JP2605694B2 - 多孔質部を有する摺動材料の製造方法 - Google Patents

多孔質部を有する摺動材料の製造方法

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渉 八木
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の属する技術分野) 本発明は、遠心鋳造を利用して行う摺動材料の製造方
法に関するもので、含油軸受、無潤滑軸受、シリンダー
等の材料に利用されるものである。
(従来の技術) 本発明に関する従来技術としては、特開昭57-131336
号公報に開示されるものがある。これを第6図により説
明すれば、21は溶融金属と無被覆黒鉛を入れた振回し鋳
型で、回転軸22を中心に回転させ遠心力を与える。溶融
金属23の比重が無被覆黒煙24の比重ないし、かさ密度よ
り大のときは黒鉛は高遠心力側(第6図では型の底)に
入れ、金属の比重が黒鉛の比重より小さい場合にはその
逆とする。
第7図は、空中円筒製品に黒鉛に分散させる回転式遠
心分散方法である。上記の様にして遠心力や鋳造温度を
制御することで、黒鉛を下端より上端面まで、更に外表
面の任意の位置に分散させるものであり、この様にして
製造された材料は、材料の靭性をあまり損なうことなし
に耐磨耗性が向上し、且つ黒鉛を無処理のままで利用で
きるものである。
(発明が解決しようとする課題) 然しながら、上記した遠心鋳造法は、(1)黒鉛に代
わってそれより濡れ性の悪いセラミック等のフィラーを
使用して摺動性を向上させる場合には、分散フィラーと
母材(金属)の比重差のみを利用して任意の位置に遠心
力と温度を制御するだけでは分散が困難である、(2)
多層及び数か所に適切なフィラーの組合わせで特に内周
面に分散させることは困難である、(3)内側に均一に
分散させるには、フィラーの濡れ性を向上させると共
に、温度と遠心力の微妙なバランスをとる必要があり、
このために分散層の分散速度のコントロールもきわめて
困難である、という問題がある。
本発明は、遠心鋳造法により軸受等の摺動材料を製造
する方法において、摺動面を多孔質化して、この多孔部
に適当な材料を含浸させて摺動特性を向上することが可
能な新規な製造方法を提供することを、その技術的課題
とする。
(課題を解決するための手段) 上記した技術的課題を解決するために講じた本発明の
請求項1の手段は、鋳型内に水溶性フィラーを入れ、母
材としてのアルミ、アルミ合金、銅又はマグネ合金の内
のいずれかよりなる溶湯を注湯して遠心分散成形法によ
りその内周の摺動面に分散複合させ、水溶後に前記摺動
面に気孔を作り円筒状の摺動材料を成形する方法に於い
て、鋳型内のキャビティにアルミ、アルミ合金、銅、又
はマグネ合金の内のいずれかよりなる母材を配置し、中
子と前記母材との隙間に、水溶性フィラー、母材と同合
金である粉末とを混合したもの、あるいは水溶性フィラ
ー、母材と同合金である粉末、黒鉛とを混合したものの
内いずれか一方を充填固定し、前記鋳型のキャビティ上
部に押湯部分として母材を配置して、前記母材と水溶性
フィラーを加熱し母材を溶解後、遠心鋳造にて前記母材
中にフィラーを分散複合させ摺動材料を形成し、該摺動
材料を水に浸し水溶性フィラーを溶出させることにより
摺動面を多孔質化させた後に潤滑油又はプラスチックを
含浸させて摺動部を形成するようにしたことである。
上記した手段において、遠心鋳造時には100〜2000Gの
遠心力を与えるようにするのが望ましい。また、上記し
たプラスチックとしては、弗化エチレン等が用いられ
る。
上記手段によれば、円筒形状の内周面に前記フィラー
を分散形状に充填セットするか、予め分散形状に形成し
たフィラーをセットされて、更に鋳型のキャビティ上部
に設けた押湯用の母材の溶湯が遠心力によって移動する
ことにより、フィラーを含浸複合し、遠心力の付加両及
び鋳造前のフィラー形状及び組成比とを制御することに
より内周面に任意の幅及び気孔率をもった摺動材料を製
造することができる。また、金属化合物を利用して摺動
