JPH05102545A - 超電導薄膜の加工方法及びジヨセフソン接合素子の製造方法 - Google Patents

超電導薄膜の加工方法及びジヨセフソン接合素子の製造方法

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JPH05102545A
JPH05102545A JP3178728A JP17872891A JPH05102545A JP H05102545 A JPH05102545 A JP H05102545A JP 3178728 A JP3178728 A JP 3178728A JP 17872891 A JP17872891 A JP 17872891A JP H05102545 A JPH05102545 A JP H05102545A
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thin film
superconducting thin
superconducting
irradiation
ion beam
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JP3178728A
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English (en)
Inventor
Hideji Fujiwara
秀二 藤原
Yoshihiro Yuasa
良寛 湯浅
Masao Nakao
昌夫 中尾
Masaaki Nemoto
雅昭 根本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超電導薄膜に微細な溝を形成する。 【構成】 MgO基板11上に形成した酸化物超電導薄
膜12に集束イオンビームの照射により損傷層14を形
成する。ここで、この照射は、スパッタが生じない程度
のものとし、この結晶構造を乱すものとする。次にKO
Hなどの強アルカリに浸し、イオン照射により結晶性の
乱れた損傷層14を除去する。これによって、微細な溝
15を効果的に形成できる。また、基板11と超電導薄
膜12の間に酸化物層を介在させることにより、超電導
トランジスタなどに好適なジョセフソン接合素子を形成
することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導薄膜に微細な溝
等を形成する超電導薄膜の加工方法及びこの加工方法を
利用するジョセフソン接合素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導トランジスタや超電導量子干渉素
子等の超電導デバイスにおいては、SNS(超電導・常
電導・超電導)接合やSIS(超電導・絶縁物・超電
導)接合からなるジョセフソン接合が利用される。そし
て、このジョセフソン接合は、SNSの各層を順次積層
することより容易に形成できるが、このように薄膜を積
層すると、各薄膜への電極の取り付けが難しいなどの問
題点がある。そこで、超電導薄膜に微細な溝等を形成し
てその超電導薄膜を複数に分割し、それぞれに電極を接
続することも行われている。これによれば、同一平面に
2つの超電導薄膜が並ぶプレナー型であるため、電極の
取り付け等が非常に簡単になる。
【0003】ここで、Bi−Ca−Sr−Cu−O系等
の酸化物超電導体からなる薄膜に上記微細な溝等を形成
する方法として、イオンビームスパッタエッチング法及
びレーザアシストエッチング法等が知られている。イオ
ンビームスパッタエッチングの一例として、集束イオン
ビーム(FIB)により加工を行う方法が図13に示さ
れている。これは、数10〜数100keVのエネルギ
ーを有し、1〜0.1μm程度に集束したイオンビーム
13をMgO基板11上の超電導薄膜12に照射し、ス
パッタリングにより溝15を形成するものである。
【0004】また、イオンビームスパッターエッチング
の他の例として、図14(a)に示すように、超電導薄
膜12の上に堆積したレジスト16により所望のパター
ンを形成し、その後Ar等のイオンビーム1を薄膜12
の全体に照射して薄膜12のレジスト16に覆われてい
ない部分をスパッタリング加工して溝15を形成し(同
図(b)参照)、その後にレジスト16を除去するもの
がある(同図(c)参照)H.Tsuge et al.,Jpn.J.Appl.
Phys.Vol.27 、No.11 、November、1988、pp.L2237〜L2
239)。
【0005】レーザアシストエッチングは、図15に示
すように、超電導体(又は超電導薄膜)6をKOH水溶
液7中に浸し、レーザ光8を超電導体6に照射して照射
部の温度を上げることにより、その部分の超電導体6を
溶液中に溶解させるものである(B.W.Hussey and A.Gup
ta、Appl.Phys.Lett.54(13) 、27 March 1989 、pp.127
2 〜1274)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
加工方法においては次のような課題がある。
【0007】イオンビームスパッタエッチング法におい
ては、第1に、イオンビームの照射により超電導薄膜の
