JP2608822B2 - 回路開放素子及び過電圧過電流防止素子 - Google Patents

回路開放素子及び過電圧過電流防止素子

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JP2608822B2
JP2608822B2 JP3258472A JP25847291A JP2608822B2 JP 2608822 B2 JP2608822 B2 JP 2608822B2 JP 3258472 A JP3258472 A JP 3258472A JP 25847291 A JP25847291 A JP 25847291A JP 2608822 B2 JP2608822 B2 JP 2608822B2
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insulating substrate
surge absorber
heating resistor
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貴仁 小口
明彦 伊ヶ崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は回路開放素子及び過電
圧過電流防止素子に係り、特に線路間に定電圧素子を接
続した保安回路に接続され、上記線路に該定電圧素子の
定格電圧以上の過電圧が連続して印加された場合に、上
記定電圧素子を線路から切り離すと同時に、該線路自体
を開放して負荷側に過電圧が印加されることを防止する
と共に、上記線路に過電流が流れた場合にも、上記線路
を開放して該過電流が負荷側に流れることを防止する回
路開放素子に関する。また、かかる回路開放素子と定電
圧素子とを一体化した過電圧過電流防止素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電源ライン或いは通信ライン等を
構成する線路間にシリコンサージアブソーバ等の定電圧
素子を接続した、いわゆる保安回路を電子機器の電子回
路の前段に介在させ、サージなどの過電圧から電子機器
を保護することが行われている。図11はその一例を示
すものであり、電源ライン或いは通信ラインを構成する
線路A,A’間に定電圧素子aが並列に接続されると共
に、該定電圧素子aの次段には分離用ヒューズbが、該
定電圧素子aに対して直列に接続される。また、線路A
の入力側には遮断用ヒューズcが、該線路Aに対して直
列に接続される。
【0003】上記構成からなる保安回路dを備えた線路
A,A’に、入力側からサージなどの過電圧が瞬間的に
印加された場合には、上記定電圧素子aが作動して該過
電圧が吸収されるため、電子回路e側には一定範囲の電
圧が供給される。そして、電子機器をその定格電圧を上
回る電源に誤接続した場合や、通信ラインを電源に誤接
続した場合、或いはこれらの事態を想定した過電圧試験
の実施等により、線路A,A’間に上記定電圧素子aの
定格電圧以上の過電圧が連続して印加された場合には、
該定電圧素子aの短絡破壊や焼損を防ぐために、上記分
離用ヒューズbが溶断し、定電圧素子aが線路A’から
分離される。また、定電圧素子aの分離後は、連続過電
圧がそのまま負荷側に印加されて電子回路eが破壊され
るおそれがあるため、上記遮断用ヒューズcが溶断し、
線路A自体が開放される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、電子回路
eを過電圧から保護するためには、上記分離用ヒューズ
bの溶断と同時に、上記遮断用ヒューズcが確実に溶断
する必要がある。しかしながら、いかに分離用ヒューズ
bと遮断用ヒューズcの選定を厳密に行ったとしても、
一般にヒューズの溶断特性は電流値と印加時間等によっ
て大きく変化するため、分離用ヒューズbが溶断してか
ら遮断用ヒューズcが溶断するまでには、わずかな時間
差が生じるおそれがあった。そして、この間、過電圧が
負荷側に印加され、電子回路eを損傷させる危険性があ
った。
【0005】また、定電圧素子aと分離用ヒューズb及
び遮断用ヒューズcのそれぞれを別個に用いて保安回路
dを構成するため、構造が複雑化し、その結果製造作業
が複雑化するのみならず、一旦連続過電圧の印加によっ
て上記分離用ヒューズb及び遮断用ヒューズcが溶断し
た場合には、分離用ヒューズb及び遮断用ヒューズcを
