JP2606453B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP2606453B2 JP40975590A JP40975590A JP2606453B2 JP 2606453 B2 JP2606453 B2 JP 2606453B2 JP 40975590 A JP40975590 A JP 40975590A JP 40975590 A JP40975590 A JP 40975590A JP 2606453 B2 JP2606453 B2 JP 2606453B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、過給機を備えたエン
ジンやリーンバーンエンジンいるいは可変気筒エンジン
などの出力トルク特性を高低の少なくとも二様に切換え
ることのできるエンジンに連給されている自動変速機を
制御する装置に関し、特にエンジンとの間でトルクを伝
達する伝動機構として伝達トルク容量を変えることので
きる機構を備えた自動変速機を対象とする制御装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように車両用の自動変速機は、オ
イルなどの流体を媒体としてトルクコンバータを介して
エンジンに連結されている。トルクコンバータは、ポン
プインペラで生起させた螺旋流をタービンランナに供給
し、またタービンランナからポンプインペラに流れる流
体の流れ方向をステータによって変え、これよりトルク
の増幅作用を生じさせるものである。
【0003】ところでエンジントルクの特性は、一般的
には図12に示すような特性であって、スロットル開度
θが大きいときには高回転側にピークトルクが現れ、ス
ロットル開度θが小さければ、低回転側にピークトルク
が現れる。なお、図12で実線はエンジンの出力トルク
特性を高めた状態でのトルク特性を示し、破線は低出力
トルク特性に設定した場合のトルク特性を示す。
【0004】したがっていずれの運転状態においても効
率が良く、また動力性能が向上するようにトルク伝達を
行うには、トルクコンバータにおけるトルク容量を運転
状態に合わせて変えることが好ましいと考えられる。
【0005】このような考えの下に、例えば特開平1−
150066号公報に記載された発明では、ステータを
複数に分割するとともにそれらのステータをクラッチに
よって固定部に連結し、そのクラッチを作動制御するこ
とによって、トルクコンバータ容量を変えることとして
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに上記の公報に
記載されたトルクコンバータは、ステータによる反力を
制御することによってトルク容量を変えるものであるか
ら、ステータが作用しないカップリングレンジにおいて
は、一般的なトルクコンバータと何等変わるところはな
い。
【0007】ところで上記従来のトルクコンバータは、
スロットル開度に応じてトルク容量を変えるものである
が、図12に示すように出力トルク特性が高低の二様に
変化するエンジンに連結されたトルクコンバータについ
ては、そのトルク容量をどのように制御すべきかについ
て、従来充分に知られていず、必ずしも満足のできる制
御が行われているとは言い難い。
【0008】すなわち低出力トルク特性でエンジンを運
転している場合、エンジンのトルク変動が大きいので、
これに起因する振動を低減する要請があり、また同時に
燃費の改善のために低出力トルク特性で運転するのであ
るから、トルク伝達の効率を良くする要請があり、さら
にはエンジンの出力が低出力トルク特性であっても過不
足のない駆動トルクが求められる。また一方、高出力ト
ルク特性で運転している場合にも、エンジンのトルク変
動に起因する振動は小さいことが好ましく、またエンジ
ントルク自体が大きいのであるから、トルクコンバータ
としては高トルクよりも効率が良いことが求められる場
合もある。
【0009】このように出力トルク特性が大きく変化す
るエンジンに連結したトルクコンバータでは、スロット
ル開度以外に、エンジンの運転状態に合わせた制御が必
要となるのであって、その制御の仕方によっては、燃費
や乗心地、走行性能などが大きく影響を受ける。
【0010】この発明はこのような事情に鑑み、コンバ
ータレンジであるかカップリングレンジであるかを問わ
