JP2605148B2 - 酸化物薄膜の製造方法 - Google Patents
酸化物薄膜の製造方法Info
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、理論的には100%イオン化した酸素イオン
ビームと、超高真空中で蒸発させた金属を用いて、基体
上に酸化物超電導体や酸化物磁性体等の酸化物薄膜を形
成する酸化物薄膜の製造方法に関するものである。
ビームと、超高真空中で蒸発させた金属を用いて、基体
上に酸化物超電導体や酸化物磁性体等の酸化物薄膜を形
成する酸化物薄膜の製造方法に関するものである。
従来、酸化物薄膜、特に、酸化物超電導膜や酸化物磁
性薄膜等の製造方法としては、スパッタ法、真空蒸着
法、イオンプレーティング法あるいは真空蒸着法に酸素
プラズマをアシストして製造する方法、また、金属元素
と酸素をイオン化して酸化物超電導薄膜を製造する方法
(特開昭64−67831号公報)等が用いられている。
性薄膜等の製造方法としては、スパッタ法、真空蒸着
法、イオンプレーティング法あるいは真空蒸着法に酸素
プラズマをアシストして製造する方法、また、金属元素
と酸素をイオン化して酸化物超電導薄膜を製造する方法
(特開昭64−67831号公報)等が用いられている。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、前記の従来の酸化物薄膜製造方法で
は、以下のような問題点があることを発明者は見出し
た。
は、以下のような問題点があることを発明者は見出し
た。
すなわち、従来のスパッタ法、真空蒸着法、イオンプ
レーティング法あるいは真空蒸着法に酸素プラズマをア
シストして製造する方法では、酸化物薄膜中の酸素量を
膜作製中のバックグランドの酸素圧力で変化させている
が、酸素圧力を変化させるとその他の膜作製条件(放電
条件、蒸発速度など)も大きく変化し、目的とする酸素
量を含む膜組成を得ることが困難であり、再現性も少な
い。つまり、酸化物薄膜中の酸素量を膜作製中に制御す
ることが難かしいため、膜作製後の熱処理によって目的
とする酸素量を調節している。この場合、基板との反応
が問題となる。
レーティング法あるいは真空蒸着法に酸素プラズマをア
シストして製造する方法では、酸化物薄膜中の酸素量を
膜作製中のバックグランドの酸素圧力で変化させている
が、酸素圧力を変化させるとその他の膜作製条件(放電
条件、蒸発速度など)も大きく変化し、目的とする酸素
量を含む膜組成を得ることが困難であり、再現性も少な
い。つまり、酸化物薄膜中の酸素量を膜作製中に制御す
ることが難かしいため、膜作製後の熱処理によって目的
とする酸素量を調節している。この場合、基板との反応
が問題となる。
また、金属元素と酸素をイオン化して酸化物超電導薄
膜を製造する方法(特開番号昭64−67831)では、イオ
ンの持つエネルギーで反応性が促進されるが、酸化物薄
膜中の酸素量が膜作製中に制御されていない。
膜を製造する方法(特開番号昭64−67831)では、イオ
ンの持つエネルギーで反応性が促進されるが、酸化物薄
膜中の酸素量が膜作製中に制御されていない。
また、従来のスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレー
ティング法あるいは真空蒸着法に酸素プラズマをアシス
トして製造する方法では、酸素ガスを通常10-2〜10-4To
rr程度導入する必要があり、膜形成を超高真空中で行え
ないため、残留不純物に汚点されていない高純度の薄膜
が得られず、原子オーダーで薄膜成長を制御することは
困難であった。さらに、結晶性の良い薄膜を得るには高
い基板温度が必要であった。例えば真空蒸着法でY1Ba2C
u3O7-X単結晶超電導薄膜を製造するには、基板温度は最
低600〜650℃は必要であり、酸素ガス圧も10-3Torr以上
は必要であった。
ティング法あるいは真空蒸着法に酸素プラズマをアシス
トして製造する方法では、酸素ガスを通常10-2〜10-4To
rr程度導入する必要があり、膜形成を超高真空中で行え
ないため、残留不純物に汚点されていない高純度の薄膜
が得られず、原子オーダーで薄膜成長を制御することは
困難であった。さらに、結晶性の良い薄膜を得るには高
い基板温度が必要であった。例えば真空蒸着法でY1Ba2C
u3O7-X単結晶超電導薄膜を製造するには、基板温度は最
低600〜650℃は必要であり、酸素ガス圧も10-3Torr以上
は必要であった。
特に、酸化物超電導体においては、酸化物超電導体を
半導体と接合したり、電子デバイスに応用する上で従来
