JP2606666B2 - スタータ用スイッチ装置 - Google Patents

スタータ用スイッチ装置

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JP2606666B2 JP6135781A JP13578194A JP2606666B2 JP 2606666 B2 JP2606666 B2 JP 2606666B2 JP 6135781 A JP6135781 A JP 6135781A JP 13578194 A JP13578194 A JP 13578194A JP 2606666 B2 JP2606666 B2 JP 2606666B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関を始動させ
るためのスタータに用いられるスタータ用スイッチ装置
に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のものは、例えば実開昭60−30
364号公報に示すように、スタータ用スイッチ装置に
おいて、固定接点と可動接点とを備え、モータの回転に
よって、メジロブロックを回転させて、可動接点を軸方
向に移動させることで、ピニオンを定速度でリングギヤ
側に送り込ませて、その噛込時の衝撃力を小さくしてい
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来のものでは、モータヘの通電の際、およびモータヘの
通電を遮断する際には、スイッチ装置の可動接点が固定
接点側に当接する時、およびスイッチ装置の可動接点が
固定接点から離れる時には、可動接点が固定接点にゆっ
くり当接および解離されることになる。特に、可動接点
が固定接点から離れる前には、固定接点および可動接点
を介してモータに大電流が流れているため、可動接点が
固定接点から離れる際の大電流遮断時には、アーク発生
等による可動接点と固定接点との摩耗,溶着が発生する
という問題点がある。 【0004】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、可動
接点を固定接点に当接させる時、および固定接点から解
離させる時の可動接点の速度を、その時のシャフトの移
動速度より速くすることで、可動接点と固定接点との当
接時ならびに可動接点が固定接点から解離する際にも、
可動接点を勢いよく固定接点に当接ならびに解離させる
ことができ、接点当接ならびに解離時のスピードを速く
し、特に大電流遮断時のアーク発生等による接点の摩
耗,溶着を防止することができるという優れた効果があ
る。 【0005】 【発明の実施の形態】以下本発明を図に示す実施例につ
いて説明する。図1に本発明説明のための前提となるス
タータ用スイッチ装置の断面図、図2に図1におけるス
イッチ装置を適用したスタータの要部断面図をそれぞれ
示してある。ここで、1はスイッチ装置であり、このス
イッチ装置1内には、図3に示す偏平モータであるプリ
ントモータ2が設けられており、このプリントモータ2
の第1のヨーク3は、第1の筒部3aと、この第1の筒
部3aの端部より外周径方向に屈曲した円盤部3bと、
この円盤部3bの外周端部より屈曲し、第1の筒部3a
と対向する第2の筒部3cとから構成される。 【0006】そして、第1のヨーク3の第2の筒部の筒
部3cの端面で、円盤部3bに対向する位置に、円盤状
の第2のヨーク12が配置されている。また、第1の筒
部3aの外周には、端部につば部4aを有する軸受4を
介して、回転軸5がつば部4aと円盤部3bとの間で回
転自在に配置されており、この回転軸5の外周には、段
部5aにより、大径部5bと小径部5cとが形成され、
大径部5bの端部外周には、太陽歯車5dが形成されて
いる。 【0007】6はプリント板で形成された円盤状のアー
マチャであり、回転軸5の小径部5cの外周に配置さ
れ、スペーサ7を小径部5cの端面のかしめ部5eでか
しめて、リング状のスペーサ7でアーマチャ6を段部5
