JP2606336Y2 - 自動車のステアリングコラム支持装置 - Google Patents

自動車のステアリングコラム支持装置

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JP2606336Y2
JP2606336Y2 JP1992048305U JP4830592U JP2606336Y2 JP 2606336 Y2 JP2606336 Y2 JP 2606336Y2 JP 1992048305 U JP1992048305 U JP 1992048305U JP 4830592 U JP4830592 U JP 4830592U JP 2606336 Y2 JP2606336 Y2 JP 2606336Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、車室の前面壁に突設
された左右側板の各突出端側にステアリングコラムを支
持させるようにした支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記自動車のステアリングコラム支持装
置には、従来、実開昭59‐83165号公報で示さ
れるものがある。
【0003】これによれば、車室の前面壁の車幅方向に
おける中心よりも一側部がわに偏った部から後上方に
向って突出するステアリングコラムが設けられている。
このステアリングコラムを上記前面壁に支持させるブレ
ースが上記一側部がわに偏った位置に設けられ、このブ
レースが上記前面壁の上部から後方に向けて突出する板
金製の左右側板を備えている。一方、上記車室の前部で
車幅方向に延びて、この車室の左右フロントピラーに架
設される長尺体が設けられ、上記側板の各突出端部と長
尺体の長手方向の中途部とが互いに結合させられると共
に、上記ブレースの突出端側に上記ステアリングコラム
の突出端部が支持されている。また、上記各側板の車体
の前後方向における少なくとも一部分がほぼ平坦な形状
の平坦部にさせられると共に、これら各平坦部の面がほ
ぼ鉛直線に沿って延びることとされている。
【0004】そして、上記したように、ブレースの平坦
部はほぼ鉛直方向に延びることとされていて、この鉛直
方向での強度や剛性が大きくされているため、上記ステ
アリングコラムの突出端部側が上下方向に振動しようと
することは、特に上記ブレースによって防止される。一
方、上記長尺体は車幅方向に延びていて、この車幅方向
での強度や剛性は大きいため、上記ステアリングコラム
の突出端部側が車幅方向に振動しようとすることは、特
に上記長尺体によって防止される。
【0005】よって、上記ステアリングコラムに支承さ
れたステアリングハンドルの振動が防止されることとな
って、このハンドルに対しての操作性が良好に保たれる
ようになっている。
【0006】また、上記ブレースには車幅方向に貫通す
る開口が形成されている。このため、自動車が衝突した
ときなど、車室の前面壁側から上記ブレースを介し上記
ステアリングコラム側に大きな衝撃が与えられようとし
たときには、上記開口の存在により、上記ブレースが円
滑に座屈して、上記衝撃が効果的に吸収されるようにな
っている。よって、ステアリングコラムやステアリング
ハンドルが、上記衝撃で、後方に突出することが防止さ
れる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
成では、ブレースが衝撃を受けたとき、このブレースに
形成された開口によって、座屈が円滑に進行するように
なっているが、上記開口を単に成形すると、上記ブレー
スの剛性が低下し、このブレースによるステアリングコ
ラムの支持強度が、通常走行時に不足しがちになって、
ステアリングコラムの突出端部側が上下に振動し易くな
るおそれがある。
【0008】
【考案の目的】この考案は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、車室の前面壁の下部から後上方に向
って突出したステアリングコラムの突出端部側が上下方