の半導体プロセスと組み合わせるには、低い基板温度で
高純度・高品質の単結晶酸化物超電導薄膜を製造するこ
とが不可欠である。
半導体と接合したり、電子デバイスに応用する上で従来
の半導体プロセスと組み合わせるには、低い基板温度で
高純度・高品質の単結晶酸化物超電導薄膜を製造するこ
とが不可欠である。
しかし、前記したように従来技術には、超高真空中
で、かつ低い基板温度で、かつ膜中の酸素量がコントロ
ールできる酸化物薄膜の製造方法はなかった。
で、かつ低い基板温度で、かつ膜中の酸素量がコントロ
ールできる酸化物薄膜の製造方法はなかった。
本発明は、前記問題点を解決するためになされたもの
である。
である。
本発明の目的は、低い基体温度で高純度・高品質の単
結晶酸化物超電導膜等の酸化物薄膜を製造することにあ
る。
結晶酸化物超電導膜等の酸化物薄膜を製造することにあ
る。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、
本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであ
ろう。
本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであ
ろう。
前記目的を達成するために、本発明は、酸化物薄膜の
製造方法において、酸化物を構成する元素のうち、酸素
を除く各元素を各々真空中で蒸発させると同時に、二酸
化炭素(CO2)ガスを熱電子によりプラズマ分解した中
からO+イオン(酸素プラスイオン)を質量分離により取
り出して集束し、電界にてエネルギー制御した後基体に
照射し、酸化物薄膜中の酸素量を酸素イオンビームのイ
オン電流量によって制御することにより基体上に酸化物
薄膜を形成することを最も重要な特徴とする。
製造方法において、酸化物を構成する元素のうち、酸素
を除く各元素を各々真空中で蒸発させると同時に、二酸
化炭素(CO2)ガスを熱電子によりプラズマ分解した中
からO+イオン(酸素プラスイオン)を質量分離により取
り出して集束し、電界にてエネルギー制御した後基体に
照射し、酸化物薄膜中の酸素量を酸素イオンビームのイ
オン電流量によって制御することにより基体上に酸化物
薄膜を形成することを最も重要な特徴とする。
また、イオン化したガスを電界により加速して加熱保
持した基板に照射して基板表面を清浄化した後基体上に
酸化物薄膜を形成することを特徴とする。
持した基板に照射して基板表面を清浄化した後基体上に
酸化物薄膜を形成することを特徴とする。
また、前記基体は、MgO,SrTiO3,LaGaO3,LaAlO3,Si,Ga
As,Ptのうちの一つであることを特徴とする。
As,Ptのうちの一つであることを特徴とする。
前述した手段によれば、理論的には100%イオン化し
た酸素イオンビームを用いることにより、酸化物薄膜中
の酸素量をイオン電流で電気的にコントロールできる。
さらに、イオンのもつ電荷とエネルギーにより薄膜の結
晶成長が促進される。
た酸素イオンビームを用いることにより、酸化物薄膜中
の酸素量をイオン電流で電気的にコントロールできる。
さらに、イオンのもつ電荷とエネルギーにより薄膜の結
晶成長が促進される。
すなわち、本発明では、PIG源であるO+イオン(酸素
プラスイオン)を発生させるために、二酸化炭素(C
O2)ガスに熱電子を照射してプラズマ化している。これ
は、二酸化炭素(CO2)ガスを用いた方が酸素ガスを用
いるよりもO+イオン(酸素プラスイオン)を効率よく発
生させる(約10倍)ことができる。二酸化炭素(CO2)
ガスを用いた方が酸素ガスを用いるよりO+イオン(酸素
プラスイオン)の発生率が高いのは、電子(100eV)の
衝突断面積が高いためと考えられる。すなわち、熱電子
により二酸化炭素(CO2)ガスからO+イオン(酸素プラ
スイオン)を発生させるとき、 CO2+e→CO+O++2e …(1) の解離イオン化断面積が酸素ガスからO+イオン(酸素プ
ラスイオン)を発生させるときの、 O2+e→O+O++2e …(2) の解離イオン化断面積よりも大きいためにO+イオン(炭
素プラスイオン)の発生効率が高くなる(実験で確認で
きた)。
プラスイオン)を発生させるために、二酸化炭素(C
O2)ガスに熱電子を照射してプラズマ化している。これ
は、二酸化炭素(CO2)ガスを用いた方が酸素ガスを用
いるよりもO+イオン(酸素プラスイオン)を効率よく発
生させる(約10倍)ことができる。二酸化炭素(CO2)
ガスを用いた方が酸素ガスを用いるよりO+イオン(酸素
プラスイオン)の発生率が高いのは、電子(100eV)の