aに押さえつけ、アーマチャ6を回転軸5に固定してい
る。8は磁石であり、アーマチャ6に対向する位置で、
ヨーク3の円盤部3bに接着剤等で固定されている。そ
して、磁石8は、図4に示すように、リング状であり、
周方向に交互に着磁されている。また、磁石8の内周側
にはアーマチャ6に給電するためのブラシ9を通すため
の半円状の切り欠き部8aが2つ形成されている。 【0008】また、磁石8の磁束は、アーマチャ6を通
過して、第2のヨーク12,第1のヨーク3の第2の筒
部3c,円盤部3bを通して、磁石8に戻る。10はブ
ラシ9を保持するブラシホルダであり、ヨーク3の円盤
部3bの穴3dおよび磁石8の切り欠き部8aを通し
て、配置されている。また、ブラシホルダ10は、接点
カバー28内に設けられ、そして、ブラシ9のプラス側
のピグテール(図示せず)は外部端子に接続され、マイ
ナス側のピグテール9aは、ヨーク3の円盤部3bに接
続され、アースされる。また、11はブラシスプリング
である。 【0009】13はボビン14内に巻装されたゼンマイ
であり、一端はボビン14に固定され、他端は回転軸5
の大径部5bの外周にかしめ部5fで固定されている。
また、ボビン14は、図5に示すように、フレーム15
により、支持され、全体で環状となっている。このフレ
ーム15は、軽量化のために窓15aが形成されてい
る。 【0010】16は回転軸5の太陽歯車5dと係合する
遊星歯車であり、周方向に複数個配置され、円盤状の回
転体17に固定されたピン18に軸受19を介して、回
転自在に保持されている。そして、回転体17の穴部1
7b(シャフト21を通す)には、ギヤをなす螺旋状の
ネジ部17aが形成されている。また、20は遊星歯車
16の外周側と係合する環状の内歯歯車であり、太陽歯
車5d、遊星歯車16、内歯歯車20で、減速機構を構
成している。 【0011】21はシャフトであり、第1のヨーク3の
第1の筒部3a内に軸方向に移動可能に配置されてお
り、一端には、U字状のフック部22が、他端には、絶
縁体23を介して、長方形状の可動接点24が設けられ
ている。そして、シャフト21のフック部22側の外周
には、回転体17のネジ部17aに係合する螺線状のネ
ジ部21aが形成され、周方向の端部の一部には、軸方
向にネジ部21aが形成されていない凹部21bが形成
されている。また、シャフト21の外周に形成した段部
21cと絶縁体23との間には、接点圧スプリング25
が挿入されている。 【0012】26,27は可動接点24と当接する一対
の固定接点であり、樹脂で形成された接点カバー28に
固定されている。30はスイッチカバーであり、このス
イッチカバー30の一端には、リング状の軸受31が固
定されており、この軸受31は、シャフト21のネジ部
21aの外周を軸支すると共に、シャフト21の凹部2
1bに嵌合する突部31aを有しており、シャフト21
が軸方向に移動できるが、回転方向には回動不可能とし
てある。また、スイッチカバー30内に、内歯歯車2
0、ボビン14を組み付けたフレーム15、プリントモ
ータ2を挿入し、絶縁板29を介して、接点カバー28
を組み付け、スイッチカバー30内の他端を接点カバー
28の段部28aに巻き締め、固定することで、内歯歯
車20、フレーム15、プリントモータ2が、スイッチ
カバー30内に固定されることとなる。 【0013】32はリターンスプリングであり、シャフ
ト21に設けたプレート32aとスイッチカバー30の
外周との間に挿入されている。次に、図2において、3
3はスタータモータであり、スタータモータ33のヨー
ク34の内周に固定された界磁35の内周に、アーマチ
ャ36が配置されている。アーマチャ36のアーマチャ
コイル36aは整流子37に接続され、この整流子37
上には、ブラシ38が摺動自在に配置されており、ブラ
シ38は接続線39により、マグネットスイッチ1の固
定接点27に接続されている。 【0014】アーマチャ36のアーマチャシャフト40
は、一端をエンドフレーム41、他端をスタータハウジ
ング42に、軸受を介して回動自在に保持されている。