向と車幅方向の各方向に振動しないよう、車体に対しブ
レースと長尺体とによって強固な支持ができるように
し、かつ、このようにした場合でも、上記ブレースが車
室の前面壁側から大きい衝撃を受けたときには、上記ブ
レースが円滑に座屈して、上記衝撃が効果的に吸収され
るようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの考案の特徴とするところは、車室の車幅方向にお
ける中心よりも一側部がわに偏った前面壁の下部から後
上方に向って突出するステアリングコラムを設け、この
ステアリングコラムを上記前面壁に支持させるブレース
上記一側部がわに偏った位置に設け、このブレースが
上記前面壁の上部から後方に向けて突出する板金製の左
右側板を備え、一方、上記車室の前部で車幅方向に延び
て、この車室の左右側壁に架設される長尺体を設け、
長尺体の長手方向の中途部と上記ブレースの両側板の
各突出端部とを互いに結合させると共に、このブレース
の突出端側に上記ステアリングコラムの突出端部を支持
させ、上記各側板の車体の前後方向における少なくとも
一部分をほぼ平坦な形状の平坦部にさせると共にこれら
各平坦部の面をほぼ鉛直線に沿うように向け、かつ、上
記各平坦部に、車幅方向に貫通する開口を形成した自動
車のステアリングコラム支持装置において、
【0010】(1)上記各開口の開口縁を、上記各平坦
部の一般部に対し、そのほぼ全周にわたり折り曲げ、
【0011】(2)車体を上方からみた平面視で、上記
両平坦部のうち、上記車室の車幅方向における中心から
遠い方の一方の平坦部を車体の前後方向に真直に延びる
仮想線に対しほぼ平行にする一方、他方の平坦部を上記
仮想線に対し傾斜させ、
【0012】(3)上記両側板の各平坦部の間における
空間の車幅方向でのほぼ全体を上方と下方とに向ってそ
れぞれ開放させた点にある。
【0013】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0014】なお、下記した括弧内の用語は、実用新案
登録請求の範囲の用語に対応するものである。
【0015】車室2の車幅方向における中心よりも一側
部がわに偏った前面壁(3,4)の下部から後上方に向
って突出するステアリングコラム10を設け、このステ
アリングコラム10を上記前面壁(3,4)に支持させ
るブレース11を上記一側部がわに偏った位置に設け、
このブレース11が上記前面壁(3,4)の上部から後
方に向けて突出する板金製の左右側板32,33を備
え、一方、上記車室2の前部で車幅方向に延びて、この
車室2の左右フロントピラー(側壁)15,15に架設
される長尺体17を設け、この長尺体17の長手方向の
中途部と上記ブレース11の両側板32,33の各突出
端部とを互いに結合させると共に、このブレース11の
突出端側に上記ステアリングコラム10の突出端部を支
持させ、上記各側板32,33の車体1の前後方向にお
ける少なくとも一部分をほぼ平坦な形状の平坦部にさせ
ると共にこれら各平坦部の面をほぼ鉛直線に沿うように
向け、かつ、上記各平坦部に、車幅方向に貫通する開口
37を形成した、ということを「前提条件」とした自動
車のステアリングコラム支持装置において、
【0016】(1)上記各開口37の開口縁38を、上
記各平坦部の一般部32a,33aに対し、そのほぼ全
周にわたり折り曲げてある。
【0017】このため、上記開口37を形成することに
より、上記平坦部の剛性は低下しがちとなるが、上記開
口37の開口縁38を折り曲げることにより、上記剛性
の低下が防止される。
【0018】また、(2)車体1を上方からみた平面視
で、上記両平坦部のうち、上記車室2の車幅方向におけ
る中心から遠い方の一方の平坦部を車体1の前後方向に
真直に延びる仮想線に対しほぼ平行にする一方、他方の
平坦部を上記仮想線に対し傾斜させてあり、次の作用が
生じる。
【0019】即ち、上記「前提条件」によれば、車室2
の一側部がわに偏った位置にブレース11を設け、長尺
体17の長手方向の中途部と上記ブレース11の両側板
