JP2607552B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JP2607552B2
JP2607552B2 JP62268305A JP26830587A JP2607552B2 JP 2607552 B2 JP2607552 B2 JP 2607552B2 JP 62268305 A JP62268305 A JP 62268305A JP 26830587 A JP26830587 A JP 26830587A JP 2607552 B2 JP2607552 B2 JP 2607552B2
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエンジンの制御装置に関し、特に、例えばス
ロツトル弁等のエンジン出力調整部材の、アクセル操作
に対する応答の改良に関する。
(従来の技術) 自動車エンジンの出力を調整する要素には、燃料供給
量,空燃比等があり、これらの調整要素を決定する支配
的フアクタは、例えばガソリンエンジンではスロツトル
弁の開度である。伝統的なガソリンエンジンにおいて
は、このスロツトル弁はアクセルペダルと機械的に係合
しており、従つてスロツトル開度はアクセルペダルの踏
み込み量によつて決定されていた。
しかし、機械的係合によるスロツトル開度の調整はア
クセル踏み込み量とスロツトル開度とが常に1対1に対
応するために、運転状況の変化に対応したエンジン出力
の調整は不可能である。
そこで、エレクトロニクスの進歩と共に登場したのが
電子制御のスロツトルコントローラであり、アクセルを
ドライバからの走行要求情報の入力源と考えて、アクセ
ル踏込み量からドライバの運転要求を自動車側が判断
し、この要求とエンジンの出力特性とを考慮して、最適
なスロツトル開度を決定しようとするものである。この
ような電子制御のスロツトルコントローラの従来例とし
て、スロツトルコントローラの信頼性改良に関する技術
に例えば特開昭59−122742号があり、アクセル踏込み量
に対するスロツトル開度の特性の改良に関するものとし
て例えば特開昭61−171846号がある。
(発明が解決しようとする問題点) 一方、自動車に対する要求の多様化,エレクトロニク
スの更なる進歩に従つて、例えばターボチヤージヤ等の
過給器を備えたエンジン、例えば電子制御変速器(以
下、EATと略す)等を備えたAT付き自動車、パワーモー
ド,ノーマルモード,エコノミモード等の運転モードを
設定可能にした自動車、自動走行機能を備えた自動車等
が開発、商品化されるに至つている。
これらの自動車の高性能化、高機能化に伴なつて、上
記特開昭61−171846号等のような、一般的なアクセル踏
込み量から判断した急加速時の初期において、変速ショ
ックを防止するために、一律にスロットルの開き動作を
遅延させている。また、特開平1−110849号の制御装置
は、低速段ほど同一アクセル操作量に対するトルク変化
が小さくなるように、スロットル度特性を変更すること
により、変速ショックを防止している。
しかしながら、上記手法では、アクセル急操作時のト
ルクショックを防止することと、発進時における加速性
を向上させることとを両立させることは困難である。
即ち、上記のように急加速時常に一定の遅れをもたす
ものでは、例えば1速を使つた発進時における発進加速
性や、シフトダウン時の追い越し加速性及び、自動変速
機でパワーモードが設定されている時等、運転者が急な
加速を要求している時等において、要求の加速性が得ら
れず運転者に違和感を感じさせてしまうという問題があ
る。
そこで、本発明は上述従来例の欠点を除去するために
提案されたものでその目的は、アクセル急操作時におけ
るトルクシヨツクの防止すると共に、例えば発進時等に
おけるような低ギア側での俊敏な加速性を保持するエン
ジンの制御装置を提案するものである。
(問題点を解決するための手段及び作用) 上記課題を達成するための本発明の構成は、第1図に
示すように、 少なくとも発進変速段を備えた変速機の変速状態に応
じてエンジンを制御するエンジンの制御装置において、 アクセル操作量を検出する操作量検出手段と、 エンジン出力を調整するエンジン出力調整部材と、 検出されたアクセル操作量に基づいて上記調整部材を
駆動する駆動手段と、 変速機の変速状態を検出する変速検出手段と、 前記操作量検出手段と前記変速検出手段の出力を受
け、アクセルの急操作を検知したことに応答して前記調
整部材の変化量が緩慢なものとなるように前記駆動手段
を制御する制御手段であって、アクセル急操作時の変速
段が発進変速段であるときは前記調整部材の変化量の緩
慢度合いを小さくし、アクセル急操作時の変速段が前記
発進変速段以外の他の変速段であるときは前記調整部材
の変化量の緩慢度合いを大きくするように、前記駆動手
段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
即ち、アクセル急操作時の変速段が発進変速段である
ときは、制御手段は調整部材(例えばスロットル弁)の
変化量の緩慢度合いを小さくするので、調整部材の変化
量が相対的に大きくなるので加速性が保持される。一
方、アクセル急操作時の変速段が前記発進変速段以外の
他の変速段であるときは、前記調整部材の変化量の緩慢
度合いは大きくされるので、調整部材の変化量は相対的
に小さくなって加速時のトルクショックが防止される。
(実施例) 以下添付図面を参照して、本発明をターボチヤージヤ
及びEAT機能を備えたガソリンエンジンに適用した実施
例を詳細に説明する。このEAT機能は、後述するよう
に、ギヤ位置(GP)が1速から4速(オーバドライブ)
まであり、更に、変速モードについては、所謂『D』
(ドライブ)レンジにおいて、「パワー」モード、「ノ
ーマル」モード、「エコノミー」モードの3つのモード
が備わつており、各モードに特有の変速パターンが電子
的に用意されている。これらのモードは、後述するよう
に、ドライバが好みに応じて車内のスイツチにより選択
可能である。これらの各モードにおいては、ギアがシフ
トされる速度(変速点)は、上記のパターン順で、より
低い側に移行する。即ち、1つのエンジン回転速度に注
目すれば、変速比は凡そこの順で相対的に小さくなつて