構成物質を叩き出すため、これに伴い得られた溝の側面
に結晶性の乱れた損傷層が形成されてしまう。そこで、
この損傷層の存在により、実効的なギャップの幅はその
溝の幅よりも拡がってしまうことになる。また、この損
傷層は適当なアニール処理によりその結晶性をある程度
回復することができるが、溝形状が変化してしまうの
で、特に微細な溝を形成する場合には接触が生じる等の
不都合が生じるおそれもある。
【0008】第2に、特に狭い溝を形成しようとする
と、除去されるべき超電導薄膜の元素が排出されにくく
なり、加工溝の側面に再付着してしまう。このため、加
工可能な溝幅が制限され、またこの再付着層は、超電導
層ではないため、これにより実効的な超電導ギャップ
は、その溝のみかけの幅よりも拡がってしまうことにな
る。 第3に、イオンビームスパッタエッチングにおい
ては、そのエッチング深さの制御のためには、照射量の
制御が非常に微妙であり、また困難である。すなわち、
照射量が多すぎれば基板がエッチングされてしまうこと
になり、また照射量が少なければ超電導薄膜が残留する
ことになる。
【0009】一方、レーザアシストエッチング法では、
超電導体に照射されるレーザ光のスポット径が光の回折
により制限されるとともに温度の局部的な上昇という効
果を利用するため、0.1μm程度というような極めて
微細な溝を形成するのは極めて難しいという課題があ
る。
【0010】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、超電導薄膜を効果的に分割し得る超電
導薄膜の加工方法及びこの加工方法を利用したジョセフ
ソン接合素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による超電導薄膜
の加工方法は、イオンビームを超電導薄膜に照射して損
傷層を形成する工程とこの損傷層をアルカリ水溶液によ
り除去処理する工程とからなるものである。また、基板
上に酸化物薄膜を介し形成した超電導薄膜に上述の加工
方法により溝を形成して、プレナー型のジョセフソン接
合素子を形成するものである。
【0012】
【作用】超電導薄膜の所望位置にイオンビームを照射
し、ここにイオンを注入する。そして、このイオン注入
により、この部分の結晶構造が乱され損傷層が形成され
る。従って、この損傷層は、イオンビームの照射を受け
ていない部分と結晶構造が異なり、この損傷層の適当な
エッチング液に対する溶解度は、イオンビームの非照射
部とは異なるものとなる。
【0013】そして、本発明においては、アルカリ水溶
液(エッチング液)に、イオンビームを照射した超電導
薄膜を浸すことにより損傷層を溶解除去し、所望の溝パ
ターンを得る。これは、アルカリ水溶液に対する損傷層
の溶解速度が非照射部の溶解速度よりも大きいという知
見に基づくものである。
【0014】このように、損傷層がアルカリ水溶液によ
り除去されるので実効的なギャップの幅そのままの溝が
得られる。このため、前述のイオンビームスパッタエッ
チング法における第1の課題、すなわち、損傷層の存在
により、実効的なギャップの幅がその溝の幅よりも拡が
ってしまうという課題を克服することができる。
【0015】また、本発明は、スパッタエッチングで加
工するものではないので、前述のイオンビームスパッタ
エッチング法における第2の課題は、すなわち再付着層
により加工可能な溝幅が制限されるということもない。
さらに、本発明においては、イオンビームの照射により
イオンを超電導薄膜内に注入する。このイオンの侵入深
さはイオンのエネルギーによって制御でき、上述の照射
量の制御より比較的容易である。そこで、溝の深さを正
確に制御することができる。
【0016】また、本発明は、レーザ光による局部的温
度上昇の効果を利用するものではないので、レーザアシ
ストエッチング法における課題、すなわち極めて微細な
溝を形成するのが極めて難しいということもない。
【0017】さらに、本発明によれば、基板上に酸化物
薄膜を形成した後、この酸化物薄膜上に超電導薄膜を形
成し、これに上述の加工方法により溝を形成する。従っ
て、上述の場合と同様に正確な溝を形成でき、また溝に
より分割された一対の超電導薄膜と酸化物薄膜によりジ
ョセフソン接合が得られ、超電導トランジスタなどに好
適なプレナー型のジョセフソン接合素子を得ることがで
きる。
【0018】
【実施例】第1実施例 図1は第1実施例を示し、同図(a)はFIBの照射に
より損傷層を形成する状態を示す超電導薄膜の模式断面
図、同図(b)はその損傷層を除去した状態を示す超電
導薄膜の模式断面図である。なお、超電導薄膜は基板の
1/1000程度の厚さであるが、理解を容易にするた
めに、図においては両者のスケールを互いに異ならせ、
超伝導薄膜を厚く描いてある。
【0019】この図において、絶縁性基板11としては
MgO、SrTiO3 、YSZ(イットリアで安定化さ
せたジルコニア)、Al2 3 、LaAlO3 等を用い
ることができるが、実施例では(100)MgO基板を
用いた。
【0020】この基板11の表面にBiCaSrCu系
酸化物超電導薄膜12を形成するが、これはRfマグネ
トロンスパッタリング法により焼結ターゲットから放出