材料をつくるのではないので、製作時間が短縮され、且
つ硬度が高くなりすぎることにより脆化及び相手への攻
撃性の増大が改善されるものである。
また、上記した課題を解決するために講じた本発明の
請求項2の手段は、鋳型内のキャビティにアルミ、アル
ミ合金、銅、又はマグネ合金の内のいずれかよりなる母
材を配置して、中子と前記母材との隙間に、前記母材よ
りもアノード溶解しやすい充填材を充填し、前記鋳型の
キャビティ上部に押湯部分として母材を配置して、前記
母材と前記充填材を加熱し母材を溶解後、遠心鋳造にて
前記母材中に前記充填材を分散複合させて摺動材料を形
成し、該摺動材料をアルマイト処理して前記充填材の部
分をアノード溶解させ、その摺動面を多孔質化させた後
に潤滑油又はプラスチックを含浸、或は黒鉛を埋め込ま
せて摺動部を形成する、製造方法を提供することであ
る。
この手段によれば、摺動面に分散された充填材がアル
マイト処理により、アノード溶解して無くなり、摺動面
が多孔化すると共に、摺動面の母材部分は耐磨耗性が向
上されるので、耐磨耗性のある摺動材料を得ることがで
きる。
(発明の実施の形態) 以下、本発明に従った多孔質部を有する摺動材料の製
造方法の実施形態を説明する。
(実施形態1) 円筒形状の含油軸受を製造する場合において、第1図
は準備工程でAは円筒形状のキャビティを有するルツボ
で、ステンレス製のフレーム2の内側にロストワックス
法により1及び5に示す崩壊性セメント材を使用して含
油軸受のキャビティ6を有する鋳型を形成し、アルミ又
はアルミ合金よりなる母材4をキャビティ内にセットす
る。
第2図は充填工程で、中子5と母材4の隙間に水溶性
フィラーとしての硫酸マグネシウム粉末、アルミ又はア
ルミ合金粉末と、摺動性向上フィラーとして黒鉛を混合
した混合粉6aを充填し、更に押湯用の母材7を上部にセ
ットする。
第3図は鋳造工程で加熱した母材4を溶解させ鋳造温
度を650〜850℃とし、軸8を中心として鋳型を約100〜2
000Gの重力倍数で遠心力を与えながら回転させ、フィラ
ー層中へ溶湯を含浸後冷却凝固させる。
第4図は取り出し工程で、型をばらして得られた軸受
材料(摺動材料)10である。押湯部にあたるところで
は、鋳造欠陥である巣等が見受けられる。
第5図はカット工程で、押湯部は11に示す位置よりカ
ットして除去し水洗いして摺動部12に多孔質部11をもつ
軸受材料10を形成する。
(実施形態2) 上記した実施形態1の鋳型及び手順は基本的に同じで
あるが、母材としてアルミ又はアルミ合金を使用し、第
2図の充填工程で中子5と母材4の隙間に銅粉末等(ア
ルミニウムよりもアノード溶解しやすい物質)を充填
し、実施形態1と同様に遠心力を付与して分散複合させ
る。
次に、上記水溶性フィラーを用いた方法を行うかわり
に気孔を形成する方法として硬質アルマイト処理を行う
もので、その結果第8図(イ)に示すように摺動面12に
分散された銅粉末13がアルマイト処理により、銅粉末部
分がアノード溶解して無くなり、多孔質化し更にアルミ
合金部14には硬質アルマイト処理されることにより、ア
ルミ母地部は耐磨耗性が向上した軸受材料ができる。更
に前記含油処理あるいはプラスチックを含浸させるか、
あるいは黒鉛等を埋めこむことにより耐磨耗性のある軸
受材料が製造できるものである。
〔発明の効果〕
本発明は、次の特有の効果を奏する。即ち、従来の焼
結含油軸受に対して、本発明の摺動材料は必ず必要な摺
動面の部分だけ気孔(30〜10%)を有することから圧壊
強度、伸び等の特性が全体にわたって気孔をもつ焼結含
油軸受に比して改善され、又焼結含油軸受に比し製造工
程が短縮される。更に、水溶性フィラーに少量の黒鉛を
混入して同時に複合させることにより更に摺動特性が向
上する。
圧壊強度と材料の気孔幅との関係を第9図乃至第10に
示す。15は、内周面16に気孔を有する円筒形状の軸受で
R1=16mm、R0=7mm、h=分散幅で、鉄系焼結含油軸受
材(摺動材)と、銅系焼結含油軸受材(摺動材)及び本
発明の実施形態の母材A2017で気孔率10〜15%の場合の