いるということができる。
〈実施例の概要〉 第2A及び第2B図は、この実施例におけるスロツトル制
御の概要を示したものであり、特に、第2A図は定常時に
おけるそれを、第2B図は過渡時におけるそれを示した。
ここで、定常時特性とは、アクセル踏込み量変化に対す
るスロツトル開度の過渡変化経過後の静的特性を言うも
のとする。
定常時 第2A図に従つて、定常走行時における目標スロツトル
開度TAGETは、先ず、アクセル踏込み量α(%)に応じ
てマツプから決定される。このとき、アクセルモードと
アクセルの戻し中であるか否かに応じて、上記マツプを
第2A図に示すように、4種類用意する。こうして、基本
スロツトル開度TVOBが決定される。このTVOBに対し、ア
クセル踏込速度、車速V、過給器のブースト圧B等の
夫々に基づいた補正GAV、GV、GBが施されて、定常時の
目標スロツトル開度TAGETを決定する。
第2A図によると、基本スロツトル開度特性TVOB、全体
的に、エコノミー(第2A図の(a))ノーマル(第2A
図の(b))パワー(第2A図の(c))の順に、僅か
のアクセル踏込み量変化に対してより大き目のスロツト
ル開度が得られる。しかし、このままでは、同じモード
内でも、ギアの変速比が大きいほど(3速2速1
速)、軸出力は大きくなるので、トルクシヨツクが発生
し易くなるために、ギアの変速比が大きいほどスロツト
ル利得を低目に設定している。
また、アクセルの戻し時には、モード設定にかかわら
ず第2A図の(d)のような特性にしてあるために、アク
セルの閉じ変化は略そのままスロツトルの閉じ変化とな
る。従つて、比較的大目にアクセルを踏込んだ状態での
アクセル戻し操作に対して、ドライバの要求通りに減速
を行なう。
また、第2A図の(e)によれば、パワーモードにおい
ては、アクセル踏込速度が大きいほど利得を高くし
て、ドライバの加速要求に答えようとしている。アクセ
ル踏込み量αの大小にかかわらず、踏込速度が大とい
うことは、ドライバが加速の要求を行なっていることを
示すからである。
第2A図の(f)によれば、車速が高いほど利得を上げ
ている。
第2A図の(g)によれば、ブースト圧が高いほど、利
得は小さくなつている。ブースト圧が高いと、エンジン
トルクが大なので、所謂ターボ的なピーキーで段差のあ
る出力特性となるが、(g)に示したような補正を加え
て、フラットな出力特性を得て、車両の運動のコントロ
ール性を向上ことができる。
かくして、低常特性に従つた目標開度TAGETは、 TAGET=TVOB・GAV・GV・GB である。
尚、本実施例に適用されている定常特性における目標
スロツトル開度TAGETの補正要因には、その他に、水温
補正、大気圧補正、ハンドル舵角補正、エアコン作動時
の補正等があるが、本発明とは直接には関係がないの
で、その説明は省略する。
過渡時 第2B図に、アクセル開度が変化したときの、過渡時に
おけるスロツトル制御を示す。即ち、定常時として演算
され求められた目標開度TAGETに補正を施して、最終的
な目標スロツトル開度TAGETFを求めるのである。
即ち、TAGETに対して第2B図の(a)のようなリミツ
タ処理を施す。これは、演算されたスロツトル開度TAGE
Tの値が、100%以上若しくは負になるのを防止するため
である。
第2B図の(b)〜(d)はフイルタ処理を行なう。本
実施例ではデジタルの一次応答フイルタを用いてい
る。。この一次応答フイルタにより、アクセル開度の急
増に対応したTAGETの急増は平滑化され緩やかなものと
なる。さらに、このフイルタの係数β(時定数の逆数)
を、 1速ギアの使用時、又はアクセルの戻し中、または後
述のスロツトルの電子制御が故障したときの機械的制御
によるとき等(第2B図の(b))は、β=1にし、 アクセル踏込速度が大きいときは係数βを比較的小
さ目に設定(第2B図の(c))し、 が小さいときは係数βを大き目に設定(第2B図の
(d))する。
第2B図の(b)によると、応答遅れがなく、アクセル
変化に対し敏感に反応するので、1速ギア使用時は発進
応答性が重視されるという要求が満足される。アクセル
戻し中も応答遅れがなく敏感に応答するので、ドライバ
の減速しようという操作意志に的確に追随する。また、
アクセル踏込速度が大きいとき、即ち急加速時は、応
答遅れが大きくなり、トルクシヨツクが減り滑らかな加
速となる。
尚、第2B図に示したスロツトル開度の過渡特性制御
は、1速ギア,アクセル踏込速度,アクセル戻し中か
否かというフアクタ等によつて変化するが、本明細書に
おいては第10C図等に、更にギア位置,設定モード等を
も加味した実施例をも開示されている。
〈エンジン制御システムの構成〉 第3図は、本発明に係るエンジン制御装置をターボチ
ヤージヤ式エンジンに適用した実施例の構成図である。
図中の主な構成要素について説明すると、1はエアクリ
ーナ、2は吸気温センサ、3はエアフローメータ、4は
ターボチヤージヤ、5はウエストゲートバルブ、6はエ
ンジン本体、7はインタークーラである。かくして、タ
ーボチヤージヤ4の過給に応じて吸入された空気は、エ
アフローメータ3によりその吸気量Qaを計測されなが
ら、インタークーラ7により冷却されつつ、エンジン本
体のインテークマニホールドに向けて移動する。
8はスロツトル弁、9はこのスロツトル弁を駆動する
アクチユエータ、10は、吸気管内の圧力を測定するブー
スト圧センサ、11はインジエクタである。かくして、吸
入空気は、スロツトル弁8により、その量を規制されな
がら、インジエクタ11から噴射される燃料と混合され、
エンジン本体6内の燃焼室に供給され、燃焼爆発する。
排気ガスは排気通路を通り、ターボチヤージヤ4にその
燃焼エネルギーを回転エネルギーに変えて与え、さら
に、触媒コンバータ12により浄化され排出される。
13は電子制御式自動変速機、所謂EATである。このEAT
13はEATコントローラ(EATC)50によつて制御される。
周知のようにその内部いは、トルクコンバータ14、オー
バドライブ機構を備えた遊星ギア部15と、そしてそれら
の為のソレノイドバルブ、油圧回路等が含まれた油圧制
御部17とからなる。EATC50とEAT13との間には、前記ソ
レノイドバルブを開閉して油圧回路を駆動する信号の他
に、この信号によるシフト結果状態を示すシフト信号