衝突断面積が高いためと考えられる。すなわち、熱電子
により二酸化炭素(CO2)ガスからO+イオン(酸素プラ
スイオン)を発生させるとき、 CO2+e→CO+O++2e …(1) の解離イオン化断面積が酸素ガスからO+イオン(酸素プ
ラスイオン)を発生させるときの、 O2+e→O+O++2e …(2) の解離イオン化断面積よりも大きいためにO+イオン(炭
素プラスイオン)の発生効率が高くなる(実験で確認で
きた)。
これにより、高純度で高品質の単結晶酸化超電導薄膜
を含む超電導特性の良好な酸化物超電導体を提供するこ
とができる。
を含む超電導特性の良好な酸化物超電導体を提供するこ
とができる。
以下、本発明の一実施例を図面を用いて具体的に説明
する。
する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機
能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明
は省略する。
能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明
は省略する。
第1図は、本発明の酸化物薄膜の製造方法の一実施例
を説明するための図である。
を説明するための図である。
本実施例の酸化物薄膜の製造方法は、第1図に示すよ
うに、まず、真空チャンバー1内を1×10-9Torrに真空
排気した後、Arガスをイオン発生装置2を用いてイオン
化し、加速電圧−600Vで引き出し、Ar+イオンを質量分
離装置3にて集め、電磁気的集束レンズ4にて集束し
て、加熱装置8により530℃で保持されたMgO(100)か
らなる基板(基体)6に照射した。これにより基板6の
表面をクリーニングした。前記イオン発生装置として
は、例えばPIG型イオン源,デュオプラズマトロン型イ
オン源,ECRイオン源を用いることができるが、本発明で
はPIG型イオン源を用いた。
うに、まず、真空チャンバー1内を1×10-9Torrに真空
排気した後、Arガスをイオン発生装置2を用いてイオン
化し、加速電圧−600Vで引き出し、Ar+イオンを質量分
離装置3にて集め、電磁気的集束レンズ4にて集束し
て、加熱装置8により530℃で保持されたMgO(100)か
らなる基板(基体)6に照射した。これにより基板6の
表面をクリーニングした。前記イオン発生装置として
は、例えばPIG型イオン源,デュオプラズマトロン型イ
オン源,ECRイオン源を用いることができるが、本発明で
はPIG型イオン源を用いた。
次に、ガスをArからCO2ガスに変え、イオン発生装置
2でイオン化し−20kVで引き出した後、O+イオンのみを
質量分離装置3でスリット幅を変化させて質量分離し電
磁気的集束レンズ4で集束させた。このO+イオンを基板
6の直前に設置されたイオン減速電極5で30Vまで減速
させた後、イオン電流220μA/cm2O+イオンの持つエネル
ギーが20eVになるようにバイアス電圧を調節した基板6
に照射しながら、Y,Ba,Cuの蒸発源(K−cell)7をそ
れぞれ加熱して、酸化物超電導薄膜の膜中のY:Ba:Cuの
原子組成比が1:2:3になるように各蒸発速度を0.17Å/se
c,0.66Å/sec,0.18Å/secにコントロールしてY,Ba,Cuを
分子ビーム9として蒸発させた。このときの真空度は1
×10-8Torrであった。
2でイオン化し−20kVで引き出した後、O+イオンのみを
質量分離装置3でスリット幅を変化させて質量分離し電
磁気的集束レンズ4で集束させた。このO+イオンを基板
6の直前に設置されたイオン減速電極5で30Vまで減速
させた後、イオン電流220μA/cm2O+イオンの持つエネル
ギーが20eVになるようにバイアス電圧を調節した基板6
に照射しながら、Y,Ba,Cuの蒸発源(K−cell)7をそ
れぞれ加熱して、酸化物超電導薄膜の膜中のY:Ba:Cuの
原子組成比が1:2:3になるように各蒸発速度を0.17Å/se
c,0.66Å/sec,0.18Å/secにコントロールしてY,Ba,Cuを
分子ビーム9として蒸発させた。このときの真空度は1
×10-8Torrであった。
これにより熱処理せずに膜厚10nmのY1Ba2Cu3O6.8単結
晶超電導薄膜が得られた。また、酸素イオン電流量を変
化させると、膜中の酸素量は第2図(酸素イオン電流量
とY1Ba2Cu3OX超電導薄膜中の酸素量の関係を示す図)を
示すように変化することがわかった。
晶超電導薄膜が得られた。また、酸素イオン電流量を変
化させると、膜中の酸素量は第2図(酸素イオン電流量