テストピースにて夫々圧壊強度試験を行った結果を第10
図に示す。これによると、母材がJIS2000系のアルミ合
金でも、鉄系焼結含油軸受材(摺動材料)(高荷重中連
用→28Kg/mm2以上、これをグラフ中Sで示す)、及び銅
系焼結含油軸受材(摺動材料)(15Kg/mm2以上、グラフ
中Tで示す)と比較して本発明の実施形態であるA2017
材に気孔率10〜15%軸受材(摺動材料)(これをグラフ
中Rで示す)の圧壊強度が向上しており、必要な摺動面
の部分だけ気孔を付与した結果が表われている。
焼結含油軸受材(摺動材料)の製造工程と遠心形成含
油軸受材(摺動材料)の製造工程を比較した場合に、原
料粉末の製造とその調整混合と焼結の工程で焼結含油軸
受材(摺動材料)は時間を取られるが、本発明ではこの
工程が省略され、更に水溶性フィラーと他フィラーとの
混合させる量を調整することにより気孔率が50〜30%の
ものを形成することが可能であり、金属フィルターとし
ての利用も可能である。
【図面の簡単な説明】
第1〜第5図は本発明に従った実施形態1の工程の説明
図で、第1図は準備工程、第2図は充填工程、第3図は
鋳造工程、第4図は取り出し工程、第5図はカット工程
であり、第6図及び第7図は従来工程の説明図で、第6
図は振り回し方式、第7図は回転方式、第8図は本発明
の実施形態2を示し、第8図(イ)は表面処理前、第8
図(ロ)は表面処理後の状況を示す拡大説明図、第9図
はテストピースの断面図、第10図は本実施形態と従来製
品との圧壊強度と分散幅の関係を示すグラフである。 A……鋳型、4……母材、6……キャビティ、6a……水
溶性フィラー、7……押湯部分、10……摺動材料、11…
…多孔質部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 後藤 政博

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳型内に水溶性フィラーを入れ、母材とし
    てのアルミ、アルミ合金、銅又はマグネ合金の内のいず
    れかよりなる溶湯を注湯して遠心分散成形法によりその
    内周の摺動面に分散複合させ、水溶後に前記摺動面に気
    孔を作り円筒状の摺動材料を成形する方法に於いて、 鋳型内のキャビティにアルミ、アルミ合金、銅、又はマ
    グネ合金の内のいずれかよりなる母材を配置して、中子
    と前記母材との隙間に、水溶性フィラー、母材と同合金
    である粉末とを混合したもの、あるいは水溶性フィラ
    ー、母材と同合金である粉末、黒鉛とを混合したものの
    内いずれか一方を充填固定し、 前記鋳型のキャビティ上部に押湯部分として母材を配置
    して、 前記母材と水溶性フィラーを加熱し母材を溶解後、遠心
    鋳造にて前記母材中にフィラーを複合させ摺動材料を形
    成し、 該摺動材料を水に浸し水溶性フィラーを溶出させること
    により前記摺動材料の摺動面を多孔質化させた後に潤滑
    油又はプラスチックを含浸させて摺動部を形成すること
    を特徴とする、多孔質部を有する摺動材料の製造方法。
  2. 【請求項2】鋳型内のキャビティにアルミ、アルミ合
    金、銅、又はマグネ合金の内のいずれかよりなる母材を
    配置して、中子と前記母材との隙間に、前記母材よりも
    アノード溶解しやすい充填材を充填し、前記鋳型のキャ
    ビティ上部に押湯部分として母材を配置して、前記母材
    と前記充填材を加熱し母材を溶解後、遠心鋳造にて前記
    母材中に前記充填材を分散複合させて摺動材料を形成
    し、該摺動材料をアルマイト処理して前記充填材の部分
    を溶解させ、その摺動面を多孔質化させた後に潤滑油又
    はプラスチックを含浸、或は黒鉛を埋め込ませて摺動部
    を形成することを特徴とする、多孔質部を有する摺動材
    料の製造方法。
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