(後述のSOL1〜SOL4)等の信号がある。また、EATの出
力軸には車速センサ16が設けられている。
18はスロツトル弁を駆動するDCサーボモータのための
サーボコントロール回路を内蔵したスロツトルコントロ
ーラである。尚、このサーボモータはスロツトルアンク
チユエータ9内にある。20はアクセルペダル、21はその
アクセルの踏込み量を検知するアクセルポジシヨンセン
サである。
〈関連するスイツチ類〉 第4A図は上述のモード(パワー,ノーマル,エコノミ
ー)を選択するスイツチである。
第4図Bは、所謂自動走行機能を駆使するためのスイ
ツチであり、「メイン(MAIN)」スイツチは自動走行を
制御するコントローラ(ASC)に電源を投入するための
ものであり、「セツト(SET)」スイツチは、巡航速度
を設定するためとこのスイツチを所定時間押し続けるこ
とにより加速を行なうためのものであり、「復帰(RESU
ME)」は自動走行モードが解除された後に再びもとの巡
航速度に復帰するためのスイツチ、「コースト(COAS
T)」スイツチはスロツトルを全閉するためのものであ
る。
〈スロツトルセンサ/アクチユエータ〉 第5図に、本実施例のエンジンシステムに用いられる
スロツトルセンサ/アクチユエータのアセンブリの構成
を示す。このセンサ/アクチユエータは、スロツトル弁
の自動車における役割の重大性に鑑みて、所謂フエール
セーフ機能を有したものである。
第5図において、8はスロツトル弁、9はスロツトル
アクチユエータ、18はスロツトルコントローラ、20はア
クセルペダルである。これらは第3図に関連して既に説
明した。アクセル踏込み量を検知するアクセルポジシヨ
ンセンサ21はフエールセーフのために2つあり、21bが
主、21aバツクアツプ用である。これらのセンサはポテ
ンシヨメータになつており、その出力はアクセルを一杯
踏込んだときのアクセル踏込み量に対するパーセンテー
ジが電圧値に変換されたものである。29はアクセルペダ
ル20にワイヤによりリンクしたプーリ、31はスロツトル
弁8とリンクされた係合片である。
スロツトルアクチユエータ9は、サーボモータ28と、
ソレノイド27と、プーリ25と、このソレノイドが付勢さ
れたときにDCサーボモータ28の回転力をプーリ25に伝え
る電磁クラツチ25と、モータ28のサーボ制御のためにプ
ーリ25の回転量及び回転速度を検出してスロツトルコン
トローラ18に帰還するための回転センサ24等からなる。
プーリ25はワイヤによりプーリ32とリンクしている。
尚、プーリ29,32と係合片31は、同一回転軸を中心にし
て回動するものであるが、第5図においては、説明の便
宜上、回転運動を直線運動に変換して表わしている。ス
ロツトルセンサ33は、スロツトル弁8の全開状態若しく
は全閉状態の検出と、スロツトルの電子制御が故障した
ときにスロツトル弁8がプーリ29により直接駆動される
ときのスロツトル開度を検出するためにある。
プーリ29と係合片31とは、その係合位置までに遊びが
あり、そして通常、係合片31はプーリ32と係合状態であ
るように設定されている。また、ECU40が自己診断によ
りOKと判断したときは、クラツチ26は接続の状態になつ
ている。従つて、アクセル20を踏むと、そのアクセル踏
込み量αはセンサ21aにより検知されると同時に、その
信号αがスロツトルコントローラ18を経由してECU40に
送られる。そして、ECU40では、後述の制御により、最
終目標スロツトル開度TAGETFが即座に演算され、その結
果がスロツトルコントローラ18に送られる。スロツトル
コントローラ18は、TAGETFをD/A変換してモータ28を回
転させるとともに、センサ24からの帰還信号に基づい
て、所定回転位置になるようにサーボコントロールを行
なう。即ち、サーボモータはそのTAGETFに応じた量だけ
回転してプーリ32を回転させるので、係合により係合片
31が回転し、スロツトル弁8がTAGETFに見合つた量だけ
開かれる。係合片31が回転すると、係合片31はプーリ29
に対して逃げるので、通常状態では、プーリ29によつて
スロツトル弁8が直接開閉されることはない。
一方、スロツトルコントロールに関する制御回路が異
常と判断されたときは、電磁クラツチ26は断であるか
ら、所定の遊び量だけアクセルを踏込んだ以降にプーリ
29と係合片31とが係合され、以後、スロツトル弁8は、
アクセルペダルとの機械的結合により直接開閉される。
〈コントローラ40への入出力信号〉 第6図は、ECU40の入出力信号等を示した図である。
α(マスタ)とα(サブ)は前述のスロツトルアクチ
ユエータからのアクセル踏込み量である。同じく、スロ
ツトルとスロツトル(サブ)もスロツトルセンサ33によ
り計測されたスロツトル開度である。
変速ソレノイド信号(SOL1〜SOL4)はEATC50からくる
信号で、現時点での変速位置が1速〜4速のいずれかの
ギア位置にあることを示すものである。P,N,Rレンジ信
号は周知のセレクタレバーからのセレクト位置を示す信
号である。また、ノーマル,パワー,エコノミー等のモ
ード信号は、第4A図に示したスイツチからの信号であ
る。MAIN,SET,RES,COAST等の信号は第4B図に示したスイ
ツチからの信号である。
エンジン回転数Nはデイストリビユータ41から、車速
信号Vは車速センサ16から、水温TW信号は水温センサ42
から、大気圧信号PAは不図示の気圧センサから、ブース
ト圧Bはブーストセンサ10から、ハンドル角信号は不図
示の舵角センサから、A/C負荷信号は不図示のエアコン
から、夫々得られる信号である。
出力信号として、前述のTAGETFの他に、DCサーボモー
タ28への通電を強制的にOFFする信号、クラツチ26を断
にする信号等がある。
また、その他のフエールセーフ機構として、ブレーキ
スイツチは2系統設けられている。更に、ブレーキペダ
ルが押されると、アクセルは全閉になるから、第6図の
回路により、サーボモータ28への通電がOFFされる。即
ち、ECU40による演算制御を経ずしてスロツトルを強制
的に全閉にする。
第6図のECU40内に、ECU40内で行なわれる制御の機能
のうち、本発明に特に関連する部分をブロツク的に示
す。その機能として、走り感制御と、スロツトル目標値