とY1Ba2Cu3OX超電導薄膜中の酸素量の関係を示す図)を
示すように変化することがわかった。
以上の説明からわかるように、本実施例によれば、従
来の酸化物薄膜の製造方法では不可能であった膜作製時
の酸化物薄膜中の酸素量の制御および超高真空中での酸
化物薄膜の作製が可能となる。
来の酸化物薄膜の製造方法では不可能であった膜作製時
の酸化物薄膜中の酸素量の制御および超高真空中での酸
化物薄膜の作製が可能となる。
また、イオンのもつ電荷とエネルギーを利用している
ため、低い基板6の温度で残留不純物に汚染されていな
い高品質で高純度の単結晶酸化薄膜を再現性よく得るこ
とができた。
ため、低い基板6の温度で残留不純物に汚染されていな
い高品質で高純度の単結晶酸化薄膜を再現性よく得るこ
とができた。
また、基板6をイオン化したガスにより超高真空中で
クリーニングすることにより、基板6の表面が原子オー
ダーで清浄化され、基板6上に高品質で高純度の単結晶
酸化物薄膜を形成することができる。
クリーニングすることにより、基板6の表面が原子オー
ダーで清浄化され、基板6上に高品質で高純度の単結晶
酸化物薄膜を形成することができる。
これにより、高純度で高品質の単結晶酸化超電導薄膜
を含み、超電導特性の良好な酸化物超電導体を得ること
ができる。
を含み、超電導特性の良好な酸化物超電導体を得ること
ができる。
なお、本実施例では、Y1Ba2Cu3O7-X単結晶超電導薄膜
の製造例を示したが、本発明によれば酸化物磁性体、例
えばY3Fe12O19などの希土類ガーネット、BaFe12O19など
の六方晶フェライトの高品質の単結晶薄膜も低い基板温
度でかつ超高真空中で製造することが可能となる。
の製造例を示したが、本発明によれば酸化物磁性体、例
えばY3Fe12O19などの希土類ガーネット、BaFe12O19など
の六方晶フェライトの高品質の単結晶薄膜も低い基板温
度でかつ超高真空中で製造することが可能となる。
またO+イオン(酸素プラスイオン)を発生させるガス
として二酸化炭素(CO2)ガスを用いているので、酸素
ガスを用いるよりもO+イオン(酸素プラスイオン)を効
率よく発生させる(約10倍)ことができる。二酸化炭素
(CO2)ガスを用いた方が酸素ガスを用いるよりO+イオ
ン(酸素プラスイオン)の発生率が高いのは、電子(10
0eV)の衝突断面積が高いためと考えられる。すなわ
ち、熱電子により二酸化炭素(CO2)ガスからO+イオン
(酸素プラスイオン)を発生させるとき、 CO2+e→CO+O++2e …(1) の解離イオン化断面積が酸素ガスからO+イオン(酸素プ
ラスイオン)を発生させるときの、 O2+e→O+O++2e …(2) の解離イオン化断面積よりも大きいためにO+イオン(炭
素プラスイオン)の発生効率が高くなる(実験で確認で
きた)。
として二酸化炭素(CO2)ガスを用いているので、酸素
ガスを用いるよりもO+イオン(酸素プラスイオン)を効
率よく発生させる(約10倍)ことができる。二酸化炭素
(CO2)ガスを用いた方が酸素ガスを用いるよりO+イオ
ン(酸素プラスイオン)の発生率が高いのは、電子(10
0eV)の衝突断面積が高いためと考えられる。すなわ
ち、熱電子により二酸化炭素(CO2)ガスからO+イオン
(酸素プラスイオン)を発生させるとき、 CO2+e→CO+O++2e …(1) の解離イオン化断面積が酸素ガスからO+イオン(酸素プ
ラスイオン)を発生させるときの、 O2+e→O+O++2e …(2) の解離イオン化断面積よりも大きいためにO+イオン(炭
素プラスイオン)の発生効率が高くなる(実験で確認で
きた)。
また、加熱保持された基板6をクリーニングする際、
Ar+イオンを600V加速で照射して行ったが、基板6の表
面状態により加速電圧は600V以外にも設定することが可
能であり、イオンもAr+イオンに限らず導入ガスを変化
させたり、質量分離装置3のスリット幅を変化させ、最
適のイオンを選択可能である。
Ar+イオンを600V加速で照射して行ったが、基板6の表
面状態により加速電圧は600V以外にも設定することが可
能であり、イオンもAr+イオンに限らず導入ガスを変化
させたり、質量分離装置3のスリット幅を変化させ、最
適のイオンを選択可能である。
また、本発明では、基体を加熱保持し、イオン化した
ガスを照射することにより、加熱保持しない場合に比べ
て、基体の清浄化が効率よくでき、また、イオン化した
ガスを照射による基体表面のダメージを少なくすること
ができる。二酸化炭素(CO2)ガスを用いた方が酸素ガ
スを用いるよりO+イオン(酸素プラスイオン)の発生率
