、濾過抵抗が500mm〜1000mmH2
O程度に増加した時点で逆洗ポンプ11を動かし、弁1
4の開度を大きくして酸素含有気泡の供給を増加し、水
洗及び空気洗浄を行う。充填層(濾床2)の洗浄は原水
が下水の場合、2〜4日に1回、10分間程度で十分で
ある。
原水中のSS、BOD、及び窒素成分のすべてが高度に
除去できるという類例のなく高い排水処理性能を発揮す
る。SSの濾過除去が進むに連れて、充填層の濾過抵抗
が増加するので、濾過抵抗が500mm〜1000mmH2
O程度に増加した時点で逆洗ポンプ11を動かし、弁1
4の開度を大きくして酸素含有気泡の供給を増加し、水
洗及び空気洗浄を行う。充填層(濾床2)の洗浄は原水
が下水の場合、2〜4日に1回、10分間程度で十分で
ある。
【0029】
【実施例】典型的なNH3 含有廃水である下水を原水と
して、本発明を実証する実験を行った結果について以下
に説明する。 (実施例−1)団地からの生下水から粗大異物だけを除
去した下水を対象に実験を行った。
して、本発明を実証する実験を行った結果について以下
に説明する。 (実施例−1)団地からの生下水から粗大異物だけを除
去した下水を対象に実験を行った。
【0030】下水の水質と実験条件を表1、表2に示
す。
す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】 この条件で1ヶ月間馴致運転を行い、2ヶ月目から処理
水の分析を行った。その1ヶ月間の処理水の水質の平均
値を表3に示す。
水の分析を行った。その1ヶ月間の処理水の水質の平均
値を表3に示す。
【0033】
【表3】 表3から、本発明によれば単一の処理槽で原水のBO
D、SS及び窒素成分が高度に浄化され、清澄な処理水
が得られることが明らかである。また、充填層内の弾性
多孔性の粒状固体(ポリウレタンフォーム)に固定化保
持されている微生物濃度は15000〜16000mg
/リットルと極めて高濃度であった。
D、SS及び窒素成分が高度に浄化され、清澄な処理水
が得られることが明らかである。また、充填層内の弾性
多孔性の粒状固体(ポリウレタンフォーム)に固定化保
持されている微生物濃度は15000〜16000mg
/リットルと極めて高濃度であった。
【0034】すなわち、本発明では濾床内で溶存酸素が
存在しているにもかかわらず、極めて効率の良い脱窒素
反応が進行していることがみとめられる。さらに、充填
層内の(弾性多孔性の粒状固体内部を含めた)空隙率が
極めて大きい(97%)ため、SSの捕捉に伴う濾過抵
抗の上昇は非常に少なく、80時間〜105時間の処理
後に濾過抵抗が300mmH2 Oに増加するに過ぎなかっ
た。従って充填層の洗浄は3〜4日に1回行うだけでよ
く、維持管理が極めて容易であった。
存在しているにもかかわらず、極めて効率の良い脱窒素
反応が進行していることがみとめられる。さらに、充填
層内の(弾性多孔性の粒状固体内部を含めた)空隙率が
極めて大きい(97%)ため、SSの捕捉に伴う濾過抵
抗の上昇は非常に少なく、80時間〜105時間の処理
後に濾過抵抗が300mmH2 Oに増加するに過ぎなかっ
た。従って充填層の洗浄は3〜4日に1回行うだけでよ
く、維持管理が極めて容易であった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば 単一の処理槽で原水
のBOD、SS及び窒素成分が高度に除去出来る。この
ような効果は従来の例では全く得られず、必ず複数の槽
を必要とした。
のBOD、SS及び窒素成分が高度に除去出来る。この
ような効果は従来の例では全く得られず、必ず複数の槽
を必要とした。
【0036】 粒状固体の表面に硝化微生物を、また
その内部に脱窒素微生物を高濃度に保持可能な、弾性多
孔性の粒状固体を濾材として用いたので、酸素含有気泡
と溶存酸素の存在下でも良好に脱窒素処理ができる。
その内部に脱窒素微生物を高濃度に保持可能な、弾性多
孔性の粒状固体を濾材として用いたので、酸素含有気泡
と溶存酸素の存在下でも良好に脱窒素処理ができる。
【0037】従って、装置の構造が非常に簡単となる。
SSの濾過捕捉に伴う充填層の目詰まりが極めて少
ないので、洗浄のサイクルが極めて長くとれるため、維
持管理が容易で、洗浄排水発生量も少ない。
SSの濾過捕捉に伴う充填層の目詰まりが極めて少
ないので、洗浄のサイクルが極めて長くとれるため、維
持管理が容易で、洗浄排水発生量も少ない。
【0038】 微生物を高濃度に保持できるので、硝
化脱窒素速度が速い。この結果装置をコンパクトにでき
る。 硝化部から流出する処理水を、系外に流出させ
るので、処理水のNH3 −N濃度を極めて低濃度にで
き、公共用水域の水質保全効果が高い。(NH3 −Nは
魚類等水産生物に有毒であり、また、上水処理における
塩素注入率の増加をもたらす。)