制御と、スロツトル演算制御である。走り感制御は、ア
クセル踏込み量,ギア位置,走行モード等から最適なス
ロツトル開度値を設定しようとするものである。その他
の機能として、自動走行制御(ASC)とフエールセーフ
がある。
尚、第6図において、スロツトル目標値設定制御は、
走り感制御とASC制御からのいずれか一方の入力を選択
するようになつているが、これは、走り感制御は主にド
ライバによるアクセル踏込み量から目標スロツトル開度
を決定するのに対し、自動走行中は、原則的にはドライ
バのアクセル操作と関係無しに、設定された車速と実際
の開速とに基づいて、スロツトル開度を決定するためで
あるからである。
〈コントローラの構成〉 第7図はスロツトル制御を行なうECU40の内部構成を
示すブロツク図である。301は入出力(I/O)ポート、30
2はマイクロプロセツサ等のCPUである。301の出力ポー
ト部分はラツチタイプとなつており、ドライバ308に接
続される。又、303は後述の実施例に係る制御プログラ
ム、マツプ等を格納するROM、304は制御に用いる種々の
一時的なデータを格納するためのRAM、305はタイマ割込
みのための時間を設定するプログラム式のタイマ、306
はアクセル踏込み量α等をデジタル値に変換するための
A/Dコンバータ(ADC)である。307は割込み制御部であ
る。
〈スロツトル制御の概要〉 第8図に、第3図のエンジン制御システムにおける特
に本実施例に関連する部分を中心にした制御プログラム
間の関係を示す。第8図に示した制御プログラムのう
ち、本明細書においては、EAT制御に係る部分と燃料制
御に係る部分の詳細は、本発明に特に関係がないので割
愛してある。本発明に特に関連する制御プログラム部分
は、第8図のスロツトル制御メインルーチン(その詳細
は第9図以下に示す)と、スロツトル開度出力ルーチン
(その詳細は第10図以下に示す)である。前者は、30ms
毎のタイマ割込みにより起動され、後者は15ms毎のタイ
マ割込みにより起動される。尚、これらの時間は、1例
に過ぎず、例えば30msというメインルーチンの制御間隔
は、制御対象に対し制御したい最高周波数の数倍以上の
制御周期を設定して決定するようにしてもよい。また、
これら2つの割込みルーチンによつてコールされるサブ
ルーチンを夫々更に、第8図に示す。
第9図に従つて、スロツトル制御のメインルーチンの
概略を説明する。このメインルーチンは前述したよう
に、30ms毎にタイマ起動される。先ず、ステツプS2で、
ドライバによるアクセル操作を検出する。このサブルー
チンの詳細は第9A図に示す。ステツプS4、ステツプS6
で、後述の10ms毎のタイマ割込みルーチン(第10図)で
検出したアクセル開度α及びモードMをメモリから読出
し、これらの信号に基づいて、ステツプS8で、基本スロ
ツトル開度マツプ(ROM303内に格納)をサーチしてTVOB
を決定する。このステツプS2のTVOBサーチは第2A図の
(a)〜(d)に相当し、その詳細は第9C図に示す。
ステツプS2で求められたTVOBに対し、ステツプS10で
アクセル踏込速度補正を行なつて出力T0を得る。このス
テツプS10の補正処理は第2A図の(e)に相当し、その
詳細は第9D図に示す。
次に、ステツプS11で現在の走行モードがパワーモー
ド(M=3)にあるか否かを調べ、パワーモードにある
ときのみ、ステツプS14で、車速に従つた補正を行なつ
て、スロツトル開度T1を得る。この車速補正は第2A図の
(f)に相当するもので、その詳細は第9E図に示す。
ステツプS16ではブースト圧補正を行なう。この補正
は第2A図の(g)に相当し、その詳細は第9F図に示す。
次に、ステツプS18でリミツタ処理を行なう。このリミ
ツタ処理は第2B図の(a)に相当し、その詳細は第9G図
に示す。
こうして、あるモード及びギア位置にある状態で、あ
る踏込み位置にふまれているアクセル開度αに対する定
常時(静時)のスロツトル開度TAGETが演算された。
第10図に従つて、スロツトル開度出力ルーチンの概要
を説明する。このルーチンは15ms毎にタイマ起動され、
この出力ルーチンの一部に、アクセル開度αを変化させ
たときの初期時期(過渡期)に対する制御(フイルタ処
理)が組み込まれている。ステツプS200で、車速センサ
16から車速Vを入力し、ステツプS202で、A/Dコンバー
タ306からアクセル開度αとブースト圧Bを入力する。
更に、後の演算のために、前回(15ms前)に計測され記
憶されていたアクセル開度値をαn-1に格納し、今回計
測したαをαに格納する。尚、ステツプS204では入力
ポート301から、変速ギア位置GPとモードスイツチ位置
をRAM304内に読み込む。ここで、 GP=1(1速) GP=2(2速) GP=3(3速) GP=4(4速) M=3(パワーモード) M=2(ノーマルモード) M=1(エコノミーモード) である。これらのRAM304内に記憶されたデータは、他の
制御における色々のステツプで使用される。ステツプS2
06では、アクセル踏込速度を演算する。この演算ルー
チンの詳細は第10A図に示す通りである。このは前述
の車速補正サブルーチンで使用される。ここで、説明の
便宜上、アクセル踏込速度計算ルーチンを先に説明す
る。
アクセル踏込速度計算 ステツプS210で、前回のアクセル開度αと前回のア
クセル開度αn-1をRAMから読出す。そして、ステツプS2
12でアクセル踏込速度を、 =α−αn-1 により計算する。即ち、15ms間の開度変化をアクセル踏
込速度とする。尚、ドライバの意志を的確に把握するた
めには、例えば、60ms前のデータ、即ち、αn-4と比較
するようにしてもよい。即ち、 =α−αn-4 である。この時間間隔はドライバの意志を確実に把握で
き、できるだけはやくその意志を制御にフィードバツク
するために、できるだけ短い時間間隔がよい。
ステツプS214でmaxととの比較を行なう。ここ
で、maxはアクセルをある速度で踏込み続けるという
1つのアクセル操作過程で、過去検出された最大のの
値である。が増大していれば、即ち、 >max であれば、ステツプS216で、この現在のによりmax
を更新する。即ち、max ← である。次に、ステツプS218で、と所定の小さな定数