ずにエンジンの運転状態に合わせてトルクコンバータの
トルク容量を制御して、動力性能に優れるとともに振動
が少く、また燃費の良い走行を可能にする自動変速機の
制御装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、以下に述べる構成としたことを特徴
とするものである。
【0012】すなわち図1はこの発明の制御装置を原理
的に示すブロック図であって、エンジン1は過給機を備
えたエンジンやリーンバーンエンジンあるいは可変気筒
エンジン等の出力トルク特性を少なくとも高低の二様に
切り替えることのできるエンジンである。
【0013】これに連結した自動変速機2は、伝動機構
3と歯車変速機構4とを有しており、さらにその伝動機
構3は、エンジン1に連結された入力部材5と歯車変速
機構4に連結された出力部材6との間でトルク伝達を行
うトルクコンバータ7と、入力部材5に対して係合・解
放させられる直結クラッチ8と直結クラッチ8に直列に
配列された可変容量型の粘性継手9とによって構成され
ている。
【0014】エンジン1は、例えばスロットル開度が良
め定めた値以上となるなどの高負荷時に、過給機を駆動
して低トルク特性から高トルク特性に変えるよう制御さ
れ、その出力トルク特性を検出するトルク特性検出手段
10が設けられている。また直結クラッチ8は、例えば
車速が所定値以上でかつスロットル開度が所定値以下の
ロックアップ領域において係合されるものであって、こ
の直結クラッチ8が係合されていることを検出するロッ
クアップ検出手段11が設けられている。
【0015】さらに可変容量型の粘性継手9は、内部に
封入した高粘性流体の剪断抵抗によってトルクを伝達
し、その高粘性流体の圧力あるいはこれに剪断力を与え
る一対の回転部材の間隔を変えることによって伝達トル
ク容量が変化するものであり、その伝達トルク容量を変
えるための伝達トルク容量設定機構12が設けられてい
る。
【0016】この伝達トルク容量設定機構12に指令信
号を出力する伝達トルク容量調整手段13が設けられて
おり、これは、直結クラッチ8が継合している状態でエ
ンジン1の出力トルク特性が高トルク特性の場合に、可
変容量型粘性継手9における伝達トルク容量を低減する
ようになっている。
【0017】
【作用】エンジン1は運転者によるアクセルペダルの操
作によって出力が調節され、出力トルクはその時点での
出力トルク特性に従って増減する。またスロットル開度
が所定値以上になる高負荷時には、例えば過給機が動作
して出力トルク特性が切替わり、エンジントルクがステ
ップ的に増大する。この出力トルク特性の変化が生じる
と、トルク特性検出手段10が高出力トルク状態を検出
して信号を出力する。
【0018】また直結クラッチ8が係合していれば、ロ
ックアップ検出手段11がこれを検出して信号を出力す
る。
【0019】これらの検出手段10,11から伝達トル
ク容量調整手段13に信号が入力されると、伝達トルク
容量設定機構12に対し前記粘性継手9における伝達ト
ルク容量を低減するよう信号が出力され、これに基づい
て粘性継手9が伝達トルク容量設定機構12によって制
御されてその伝達トルク容量が低下する。
【0020】伝動機構3の全体としてのトルク容量は、
トルクコンバータ7のトルク容量と粘性継手9の伝達ト
ルク容量とに基づいて決まり、これらが小さくなるほど
小さな値になるので、上記のように粘性継手9の伝達ト
ルク容量の低下に伴って伝動機構3全体としてのトルク
容量が小さくなる。
【0021】したがってエンジントルクが増大した場
合、伝動機構の伝達トルク容量が低下してそのトルク比
が大きくなるので、タービントルクすなわち自動変速機
の出力軸トルクが大きくなって優れた動力性能を得るこ
とができる。
【0022】また出力トルク特性が低トルク特性の場合
には、粘性継手における伝達トルク容量が、高トルク特
性の場合に比較して大きくなるので、伝動機構における
スリップが少なくなり、トルクの伝達効率が向上するた
め、燃費の向上を図ることができる。またトルクコンバ
ータにおける入力トルクの変動は、エンジン回転数の変
動の二乗に比例して大きくなり、かつタービントルクの
変動は、入力トルクの変動量とトルク比との積になる
が、粘性継手を介したトルク変動は、入力回転数の変動
量にのみ比例するので、上記のように高トルク特性の状