が高いのは、電子(100eV)の衝突断面積が高いためと
考えられる。すなわち、熱電子により二酸化炭素(C
O2)ガスからO+イオン(酸素プラスイオン)を発生させ
るとき、 CO2+e→CO+O++2e …(1) の解離イオン化断面積が酸素ガスからO+イオン(酸素プ
ラスイオン)を発生させるときの、 O2+e→O+O++2e …(2) の解離イオン化断面積よりも大きいためにO+イオン(酸
素プラスイオン)の発生効率が高くなる(実験で確認で
きた)。
ガスを照射することにより、加熱保持しない場合に比べ
て、基体の清浄化が効率よくでき、また、イオン化した
ガスを照射による基体表面のダメージを少なくすること
ができる。二酸化炭素(CO2)ガスを用いた方が酸素ガ
スを用いるよりO+イオン(酸素プラスイオン)の発生率
が高いのは、電子(100eV)の衝突断面積が高いためと
考えられる。すなわち、熱電子により二酸化炭素(C
O2)ガスからO+イオン(酸素プラスイオン)を発生させ
るとき、 CO2+e→CO+O++2e …(1) の解離イオン化断面積が酸素ガスからO+イオン(酸素プ
ラスイオン)を発生させるときの、 O2+e→O+O++2e …(2) の解離イオン化断面積よりも大きいためにO+イオン(酸
素プラスイオン)の発生効率が高くなる(実験で確認で
きた)。
基板6をクリーニングせずに薄膜を作製すると、単結
晶薄膜の品質が少し悪いが、ある程度の純度のものが得
られた。
晶薄膜の品質が少し悪いが、ある程度の純度のものが得
られた。
また、実施例ではイオン化率が理論的には100%のイ
オンビームを用いたが、イオン化率が50%以上であれば
基板6の温度の低温化には効果があった。
オンビームを用いたが、イオン化率が50%以上であれば
基板6の温度の低温化には効果があった。
また、前記実施例では、基板6としては、MgOを用い
たが、必要に応じてSrTiO3,LaGaO3,LaAlO3,Si,GaAs,Pt
を用いることができるる。例えば、本発明の酸化物薄膜
が、SiやGaAsの半導体装置の絶縁膜として用いられる場
合、例えば、SiとY,B,C,O,との界面反応防止のため中間
層として前記基板6と同じ材料の層を設けてもよい。
たが、必要に応じてSrTiO3,LaGaO3,LaAlO3,Si,GaAs,Pt
を用いることができるる。例えば、本発明の酸化物薄膜
が、SiやGaAsの半導体装置の絶縁膜として用いられる場
合、例えば、SiとY,B,C,O,との界面反応防止のため中間
層として前記基板6と同じ材料の層を設けてもよい。
以上、本発明を実施例にもとづき具体的に説明した
が、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、
その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である
ことは言うまでもない。
が、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、
その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である
ことは言うまでもない。
〔発明の効果〕 以上、説明したように、本発明によれば、理論的には
100%イオン化した酸素イオンビームを用いることによ
り、酸化物薄膜中の酸素量をイオン電流で電気的にコン
トロールできる。さらに、イオンのもつ電荷とエネルギ
ーにより薄膜の結晶成長が促進される。これにより、基
体の低温化がはかれる。
100%イオン化した酸素イオンビームを用いることによ
り、酸化物薄膜中の酸素量をイオン電流で電気的にコン
トロールできる。さらに、イオンのもつ電荷とエネルギ
ーにより薄膜の結晶成長が促進される。これにより、基
体の低温化がはかれる。
また、基体をクリーニングすることにより、高純度で
高品質の単結晶酸化超電導薄膜を含む超電導特性の良好
な酸化物超電導体を提供することができる。
高品質の単結晶酸化超電導薄膜を含む超電導特性の良好
な酸化物超電導体を提供することができる。
また、PIG源であるO+イオン(酸素プラスイオン)を
発生させるために、二酸化炭素(CO2)ガスに熱電子を
照射してプラズマ化しているので、酸素ガスを用いるよ
りもO+イオン(酸素プラスイオン)を効率よく発生させ
る(約10倍)ことができる。
発生させるために、二酸化炭素(CO2)ガスに熱電子を
照射してプラズマ化しているので、酸素ガスを用いるよ
りもO+イオン(酸素プラスイオン)を効率よく発生させ
る(約10倍)ことができる。