そして、アーマチャシャフト40の外周には、ヘルカル
スプライン40aが形成され、このヘルカルスプライン
40aには、スプラインチューブ43がヘリカルスプラ
イン結合されている。 【0015】ピニオン44はスプラインチューブ43
に、一方向性クラッチ45を介して、連結されていると
共に、アーマチャシャフト40上に軸受を介して、回転
自在に保持されている。46は内燃機関のリングギヤで
あり、ピニオン44と噛み合う。47はレバーであり、
一端をマグネットスイッチ1のシャフト21のフック部
22に係合し、他端はスプラインチューブ43の外周に
係合しており、レバーホルダ48の支点48aを中心に
回動自在となっている。49はドライブスプリングであ
る。 【0016】次に、上記構成においてその作動を説明す
る。図示しないスタータスイッチをONして、マグネッ
トスイッチ1のブラシ9に電圧を印加すると、アーマチ
ャ6に電流が流れて、磁石8の磁束により、アーマチャ
6と共に、回転軸5が軸受4上を回転する。この回転軸
5の回転を、太陽歯車5d及び遊星歯車16を介して、
減速し、回転体17に伝えると共に、回転体17の溝1
7aに係合したシャフト21が共に回転しようとする
が、軸受31の突部31aによって、回転できずに、軸
方向に移動する。 【0017】そして、シャフト21が固定接点26,2
7側に移動すると共に、フック部22により、レバーの
47の一端を引っ張る。レバー47は、レバーホルダ4
8の支点48aを中心として、回動し、スプラインチュ
ーブ43を押し出して、一方向性クラッチ45と共に、
ピニオン44をリングギヤ46側に移動させる。前方
(図中左側)に押し出されたピニオン44は、図示して
ないエンジンと係合しているリングギヤ46と噛み合
う。ピニオン44がリングギヤ46に当接してから、さ
らに前進し、充分に噛み合った時、シャフト21に固定
された可動接点24が固定接点26,27と当接し、回
路を閉じ、図示してないバッテリーに接続された固定接
点26より可動接点24、固定接点27を通じて、スタ
ータモータ33のブラシ38に電流が流れ、アーマチャ
36と共に、アーマチャシャフト40が回転する。この
アーマチャシャフト40の回転を、ヘリカルスプライン
40aを介して、スプラインチューブ43,一方向性ク
ラッチ45を介して、ピニオン44を伝え、ピニオン4
4がリングギヤ46を回転させ、内燃機関を始動させ
る。 【0018】また、プリントモータ2の回転軸5が回転
する時、回転軸5に一端を固定されたゼンマイ13が、
回転軸5の外周に巻き込まれ、プリントモータ2の回転
軸5の回転方向とは逆に回転しようとするエネルギーが
蓄えられる。内燃機関を始動させた後、スタータスイッ
チをOFFすると、プリントモータ2へ電源からの供給
がなくなり、プリントモータ2の回転軸5は回転しなく
なる。この時、ゼンマイ13が元の状態に戻ろうとする
エネルギー(スプリング力)により、ゼンマイ13が固
定された回転軸5が、プリントモータ2の回転とは逆方
向に回転する。回転軸5が逆方向に回転すると、遊星歯
車16,回転体17を介して、シャフト21は、固定接
点26,27から遠ざかる方向(図中左側)に移動す
る。そして、可動接点24、固定接点26,27が開路
し、スタータモータ33への通電を遮断して、アーマチ
ャ36の回転を止める。そこで、ピニオン44とリング
ギヤ46が離脱し、もとの位置までもどる。この時、リ
ターンスプリング32のスプリング力により、ゼンマイ
13の力に加えて移動方向への力がより働き、シャフト
21を素早くもどすことができる。 【0019】従って、上述した実施例においては、以下
の効果がある。 (1)シャフト21の外周に、プリントモータ2および
減速機構をなす遊星歯車16が同軸上に配置され、プリ
ントモータ2の回転軸5の回転を減速機構で減速して、
シャフト21を軸方向に移動させているから、プリント
モータ2と減速機構の軸方向の幅のみであり、スッチ装
置1の軸方向の長さを小さくすると共に、軽量化を図る