εと比較する。もしがεより小さければ、即ち、 <ε であれば、これはアクセル戻し中は勿論のこと、アクセ
ルの踏込みを中止した(アクセルがほとんど停止した)
状態を指し、そのときはステツプS220で、maxを“0"
とする。このようにすることにより、“0"でない値を有
するときのmaxは、アクセルが踏まれ続けられる(α
が単調に増加する)というアクル操作での、最大アクセ
ル踏込速度ということになる。
このアクセル踏込速度計算サブルーチンで求められた
maxは、他のルーチンで使われるために、RAM304に記
憶される。
再び第10図の説明に戻る。ステツプS208は、アクセル
変化の過渡期に対する応答処理を行なつて、最終目標ス
ロツトル開度TAGETFを演算し、スロツトルアクチユエー
タ9に出力するものであり、第2B図の(b)〜(d)に
相当し、その詳細は第10B図に示す。
尚、第10B図は、過渡応答処理の1つの形態であり、
その変形実施例を第10C図に示す。
以下、スロツトル開度制御の詳細について、フローチ
ヤートに基づいて説明する。
〈スロツトルの定常時制御の詳細〉 アクセル操作検出(第9A図) ステツプS20では、アクセル踏込速度をRAM304から
読出し、ステツプS22では、フラグAFを調べる。このAF
フラグは初期状態では“0"にリセツトされており、アク
セル戻し動作を検出すると、“1"にセツトされる。この
アクセル戻し動作の検出は、戻し時に基本スロツトル開
度マツプを変更するためと、TAGETFの過渡処理において
必要となる(第9C図のステツプS44,S46及び第10B図のス
テツプS248を参照)。
さて、アクセル開度αがドライバにより第9B図のよう
に変化させられたときを想定する。初期時は、AFはリセ
ツトしているから、ステツプS24に進む。ステツプS24で
アクセルが踏込まつつあると検出されたとき、即ち、 >0 のとき、アクセル踏込み状態と判断して、ステツプS32
でAFをリセツトしたままにする。即ち、アクセルを踏込
み中は、ステツプS20ステツプS22ステツプS24ス
テツプS32を繰り返す。
アクセルを戻し始めようとして、アクセル開度αが減
少したときは、 ≦0 を検出して、ステツプS26に進む。ステツプS26では、ア
クセル戻し動作が一定以上の速度に達したか、即ち、 <−A(Aは正数) を判断する。一定以上でなければ、ノイズとして処理す
る(ステツプS28)。
<−Aが検出されると、ステツプS30に進んで、ア
クセル戻し動作が行なわれたことを示すためにAFを“1"
にセツトする。
一度、AFがセツトすると、ステツプS22からステツプS
34に進むようになる。ステツプS34では、アクセル踏込
速度が定数値Aを超えたかを調べる。超えたときの
み、ステツプS36でAFをリセツトし、戻し中か、若しく
は踏込み中でもがAを超えない程度では、AFはセツト
したままである(ステツプS30)。
このようにして、アクセルの戻し状態を検知する。更
に、−A〜Aの不感領域を設けることにより誤検出が防
止できる。これは、本実施例では、アクセル戻し時は、
踏込みとは異なつたカーブに沿つてスロツトルを閉じよ
うとする(第12B図参照)ために、アクセル戻しの誤検
出は、スロツトル開度の急変につながるからである。
尚、ステツプS26のAとステツプS34のAとは異なる数
値でもよい。
基本スロツトル開度マツプサーチ(第9C図) ステツプS40,S42で、ステツプS6(第9図)でよみこ
んだ現在の運転モードMが、エコノミーモードか、ノー
マルモードか、パワーモードかを調べる。更に、ノーマ
ルモード,パワーモードのいずれかにあるときで、アク
セル戻し中(AF=1)を検出しているかも調べる(ステ
ツプS44,S46)。そして、各状態に適したマツプを決定
し、ステツプS56で、そのときのアクセル踏込み量αに
対応した基本スロツトル開度TVOBをマツプから読出す。
尚、各状態に対応したマツプのより詳細な特性を第11図
(a)〜(d)に示す。
ここで、アクセル戻しマツプを持つことによるメリツ
トを第12A図と第12B図の対比から説明する。パワーモー
ド、若しくはノーマルモードにおいては、第11図をみて
もわかるように、あるアクセル開度以下では比較的急峻
であり、その開度以上では逆に比較的なだらかとなる。
そのようなアクセル開度は、少なくとも中速以上の場合
が多い。一方、このような中速以上の速度領域において
は、ドライバがアクセルを戻したときに、その戻しに応
じて自動車が素直に減速した方が走行に安定感が得られ
ることは言うまでもない。
しかしながら、パワーモード及びノーマルモード中の
アクセル戻し時にも、第11図の(b),(c)のような
特性のマツプを用いると、例えばパワーモードで、第12
A図において、アクセル開度が△αだけ戻したとする
と、それによるスロツトルアクセル開度変化は△TH1
なり、その変化は極めて小さい。従つて、アクセル戻し
による減速はドライバの予想に反して少ないものとな
る。逆に、アクセル開度が小のとき(例えば20%)のと
きは、わずかのアクセル開度変化に対しても大きなスロ
ツトル開度変化が発生し、減速は予想以上のものとな
る。
そこで、第11図の(d)のような比較的リニアな戻し
特性をパワーモード,ノーマルモードに対して追加する
と、第12B図に示したように、アクセル開度減少(△α
)にリニアに対応したスロツトル開度減少(△TH2
が得られ、前述の不都合は解消する。
尚、エコノミーモードに対しては、戻し特性を追加し
ないのは、この実施例では、エンジンの出力特性によ
り、エコノミーモードのマツプ特性が比較的リニアであ
り、戻し用のマツプが特に必要ないからである。しか
し、スロットルが低開度の領域で出力特性のよくないエ
ンジンでは、利得が大きなマップ特性を必要とする。そ
のような場合では、エコノミーモードであって、アクセ
ル戻し時のためのマップを必要とする。
アクセル踏込速度補正(第9D図) 先ず、ステツプS60で、ステツプS206のアクセル踏込
速度計算ルーチンで演算された最大アクセル踏込速度
maxをRAM304から読出す。ステツプS62,S64で、現在の運
転モードを調べ、ステツプS66〜ステツプS70で、現在の
運転モードに応じた補正利得マツプを選択する。そし
て、ステツプS72で、選択されたマツプから、maxに応
