JP2608456B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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【発明の詳細な説明】 〔概要〕 基体表面にa−Si:H(水素化アモルファスシリコン)
等の薄膜を形成するための薄膜形成装置に関し、 SinHm粉体の発生しない低い圧力においても高速成膜
が可能で、しかも材料ガス利用効率を向上させ得るよう
にすることを目的とし、 基体がセットされる放電空間に対向する放電電極と、
前記放電空間に材料ガスを導入する材料ガス導入部と、
前記放電空間内の材料ガスをプラズマ状として分解、活
性化させるための高周波電力を前記放電電極に供給する
高周波電源と、前記基体の温度を制御する手段とを備え
た薄膜形成装置において、前記放電電極に、1対の対向
面を含む3つの面で形成される高周波ホローカソード用
空間を設け、該空間を通して前記材料ガス導入部から前
記放電空間内に材料ガスを導入するように構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は基体表面にa−Si:H等の薄膜を形成するため
の薄膜形成装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の薄膜形成方法には、熱化学気相成長(以下、熱
CVDと略記する)法、光CVD法、プラズマCVD法等があ
る。これらの方法の詳細は次の通りである。
熱CVD法; 熱CVD法は、材料ガスを高温で加熱分解し、分解生成
物により基板上に薄膜を形成する方法である。この熱CV
D法では、材料ガスを高温にするために、一般に基板を
高温にし、基板表面でガスで分解する。
光CVD法; 光CVD法は、材料ガスに光を吸収させ、材料ガスのエ
ネルギ状態を励起、分解させることによって基板上に薄
膜を形成する方法である。この方法において、材料ガス
を光吸収によって効率よく分解させるためには、真空紫
外域に波長を持つ光を用いる必要がある。
プラズマCVD法; プラズマCVD法は、現在最も多く用いられている方法
で、電磁波によって材料ガス又は他のガスをプラズマ化
し、プラズマ中の電子と材料ガスの衝突により材料ガス
を分解して生成された活性種を利用して基板上に薄膜を
形成するものである。このプラズマを発生させる手段と
して、直流(以下、DCと略記)放電、ラジオ波(以下RF
と略記)放電、マイクロ波(以下、μ波と略記)放電が
用いられてきた。DC放電にはグロー放電とホローカソー
ド放電がある。ホローカソード放電による成膜を行うた
めの装置は第8図に示す通りで、図中、1はホロー陰極
21,22及び陽極3を収納する真空容器、4は材料ガス導
入部、5は排気口、6はDC電源、7は絶縁体、8及び9
は放電時に生じる陽光柱及び負グローである。なお、こ
の装置の作用については本発明の説明と関連して後述す
る。RF放電は、放電開始電圧が低く大面積で安定なプラ
ズマが比較的容易に得られることから、プラズマCVD法
の中で工業的に最も多く利用されている。このRF放電に
よる成膜を行うための装置は第9図に示す通りで、図
中、11及び12は真空容器1内に対向して設けられた放電
電極及び接地電極、14はシールド板、15はガス吹出口、
16はRF電源、17は負の直流バイアス印加手段(ブロッキ
ングコンデンサ又は直流電源)、18はマッチングボック
スである。なお、第8図と同様の部材には第8図と同様
の符号を付している。成膜に際しては、材料ガス導入部
4からガス吹出口15を通し材料ガスを電極11,12の間の
放電空間内に供給するとともに、RF電源16により放電電
極11にRF電力を印加し、これにより発生したプラズマ13
中の電子との衝突によって材料ガスを分解、活性化させ
て、接地電極12上にセットされて図示しないヒータによ
り加熱される基体100上に薄膜を形成する。最後に、μ
波放電は、高い磁場を用いることによって、10-4torrの
低い圧力においても放電を安定維持できる長所を持って
いる。従って、μ波放電を利用した薄膜形成、特に磁場
による電子サイクロトロン共鳴(以下、ECRと略記)μ
波プラズマCVD法では、薄膜の堆積速度が速く、材料ガ
スの利用効率が向上するとともに低い圧力で薄膜を形成