接続し直す必要があり、その復旧作業が煩雑となる点で
問題であった。
【0006】本発明は、上記した従来技術の課題を解決
せんとするものであり、その目的とするところは、定電
圧素子が分離されると同時に線路自体を開放し、負荷側
に過電圧が印加されることを確実に防止できると共に、
構成が簡易で、製造作業の簡素化及び復旧作業の容易化
を図り得る回路開放素子及び過電圧過電流防止素子を実
現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る回路開放素子は、電源ライン或いは通
信ラインを構成する線路間にシリコンサージアブソーバ
を挿入接続した保安回路に接続されるものであって、絶
縁基板と、該絶縁基板上に被着形成された発熱抵抗体
と、上記絶縁基板上に被着形成されたヒューズ部材とを
有してなり、上記発熱抵抗体は上記シリコンサージアブ
ソーバと直列接続されると共に、上記ヒューズ部材は上
記線路に直列接続され、上記線路に上記シリコンサージ
アブソーバの定格電圧以上の過電圧が連続して印加され
た場合に、該過電圧による過電流によって上記発熱抵抗
体が発熱して上記絶縁基板を砕裂し、以て上記発熱抵抗
体及びヒューズ部材が同時に切断されると共に、上記ヒ
ューズ部材は上記線路に過電流が流れた際に溶断するよ
う構成した。
【0008】また、本発明に係る過電圧過電流防止素子
は、電源ライン或いは通信ラインを構成する線路間に接
続されるものであって、絶縁基板上に発熱抵抗体とヒュ
ーズ部材とを被着形成してなる回路開放素子と、上記発
熱抵抗体と直列接続されるシリコンサージアブソーバと
を有してなり、上記発熱抵抗体及びシリコンサージアブ
ソーバは上記線路間に挿入接続されると共に、上記ヒュ
ーズ部材は上記線路に直列接続され、上記線路に上記シ
リコンサージアブソーバの定格電圧以上の過電圧が連続
して印加された場合に、該過電圧による過電流によって
上記発熱抵抗体が発熱して上記絶縁基板を砕裂し、以て
上記発熱抵抗体及びヒューズ部材が同時に切断されると
共に、上記ヒューズ部材は上記線路に過電流が流れた際
に溶断するよう構成した。上記シリコンサージアブソー
バを、チップ型シリコンサージアブソーバで構成すると
共に、該チップ型シリコンサージアブソーバを上記絶縁
基板上に固着するよう構成することが望ましい。
【0009】上記した各発熱抵抗体は、上記絶縁基板の
一方の面に被着形成されると共に、上記ヒューズ部材は
上記絶縁基板の他方の面に被着形成されることが望まし
い。
【0010】なお、上記「定格電圧」とは、上記シリコ
ンサージアブソーバの動作電圧を意味し、具体的には
「ブレークダウン電圧」が該当する。
【0011】上記の「連続して印加され」という表現
は、「一定時間印加され」という意味であり、「瞬間的
に印加され」の対立概念である。したがって、連続して
印加される「過電圧」には、時間の経過とともに電圧値
が変化する交流電圧も当然に含まれるものである。以下
においても同様である。
【0012】
【作用】上記線路にサージ等の過電圧が瞬間的に印加さ
れた場合には、上記シリコンサージアブソーバが動作し
て該サージを吸収する。また、上記線路にシリコンサー
ジアブソーバの定格電圧以上の過電圧が連続して印加さ
れた場合には、該過電圧による過電流が上記シリコンサ
ージアブソーバを通じて流れ、この過電流によって上記
発熱抵抗体が発熱する。そして、その温度が所定温度以
上になると、上記絶縁基板が熱歪みによって砕裂し、該
絶縁基板上に被着形成された発熱抵抗体及びヒューズ部
材が切断される。その結果、上記発熱抵抗体と直列接続
しているシリコンサージアブソーバが線路から分離さ
れ、同時に上記ヒューズ部材が接続している線路が開放
される。
【0013】また、上記線路に過電流が流れた場合に
は、上記絶縁基板の砕裂とは関係なく、上記ヒューズ部
材が溶断し、電流の通路たる上記線路が開放される。
【0014】
【実施例】以下に本発明を、図示の実施例に基づいて説
明する。図1及び図2は本発明に係る第1の回路開放素
子2の全体を示す概略斜視図であり、第1の回路開放素
子2は、第1の絶縁基板4と、該第1の絶縁基板4の前
面6に被着形成された第1の発熱抵抗膜8(図1)と、
該第1の絶縁基板4の背面10に被着形成された第1の
ヒューズパターン12(図2)とを有してなる。
【0015】上記第1の絶縁基板4は、アルミナ、フォ
ルステライト、ステアタイト等のセラミックによって形
成され、その板厚は0.5〜1.5mm程度である。該