じた補正利得GAVを読出して、 T0=TVOB×GAV を演算する。
ここで、GAVはエコノミーモードについては、max
全域でGAV=1である。即ち、補正無しである。尚、こ
の実施例ではエコノミーモードにおいてはGAV=1とし
たが、エンジンの特性に応じて、例えばスロットル開度
が低い領域でエンジン出力のよくないような場合は、G
AV≧1としてもよい。
一方、ノーマルモード及びパワーモードにおけるGAV
の特性の傾向は、おおむね、最大アクセル踏込速度
maxが大きいほど利得を高くして、ドライバの加速要求
に答えようとしている。アクセル開度が低開度であろう
が高開度であろうが、踏込速度maxが大ということ
は、ドライバが加速の要求を行なつていることを示すか
らである。
ここで、GAVを、その時点での踏込速度ではなく、
最大アクセル踏込速度maxに応じて求めるようにした
のは次の理由による。即ち、ドライバが加速を増加させ
ようとするときは、maxは常に更新されていくので、
maxは同じ意味になる。一方、が、≧εの範
囲で増加したり減少したりするときは、ドライバの加速
意志を重視して、減少時のmaxを使つて補正利得GAV
得るわけである。このようにしても、<εになると
maxは“0"になり、このときのGAVは“1"になる、即ち、
補正はなくなるので、そして、max(ステツプS
66〜ステツプS70参照)を超えるとGAVの値は停留するの
で、問題ないのである。
補正利得GAVが求められたら、ステツプS72で、暫定目
標スロツトル開度T0を、 T0=TVOB×GAV により演算する。
車速補正(第9E図) ステツプS74において、ステツプS200(第10図)で車
速センサ16から読み込んだ車速VをRAM304から取り出し
て、ステツプS76で車速に応じた補正利得GVを読出し
て、ステツプS78で、 T1=T0×GV を演算する。この実施例では、車速Vが60Km/hを超える
と、この補正が効きだし、120Km/hを超えると、補正利
得は停留するようにする。
ブースト圧補正(第9F図) ステツプS80で、ステツプS212で得たアクセル踏込速
度を取り出し、ステツプS82ではステツプS202で得た
ブースト圧Bを取り出す。そして、ブースト圧Bが負の
場合に比して正の場合の方が相対的に少ない値を取る特
性を有するブースト圧補正GB(ステツプS86,S88)を選
択する。即ち、 GB(B:正)<GB(B:負) である。こうすると、ブースト圧Bが負のときは利得を
高めることにより早目にターボゾーン(ブースト圧が正
の状態)にもつてゆく。また、ブースト圧が正のとき
は、利得を低く設定することにより、エンジン出力の過
度の増大による車両の運動特性のコントロールのしにく
さを補償すると共に、加速シヨツクが防止される。
一般に、急加速を行なうと、車速は加速して、ブース
ト圧Bは負(Iにより示す)から正(IIにより示す)に
変化して行く。従来の場合は、第13A図に示したよう
に、Iの領域からIIの領域に以降する時点で加速シヨツ
クが発生するが、本実施例によれば第13B図に示したよ
うに加速度は速やかに最大に達し、その後は加速に変動
は少なく滑らかになつていることがわかる。
さて、第9F図に示した実施例では、単にブースト圧B
が負の場合に比して正の場合の方が相対的に少ない値を
取るような特性をもつ補正を行なう以上に、更に精緻な
補正制御を行なうことにより、ドライバのアクセル操作
からドライバの意志をより多く読取つて、そのアクセル
操作に対応したスロツトル制御を行なうようにしてい
る。即ち、ステツプS86に示したように、が所定値
以上のときは、即ち、ドライバ急加速を行なおうとし
ているときは、ターボゾーンにない場合は、ブースト圧
Bが小さければ小さいほどGBを“1"より大き目の値とし
て早目にターボゾーンに入るようにし、ターボゾーンに
入つたらブースト圧補正を行なわないようにする(GB
1)。
アクセル踏込速度が、 < であるときは、急加速をドライバは望んでいないのであ
るから、非ターボゾーンでは、ある程度の加速性を保持
し(GB=1)、ターボゾーンでは、必要以上の加速を抑
えるために、GBを1以下とする。
リミツタ処理(第9G図) この処理は、スロツトル開度は0%から100%の範囲
でしか開閉できないことに鑑みて、演算により発生し得
る目標スロツトル開度(ステツプS90で演算されたT2
が負の値になつたときを“0"にし(ステツプS98)、100
以上になつたときを100とする(ステツプS96)ものであ
る。このように、リミツタ処理されたスロツトル開度が
TAGETである(ステツプS100)。
以上のようにして、ある運転状態において、 (I)運転モードに応じて、 (II)アクセル開度αに応じて、 (III)アクセル戻し中であるか否かに応じて、 (IV)アクセル踏込速度maxに応じて、 (V)車速Vに応じて、 (VI)ブースト圧Bとアクセル踏込速度に応じて、 スロツトル開度の静特性TAGETが決定される。
〈過渡時のスロツトル制御の詳細〉…基本例 この過渡時のスロツトル制御は、主にアクセル開度α
が大きく変化したときの、スロツトル開度の急激な変化
を一時応答フイルタによる処理により吸収するためのも
のである。そして、更に、この応答フイルタの係数(時
定数の逆数)を走行条件により変化させることにより、
最適な走行間を得るものである。
ここで先ず、デジタルフイルタについて説明する。第
14図に示すように、破線で示した急激なアクセル開度変
化を吸収するには、実線で示したようなスロツトル開度
変化とするのが適当である。このような曲線は例えば指
数関数曲線で得られ、フイルタとして実現するためには
一次応答フイルタが好適である。一次応答フイルタは電
気回路で表わすと、第15図のようなRC積分回路に対応す
ることは周知である。この積分回路において、入力電圧
Xと出力電圧Yとの間には、 の関係がある。sは微分演算子である。すると、上式を
時間空間に変換すると、 これは、 と書き換えられるから、 が得られる。RCが時定数であり、この値が大きい(逆数
が小)ときは、より緩やかなカーブとなり、時定数が小
(逆数が大)のときはより急なカーブになることはよく
知られている。そこで、以下の説明では、上式のXnをス
テツプS100のリミツタ処理で得たTAGETとし、Ynを最終