できるためのSinHm粉体の発生がない。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、これらの従来の方法はそれぞれ次の問題点を
有していた。
熱CVD法; 基板を高温にするために、基板の材料は高温にしても
融解したり変形したりしないものに限定されてしまう。
また、基板の温度を非常に高くすると、化合物薄膜を形
成している元素によっては、該元素が分解し薄膜中から
解離して雰囲気中に放出されてしまい、目的とする薄膜
が得られなくなる。
光CVD法; 真空紫外線に波長を持つ光源を使用するが、この光源
には、連続光を出せる低圧水銀ランプや重水素ランプ
と、パルス光を出すArFエキシマレーザとがある。とこ
ろが、連続光を出す光源は、発光強度が弱く、材料ガス
の光吸収が少なくなる結果、薄膜形成速度が非常に遅く
なる。一方、ArFエキスマレーザは、パルス光でしか発
振できず、その繰り返し周波数も1kHz以下に限定される
ため、材料ガスの励起分解によってできた活性種の寿命
より発光から次の発光までの時間が長くなり、形成され
た薄膜の特性が悪くなってしまう。また、光CVD法は、
光を材料ガスの入った容器内に入射する窓に薄膜が形成
され易く、長時間薄膜を形成する場合、窓に形成された
薄膜によって光入射が阻止されてしまい、基板上に薄膜
が形成されなくなる。
プラズマCVD法 DC放電は、DCグロー放電とDCホローカソード放電のど
ちらの場合でも放電開始電圧が高いばかりでなく、アモ
ルファス半導体や絶縁物の薄膜が電極上に堆積すると、
放電が著しく不安定となり、場合によっては放電不能と
なる。RF放電は、プラズマ密度が108〜1010cm-3と小さ
いため、薄膜を堆積する速度が速く、材料ガスの利用効
率が悪い原因となっている。また、RF放電を利用してRF
プラズマCVD法では、アモルファス半導体薄膜を通常0.1
〜10torrの圧力範囲で形成する。この圧力範囲のうち、
装置や薄膜形成条件により多少異なるが約0.3〜10torr
の圧力では、プラズマ中で分解生成した活性種が他の活
性種や材料ガスと衝突して高分子化したり多分子粒を作
ったりし、放電電極や真空容器内壁にSinHm粉体が付着
する。このSinHm粉体は、薄膜形成1回ごとに真空容器
内から除去しなればならず、このクリーニングを行って
も薄膜形成中にSinHm粉体が発生してこれが成長表面に
付着し、堆積した薄膜に欠陥が生じる。また、薄膜を形
成した真空容器から他の真空容器に基板を真空が維持さ
れた状態で移せるようにした装置においては、この真空
容器を仕切るバルブにSinHm粉体が付着し、バルブ開閉
に支障をきたす原因となる。一方、SinHm粉体の発生し
ない約0.3torr以下の圧力では、電子と材料の衝突確率
が非常に小さくなるため、薄膜の堆積速度、材料ガスの
利用効率が著しく低下する。最後に、μ波放電は、前述
のような利点を有する反面、μ波は次のような特徴を持
っているため、プラズマ密度の高い放電が局所的に発生
し易い。すなわち、μ波は、電源から真空容器まで電力
を効率よく伝えるためには、周波数により定まった断面
の導波管を用いる必要があるとともに、指向性が優れて
いる。そのため、プラズマは、導波管の断面にほぼ等し
い空間で高密度となる。また、ECRμ波プラズマにする
ことによりキャビティの断面にまでプラズマを広げるこ
とができるが、キャビティの大きさも周波数により制限
されており、任意の大面積に均一に薄膜を形成するのが
困難である。また、この外に、μ波放電を用いて得られ
たアモルファス半導体薄膜の特性は、RF放電を用いて得
られた薄膜の特性と比較して非常に悪い。
本発明はSinHm粉体の発生しない低い圧力においても
高速成膜が可能でしかも材料ガスの利用効率を向上させ
ることのできる薄膜形成装置を提供することを目的とす
るものである。
〔課題を解決するための手段〕
上述の目的を達成するため、本発明では、基体がセッ
トされる放電空間に対向する放電電極と、前記放電空間
に材料ガスを導入する材料ガス導入部と、前記放電空間
内の材料ガスをプラズマ状として分解し、活性化させる
ための高周波電力を前記放電電極に供給する高周波電源
と、前記基体の温度を制御する手段とを備えた薄膜形成
装置において、前記放電電極に、1対の対向面を含む3
つの面で形成される高周波ホローカソード放電用空間を