第1の絶縁基板4の下辺14の中央部には、三角形状の
切欠部16が形成されている。上記第1の発熱抵抗膜8
は、ルテニウム系ペースト等によって形成され、その膜
厚は10〜25μm程度である。上記第1のヒューズパ
ターン12は、鉛とすずとの合金など低融点金属材料か
らなる蒸着膜で、その幅や厚みを加減することによって
電流耐量を調節することができる。
【0016】上記第1の発熱抵抗膜8の左端辺には第1
の電極パターン18が被着形成されると共に、右端辺に
は第2の電極パターン20が被着形成される(図1)。
これら第1の電極パターン18及び第2の電極パターン
20の下方には、それぞれ第1の外部端子接続部22及
び第2の外部端子接続部24が形成され、該第1の外部
端子接続部22には第1の外部端子26が、また第2の
外部端子接続部24には第2の外部端子28がそれぞれ
ハンダ付け等によって固着される(図1)。
【0017】また、上記第1のヒューズパターン12の
左端下部30には第3の外部端子接続部31が接続さ
れ、該第3の外部端子接続部31には第3の外部端子3
2がハンダ付け等によって固着されると共に、第1のヒ
ューズパターン12の右端下部34には第4の外部端子
接続部35が接続され、該第4の外部端子接続部35に
は第4の外部端子36がハンダ付け等によって固着され
ている(図2)。
【0018】上記構成よりなる第1の回路開放素子2
は、図2に示すように、電源ライン或いは通信ラインを
構成する線路A,A’間にシリコンサージアブソーバ4
2を接続した第1の保安回路44に接続される。すなわ
ち、上記第3の外部端子32及び第4の外部端子36が
線路Aに接続されると共に、上記第1の外部端子26
が、その上端46を線路Aに接続されたシリコンサージ
アブソーバ42の下端48に接続される。さらに、上記
第2の外部端子28が線路A’に接続される。
【0019】この結果、図3の回路図に示すように、上
記第1のヒューズパターン12が線路Aと直列接続され
る。また、上記第1の発熱抵抗膜8がシリコンサージア
ブソーバ42の次段に直列接続されると同時に、該シリ
コンサージアブソーバ42及び第1の発熱抵抗膜8が、
線路A,A’間に並列接続される。
【0020】しかして、サージ等の過電圧が、線路A,
A’に瞬間的に印加された場合には、上記シリコンサー
ジアブソーバ42が動作してこの過電圧を吸収するの
で、電子回路50側には常に一定範囲の電圧が供給され
る。
【0021】また、例えば定格電圧100Vの電子機器
を200Vの電源に誤接続した場合等、上記シリコンサ
ージアブソーバ42の定格電圧以上の過電圧が連続して
印加された場合には、該過電圧による過電流が上記シリ
コンサージアブソーバ42を通じて流れ、この過電流に
よって上記第1の発熱抵抗膜8が高熱を発生する。この
ため、第1の絶縁基板4の前面6が急激に加熱され、第
1の絶縁基板4に熱歪みが生じて切欠部16の頂点52
の延長線(ロ)に沿って第1の絶縁基板4は左右に砕裂
される(図1)。
【0022】この結果、電流の通路である第1の発熱抵
抗膜8及び第1のヒューズパターン12が切断されるた
め、シリコンサージアブソーバ42が線路A’から切り
離されると同時に、線路Aも切断されて線路A自体が開
放される。したがって、電子回路50に過電圧が印加さ
れることはない。
【0023】次に、オーバーロード等によって線路A,
A’に上記電子回路50の定格電流を上回る過電流が流
れた場合には、上記第1の絶縁基板4の砕裂とは関係な
く、該過電流によって上記第1のヒューズパターン12
が溶断して線路Aを開放するため、上記電子回路50に
過電流が流れることを防止できる。
【0024】なお、第1の絶縁基板4上に第1の発熱抵
抗膜8及び第1のヒューズパターン12を被着形成した
ので、構成の簡素化及び製造の容易化が図れる。
【0025】図4及び図5は、本発明に係る他の実施例
を示している。本実施例に係る第2の回路開放素子54
は、上記実施例における第3の外部端子32を省略し、
第2の外部端子28にその機能を兼任させたことを特徴
としている。すなわち、上記第1の絶縁基板4の前面6
側に位置する第2の外部端子28の第1の分岐部56と
第2の外部端子接続部24とを接続すると共に(図
4)、背面10側に位置する第2の外部端子28の第2
の分岐部58と上記第3の外部端子接続部31ととを接
続してなる(図5)。
【0026】この結果、本実施例に係る第2の回路開放