ことができる。 【0020】(2)シャフト21は、レバー47を引く
ことのできる強度であればよく、従来におけるプランジ
ャがソレノイドの磁束を利用するために所定の横断面積
以上必要なのに対して、非常に小さな径のシャフトを用
いることができ、スイッチ装置1の径方向の体格を小さ
くすることも可能である。 (3)プリントモータ2のアーマチャ6に給電するため
のブラシ9の配置にうまく接点カバー28内の空間を利
用しており、ブラシ9による軸方向長が大きくなるのを
防止できる。 【0021】(4)減速機構に、遊星歯車16を用いて
いるために、プリントモータ2と遊星歯車16を同軸上
に配置でき、シャフト21の外周に配置したプリントモ
ータ2の回転軸5の回転を、遊星歯車16を介して、容
易にシャフト21に伝達することができる。 (5)プリントモータ2および減速機構(5d,16,
20)を利用して、シャフト21を低速度で徐々に移動
させて、レバー47により、ピニオン44を動かしてい
るのて、急激なシャフト21の移動がなく、したがっ
て、従来におけるレバー47を回動させる前にドライブ
スプリング49がたわんで、シャフト21が先に移動
し、可動接点24と固定接点26,27が当接してピニ
オン44とリングギヤ46との噛み合い性が悪くなって
しまうことを防止することができる。 【0022】なお、図6に示す実施例において、同一符
号は図1と同様のものを示してある。ここで、遊星歯車
16を軸受19で回転自在に保持している回転体50
は、外周に直スプライン部50aが形成されている。5
1は、磁性体の可動円板であり、回転体50の直スプラ
イン部50aとスプライン結合する円筒部51aと、こ
の円筒部51aの一端部(遊星歯車16側)より径方向
外周側に伸びる第1の円盤部51bと、円筒部51aの
他端部より径方向内周側にのびる第2の円盤部51cと
から構成されており、回転体50と可動円板51との間
には、板状の復帰スプリング52が係合している。 【0023】53は電磁力を発生するコイルであり、可
動円板51の第1の円盤部51bと所定の間隔t1 を介
して、スイッチカバー30の側面内周に固定している。
54はシャフト21を駆動するための駆動体であり、内
周には、シャフト21の螺旋状のネジ部21aと嵌合す
るネジ部54aが形成されると共に、回転体51の第2
の円盤部51cと対向する位置に突出部54bが形成さ
れている。そして、突出部54bには、クラッチ板55
が固定されており、第2の円盤部51cと所定の間隔t
2 (t1 >t2 )をあけてある。 【0024】そして、ゼンマイ13の一端は、駆動体5
4の外周にかしめ等で固定されている。また、ゼンマイ
13を巻装するボビン14は、スイッチカバー30の底
部に固定されている。また、銅で形成された可動接点2
4の裏面には、鉄で形成された部材56が接着剤等で固
定されている。 【0025】次に、上記構成において、スイッチ装置1
の作動を説明すると、図示しないスタータスイッチを閉
勢すると、電磁コイル53に通電され可動円板51の第
1の円盤部51bを吸引する。すると、復帰スプリング
52を介して、可動円板51の第2の円盤部51cがク
ラッチ板55と当接し、可動円板51から駆動体54へ
の回転が伝達可能となる。 【0026】また、図示しないブラシ(図1におけるブ
ラシ9)より、アーマチャ6に電流が流れて、回転軸5
を回転させる。この回転を、太陽歯車5d,遊星歯車1
6を介して、減速し、回転体54に伝える。回転体50
と可動円板51とは直スプライン結合されており、回転
体50の回転を、可動円板51を介して、駆動体54に
伝える。 【0027】そして、シャフト21を軸方向に移動させ
て、ピニオンをリングギヤ側に移動させると共に、可動
接点24を固定接点26,27に当接させる。内燃機関
を始動させた後、スタータスイッチを切って、プリント
モータ2、電磁コイル53に通電させていた電流を遮断
すると、可動円板51が、復帰スプリング52により、
回転体50側に戻されて、可動円板51と駆動体54と
の回転伝達が遮断される。 【0028】そして、駆動体54が回転する時に巻き込