スロツトル開度目標値TAGETFとし、 とする。
さて、制御を第10B図に従つて説明する。ステツプS23
0,ステツプS232で、踏込速度及びギア位置GPを読出
す。ステツプS234で、前記ステツプS100で演算した暫定
の目標スロツトル開度TAGETをRAM内のTHR1に格納してお
く。ステツプS236では、前回(30ms前)演算された最終
スロツトル開度TAGETFをRAM内のTHR2から読出す。
ステツプS238で、スロツトルが閉じ方向にあるのか、
開き方向にあるのかを判断する。即ち、閉じ方向にある
のならば、 THR1<THR2 であるから、ステツプS252に進んで、THR2を更新してお
く。そして、ステツプS254でTHR1のTAGETを最終スロツ
トル開度TAGETFとし、ステツプS256でこのTAGETFをスロ
ツトルコントローラ18を介してスロツトルアクチユエー
タ9に出力する。閉じ方向にあるときは、応答遅れのフ
イルタ処理を行なう必要がないからである。
一方、スロツトルが開き方向にあるとき、即ち、 THR1≧THR2 のときは、ステツプS240に進む。ステツプS240はの値
に応じて係数βの値を変更するためにある。即ち、 < ならば、アクセルの踏込速度が小さいので加速シヨツク
は少ないと考えられるから、実際のスロツトル開度をよ
り急峻にして加速応答性の確保を重視するために、βを
大き目の値(例えばβ=0.08)とする(ステツプS24
2)。逆に、 ≧ のときは、加速シヨツクを抑えるために、アクセル変化
に対するスロツトル変化をより緩やかにするために、係
数βを小さ目の値(例えば、β=0.04)に設定する(ス
テツプS244)。
ステツプS246で、フイルタリング処理を行なう。これ
は、今回のTHR2が前回(30ms前)のTHR2に対して、 β×(THR1−THR2) だけ漸増するようなフイルタ処理である。例えば、β=
0.04であれば、 である。また、の値として、例えば、 が適当である。
ステツプS248では、ギア位置が1速にある(GP=1)
か、または、アクセル戻し中(AF=1)かを調べる。ギ
アが1速若しくはAF=1にあれば、THR2に格納すべき値
として、ステツプS246で演算した値は採用せずに、ステ
ツプS250でTAGETを採用する。これは1速若しくはアク
セル戻し中のときは、アクセル操作に対する応答速度を
重視するためである。即ち、1速は主に発進時に使用す
ることが多く、このときはエンジン回転数は低い。エン
ジンの低回転数領域は低トルク域(特に、ターボエンジ
ンにおいて顕著である)であり、AT自動車では、その場
合、加速シヨツクよりも発進の応答性悪化として現われ
てくるからである。また、アクセル戻し中に、フイルタ
処理を行なうと、ドライバのアクセル操作感に合致した
減速感が得られないからである。
もし1速でもAF=1でもないならば、ステツプS250,
ステツプS256で、遅れさせられたTHR2をスロツトル開度
として出力する。
〈過渡時のスロツトル制御の詳細〉…変形例 上述の過渡時のスロツトル制御の基本系は、アクセル
の踏込速度に応じて、アクセル開度αの変化に対する
スロツトル開度変化の緩やかさの度合を変更するもので
あるが、この変形例は、更にギア位置GPと運転モードM
にも応じて、このスロツトル開度変化の緩やかさの度合
を変化させようとするものであり、その制御の詳細は第
10C図に示す。
さて、第10B図に示した基本形では、アクセル踏込速
度の値により、2通りのβを用意していたが、この変
形例では、及びギア位置GPと運転モードMに応じてβ
の値を変更させるものであるから、βをどのように選択
するかのみを説明すれば足りる。その選択ステツプがス
テツプS278であり、その詳細なプログラムは第10D図に
示す。また、第10D図の制御により選択される係数β
と、、ギア位置GP、運転モードMとの対応関係を第10
E図の(a),(b)に示す。
第10E図に示された関係によると、βは、 :アクセル踏込速度が大きいほど比較的小さい。こ
れは、第10C図に示した基本形に係る制御と同じ理由に
よる。
:1速ギアまたはアクセル戻し中の場合を除いて、低速
ギアほどβを小さくして遅れ時間を大きくとる。低速ギ
アほど、トルクが大きくなるのでアクセル踏込速度変化
による加速シヨツクが大きいからである。
:モードに関してのβの値は、 β(:パワー)<β(:ノーマル)<β(エコノミー) の順である。つまり、エコノミーモードよりもノーマル
モード、ノーマルモードよりもパワーモードの方が遅れ
が大きくなる。
こうして、アクセル踏込速度及びギア位置GPと運転
モードMに応じた一次応答遅れ時間を設定することによ
り、アクセル開度の急変がスロツトル開度の急変にはな
らず平滑化され、加速シヨツクの減少が図られる。
〈他の変形例〉 尚、以上説明した実施例においては、EAT車により説
明したが、所謂MT車に対しても本発明を適用できる。何
故ならば、MT車においても低ギアほどアクセルを大きく
踏込んだときの加速シヨツクの問題が存在するからであ
る。そして、変速モードの変更も、上記実施例では、変
速点の変更により行なつているが、最終変速比を変える
ことにより変速モードの変更を行なうような自動車にも
適用できる。
また、ガソリン自動車に限らず、デイーゼル車におい
ても適用可能である。
更に、過給器はターボチヤージヤに限られず、所謂ス
ーパーチヤージヤ,慣性過給器等に対しても適用可能で
ある。
(発明の効果) 以上説明したように本発明のエンジンの制御装置は、
アクセルの急操作を検知すると例えばスロットル弁のよ
うな調整部材の変化量を緩慢に制御するだけでなく、さ
らに、アクセル急操作時の変速段が発進変速段であると
きは調整部材の変化量の緩慢度合いを小さくし、アクセ
ル急操作時の変速段が前記発進変速段以外の他の変速段
であるときは前記調整部材の変化量の緩慢度合いを大き
くする。即ち、アクセル急操作時の変速段が発進変速段
であるときは、制御手段は調整部材(例えばスロットル
弁)の変化量の緩慢度合いを小さくするので、調整部材
の変化量が相対的に大きくなるので加速性が保持され
る。一方、アクセル急操作時の変速段が前記発進変速段
以外の他の変速段であるときは、前記調整部材の変化量
の緩慢度合いは大きくされるので、調整部材の変化量は