素子54は、第1の外部端子接続部22に接続される第
1の外部端子26と、第2の外部端子接続部24及び第
3の外部端子接続部31に接続される第2の外部端子2
8と、第4の外部端子接続部35に接続される第4の外
部端子36の、計3本の外部端子のみを有することとな
る。
【0027】上記構成よりなる第2の回路開放素子54
は、図5に示すように、線路A,A’間にシリコンサー
ジアブソーバ42を介装した第2の保安回路60に接続
される。すなわち、上記第2の外部端子28及び第4の
外部端子36が線路Aに接続されると共に、上記第1の
外部端子26は、その下端48が線路A’に接続された
シリコンサージアブソーバ42の上端46に接続され
る。
【0028】この結果、図6の回路図に示すように、第
1のヒューズパターン12が線路Aに対して直列接続さ
れると共に、第1の発熱抵抗膜8及びシリコンサージア
ブソーバ42が線路A,A’間に並列接続される。同時
に、シリコンサージアブソーバ42が第1の発熱抵抗膜
8の次段に直列接続される。
【0029】本実施例に係る第2の回路開放素子54
も、過電圧及び過電流に対しては、上記実施例に係る第
1の回路開放素子2と同様の機能を発揮する。すなわ
ち、サージ等の過電圧が、線路A,A’に瞬間的に印加
された場合には、上記シリコンサージアブソーバ42が
動作してこの過電圧を吸収する。
【0030】また、上記シリコンサージアブソーバ42
の定格電圧以上の過電圧が連続して印加された場合に
は、上記第1の発熱抵抗膜8が第1の絶縁基板4の前面
6を急激に加熱するため、第1の絶縁基板4は左右に砕
裂される。この結果、電流の通路である第1の発熱抵抗
膜8及び第1のヒューズパターン12が切断されるた
め、シリコンサージアブソーバ42が線路Aから切り離
されると同時に、線路Aも切断され、線路A自体が開放
される。
【0031】さらに、上記線路A,A’に過電流が流れ
た場合には、上記第1の絶縁基板4の砕裂とは関係な
く、該過電流によって上記第1のヒューズパターン12
が溶断して線路Aを開放するため、上記電子回路50に
過電流が流れることを防止できる。
【0032】本実施例によれば、上記のように外部端子
としては、第1の外部端子26、第2の外部端子28及
び第4の外部端子36の計3本で済むので、構成の簡素
化及び製造の容易化が図れる。
【0033】つぎに、図7及び図8に基づいて、本発明
に係る第1の過電圧過電流防止素子62について説明す
る。この第1の過電圧過電流防止素子62は、第2の絶
縁基板63と、該第2の絶縁基板63の前面64に被着
形成された第2の発熱抵抗膜65(図7)と、該第2の
絶縁基板63の背面66に被着形成された第2のヒュー
ズパターン67(図8)とを有してなる。
【0034】上記第2の絶縁基板63は、上記第1の絶
縁基板4と同様、アルミナ、フォルステライト、ステア
タイト等のセラミックによって形成され、その板厚は
0.5〜1.5mm程度である。該第2の絶縁基板63
の下辺68の中央部には、三角形状の切欠部69が形成
されている。上記第2の発熱抵抗膜65は、ルテニウム
系ペースト等によって形成され、その膜厚は10〜25
μm程度である。上記第2のヒューズパターン67は、
鉛とすずとの合金など低融点金属材料からなる蒸着膜で
ある。
【0035】上記第2の発熱抵抗膜65の左端辺には第
3の電極パターン70が被着形成されると共に、右端辺
には第4の電極パターン71が被着形成される(図
7)。上記第3の電極パターン70の下方には、第5の
外部端子接続部72が形成され、該第5の外部端子接続
部72には第5の外部端子73がハンダ付け等によって
固着される(図7)。また、上記第4の電極パターン7
1の下方に形成された素子接続パターン74には、チッ
プ型シリコンサージアブソーバ75の上端が接続される
と共に、該チップ型シリコンサージアブソーバ75の下
端には第6の外部端子接続部76が接続される。該第6
の外部端子接続部76には、第6の外部端子77がハン
ダ付け等によって固着される(図7)。上記チップ型シ
リコンサージアブソーバ75は、第2の絶縁基板63の
前面64上に固着されている。
【0036】上記第2のヒューズパターン67の左端下
部78には第7の外部端子接続部79が接続され、該第
7の外部端子接続部79には第7の外部端子80がハン
ダ付け等によつて固着されると共に、右端下部81には
第8の外部端子接続部82が接続され、該第8の外部端