態で粘性継手の伝達トルク容量を大きくすることによ
り、回転変動の伝達度合いが小さくなり、振動やこもり
音の低減に有利になる。
【0023】
【実施例】つぎにこの発明を実施例に基づいて説明す
る。
【0024】この発明で対象とする自動変速機が連結さ
れているエンジンは、前述したように過給機を備えたエ
ンジンや可変気筒エンジンあるいはリーンバーンエンジ
ンなどの出力トルク特性を高低の少なくとも二様に切換
えることのできる公知のエンジンである。これに対して
自動変速機はトルク容量を制御できる伝動機構を備えた
ものであり、かつこの発明の制御装置はその伝動機構を
直接的な制御対象とするものである。
【0025】そこで先ずその伝動機構の一例を図2を参
照して説明する。
【0026】図2に示す伝動機構は図1を参照して説明
した伝動機構を具体化したものであって、トルクコンバ
ータ20は、フロントカバー21とポンプインペラ22
のケーシングとでハウジング23が形成され、そのハウ
ジング23内には、ポンプインペラ22からのトルクを
ATオイルを介して伝達されるタービンランナ24と、
ハウジング23内に充填されているATオイルの流れる
方向を調整するステージ25とが設けられている。さら
に前記タービンランナ24は、出力軸26にスプライン
嵌合させたハブ27に固定されており、そのハブ27に
は、円盤状の被駆動側部材28がタービンランナ24と
フロントカバー21との間に位置するよう固定されてい
る。
【0027】また、この被駆動側部材28とタービンラ
ンナ24との間には、環状の駆動側部材29が軸線方向
に移動可能に設けられている。そして、円盤状の被駆動
側部材28と駆動側部材29との互いに対向する面に
は、断面櫛歯状の互いに凹凸嵌合する同心円状の多数の
リブ30,31が形成されている。これらのリブ30,
31の断面形状は図に示すようにテーパ状となってお
り、両者の噛み合い深さが深くなるに従って、両者の間
の関隙が狭く、かつラップ長さが長くなるように形成さ
れている。
【0028】また、この対向する被駆動側部材28と駆
動側部材29との間には内外周部をX型シール32,3
2でシールした空洞部分が形成されており、その内部に
は、シリコン油等の高粘性油と共に適当量の空気が封入
されて可変容量型粘性継手である粘性カップリング33
が形成されている。したがって、被駆動側部材28と駆
動側部材29とを接近させると、両者の間に封入された
高粘性油が加圧されるとともに両リブ30,31の間隙
が狭くなることによる高粘性油の剪断抵抗の増大および
ラップ長さの増加によって、粘性カップリング33の伝
達トルク容量がアップするようになっている。
【0029】また、環状の前記駆動側部材29の周縁部
には、トーショナルダンパ機構の複数のコイルスプリン
グ34が、駆動側部材29の回転変動を緩和して振動を
抑えるべくスプリングガイドプレート35,35に支持
されて設けられている。また、このスプリングガイドプ
レート35,35には、断面コ字形で環状のクラッチデ
ィスク36が、軸線方向の移動を許容されて支持され、
このクラッチディスク36の外面(図2において左側
面)には摩擦材37が貼り付けられている。そして、こ
のクラッチディスク37とハウジング23のフロントカ
バー21とによってロックアップクラッチ38が形成さ
れている。
【0030】このロックアップクラッチ38のオン・オ
フ制御は、予め定められているロックアップマップに従
って油圧で制御されるようになっている。
【0031】そして、粘性カップリング33を構成する
円盤状の被駆動側部材28と駆動側部材29との各周縁
部には、環状のテーパ面39,40が対向するように形
成され、この両テーパ面39,40を機械的に係合させ
てクラッチ接続するコーンクラッチ41が形成されてい
る。そして、このコーンクラッチ41によって被駆動側
部材28と駆動側部材29とをスリップさせることなく
機械的に接続できるようになっている。
【0032】上記のロックアップクラッチ38のオン・
オフ制御および粘性カップリング33の伝達トルク容量
を制御するための油圧制御装置42および電子コントロ
ールユニット(ECU)43が設けられている。
【0033】油圧制御装置42は、ロックアップクラッ
チ38よりもタービン24側の部分に連通するAポート
44から油圧を供給し、あるいは反対にロックアップク
ラッチ38よりもフロントカバー21側の部分に連通す