32,33の各突出端部とを互いに結合させてあるた
め、上記長尺体17の中途部は、車室2の一側部がわに
位置することとなり、上記長尺体17は上記中途部を境
にして、上記車室2の一側部がわに位置する短い部分
と、上記車室2の他側部がわに向う方向に位置する長い
部分とを備えることとなり、前記した両平坦部のうち、
車体1の前後方向に真直に延びる仮想線に対しほぼ平行
とされた一方の平坦部は、車幅方向で上記長尺体17に
おける短い部分に対応し、上記仮想線に対し傾斜した他
方の平坦部は、車幅方向で上記長尺体17における長い
部分に対応することとなる。
【0020】そして、上記長尺体17における短い部分
と長い部分のうち、短い部分は、長い部分に比べて剛性
がより大きくなりがちであることから、その撓みが小さ
く抑 制される。しかも、上記短い部分が前後方向で撓も
うとしても、これは、上記短い部分に対応し、かつ、前
後方向に延びる一方の平坦部によって、より確実に抑制
される。
【0021】よって、上記長尺体17の短い部分と上記
した前後方向に延びる一方の平坦部とにより、ステアリ
ングコラム10は強固に支持されて、このステアリング
コラム10の突出端部が振動するということは、より確
実に防止される。
【0022】一方、上記長尺体17における短い部分と
長い部分のうち、上記した短い部分に比べて、剛性がよ
り小さくなりがちな長い部分と、上記他方の平坦部とが
互いに結合され、この場合、上記したように他方の平坦
部は、前後方向に延びる仮想線に対し傾斜している。
【0023】このため、自動車の衝突時に、上記前面壁
(3,4)側からブレース11に対し車体1の後方に向
う衝撃が与えられたとき、上記他方の平坦部にはその長
手方向に圧縮力が負荷されることに加えて、その厚さ方
向に向う曲げ力も負荷され、これら圧縮力や曲げ力によ
って、上記のように傾斜した他方の平坦部における開口
37の開口縁38の一部には、大きい応力が集中的に
じ易くなる。
【0024】よって、上記衝突時には、上記開口37の
開口縁の38一部に座屈が直ちに生じ易くなり、これに
より、上記他方の平坦部の座屈が円滑に進行する。
【0025】そして、上記他方の座屈が進行すると、こ
の座屈に伴い、上記一方の平坦部にもその厚さ方向に向
う曲げ力が負荷されることとなって、これも円滑に座屈
する。
【0026】なお、上記の場合、平坦部は平面視で傾斜
させてあり、このため、このように傾斜させても、上記
ブレース11による上下方向での上記ステアリングコラ
ム10の支持強度はほぼ不変であり、このため、通常走
行時における上記ステアリングコラム10の支持は強固
なままに保たれる。
【0027】更に、(3)上記両側板32,33の各平
坦部の間における空間の車幅方向でのほぼ全体を上方と
下方とに向ってそれぞれ開放させてある。
【0028】つまり、上記両側板32,33の各平坦部
を互いに連結させないようにして、これら両平坦部が互
いに補強し合うことを防止させている。
【0029】よって、上記衝突時には、上記平坦部の座
屈が円滑に進行して、上記衝撃が確実に効果的に吸収さ
れる。
【0030】
【実施例】以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。
【0031】図2において、符号1は自動車の車体で、
矢印Frはその前方を示している。また、下記の左右と
は、上記前方に向っての方向をいうものとする。
【0032】上記車体1の内部が車室2であり、この車
室2の前面壁は、左右に延びるフロントカウル3と、こ
のフロントカウル3から下方に向って延びるダッシュパ
ネル4とで構成されている。以下、上記前面壁の符号は
(3,4)で示すこととする。また、このダッシュパネ
ル4の下端から後方に向ってフロアパネル5が延びてい
る。
【0033】7はフード、8はフロントサイドドアであ
る。
【0034】上記車室2の車幅方向における中心よりも
一側部(右側部)がわに偏った上記前面壁(3,4)の
部から後上方に向ってステアリングコラム10が突設