相対的に小さくなつて加速時のトルクショックが防止さ
れる。即ち、発遠足段での発進時においては、加速応答
性の確保がなされ、発進変速段以外での変速段での発進
時においてはトルクショックの防止がなされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示す機能ブロツク図、 第2A図,第2B図は実施例に係るスロツトル開度演算制御
の全体図、 第3図は本発明を適用したエンジンシステムの全体図、 第4A図,第4B図は第3図実施例の自動車に使用されるス
イツチ類を説明する図、 第5図はスロツトルアクチユエータとスロツトルコント
ローラの関係を説明する図、 第6図はエンジンコントローラユニツト(ECU)40の信
号系統図、 第7図はECU40内の構成を示す図、 第8図はエンジン制御と自動変速制御との関係を示す
図、 第9図はスロツトル制御プログラムのメインルーチンの
フローチヤート、 第9A図はアクセル操作検出制御プログラムのフローチヤ
ート、 第9B図はアクセル操作とフラグAFとの関係を具体例によ
り示す図、 第9C図は基本スロツトル開度マツプサーチ制御プログラ
ムのフローチヤート、 第9D図はアクセル踏込速度補正制御プログラムのフロー
チヤート、 第9E図は車速補正制御プログラムのフローチヤート、 第9F図はブースト圧補正制御プログラムのフローチヤー
ト、 第9G図はリミツタ処理制御プログラムのフローチヤー
ト、 第10図はスロツトル開度出力ルーチン制御プログラムの
フローチヤート、 第10A図はアクセル踏込速度計算制御プログラムのフロ
ーチヤート、 第10B図は基本形に係る応答遅れ処理の制御プログラム
のフローチヤート、 第10C図,第10D図は変形例に係る応答遅れ処理の制御プ
ログラムのフローチヤート、 第10E図(a),(b)は上記変形例に係る係数βの特
性値を示す表の図、 第11図(a)〜(d)は基本スロツトル開度マツプの特
性図、 第12A図,第12B図はアクセル戻しマツプの必要性を説明
する図、 第13A図,第13B図は本実施例に係るブースト圧補正をも
つことによる効果を従来例との比較で説明した図、 第14図は一次応答フイルタのタイミングチヤート、 第15図は一次応答フイルタをデジタルフイルタにより設
計するときの手法を説明する図である。 図中、 1……エアクリーナ、2……温度センサ、3……エアフ
ローメータ、4……ターボチヤージヤ、5……ウエスト
ゲートバルブ、6……エンジン本体、7……インターク
ーラ、8……スロツトル弁、9……スロツトルアクチユ
エータ、10……ブースト圧センサ、11……インジエク
タ、12……触媒コンバータ、13……電子制御自動変速
機、14……トルクコンバータ、15……遊星歯車機構、16
……車速センサ、17……油圧制御部、18……スロツトル
コントローラ、20……アクセルペダル、21,21a,21b……
アクセル開度センサ、24,33……スロツトル開度セン
サ、25,29,32……プーリ、26……クラツチ、27……ソレ
ノイド、28……DCサーボモータ、31……係合部材、40…
…ECU、41……デイストリビユータ、50……EATCであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 栄持 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 外山 薫 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−126336(JP,A) 特開 昭59−115439(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも発進変速段を備えた変速機の変
    速状態に応じてエンジンを制御するエンジンの制御装置
    において、 アクセル操作量を検出する操作量検出手段と、 エンジン出力を調整するエンジン出力調整部材と、 検出されたアクセル操作量に基づいて上記調整部材を駆
    動する駆動手段と、 変速機の変速状態を検出する変速検出手段と、 前記操作量検出手段と前記変速検出手段の出力を受け、
    アクセルの急操作を検知したことに応答して前記調整部
    材の変化量が緩慢なものとなるように前記駆動手段を制
    御する制御手段であって、アクセル急操作時の変速段が
    発進変速段であるときは前記調整部材の変化量の緩慢度
    合いを小さくし、アクセル急操作時の変速段が前記発進
    変速段以外の他の変速段であるときは前記調整部材の変
    化量の緩慢度合いを大きくするように、前記駆動手段を
    制御する制御手段とを備えたことを特徴とするエンジン
    の制御装置。
  2. 【請求項2】前記操作量検出手段はアクセル開度を検出
    するセンサを含み、前記調整部材はスロットル弁であ
    り、 前記制御手段は、 検出されたアクセル開度に基づいてスロットル開度を演
    算する演算手段と、 上記演算手段からの出力であるアクセル開度変化に対す
    るスロットル開度の変化を平滑化する平滑化手段と、 この平滑化手段の動作を不能化する手段、 とを含むことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    のエンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】前記平滑化手段は一次応答フィルタである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第2項に記載のエンジ
    ンの制御装置。
  4. 【請求項4】前記変速検出手段は変速シフトパターンの
    種類を検出することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載のエンジンの制御装置。
  5. 【請求項5】前記発進変速段は1速であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項に記載のエンジンの制御装
    置。
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