るBポート45から油圧を供給するよう、油路を切換え
る機能と、これら両方の部分の差圧(P1 −P2 )を調
整する機能とを備えており、そのための油圧回路の一例
を簡単に示せば、図3のとおりである。
【0034】前記Aポート44およびBポート45は、
調圧・切換部46に接続されており、この調圧・切換部
46には、オイルポンプ47で発生した油圧をプライマ
リレギュレータバルブ48で調圧して得たコンバータ油
圧Pc が供給されている。また調圧・切換部46は、単
一のバルブもしくは複数のバルブを主体に構成されてお
り、信号圧Psiに基づいて動作することにより、コンバ
ータ油圧Pc をAポート44に供給するとともにBポー
ト45から排圧し、あるいは反対にコンバータ油圧Pc
をBポート45から供給するとともにAポート44から
排圧するよう油路を切換え、また信号圧Psiの大小に応
じて、Bポート45から排圧する圧力を調整するように
なっている。
【0035】信号圧Psiを発生する手段は、図3に示す
例では、電磁弁を含む信号圧発生部49であって、リニ
アソレノイドバルブやデューティ制御ソレノイドバルブ
などの電気的に調圧することのできる電磁弁で発生した
油圧を信号圧Psiとしてそのまま出力し、もしくは電磁
弁で発生した油圧に基づいて他のバルブで調圧して得た
油圧を信号圧Psiとして出力するようになっている。
【0036】この信号圧発生部49から出力する信号圧
Psiは、図示しない自動変換機におけるブレーキなどの
摩擦係合手段を係合させる油圧PB1,PB2を入力されて
オン・オフ動作するリレーバルブ50を介して前記調圧
・切換部46に入力されるようになっている。
【0037】すなわち図3に示す構成では、信号圧Psi
の圧力が高いほどBポート45での圧力を低くして、ロ
ックアップクラッチ38を挟んだ両側の差圧(信号圧P
1 −P2 を大きくすることにより、ロックアップクラッ
チ38を係合させるとともに、前述した駆動側部材29
と被駆動側部材28とを接近させて粘性カップリング3
3の伝達トルク容量を高くするようになっている。また
信号圧Psiを低くした場合には、調圧・切換部46にお
いてコンバータ油圧Pc の供給方向が反転され、Bポー
ト45にコンバータ油圧Pc を供給するとともに、Aポ
ート44から排圧するようになっている。なお、この場
合、ロックアップクラッチ38は解放される。
【0038】以上述べたように図3に示す油圧回路は、
直接的には信号圧は発生部49における電磁弁を制御す
ることにより制御され、その電磁弁をリニアソレノイド
バルブとした場合の制御手段の一例を図4にブロック図
で示す。
【0039】図4に示す制御手段は、マイクロコンピュ
ータを主体とする電子コントロールユニット43の一部
を機能的に示すものであって、図1に示す手段のうち主
に伝達トルク容量調整手段13に相当する。すなわちこ
こに示す制御手段には、ブレーキスイッチ51からのブ
レーキ信号B、スロットル開度センサー52からのスロ
ットル開度θ、アイドルスイッチ53からのアイドル信
号i、車速センサー54からの車速信号V、ギヤ段スイ
ッチ55からのギヤ段信号G、油圧スイッチ56,57
のそれぞれからの油圧信号Sp1,Sp2等が入力されてい
る。またこの制御手段は、前述した粘性カップリング3
3における伝達トルク容量を決定する伝達トルク容量決
定部58と、制御油圧決定部59と、制御電流値決定部
60とを備えており、前述した信号に基づいて信号圧発
生部49の電磁弁を制御する制御電流値を決定し、かつ
出力するようになっている。すなわち伝達トルク容量決
定部58は、粘性カップリング33において設定すべき
伝達トルク容量を入力された各信号に基づいて演算して
求め、また制御油圧決定部59は、伝達トルク容量決定
部58で求められた伝達トルク容量を達成するために必
要な油圧、すなわちロックアップクラッチ38を挟んだ
両側での差圧を求め、制御電流値決定部60はその差圧
を達成するために必要な電流値を決定するようになって
いる。
【0040】つぎに上述した装置の作用について説明す
る。
【0041】図5は上記の粘性カップリング33におけ
る伝達トルク容量Cv の制御ルーチンの一例を示すフロ
ーチャートであって、過給機を備えているエンジンに連
結した自動変速機を対象とするものである。また以下に
述べる制御はロックアップクラッチ38に直列に配列し