まれたゼンマイ13は、駆動体54のみを回転させて、
シャフト21を元の位置に戻す。従って、シャフト21
を戻す時には、ゼンマイ13により、駆動体54のみを
回転させるのみでよいために、シャフト21の戻りを素
早くして、可動接点24,固定接点26,27間のアー
クの発生を少なくすることができる。 【0029】そして、マグネットスイッチ1の停止時に
は、可動接点24に固定した部材(磁性体)56が、磁
石8の吸引力により、第1のヨーク3を介して、磁石8
側に吸引され、可動接点24のふらつきをなくすことも
可能である。また、ピニオン44をリングギヤ46側に
移動させるのを、レバー47の回転で行っているが、シ
ャフト21とピニオン44とを同軸上に配置し、シャフ
ト21の移動で、ピニオン44を移動させてもよい。 【0030】さらに、リータンスプリング32を設けて
いるが、ゼンマイ13のスプリング力のみで、シャフト
21を戻すようにすれば、リターンスプリング32を廃
止してもよい。また、減速機構に遊星歯車16を用いて
いるが、スイッチカバー30内に、同軸上にギヤ比の異
なる2つのギヤを回転自在に固定して、これらギヤのギ
ヤ比の違いにより、プリントモータ2からシャフト21
への回転を減速させるようにしてもよい。 【0031】図7及び図8に示す第1実施例において
は、接点圧カバー28の内周面に、第1の磁石72が固
定され、また、可動接点24をシャフト21と絶縁する
ための絶縁体23には、第1の磁石72と対向し、対向
する面が異極である第2の磁石73が固定されている。
また、第1実施例においては、図6に示されている接点
圧スプリング25をなくしている。さらに、絶縁体23
と止め用ワッシャ75との間には、スプリング74が圧
縮状態で挿入されている。ここで、可動接点24と固定
接点26との間の距離l1 よりも、第1,第2の磁石7
2,73との間の距離l2 の方が大きく設定してある。 【0032】次に、第1実施例の作動を説明すると、シ
ャフト21が移動して、可動接点24が固定接点26側
に近づくと、第1の磁石72と第2の磁石73の両方も
近づき、第1,第2の磁石72,73間の吸引力が、ス
プリング74が固定接点26に当接し、シャフト21の
移動速度よりも速く図8に示す如く、接点間がONする
こととなる。 【0033】この時には、第1,第2の磁石間72,7
3との間には、隙間l3 が形成されることとなる。ま
た、第1,第2の磁石72,73間の磁石吸引力で、可
動接点24の接点圧力を生じさせている。スイッチOF
F時には、ゼンマイ13に蓄えられたエネルギーが解放
され、送りネジ機構は、逆転され、シャフト21が逆に
移動する。この時、可動接点24は、第1,第2の磁石
72,73間の吸引力がスプリング74の力より強い
間、ONのままであり、スプリング74のスプリング力
が、磁石72,73の吸引力を越えると、一気に可動接
点24はOFFされる。 【0034】以上により、可動接点24のON,OFF
は素早く行われ、接点溶着を防止することができる。図
9においては、図6と同様に接点圧スプリング25を設
けているものである。また、接点圧スプリング25とス
プリング74とのスプリング力のかね合いで可動接点2
4が静止している。 【0035】そして、可動接点24と固定接点26との
間の距離l1 よりも、カバー30とプレート32aとの
間の距離l4 の方を小さくすることで−プレート32a
とカバー30との当接で、シャフト21の軸方向の移動
を規制するものである。なお、第1,第2の磁石72,
73を用いたが、どちらか一方を鉄板(磁性体)として
もよい。 【0036】図10に示す第2実施例において、図1と
同一符号は同一のものを示すものである。80は、遊星
歯車16を回転自在に軸支する突出部80aを有する円
板状の支持体であり、内周軸受を介して、第1のヨーク
3の第1の筒部3aの外周に回動可能に設けられてい
る。 【0037】81はシャフト21の螺線状の溝21aに
嵌合する回転体であり、この回転体81の外周の一端側