設け、該空間を通して前記材料ガス導入部から前記放電
空間内に材料ガスを導入するように構成する。
〔作用〕
成膜に際しては、温度制御手段により基板を所定温度
に加熱し、材料ガス導入部から放電電極に設けられた空
間を通し放電空間に材料ガスを導入するとともに、高周
波電源から放電電極に高周波電力を印加して基体表面へ
の成膜を行う。
この場合、空間内では高周波ホローカソード放電が起
ってこの部分では他の空間より発光強度の強い安定した
高密度のプラズマが発生する。これにより、電子と材料
ガスの衝突効率は高まり、分解生成された活性種は放電
空間に送られて基体上に堆積する。また、高周波ホロー
カソード放電用空間形成部以外の放電電極の放電面によ
る放電空間内のプラズマも従来と同様に形成される。従
って、SinHm粉体の発生しない低圧下においても高速成
膜が実現され、材料ガスの利用効率が向上する。
〔実施例〕
以下、第1図乃至第7図に関連して本発明の実施例を
説明する。
第1図及び第2図に第1の実施例を示す。
第1図は基本的な薄膜形成装置の構造概要説明図で、
図中、21は放電電極である。なお、従来と同様の部材に
は従来と同様の符号を付している。
放電電極21のガス流入部には、第2図(a)に示すよ
うに、対向面22a,22bと該両面に接続する面22cとに囲ま
れた凹状空間23が設けられ、材料ガス導入部4から導入
される材料ガスは、面22cに連絡するガス吹出口15を通
り空間23内に導かれて両電極の間の放電空間24に導かれ
るようになっている。
成膜に際しては、真空容器1内を排気口5に取り付け
た図示しないロータリーポンプ、メカニカルブースタポ
ンプを用いて圧力10-3torr以下に真空排気する。次に基
体100を接地電極12内に設けられた図示しないヒータ
(温度制御手段)により所定温度に加熱し、材料ガス導
入部4から材料ガスを導入して真空容器1内の圧力を所
定値に設定する。この状態でRF電源16から放電電極21に
RF電力を印加すると、該放電電極21に設けた空間23に他
の空間より発光強度の強い安定した高密度のプラズマが
発生する。このとき、放電電極21の電位は、第7図に示
すように、高周波電圧の負の直流バイアスを重ねた電位
である。この負の直流バイアスは、ブロッキングコンデ
ンサ又は直流電源等の直流バイアス印加手段17によって
実現している。放電電極21が負電位となっているとき、
該放電電極21に設けた空間23の電位分布は、第8図に示
した従来の直流ホローカソード放電におけるホロー陰極
21,22に挟まれた空間の電位分布(第7図(b))とほ
ぼ同じになる。この電位分布を持つ状態で、かつ放電電
極21に設けた放電面である対向面22a,22b間の距離が適
当に小さい場合、対向面22a,22bに挟まれた空間23にプ
ラズマ密度すなわち電子密度が非常に大きいRFホローカ
ソード放電が生じる。同時に、放電電極21の凹部23形成
部以外の部分と接地電極12の間には、通常にRFプラズマ
13が発生している。
このように、本装置を用いた薄膜形成方法では、RFホ
ローカソード放電を材料ガス吹出口付近に発生させるこ
とにより、電子と材料ガスの衝突確率を高め、分解生成
した活性種を基体100に吹き付けて薄膜を堆積すると同
時に、残っている材料ガスをRFプラズマ13によって分解
生成した活性種からも薄膜を堆積することができる。こ
の場合のガス吹出口付近(空間23の部分)でのプラズマ
密度は従来のRFプラズマCVD法の場合の10倍以上にな
り、かつ通常のRFプラズマも同時に利用できるため、材
料ガスの利用効率が向上し、粉体の発生しない低い圧力
においても速い堆積速度で成膜することが可能になる。
なお、上述の説明では放電電極に凹状空間23を形成す
る例に付いて述べたが、凹状空間の代りに第2図(b)
に示すような複数の円筒状の凸状空間25を設けてもよ
い。第2図(c)及び第2図(d)には、円板状放電電
極21′に、凹状の空間26及び凸状の空間27をそれぞれ設
けた例を示している。空間27は導体メッシュ28内に形成
される。
また、成膜後に基体100を取出す際には、RF電源16及
び基体加熱用ヒータの電源のスイッチを切って材料ガス
を止め、真空容器1内の材料ガスを排気する。そして、
基体100の温度が50℃以下に下ってから取り出しを行
う。
第3図に第2の実施例を示す。
第3図は薄膜形成装置の構造概要説明図で、図中、31