た粘性カップリング33における伝達トルク容量を制御
するものであるから、ロックアップクラッチ38が係合
していることを前提としている。
【0042】すなわち先ずステップ200 において初期設
定した後、ステップ201 で各検出信号を読み込む。ここ
で読み込まれる信号は、ブレーキ信号B、スロットル開
度θ、アイドル信号i、車速信号V、ギヤ段信号G、油
圧信号Sp1,Sp2、過給運転信号Kである。
【0043】これにつづくステップ202 では、アイドル
信号iが“ON”か否かを判断し、その判断結果が“ノ
ー”であれば、ステップ203 に進んでブレーキ信号Bが
“ON”であるか否かを判断する。その判断結果が“ノ
ー”であれば、ステップ204 に進んでギヤ段信号Gが
“0”または“5”であるか否かを判断する。。ここで
ギヤ段信号Gが“0”であるときはニュートラル状態を
示し、また“5”であるときは変速時を示し、これらの
いずれでもないときにステップ205 に進んで過給運転信
号Kが“1”か否かを判断する。
【0044】過給運転信号Kが“1”の場合は、過給機
を動作させることにより出力トルク特性が高トルク特性
となる運転状態(過給運転)を示し、“0”の場合は、
過給機を停止することにより出力トルク特性が低トルク
特性となる運転状態(無過給運転)を示し、したがって
ステップ205 の判断結果が“ノー”であれば、ステップ
206 に進んで無過給運転状態用マップ群を選択し、また
反対に判断結果が“イエス”であれば、ステップ207 に
進んで過給運転状態用マップ群を選択する。
【0045】これらのマップ群の一例を図6および図7
に示してあり、図6は無過給運転状態用マップ群を示
し、また図7は過給運転状態用マップ群を示す。これら
のマップは、スロットル開度θと粘性カップリング33
における伝達トルク容量C“v ”との関係を、車速パラ
メータとして定めたものであって、第1速ないし第4速
の各ギヤ段についてのマップがそれぞれ用意されてい
る。
【0046】この無過給運転状態用マップと過給運転状
態用マップとの相違は、一般的な傾向として、所定のス
ロットル開度に対する伝達トルク容量C“v ”の値が、
全筒運転状態用マップにおける方が大きい値に設定して
あることである。この相違を図で例示すれば図8のとお
りであって、図8には、あるギヤ段でのある車速におけ
る無過給運転状態用の特性線(実線)と休筒運転状態用
の特性線(破線)とを示してある。
【0047】すなわち図8においては、a1 で示す特性
線にa0 で示す特性線が対応し、b1 で示す特性線にb
0 で示す特性線が対応し、そしてc1 で示す特性線に対
して過給運転状態用の特性線に設けていず、Cv =0と
設定するようになっている。
【0048】したがってこの図から知られるように、エ
ンジンの出力トルク特性が大きくなる過給運転状態にお
いては、粘性カップリング33の伝達トルク容量Cv
を、無過給運転状態におけるよりも小さくする。換言す
れば、出力トルク特性の大きい過給運転時には、粘性カ
ップリング33での伝達トルク容量を減じてトルクコン
バータでの伝達トルクを多くすることにより、そのトル
ク増幅作用を利用することになる。
【0049】上述したように、マップは各ギヤ段につい
て設けてあるから、各運転状態ごとにギヤ段に基づいて
使用マップを決定する(ステップ208 あるいはステップ
209 )。
【0050】ここで各ギヤ段ごとの特性線の相違につい
て説明する。図9はスロットル開度と伝達トルク容量C
v との関係をギヤ段をパラメータとして示すものであっ
て、この図から知られるように、各マップにおいては、
低ギヤ段ほど伝達トルク容量Cv を小さくするようにな
っている。これは、低ギヤ段ほど大きな動力性能が要求
されるので、粘性カップリング33によるトルク伝達を
減じてトルクコンバータでのトルク伝達を増大させてそ
のトルク増幅作用を充分に利用するためである。
【0051】各運転状態について上述したようにしてマ
ップを選択した後、ステップ210 においてその時点のス
ロットル開度および車速に応じた伝達トルク容量Cv
を、選択したマップから決定する。
【0052】ついでステップ211 において目標とする差
圧PΔc の値を求める。図10はトルクコンバータ20
内の圧力P1 と圧力P2 との差圧PΔc と、伝達トルク