また、基体を加熱保持し、イオン化したガスを照射す
るので、加熱保持しない場合と比べて、基体の清浄化が
効率よくでき、また、イオン化したガスの照射による基
体表面のダメージを少なくすることができる。
るので、加熱保持しない場合と比べて、基体の清浄化が
効率よくでき、また、イオン化したガスの照射による基
体表面のダメージを少なくすることができる。
第1図は、本発明の酸化物薄膜の製造方法の一実施例を
説明するための図、 第2図は、酸素イオン電流量とY1Ba2Cu3OX超電導薄膜中
の酸素量の関係を示す図である。 図中、1……真空チャンバー、2……酸素イオン発生装
置、3……質量分離装置、4……集束レンズ、5……減
速電極、6……基板(基板)、7……蒸発源、8……基
板加熱装置、9……分子ビーム、10……バイアス電源。
説明するための図、 第2図は、酸素イオン電流量とY1Ba2Cu3OX超電導薄膜中
の酸素量の関係を示す図である。 図中、1……真空チャンバー、2……酸素イオン発生装
置、3……質量分離装置、4……集束レンズ、5……減
速電極、6……基板(基板)、7……蒸発源、8……基
板加熱装置、9……分子ビーム、10……バイアス電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 39/24 H01L 39/24 B (73)特許権者 999999999 日本電気株式会社 東京都港区芝5丁目7番1号 (72)発明者 喜多 隆介 東京都江東区東雲1丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター超 電導工学研究所内 (72)発明者 吉田 功 東京都江東区東雲1丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター超 電導工学研究所内 (72)発明者 手嶋 英一 東京都江東区東雲1丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター超 電導工学研究所内 (72)発明者 鈴木 克己 東京都江東区東雲1丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター超 電導工学研究所内 (72)発明者 森下 忠隆 東京都江東区東雲1丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター超 電導工学研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−107892(JP,A) 特開 昭57−113548(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】酸化物を構成する元素のうち、酸素を除く
各元素を各々真空中で蒸発させると同時に、二酸化炭素
(CO2)ガスを熱電子によりプラズマ分解した中からO+
イオン(酸素プラスイオン)を質量分離により取り出し
て集束し、電界にてエネルギー制御した後基体に照射
し、酸化物薄膜中の酸素量を酸素イオンビームのイオン
電流量によって制御することにより基体上に酸化物薄膜
を形成することを特徴とする酸化物薄膜の製造方法。 - 【請求項2】イオン化したガスを電界により加速して加
熱保持した基体に照射して基板表面を清浄化した後基体
上に酸化物薄膜を形成することを特徴とする請求項1記
載の酸化物薄膜の製造方法。 - 【請求項3】前記基体は、MgO,SrTiO3,LaGaO3,LaAlO3,S
i,GaAs,Ptのうちのいずれか一つであることを特徴とす
る請求項1又は2に記載の酸化物薄膜の製造方法。
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JP1273377A JP2605148B2 (ja) | 1989-10-20 | 1989-10-20 | 酸化物薄膜の製造方法 |
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JPH03138353A JPH03138353A (ja) | 1991-06-12 |
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JP1273377A Expired - Fee Related JP2605148B2 (ja) | 1989-10-20 | 1989-10-20 | 酸化物薄膜の製造方法 |
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