は放電電極、32は接地電極、32aは接地電極32に設けら
れたヒータ(温度制御手段)である。
放電電極31は、従来の平行平板型RFプラズマCVD装置
の放電電極に、外径50mm、長さ25mmの円筒型ステンレス
製メッシュ33を取り付けたもので、放電電極31の平板状
放電面31aと接地電極32との距離は35mmで、放電面31aと
ガス吹出口15との距離は15mmである。また、材料ガス導
入部4に接続する円形ガス導入管34にあけたガス吹出口
15から吹き出すガスは、水平面に対し下向き35°の角度
でメッシュ33内に吹き込むようになっている。接地電極
32は直径100mmと小さいもので、小さい基体100に水素化
アモルファスシリコン(以下、a−Si:Hと略記)薄膜等
を形成するものである。35は放電空間である。
次にこの装置により基体100上にa−Si:H薄膜を形成
する要領を説明する。操作手順の概要は前例で説明した
ものと同様である。
成膜に際しては、基体100の温度を230℃に保ち、材料
ガスとしてジシラン(Si2H6)を2.0sccm流し圧力を0.06
torrに調整してRF電力5.0Wでa−Si:Hの堆積を行った。
この結果、材料ガスの利用効率18%、堆積速度8.7Å/s
でa−Si:H膜が得られた。このようにして得られたa−
Si:H膜の暗抵抗は3.7×107Ω・cmで、1mW/cm2白色光を
照射して測定した明抵抗は2.0×104Ω・cmであった。ま
た、成膜後の真空容器1内には粉体が全く付着しておら
ず、容器内壁のクリーニングは不要であった。
なお、メッシュがない場合に同一条件で成膜を行った
ところ、堆積速度は1.3Å/secと非常に遅く、材料ガス
の利用効率も約3%と非常に悪かった。
第4図及び第5図に第3の実施例を示す。
第4図は薄膜形成装置の構造概要説明図で、図中、41
は真空容器、42は放電電極、43は接地電極、46は放電空
間である。本装置は前例と比較して大面積に薄膜を形成
できる大型のものである。
放電電極42は、放電面サイズが464mm×136mmで、該放
電電極42に設けられた凹状空間44のサイズは、長さl=
462mm、幅w=8mm、深さd=28mmで、この空間44に連絡
するガス吹出口15は40mm間隔であけてある。なお、この
ガス吹出口15の径は直径2mmと小さくなっており、この
内でホローカソード放電が起きるので防いでいる。ま
た、各ガス吹出口15から吹き出す材料ガスの流量が一定
となるように、材料ガス導入部4から流入した材料ガス
を一度ガス溜め45で拡散させる構造がとられている。ま
た、第4図では図示していないが、放電電極42には、接
地電極43と放電電極42との間でのみ放電が起こるよう
に、放電面以外の面から約2mm離れた位置に接地したシ
ールドが設けられている。放電電極42の放電面42aと接
地電極43の間隔は23mmである。45は接地電極43に設けら
れたヒータ(温度制御手段)である。
成膜に際しては、前記操作手順によりa−Si:H膜を、
Si2H6流量50sccm、真空容器41内の圧力0.07torr、RF電
力100W、基本100の温度270℃の成膜条件で堆積した。こ
の場合の堆積速度は25.5Å/Sで、放電電極に空間44を設
けない通常のRFプラズマCVD法により同一条件で成膜を
行った場合の堆積速度13.8Å/sと比較して速くなってい
る。また、本例により石英基体上に堆積したa−Si:Hを
用いた測定結果では、暗抵抗が6.9×1010Ω・cmで、白
熱電球の光を1mW/cm2の強度で照射したときの明抵抗が
8.6×106Ω・cmであった。比較のため形成した通常のRF
プラズマCVD法によるa−Si:Hについて同様の測定を行
ったところ、暗抵抗3.0×1010Ω・cm、明抵抗3.2×106
Ω・cmとほぼ同等の値であった。また、フーリエ変換赤
外分光(FT−IR)光度計を用いてシリコンウエハ上に堆
積したa−Si:H中の水素含有量、シリコン原子と水素原
子の結合状態を調べた結果は第5図に示す通りである。
第5図はFT−IR分析によるSi−Hnの伸縮振動による吸光
度スペクトルを示し、この吸光度スペクトルから、水素
含有量が8.7at%で、水素結合状態Si−HがSi−Hm(m
≧2)より大きいa−Si:Hが得られていることが分か
る。この吸光度スペクトルから、本例のa−Si:Hは光導