子接続部82には第8の外部端子83がハンダ付け等に
よって固着されている(図8)。
【0037】図8に示すように、上記第1の過電圧過電
流防止素子62の第7の外部端子80及び第8の外部端
子83を線路Aに接続すると共に、上記第5の外部端子
73を上記線路Aに接続し、上記第6の外部端子77を
上記線路A’に接続することによって、第2のヒューズ
パターン67が線路Aと直列接続されると共に、第2の
発熱抵抗膜65及びこれと直列接続されるチップ型シリ
コンサージアブソーバ75とが線路A,A’間に並列接
続される。
【0038】しかして、サージ等の過電圧が、線路A,
A’に瞬間的に印加された場合には、上記チップ型シリ
コンサージアブソーバ75が動作してこの過電圧を吸収
する。また、上記チップ型シリコンサージアブソーバ7
5の定格電圧以上の過電圧が連続して印加された場合に
は、該過電圧による過電流によって上記第2の発熱抵抗
膜65が高温を発し、第2の絶縁基板63が左右に砕裂
される。この結果、電流の通路である第2の発熱抵抗膜
65及び第2のヒューズパターン67が切断されるた
め、チップ型シリコンサージアブソーバ75が線路Aか
ら分離されると同時に、線路Aも切断される。なお、上
記線路A,A’に過電流が流れた場合には、上記絶縁基
板の砕裂とは関係なく、該過電流によって上記第2のヒ
ューズパターン67が溶断して線路Aを開放する。
【0039】以上のように、第1の過電圧過電流防止素
子62は、上記第1の回路開放素子2にチップ型シリコ
ンサージアブソーバ75を一体的に組み込んだので、構
成の簡素化、製造の容易化、省スペース及び復旧作業の
容易化が実現できる。
【0040】上記第1の過電圧過電流防止素子62の代
わりに、図9及び図10に示す第2の過電圧過電流防止
素子85を用いてもよい。これは、上記第1の過電圧過
電流防止素子62における第7の外部端子80を省略
し、第6の外部端子77にその機能を兼任させたことを
特徴としている。すなわち、第2の絶縁基板63の前面
64上に位置する第6の外部端子77の第1の分岐部8
6と上記第6の外部端子接続部76とを接続すると共に
(図9)、第2の絶縁基板63の背面66上に位置する
第6の外部端子77の第2の分岐部87と第7の外部端
子接続部79とを接続してなる(図10)。
【0041】この結果、該第2の過電圧過電流防止素子
85は、第5の外部端子接続部72に接続される第5の
外部端子73と、第6の外部端子接続部76及び第7の
外部端子接続部79に接続される第6の外部端子77
と、第8の外部端子接続部82に接続される第8の外部
端子83の、計3本の外部端子のみを有することとな
る。
【0042】図10に示すように、上記第2の過電圧過
電流防止素子85の第6の外部端子77及び第8の外部
端子83を線路Aに接続すると共に、上記第5の外部端
子73を線路A’に接続することによって、第2のヒュ
ーズパターン67が線路Aに直列接続されると共に、チ
ップ型シリコンサージアブソーバ75及びこれと直列接
続された第2の発熱抵抗膜65とが線路A,A’間に並
列接続される。
【0043】本実施例に係る第2の過電圧過電流防止素
子85も、過電圧及び過電流に対しては、上記実施例に
係る第1の過電圧過電流防止素子62と同様の機能を発
揮する。また、本実施例によれば、上記のように外部端
子としては、第5の外部端子73、第6の外部端子77
及び第8の外部端子83の計3本で済むので、構成の簡
素化及び製造の容易化が図れる。
【0044】
【発明の効果】上記回路開放素子は、線路にシリコンサ
ージアブソーバの定格電圧以上の過電圧が連続して印加
された場合に、該過電圧による過電流によって発熱抵抗
体が絶縁基板を急激に加熱してこれを砕裂し、上記シリ
コンサージアブソーバに直列接続された発熱抵抗体及び
上記線路に直列接続されたヒューズ部材が切断されるよ
うに構成したので、シリコンサージアブソーバが線路か
ら分離されると同時に線路も開放される。したがって、
シリコンサージアブソーバが線路から切り離された後
に、負荷側に過電圧が印加されることを確実に防止でき
る。
【0045】また、上記線路に過電流が流れた場合に
も、上記ヒューズ部材が溶断して線路を開放するため、
負荷側に該過電流が流れることを防止できる。
【0046】上記過電圧過電流防止素子は、上記回路開
放素子とシリコンサージアブソーバとを一体の素子とし
て実現したので、構成の簡素化及び製造の容易化、さら