されている。このステアリングコラム10の下端はダッ
シュパネル4側に支持され、同上ステアリングコラム1
0の上端部である突出端部は上記前面壁(3,4)の上
部である上記フロントカウル3から後方に向けて突設さ
れたブレース11の突出端部に支持され、このブレース
11も上記車室2の一側部がわに偏った位置に設けられ
ている。
【0035】上記ステアリングコラム10にステアリン
グシャフト13がその軸心回りに回動自在に支承され、
上記ステアリングシャフト13の上端にステアリングハ
ンドル14が取り付けられている。そして、運転者がこ
のステアリングハンドル14を回転させれば、これに伴
い上記ステアリングシャフト13を介し前輪が操向され
るようになっている。
【0036】図1から図3において、上記車室2前部の
左右側壁は、左右フロントピラー15,16により構成
されている。また、上記車室2の前部で車幅方向に延び
て上記左右フロントピラー15,16に架設される上記
ステアリングコラム10支持用の長尺体17が設けられ
ている。そして、この長尺体17の長手方向の中途部
上記ブレース11の突出端部とが互いに結合され、この
ブレース11の突出端側に上記ステアリングコラム10
の突出端部が支持されている。
【0037】全図において、上記長尺体17は左側のフ
ロントピラー15から上記車室2の左右中央側に向って
突出する円形パイプ形状の第1支持材19と、右側のフ
ロントピラー16から同上車室2の左右中央側に向って
突出する第2支持材20とで構成されている。
【0038】この場合、上記第1支持材19の左端はボ
ルト21により上記フロントピラー15に着脱自在にね
じ止めされている。また、この第1支持材19の突出端
側19aは、上記第2支持材20の突出端側に内嵌され
て、この突出端側に連結されている。
【0039】上記第1支持材19の突出端側19aは、
上記第2支持材20内を通り、上記右側のフロントピラ
ー16に向って延出している。この延出部22は断面形
状が上記第1支持材19とほぼ同形同大で、その延出端
には外向きフランジ23が溶接され、この外向きフラン
ジ23がボルト24により上記右側のフロントピラー1
6に着脱自在にねじ止めされている。
【0040】前記第2支持材20は板金製で、上部材2
6と下部材27とで構成されている。これら上部材26
と下部材27の左半分26a,27aは、上記第2支持
材20の前記突出端側を構成しており、これら左半分2
6a,27aはそれぞれ断面がほぼ半円形で、上記第1
支持材19の突出端側19aを面接合するよう内嵌さ
せ、この第1支持材19の突出端側19aと互いに溶接
されている。
【0041】上記上部材26と下部材27の右半分26
b,27bはそれぞれ断面がほぼハット形をなし、上下
から互いに接合してスポット溶接され、これにより、上
記右半分26b,27bは全体として断面箱形とされて
いる。また、同上右半分26b,27bの右端には外向
きフランジ28が形成され、この外向きフランジ28が
上記外向きフランジ23と重ね合わされて、前記ボルト
24によりフロントピラー16に共締めされている。
【0042】上記の場合、延出部22が上記第2支持材
20を補強することとなって、この第2支持材20の強
度が向上させられている。また、上記第2支持材20は
第1支持材19よりも断面形状が大きくされていて、上
記第1支持材19から延出された延出部22は上記第2
支持材20内に設けられるため、上記した第2支持材2
0の強度向上は、この第2支持材20の断面形状を大き
くすることなく達成されており、車室2を狭めることな
く、ステアリングコラム10の支持が強化されている。
【0043】上記したように第2支持材20は延出部2
2によって補強されるため、その分、上記第2支持材2
0の断面形状が小さくされており、これにより、上記長
尺体17の長手方向中途部における断面変化が小さく抑
えられている。そして、これにより、上記長尺体17の
長手方向中途部に応力集中が生じ易くなることが防止さ
れている。
【0044】図1から図4において、前記ブレース11