電性を著るしく劣化させるSi−H3や(−SiH2-nをあま
り多く含んでいないことが分かった。
本第3の実施例の装置を用いて、プラズマの安定性と
放電電極42の電位との関係を、放電ガスとしてSi2H6
モノシラン(SiH4)、アルゴン、ヘリウム、水素、及び
これらのガスを混合したガスについて調べたところ、次
の結果が得られた。
まず、本実施例のプラズマは、放電ガスの種類によっ
て、安定となる圧力、RF電力、ガス流量のそれぞれの範
囲が異なり、放電ガスの種類ごとに安定条件を決める必
要のあることが分かった。但し、放電を起す条件や放電
ガスの種類を変えた場合、プラズマの安定性と放電電極
42の電位には常に次のような関係が成り立っていること
が明らかとなった。第7図に放電電極42の電位の短かい
時間範囲における時間変化を示す。本例の放電電極42に
設けた空間44の中全体で明るいプラズマが安定に発生し
ているとき、放電電極42の電位は第7図(a),(b)
のように、比較的負のバイアス電圧が小さく、波形がRF
電源の波形からあまり歪まない波形を示す。放電電極42
の電位は、空間44の中にプラズマ発光強度の弱い部分が
存在すると、第7図(c)のように負のバイアスが非常
に大きくなり、プラズマが空間44の中で不安定になると
負のバイアス電圧が変化し、波形に歪ができた。また、
第7図に示したよりも長い時間範囲で凹部44の中におけ
るプラズマの暗部が周期的に広がったり狭くなったりす
るような不安定な放電条件では、放電電極42の電位は、
プラズマ暗部の広さの変化に伴って、第7図(b)に示
したような波形全体が周期的に上下することが観測され
た。なお、第7図(c)における波形の歪は、プラズマ
が不安定なときに出現する。ただし、プラズマが不安定
でも放電条件によって、観測されたり観測されなかった
りする。以上述べたように、本実施例による薄膜形成方
法では、プラスマ発生中の放電電極42の電位が第7図
(a),(b)と同様の時間変化を安定に示すようにす
ることが必要である。
第6図に第4の実施例を示す。
第6図は薄膜形成装置の構造概要説明図(第6図
(a)は斜視図、第6図(b)は平面図)で、図中、51
は真空容器、52は円筒状の放電電極である。
本実施例は円筒状アルミニウムの基体101の表面にa
−Si:H薄膜を形成するためのもので、基体101は、同外
径の固定具531,532により放電電極52と同心にセットさ
れる。54は基体101を内側から加熱するように設けられ
たヒータ、55は固定具532を介し基体101を矢印方向に回
転させるモータである。基体101は固定具531,532とと
もに接地電極としての役割を果たす。
放電電極52はガス溜め56を備えた2重円筒状のもの
で、該放電電極52には、円周を4等分する位置に、長さ
468mm、幅10mm、深さ20mmの4個の凹状空間57(図では
便宜上2個のみを示している)が設けられている。放電
電極52が、ガスため56を備えた2重円筒状のもので、該
放電電極52には、円周を4等分する位置に、長さ400m,
幅10mm,深さ20mmの4小の凹状空間57(図では便宜上2
個のみを示している)が設けられている。また、隣りあ
う凹状空間の間に位置する放電電極52の4つの円弧状の
面は、基体101側に2mm離れたところに幅45mmの円弧状シ
ールド板591,592(図には、便宜上2枚のみを示してい
る)で覆い、一部放電しないようにしてある。このシー
ルド板591,592は放電電極の放電面と基体101(固定治
具531,532を含む)との面積比を調整するものである。
これによって、放電電極52の電位波形が第7図(a),
(b)のような波形となるように、プラズマ発生により
生ずる自己バイアスが負に制御される。ガス溜め56は、
材料ガス導入部4から導入される材料ガスを放電電極52
の長さ方向に拡散させるためのものである。
なお、第6図では図示を省略したが、放電電極52の外
周部及び上下にはステンレス製シールソ板が配置されて
いる。
また、次のように形成される薄膜の堆積速度、暗抵
抗、明抵抗等の物性を評価するために、基体101の一部
を切り取ってここに石英基板を取り付けられるように
し、該石英基板上に堆積した薄膜を用いて評価を行っ
た。
成膜に際しては、前記操作手順に従ってホウ素(B)
ドープa−Si:H薄膜を形成した。この場合の薄膜形成条