には復旧作業の容易化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回路開放素子の一実施例を示す正面概略斜視図
である。
【図2】上記実施例の背面概略斜視図である。
【図3】上記実施例に係る回路図である。
【図4】回路開放素子の他の実施例を示す正面概略斜視
図である。
【図5】上記実施例の背面概略斜視図である。
【図6】上記実施例に係る回路図である。
【図7】過電圧過電流防止素子の一実施例を示す正面概
略斜視図である。
【図8】上記実施例の背面概略斜視図である。
【図9】過電圧過電流防止素子の他の実施例を示す正面
概略斜視図である。
【図10】上記実施例の背面概略斜視図である。
【図11】従来例を示す回路図である。
【符号の説明】
2 第1の回路開放素子 4 第1の絶縁基板 8 第1の発熱抵抗膜 12 第1のヒューズパターン 42 シリコンサージアブソーバ 44 第1の保安回路 54 第2の回路開放素子 60 第2の保安回路 62 第1の過電圧過電流防止素子 63 第2の絶縁基板 65 第2の発熱抵抗膜 67 第2のヒューズパターン 75 チップ型シリコンサージアブソーバ 85 第2の過電圧過電流防止素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−83427(JP,A) 特開 平3−169222(JP,A) 特開 平1−307265(JP,A) 特開 平3−136374(JP,A) 実開 昭55−120063(JP,U) 実開 昭63−193647(JP,U)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源ライン或いは通信ラインを構成する
    線路間にシリコンサージアブソーバを挿入接続した保安
    回路に接続される回路開放素子であって、絶縁基板と、
    該絶縁基板上に被着形成された発熱抵抗体と、上記絶縁
    基板上に被着形成されたヒューズ部材とを有してなり、
    上記発熱抵抗体は上記シリコンサージアブソーバと直列
    接続されると共に、上記ヒューズ部材は上記線路に直列
    接続され、上記線路に上記シリコンサージアブソーバ
    定格電圧以上の過電圧が連続して印加された場合に、該
    過電圧による過電流によって上記発熱抵抗体が発熱して
    上記絶縁基板を砕裂し、以て上記発熱抵抗体及びヒュー
    ズ部材が同時に切断されると共に、上記ヒューズ部材は
    上記線路に過電流が流れた際に溶断するよう構成した回
    路開放素子。
  2. 【請求項2】 上記発熱抵抗体は上記絶縁基板の一方の
    面に被着形成されると共に、上記ヒューズ部材は上記絶
    縁基板の他方の面に被着形成されることを特徴とする、
    請求項1に記載の回路開放素子。
  3. 【請求項3】 電源ライン或いは通信ラインを構成する
    線路間に接続される過電圧過電流防止素子であって、絶
    縁基板上に発熱抵抗体とヒューズ部材とを被着形成して
    なる回路開放素子と、上記発熱抵抗体と直列接続される
    シリコンサージアブソーバとを有してなり、上記発熱抵
    抗体及びシリコンサージアブソーバは上記線路間に挿入
    接続されると共に、上記ヒューズ部材は上記線路に直列
    接続され、上記線路に上記シリコンサージアブソーバ
    定格電圧以上の過電圧が連続して印加された場合に、該
    過電圧による過電流によって上記発熱抵抗体が発熱して
    上記絶縁基板を砕裂し、以て上記発熱抵抗体及びヒュー
    ズ部材が同時に切断されると共に、上記ヒューズ部材は
    上記線路に過電流が流れた際に溶断するよう構成した過
    電圧過電流防止素子。
  4. 【請求項4】 上記発熱抵抗体は上記絶縁基板の一方の
    面に被着形成されると共に、上記ヒューズ部材は上記絶
    縁基板の他方の面に被着形成されることを特徴とする、
    請求項3に記載の過電圧過電流防止素子。
  5. 【請求項5】 上記シリコンサージアブソーバを、チッ
    プ型シリコンサージアブソーバで構成すると共に、該チ
    ップ型シリコンサージアブソーバを上記絶縁基板上に固
    着したことを特徴とする請求項3または4に記載の過電
    圧過電流防止素子。
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