容量Cv との関係を示すマップであって、このマップに
基づいて目標とする差圧PΔc を決定する。
【0053】またステップ212 において、ロックアップ
クラッチ38を挟んだ両側の圧力P1 ,P2 の実測値同
士の差(実測差圧)PR (=P1 −P2 )を演算する。
【0054】そしてステップ213 では、ステップ211 で
求めた目標値PΔc とステップ212 で求めた実測差圧P
R との差ΔPC (=PΔc −PR )を演算する。
【0055】つぎにステップ214 において修正電流値Δ
Iを計算する。前述した図3に示す油圧回路は、信号圧
発生部49における電磁弁での電流を増大することによ
って信号圧Psiが高くなり、かつ調圧・切換部46によ
って設定される差圧が信号圧Psiの増大に伴って大きく
なるよう構成することができるので、その場合には演算
して求めた差圧PΔc と実測差圧PR との差ΔPc (=
PΔc −PR )と修正電流値ΔIとは図11に示すよう
に(ΔI=k・ΔPc )で示される比例関係となる。し
たがってステップ214 ではこの比例式に基づいて修正電
流値ΔIを求め、またこれに続くステップ215 では、こ
の修正電流値ΔIを加えた電流値を制御電流Iに置き換
えて前記信号圧発生部49に出力する。
【0056】そして制御プロセスはステップ201 の前に
戻る。
【0057】したがって上述したステップ201 からステ
ップ215 を経て行う制御では、スロットル開度の増加に
伴って、無過給運転から過給運転運転に切替わり、エン
ジンの出力トルク特性が高トルク特性に変化した場合、
トルクコンバータ20と並列に設けて変性カップリング
33の伝達トルク容量Cv が減少する。その結果、トル
クコンバータ20によるトルク伝達量が増えるととも
に、そのトルク増幅作用によりタービントルクすなわち
出力軸トルクが大きくなる。
【0058】これを前述した図12に基づいて説明すれ
ば以下のとおりである。
【0059】すなわち上述した制御では、エンジンの出
力トルク特性が高トルク特性である場合に粘性カップリ
ング33の伝達トルク容量が小さくなってトルクコンバ
ータ20での速度比eが小さくなり、併せてトルク比が
大きくなるので、図12に1の符号で示すようにトル
クコンバータの特性がエンジントルクのパークトルクに
適合したものとなる。すなわち優れた動力性能を得るこ
とができる。またエンジンの出力トルク特性が低トルク
特性の場合には、粘性カップリング33の伝達トルク容
量が大きくなってトルクコンバータ20の速度比eが大
きくなり、図12に符号2で示すようにトルクコンバ
ータの特性がエンジントルクのピークトルクに適合した
ものとなる。すなわちスリップの少ない効率の良いトル
ク伝達を行うことができ、燃費の改善を図ることができ
る。またこの場合、トルクの増幅作用のない粘性カップ
リング33によって多くのトルクが伝達されるから、エ
ンジンのトルク変動に起因する振動が伝動機構以降に伝
達されにくく、振動の低減やこもり音の低減に有利にな
る。
【0060】ところで図5のフローチャートにおいて、
ステップ202 、ステップ203 、ステップ204 のそれぞれ
において判断結果が“イエス”であれば、ステップ216
に進んで伝達トルク容量Cv を“0”に決定し、さらに
これを達成するために電流値Iを“0”にする(ステッ
プ217 )。これは以下の理由による。
【0061】すなわちアイドリング時に粘性カップリン
グ33の伝達トルク容量Cv を“0”とすれば、伝動機
構全体としてのコンバータ容量が低下するので、アイド
リング時の燃料噴射量を低減し、燃費を向上させること
ができる。
【0062】またブレーキング時に粘性カップリング3
3の伝達トルク容量Cv を“0”とすることにより、伝
動機構全体としてのコンバータ容量が低下するので、エ
ンジンストールを防止することができる。
【0063】さらにニュートラルの状態で粘性カップリ
ング33の伝達トルク容量Cv を“0”としておけば、
走行レンジあるいはリバースレンジにマニュアルシフト
した際のシフトショックを防止でき、また変速時にも同
様にショックを防止することができる。
【0064】なお、以上の実施例から明らかなようにこ
の発明は、エンジンの出力トルク特性が不連続に変化す
ることに伴う不都合を、粘性カップリングの伝達トルク
容量を制御することによって解消するものであり、した