は板金製で、このブレース11は、前記フロントカウル
3に対しボルト30によりねじ止めされる前面板31
と、この前面板31の左端から後方に突出させられた左
側の側板32と、同上前面板31の右端から後方に突出
させられた右側の側板33と、これら左右側板32,3
3の各突出端部同士を連結するよう設けられるブラケッ
ト板34とで構成されている。この場合、上記ブレース
11の突出端部は、上記各側板32,33の各突出端部
と、ブラケット板34との組み合わせ体に相当してい
る。
【0045】上記車体1の前後方向における上記各側板
32,33の少なくとも一部分である前部が、それぞれ
ほぼ平坦な形状の平坦部とされている。これら各平坦部
の各面はほぼ鉛直線に沿うような向きとされており、こ
れにより、上記ステアリングコラム10から上記ブレー
ス11に対し上下方向に向うよう与えられる通常走行時
の負荷が、このブレース11によって強固に支持され
る。
【0046】そして、上記ブラケット板34に対しボル
ト35により前記ステアリングコラム10がねじ止めさ
れ、これにより、上記ステアリングコラム10の突出端
部が、上記ブラケット板34を介して上記側板32,3
3の各突出端部に支持されている。
【0047】上記の場合、各側板32,33の各突出端
部と、上記ブラケット板34との間に前記長尺体17の
左右中途部が上下から挟み付けられて互いに溶接されて
おり、これにより、長尺体17の長手方向の中途部にブ
レース11が強固に支持され、このブレース11が補強
されている。また、この場合、第1支持材19の突出端
側19aと、第2支持材20の上、下部材26,27の
左半分26a,27aとが接合した部分で、上記ブレー
ス11が支持されている。
【0048】車体1を上方からみた平面視で、上記側板
32と側板33の各平坦部のうち、 上記車室2の車幅方
向における中心から遠い方の一方の平坦部(右側の側板
33の平坦部)は、車体1の前後方向に向ってほぼ真直
に延びる仮想線に対しほぼ平行とされ、他方の平坦部
(左側の側板32の平坦部)、車体1の前後方向に真
直に延びる上記仮想線に対し傾斜させられており、より
具体的には、後方に進むに従い左側に向うよう傾斜し、
この側板32の平坦部は、特に図1で示すように、左右
に延びる長尺体17に対し鋭角である角度θで結合して
いる。この場合、上記仮想線に対する側板32の平坦部
傾斜角はほぼ(90°−θ)となる。
【0049】上記ブレース11を構成する上記各側板3
2,33の平坦部には、それぞれ、車幅方向に貫通する
円形の開口37が形成されている。また、この開口37
の開口縁38は、その全周にわたり、上記側板32,3
3の各一般部32a,33aに対しバーリング加工(折
り曲げ加工)されて、偏平な円錐台状の筒部39と、こ
の筒部39の突出端に一体成形される幅の狭い内向きフ
ランジ40とを有している。
【0050】また、上記両側板32,33の各平坦部の
間における空間の車幅方向でのほぼ全体が上方と下方と
に向ってそれぞれ開放させられており、つまり、上記両
側板32,33の各平坦部は互いに連結されないままと
され、もって、これら両平坦部が互いに補強し合うこと
が防止されている。
【0051】そして、上記実施例によれば、上記開口3
7を形成することにより、上記各側板32,33の剛性
は低下しがちになるが、上記したように開口37の開口
縁38を折り曲げることにより、上記剛性の低下が防止
される。このため、通常走行時には、上記ブレース11
によるステアリングコラム10の支持が強固になされる
こととなる。
【0052】一方、上記ブレース11がフロントカウル
3やダッシュパネル4側から衝撃を受けて、一旦、上記
開口縁38の一部に座屈が生じると、その後は、この座
屈部分に応力が集中して、上記側板32,33の全体的
な座屈が急速に進行する。
【0053】よって、上記開口37の開口縁38を折り
曲げて所定の剛性を確保したのにかかわらず、衝突時な
ど、上記ブレース11が大きい衝撃を受けたときには、
上記各側板32,33が円滑に座屈して、上記衝撃が効