件は、材料ガスとしてヘリウム希釈のジボラン(B2H6
を混入したSi2H6200sccm、RF電力300W、真空容器51内の
圧力0.05torr、基体101の温度250℃とした。この成膜中
に、基体101の円周方向における薄膜の一様性が得られ
るように、基体101をモータ55により回転させた。
このようにして形成したBドープa−Si:H薄膜の堆積
速度は29Å/sで、材料ガスの利用効果は19%であった。
そして、この薄膜の物性を第3実施例と同様の方法で評
価したところ、暗抵抗1.3×1011Ω・cmで、明抵抗は2.3
×107Ω・cmであり、電子写真感光体に適用可能な物性
を持っていることが確認された。
また、放電電極52のDCバイアスを負に制御しているこ
とは、本発明のホローカソード放電を発生させるのに必
要であるが、これと同時に、堆積した薄膜の剥離を防止
する効果があった。さらに、本発明の薄膜形成装置で
は、プラズマが通常のRFプラズマと比較してより低い圧
力においても容易に閉じ込めが可能であった。
以上各実施例の説明を行ったが、本発明の薄膜形成方
法は、実施例に示した薄膜の形成のみならず、a−SiC:
Hやa−SiGe:H、a−SiN:H等のアモルファスシリコン合
金、多結晶シリコン、アモルファスカーボン(a−C:
H)、さらにSi1-xNx,Si1-xOx等の絶縁体薄膜、BN等の
コーティング膜、W2Si3等の薄膜形成にも応用が可能で
ある。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によれば、従来のRFプラズ
マCVD法の電極構造を変えるだけの簡単な改造を施した
装置により成膜を行うことによって、ガス吹出口近くの
プラズマ密度を大幅に向上させることができ、かつ通常
のRFプラズマも同時に利用できるため、粉体の発生しな
い低い圧力においてもより速い堆積速度で良質の薄膜を
形成することができ、材料ガスの利用効果も向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の薄膜形成装置の構造概
要説明図、第2図(a)〜(d)は同放電電極の各種構
造説明図、第3図は本発明の第2の実施例の薄膜形成装
置の構造概要説明図、第4図は本発明の第3の実施例の
薄膜成形装置の構造概要説明図、第5図は同堆積薄膜の
特性図、第6図(a),(b)は本発明の第4の実施例
の薄膜形成装置の構造概要説明図、第7図(a),
(b),(c)は各実施例における放電電極の電位説明
図、第8図(a),(b)は従来のカソード放電方式プ
ラズマCVD装置の構造、作用、説明図、第9図は従来のR
FプラズマCVD装置の構造概要説明図である。 図中、4は材料ガス導入部、15はガス吹出口、16はRF電
源、21,31,42,52は放電電極、22a,22bは対向面、23,26,
27,44,57は空間、24,35,46,58は放電空間、32a,45,54は
ヒータ(温度制御手段)、100,101は基体である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−31976(JP,A) 特開 昭64−18990(JP,A) 特開 昭62−174382(JP,A) 特開 昭62−13573(JP,A) 特開 昭62−238371(JP,A) 実開 昭60−71140(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体がセットされる放電空間(24)に対向
    する放電電極(21)と、 前記放電空間(24)に材料ガスを導入する材料ガス導入
    部(4)と、 前記放電空間(24)内の材料ガスをプラズマ状として分
    解、活性化させるための高周波電力を前記放電電極(2
    1)に供給する高周波電源(16)と、 前記基体の温度を制御する手段とを備えた薄膜形成装置
    において、 前記放電電極(21)に、1対の対向面(22a,22b)を含
    む3つの面で形成される高周波ホローカソード放電用空
    間(23)を設け、該空間(23)を通して前記材料ガス導
    入部(4)から前記放電空間(24)内に材料ガスを導入
    するようにしたことを特徴とする薄膜形成装置。
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