化脱窒素速度が速い。この結果装置をコンパクトにでき
る。 硝化部から流出する処理水を、系外に流出させ
るので、処理水のNH3 −N濃度を極めて低濃度にで
き、公共用水域の水質保全効果が高い。(NH3 −Nは
魚類等水産生物に有毒であり、また、上水処理における
塩素注入率の増加をもたらす。)
【図1】図1は有機性汚水の生物学的硝化脱窒素処理装
置の模式図。
置の模式図。
【図2】図2は弾性多孔性の粒状固体の一例を示す模式
図。
図。
1 硝化脱窒素処理槽 2 濾床 3 酸素含有気泡供給管 4 有機性汚水供給管 5 処理水送水管 6 中間貯留槽 7 処理水循環配管 8 循環ポンプ 9 処理水流出管 10 洗浄用水供給管 11 逆洗ポンプ 12 洗浄排水流出管 13 多孔性部材 14 弁 20 粒状固体
Claims (2)
- 【請求項1】 処理槽内に立体網目構造をもつ粒状固体
を充填した充填層を設け、前記粒状固体の内部に主に脱
窒素菌を固定化し、前記粒状固体の表層部に主に硝化菌
を固定化せしめて粒状固体内外に異なる機能を生じせし
め、処理槽上部から有機性汚水を入れ、下部より酸素含
有気泡を供給しつつ、処理水の一部を充填層内に循環せ
しめることによって硝化脱窒素をおこなわしめて、有機
性汚水のBOD、窒素及びSSを同一処理槽内で除去す
ることを特徴とする有機性汚水の生物学的硝化脱窒素方
法。 - 【請求項2】 処理槽の上部に有機性汚水の供給手段、
下部に散気手段及び処理水による逆洗手段を有する生物
学的処理装置において、前記装置の生物学的処理槽内に
立体網目構造をもつ粒状固体を充填し、前記粒状固体の
内部に主に脱窒素菌を固定化し、前記粒状固体の表層部
に主に硝化菌を固定化せしめて粒状固体内外に異なる機
能を生じせしめた充填層よりなる濾床を設け、処理水の
一部を前記処理槽に還流する手段を設けることを特徴と
する有機性汚水の生物学的硝化脱窒素装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3174834A JP2609181B2 (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | 有機性汚水の生物学的硝化脱窒素方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3174834A JP2609181B2 (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | 有機性汚水の生物学的硝化脱窒素方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04371299A JPH04371299A (ja) | 1992-12-24 |
JP2609181B2 true JP2609181B2 (ja) | 1997-05-14 |
Family
ID=15985474
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3174834A Expired - Lifetime JP2609181B2 (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | 有機性汚水の生物学的硝化脱窒素方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2609181B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR960002270B1 (ko) * | 1994-03-25 | 1996-02-14 | 한국과학기술연구원 | 생활 오수의 혐기성ㆍ접촉 폭기식 처리 장치 |
JP5825807B2 (ja) * | 2011-03-14 | 2015-12-02 | 株式会社アイ・エヌ・シー・エンジニアリング | 廃水処理装置及び廃水処理方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2559592B2 (ja) * | 1987-06-11 | 1996-12-04 | 大成建設株式会社 | 廃水処理生物膜担体 |
JPH02135200A (ja) * | 1988-11-14 | 1990-05-24 | Nkk Corp | 有機性排水の処理方法及びその装置 |
-
1991
- 1991-06-20 JP JP3174834A patent/JP2609181B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04371299A (ja) | 1992-12-24 |
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