には、ゼンマイ13の一端が固定されている。また、他
端側には、周方向に等間隔に凹部81aが3つ形成され
ている。82は円板状のクラッチ本体であり、内周は、
軸受を介して、回転体81の外周に回動自在に設けられ
ている。 【0038】そして、図11(a),(b)に示す如
く、クラッチ本体82の外周側には、円弧状の凹部82
aが周方向に3つ形成されると共に、支持ピン82bが
凹部82aの一端と中心(シャフト2の軸心)との間
に、支持体80側に突出している。83はクラッチレバ
ーであり、図11(a),(b)に示す如く、内周先端
には、回転体81の凹部81aに係合する爪部83a
と、中心に長円の穴部83bと、後端側に形成された穴
部83cとからなる。 【0039】そして、クラッチレバー83は、穴部83
cをクラッチ本体82の支持ピン82bに挿入して、こ
の支持ピン82bの先端をかしめることくで、クラッチ
レバー83が支持ピン82bを中心として回動可能に配
置されることとなる。また、支持体80には、クラッチ
本体82の円弧状の凹部82aに挿入される板状の突起
80bがもうけられると共に、クラッチレバー83の長
円の穴部83b内に遊嵌合するピン80cが形成されて
いる。さらに、このピン80cは、突起80bと中心
(シャフト21の軸心)との間を結ぶ線上に形成されて
いる。 【0040】そして、支持体80の突起80bと、クラ
ッチ本体82の円弧状の凹部82aの一端との間に、ス
プリング84が挿入されている。次に、第2実施例につ
いて、その作動を説明すると、スイッチ装置に電源が供
給されていない時には、支持体80は減速した後の回転
が伝わる機構のために、回転方向には固定されることと
なる。それに対してクラッチ本体82は回動自在であ
り、スプリング84のスプリング力により、支持体80
の突起80bが、クラッチ本体82の円弧状の凹部82
aの他端面に当接するまで、クラッチ本体82を回動さ
せて、図11(a)に示す状態としている。 【0041】スイッチ装置1を起動すると、プリントモ
ータ2と共に、遊星歯車16が回転し、アーマチャ6の
回転が、遊星歯車16で減速され、図11(b)の矢印
に示す如く、支持体80に伝達される。また、クラッチ
本体82は静止しており、慣性があるため、支持体80
の回動と共に、突起80bがスプリング84をたわませ
ると同時にピン80cがクラッチレバー83の長円の穴
部83b内を周方向に移動する。そして、このピン80
cの移動により、ピン80cとクラッチ本体82の支持
ピン82bとの間の距離が短くなり、支持ピン82bを
支点として、クラッチレバー83の爪部83a側が回転
体81側に移動する。 【0042】最後に、爪部83aが回転体81の凹部8
1aに嵌合することで、支持体80の減速させられた回
転が、クラッチレバー83を介して、回転体81に伝わ
ることとなる。そして、回転体81の回転シャフト21
に伝える。なお、クラッチ本端82は、ピン80cの移
動と、リターンスプリング84の戻り力で、回転しない
ように質量を大きくしてある。 【0043】キースイッチを、OFFにすると、モータ
回転力がなくなり、圧縮されたリターンスプリング84
によって、図11(a)に示す如く、ピン80cが支持
ピン82bより離れて、クラッチレバー83の爪部83
aが外周側に移動して、クラッチレバー83の爪部aが
回転体81の凹部81aから、はずれて、回転体81
と、支持体80とが分離され、回転体81のみがゼンマ
イ13の力によって、高速で回転し、シャフト21と共
にピニオン,可動接点24が元の位置に、すばやく戻
る。すばやく、可動接点24が戻ることにより、接点溶
着を防いでいる。 【0044】図12及び図13(a),(b)に示す第
3実施例において、遊星歯車16を保持する回転体17
の内周面には、円周方向に第1,第2の段部17c,1
7dが形成されている。また、85はシャフト21の溝
21aと係合する駆動体であり、この外周の一端側に
は、回転体17の第1の段部17cに嵌合するフランジ
部85aが形成されている。 【0045】さらに、図14に示すスプリング86は、