果的に吸収される。
【0054】なお、以上は図示の例によるが、上記開口
37の開口縁38における内向きフランジ40はなくて
もよい。このようにすれば、前記した衝撃の吸収がより
効果的にできることとなる。
【0055】また、上記筒部39や内向きフランジ40
は開口縁38のほぼ全周にわたり設けてもよく、つま
り、上記実施例のように全周に設けてもよいが、全周の
一部に筒部39や内向きフランジ40が存在しない部分
があってもよい。
【0056】
【考案の効果】この考案によれば、車室の車幅方向にお
ける中心よりも一側部がわに偏った前面壁の下部から後
上方に向って突出するステアリングコラムを設け、この
ステアリングコラムを上記前面壁に支持させるブレース
上記一側部がわに偏った位置に設け、このブレースが
上記前面壁の上部から後方に向けて突出する板金製の左
右側板を備え、一方、上記車室の前部で車幅方向に延び
て、この車室の左右側壁に架設される長尺体を設け、
長尺体の長手方向の中途部と上記ブレースの両側板の
各突出端部とを互いに結合させると共に、このブレース
の突出端側に上記ステアリングコラムの突出端部を支持
させ、上記各側板の車体の前後方向における少なくとも
一部分をほぼ平坦な形状の平坦部にさせると共にこれら
各平坦部の面をほぼ鉛直線に沿うように向け、かつ、上
記各平坦部に、車幅方向に貫通する開口を形成した、と
いうことを「前提条件」とした自動車のステアリングコ
ラム支持装置において、
【0057】(1)上記各開口の開口縁を、上記各平坦
部の一般部に対し、そのほぼ全周にわたり折り曲げたた
め、上記側板の平坦部に開口を単に形成した場合に比べ
て、上記平坦部に所定の剛性が確保される。
【0058】即ち、上記開口を形成することにより、上
記平坦部の剛性は低下しがちになるが、上記開口の開口
縁を折り曲げることにより、上記剛性の低下が防止され
る。よって、通常走行時には、上記ブレースによる上下
方向でのステアリングコラムの支持が強固になされ、こ
のステアリングコラムの突出端部が上下に振動すること
は防止される。
【0059】また、(2)車体を上方からみた平面視
で、上記両平坦部のうち、上記車室の車幅方向における
中心から遠い方の一方の平坦部を車体の前後方向に真直
に延びる仮想線に対しほぼ平行にする一方、他方の平坦
部を上記仮想線に対し傾斜させてあり、次の作用効果が
生じる。
【0060】即ち、上記「前提条件」によれば、車室の
一側部がわに偏った位置にブレースを設け、長尺体の長
手方向の中途部と上記ブレースの両側板の各突出端部と
を互いに結合させてあるため、上記長尺体の中途部は、
車室の一側部がわに位置することとなり、上記長尺体は
上記中途部を境にして、上記車室の一側部がわに位置す
る短い部分と、上記車室の他側部がわに向う方向に位置
する長い部分とを備えることとなり、前記した両平坦部
のうち、車体の前後方向に真直に延びる仮想線に対しほ
ぼ平行とされた一方の平坦部は、車幅方向で上記長尺体
における短い部分に対応し、上記仮想線に対し傾斜した
他方の平坦部は、車幅方向で上記長尺体における長い部
分に対応することとなる。
【0061】そして、上記長尺体における短い部分と長
い部分のうち、短い部分は、長い部分に比べて剛性がよ
り大きくなりがちであることから、その撓みが小さく抑
制される。しかも、上記短い部分が前後方向で撓もうと
しても、これは、上記短い部分に対応し、かつ、前後方
向に延びる一方の平坦部によって、より確実に抑制され
る。
【0062】よって、上記長尺体の短い部分と上記した
前後方向に延びる一方の平坦部とにより、ステアリング
コラムは強固に支持されて、このステアリングコラムの
突出端部が振動するということは、より確実に防止され
る。
【0063】一方、上記長尺体における短い部分と長い
部分のうち、上記した短い部分に比べて、剛性がより小
さくなりがちな長い部分と、上記他方の平坦部とが互い
に結合され、この場合、上記したように他方の平坦部
は、前後方向に延びる仮想線に対し傾斜している。
【0064】このため、自動車の衝突時に、上記前面壁