がってこの発明は、出力トルク特性が上記の実施例で示
した過給機を備えたエンジンのように少なくとも高低二
様に変化するエンジンに連結した自動変速機を対象とし
て適用することができる。この種のエンジンとして、例
えば可変気筒エンジンやリーンバーンエンジンを挙げる
ことができ、これらのエンジンに連結した自動変速機を
対象とする場合、全筒運転状態のとき、あるいはストイ
キバーン(理論空燃比燃焼)を行うときに、粘性カップ
リングの伝達トルク容量を小さくするよう制御すればよ
い。
【0065】
【発明の効果】以上の説明から明らかなようにこの発明
の制御装置によれば、エンジントルクがステップ的に増
大した場合、トルクコンバータと並列に配置してある粘
性継手の伝達トルク容量を下げるので、トルクコンバー
タのトルク比が大きくなってターピントルクを大きく
し、優れた動力性能を得ることができる。またエンジン
の出力トルク特性が低トルク特性の場合には、粘性継手
の伝達トルク容量を相対的に大きくするので、伝動機構
の全体としてのスリップが少なくなり、効率の良いトル
ク伝達が可能になって燃費の改善を図ることができる。
さらにその場合、粘性継手ではトルクの増幅作用がない
ので、エンジンのトルク変動に起因する振動を伝動機構
で吸収もしくは低減する作用が、トルクコンバータのみ
によってトルク伝達する場合より大きくなり、車両の乗
心地の改善を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本構成を示すブロック図である。
【図2】この発明で対象とする自動変速機の伝動機構の
一例を示す部分断面図である。
【図3】粘性カップリングの伝達トルク容量を制御する
ために油圧回路の一例を示すブロック図である。
【図4】電子コントロールユニット中の主たる制御手段
を説明するためのブロック図である。
【図5】制御ルーチンを説明するためのフローチャート
である。
【図6】伝達トルク容量を決めるための無過給運転状態
用マップ群を示す図である。
【図7】伝達トルク容量を決めるための過給運転状態用
マップ群を示す図である。
【図8】無過給運転状態用のマップと過給運転状態用マ
ップとの相違を説明するためのθ−Cv 線図である。
【図9】ギヤ段ごとの特性線の相違を説明するためのθ
−Cv 線図である。
【図10】差圧と伝達トルク容量との関係を示す線図で
ある。
【図11】修正電流値を求めるためのマップである。
【図12】エンジンの出力トルク特性および伝動機構の
特性とを示す線図である。
【符号の説明】 1 エンジン 2 自動変速機 3 伝動機構 5 入力部材 6 出力部材 7 トルクコンバータ 8 連結クラッチ 9 粘性継手 10 トルク特性検出手段 11 ロックアップ検出手段 12 伝達トルク容量設定機構 13 伝達トルク容量調整手段 20 トルクコンバータ 21 フロントカバー 33 粘性カップリング 38 ロックアップクラッチ 42 油圧制御装置 43 電子コントロールユニット

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力部材と出力部材との間でトルクを伝達
    するトルクコンバータと、その入力部材に対して選択的
    に係合および解放させられる直結クラッチと、その直結
    クラッチと前記出力部材との間に直列に配列された可変
    容量型粘性継手とを有する伝動機構によって、出力トル
    ク特性が少なくとも高低二様に切換えられるエンジンに
    連結された自動変速機を制御する制御装置において、 前記直結クラッチが係合していることを検出するロック
    アップ検出手段と、前記エンジンの出力トルク特性を検
    出するトルク切換検出手段と、前記可変容量型粘性継手
    における伝達トルク容量を設定する伝達トルク容量設定
    機構と、前記ロックアップ検出手段が直結クラッチの係
    合を検出している状態でエンジンの出力特性が高トルク
    特性であることをトルク特性検出手段が検出したときに
    可変容量粘性継手の伝達トルク容量を低減するよう前記
    伝達トルク容量設定機構に指令信号を出力する伝達トル
    ク容量調整手段とを具備していることを特徴とする自動
    変速機の制御装置。
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