両端に軸方向にのびる保持部86a,86bが形成され
ている。そして、駆動体85のフランジ部85aに設け
た穴部85bに、スプリング86の保持部86aを挿入
し、回転体17の第2の段部17dに設けた穴部17e
に、スプリング86の保持部86bを挿入している。 【0046】次に、この実施例の作動を説明すると、プ
リントモータ2の回転が、遊星歯車16を介して減速し
て、回転体17に伝えられる。この回転体17の回転に
より、スプリング86はねじれ,図23(b)に示す如
く、外周側に広がり、回転体17の内側に当接するま
で、回転体17は空転する。そして、スプリング86が
これ以上拡げられなくなると、スプリング86を介し
て、駆動体85に回転力が伝達され、駆動体85が回転
し、シャフト21を前進させる。 【0047】次に、スイッチ装置への電源をオフする
と、回転体17は遊星歯車16による減速をしているの
で、回転しにくい、そのため、スプリング86に貯えら
れたスプリング力により、駆動体85のみが回転し、シ
ャフト21はすみやかに戻り始め、その後は、駆動体8
5の慣性とリターンスプリング32の力により、シャフ
ト21は元の位置に戻る。 【0048】なお、スプリング86のねじれ回数を調整
し、接点たわみ以上の戻り量とすることで可動接点24
と固定接点26との離脱をすみやかに行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明説明のための前提となるスタータ用スイ
ッチを示す断面図である。 【図2】第1図におけるスイッチ装置を適用したスター
タの要部断面図である。 【図3】プリントモータを示す断面図である。 【図4】磁石を示す締めである。 【図5】ゼンマイおよびフレームを示す正面図である。 【図6】本発明説明のための前提となるスタータ用スイ
ッチ装置の他の実施例をしめす判断面正面図である。 【図7】スタータ用スイッチ装置の第1実施例を示す判
断面正面図である。 【図8】第1実施例の作動状態時を示す要部断面図であ
る。 【図9】スタータ用スイッチ装置を示す要部断面正面図
である。 【図10】スタータ用スイッチ装置を示す要部断面図で
ある。 【図11】(a),(b)は第10図におけるB−B線
に沿うと共に、非作動,作動状態をそれぞれ示す断面図
である。 【図12】スタータ用スイッチ装置を示す要部断面図で
ある。 【図13】(a),(b)はc部を拡大した断面図であ
る。 【図14】スプリングの斜視図である。 【符号の説明】 1 スイッチ装置 2 プリントモータ 5 回転軸 5d 太陽歯車 16 遊星歯車 17 回転体 17a ネジ部 20 内歯歯車 21 シャフト 21a ネジ部 24 可動接点 26,27 固定接点 33 スタータモータ 44 ピニオン 46 リングギヤ 63,66,69,72,73 付勢手段

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】電源からスタータモータへの通電を
    制御すると共に、前記スタータモータの回転が伝えられ
    るピニオンを内燃機関のリングギヤに噛み合わせるスタ
    ータ用スイッチ装置において、 固定接点(26,27)と、 一端に前記固定接点と当接し、前記電源から前記スター
    タモータ(33)への通電を行う可動接点(24)を有
    し、軸方向に移動可能に設けられ、前記ピニオン(4
    4)を前記リングギヤ(46)側に移動させるためのシ
    ャフト(21)と、 このシャフトと係合する回転軸(5)を備え、この回転
    軸の回転によって、前記シャフトを軸方向に移動させる
    モータ(2)とを備え、前記可動接点を前記固定接点に当接させる時、および前
    記固定接点から解離させる時の前記可動接点の速度を、
    その時の前記シャフトの移動速度より速くした ことを特
    徴とするスタータ用スイッチ手段。
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