側からブレースに対し車体の後方に向う衝撃が与えられ
たとき、上記他方の平坦部にはその長手方向に圧縮力が
負荷されることに加えて、その厚さ方向に向う曲げ力も
負荷され、これら圧縮力や曲げ力によって、上記のよう
に傾斜した他方の平坦部における開口の開口縁の一部に
は、大きい応力が集中的に生じ易くなる。
【0065】よって、上記衝突時には、上記開口の開口
縁の一部に座屈が直ちに生じ易くなり、これにより、上
記他方の平坦部の座屈が円滑に進行する。
【0066】そして、上記他方の座屈が進行すると、こ
の座屈に伴い、上記一方の平坦部にもその厚さ方向に向
う曲げ力が負荷されることとなって、これも円滑に座屈
し、もって、上記衝撃が効果的に吸収される。
【0067】なお、上記の場合、平坦部は平面視で傾斜
させてあり、このため、このように傾斜させても、上記
ブレースによる上下方向での上記ステアリングコラムの
支持強度はほぼ不変であり、このため、通常走行時にお
ける上記ステアリングコラムの支持は強固なままに保た
れる。
【0068】更に、(3)上記両側板の各平坦部の間に
おける空間の車幅方向でのほぼ全体を上方と下方とに向
ってそれぞれ開放させてある。
【0069】つまり、上記両側板の各平坦部を互いに連
結させないようにして、これら両平坦部が互いに補強し
合うことを防止させている。
【0070】よって、上記衝突時には、上記平坦部の座
屈が円滑に進行して、上記衝撃が確実に効果的に吸収さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平面部分断面図である。
【図2】全体斜視図である。
【図3】長尺体を後方からみた図である。
【図4】側面図である。
【図5】図3の5‐5線矢視図である。
【図6】図3の6‐6線矢視図である。
【符号の説明】
1 車体 2 車室 3 フロントカウル(前面壁) 4 ダッシュパネル(前面壁) (3,4) 前面壁 10 ステアリングコラム 11 ブレース 13 ステアリングシャフト 14 ステアリングハンドル 15 フロントピラー(側壁) 17 長尺体 32 側板 32a 一般部 33 側板 33a 一般部 34 ブラケット板 37 開口 38 開口縁

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室の車幅方向における中心よりも一側
    部がわに偏った前面壁の下部から後上方に向って突出す
    るステアリングコラムを設け、このステアリングコラム
    を上記前面壁に支持させるブレースを上記一側部がわに
    偏った位置に設け、このブレースが上記前面壁の上部か
    ら後方に向けて突出する板金製の左右側板を備え、一
    方、上記車室の前部で車幅方向に延びて、この車室の左
    右側壁に架設される長尺体を設け、この長尺体の長手方
    向の中途部と上記ブレースの両側板の各突出端部とを互
    いに結合させると共に、このブレースの突出端側に上記
    ステアリングコラムの突出端部を支持させ、上記各側板
    車体の前後方向における少なくとも一部分をほぼ平坦
    な形状の平坦部にさせると共にこれら各平坦部の面をほ
    ぼ鉛直線に沿うように向け、かつ、上記各平坦部に、車
    幅方向に貫通する開口を形成した自動車のステアリング
    コラム支持装置において、 (1)上記各開口の開口縁を、上記各平坦部の一般部に
    対し、そのほぼ全周にわたり折り曲げ、 (2)車体を上方からみた平面視で、上記両平坦部のう
    ち、上記車室の車幅方向における中心から遠い方の一方
    の平坦部を車体の前後方向に真直に延びる仮想線に対し
    ほぼ平行にする一方、他方の平坦部を上記仮想線に対し
    傾斜させ、 (3)上記両側板の各平坦部の間における空間の車幅方
    向でのほぼ全体を上方と下方とに向ってそれぞれ開放さ
    せた自動車のステアリングコラム支持装置。
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