された放出物を基板11上に堆積することによって行
う。
【0021】ここで、この焼結ターゲットは、次に述べ
る高純度試薬の固相反応により形成される。すなわち、
4種の高純度試薬(純度99.999%のBi2 3
純度99.99%のSrCO3 、純度99.99%のC
aCO3 、純度99.99%のCuO)を、例えばメタ
ノール、エタノールなどの有機溶媒に加えてスターラに
て攪拌し、次いで有機溶媒を蒸発させた後、乳鉢にてす
り潰して粉末状にする。この粉末を電気炉にて875℃
1時間仮焼成し、この仮焼成された粉末を成形器に入
れ、成形圧力760kgf/cm2 でプレス加工してペ
レット状に固める。次にこのペレットを空気中において
880℃、1時間にわたって焼結して焼結ターゲットを
得る。このようにして、直径10cm、厚さ0.5cm
のBi2 Ca1 Sr2 Cu2 x の焼結ターゲットを得
る。
【0022】次に、このようにして得られた焼結ターゲ
ットを用い、Rfマグネトロンスパッタリング装置によ
り、基板11上にBiCaSrCu系酸化物超電導薄膜
12を形成する。
【0023】ここで、スパッタリング装置は図2に示す
構成を有しており、ベルジャ31には、排気系32、ア
ルゴンガスボンベ33が接続されている。なお、アルゴ
ンガスボンベ33はバリアブルリークバルブ34、スト
ップバルブ35を介しベルジャ31に接続されている。
また、ベルジャ31内には、陽極36および陰極37が
シャッター38を介し対向配置されている。
【0024】そして陽極36の表面上には、超電導薄膜
12を形成する基板11が載置されている。この例では
基板11としてMgOが用いられている。一方、陰極3
7は、上述の焼結ターゲットで構成されている。なお、
高真空計40、低真空計41はベルジャ31内の圧力を
計測するためのものである。
【0025】そして、次のような条件下で超電導薄膜1
2を形成した。まず、ベルジャ31内の陰極37を上記
焼結ターゲットで構成すると共に、陰極37(焼結ター
ゲット)に対し、接地された陽極36側に基板11を4
5mm離間して配置し、陰極37(焼結ターゲット)に
は負の高電圧2.6kVを印加する。
【0026】ベルジャ31内に純度99.9995%の
アルゴンガスと純度99.999%の酸素ガスを比1:
1の割合で4mTorrの圧力にて供給すると共にスパ
ッタ出力を150Wとしてスパッタリング処理し、基板
11上にターゲットと同一組成の薄膜12を成長速度2
70オングストローム/分で0.1〜5μmの厚みに形
成することができる。この場合に基板11の温度は20
0〜600℃とすることができるが、実施例では280
℃とした。
【0027】このようにして形成された薄膜は全体とし
て絶縁性であり、X線回折パターンによれば非晶質であ
り、その表面は鏡面であった。
【0028】その後、薄膜12を形成した基板11をス
パッタ装置から取り出して電気炉に入れ、流量2リット
ル/分の酸素雰囲気中において室温から1℃/秒で80
0℃まで昇温し、800℃で1時間アニール処理を行
い、−20℃/秒で室温まで降温して冷却した。この処
理により、薄膜12は所定の結晶状態となり、超電導薄
膜12となる。このようにして、基板11上に超電導薄
膜12を形成した。
【0029】そして、図1(a)に示すように、このよ
うにして得た超電導薄膜12にイオンビームを照射して
損傷層14を形成する。この実施例では、エネルギー2
00keVのSi++をイオン源とする集束イオンビーム
(FIB)13を照射して損傷層14を形成した。ここ
で、各種の実験によれば、その照射量はほぼ1×1017
ions/cm2 が好ましいことが分かっており、本実
施例では、その照射量をほぼ7×1016ions/cm
2 とした。このようにして損傷層14を形成した後、エ
ッチング液として1規定、25℃のKOH水溶液を用
い、超電導薄膜12を5分間浸してエッチングし、純水
にて洗浄した。このようにして、図1(b)に示す溝1
5を形成することができた。
【0030】ここで、図3に照射量を6.5×1016
ons/cm2 とした場合の同実施例の状態を示す。図
3(a)はアルカリ処理を行う前の状態を示しており、
図3(b)はアルカリ処理後の状態を示している。これ
より、イオン照射によって、超電導薄膜12のイオンが
照射された領域の組成が変化し損傷層14が形成され、
アルカリ処理により損傷層14が正確に除去されている
ことが理解される。
【0031】なお、以上の実施例においては、加速エネ
ルギー200keVのSi++イオンを超電導薄膜に照射
したが、本発明者は100keVのAu+ イオン、20
0keVのAu++イオン(いずれも照射量Dcは〜5×
1015ions/cm2 であった。)を超電導薄膜に照
射し、1規定のKOH水溶液で25℃、5分の処理を行
ったところ、第1実施例とほぼ同様な結果が得られた。
同様にその他のイオンを使用してもよい。
【0032】さらに、図4には、上述の実施例と同様
に、200keVのSi++の集束イオンビームを照射し
てビスマス系超電導薄膜に損傷層14を形成し、その後
に5N(規定)のNaOH水溶液に25℃、5分間のア
ルカリ処理を行った場合のSEM写真を示す。そして、
イオンビームの照射量は図に記載したように、8.1×
1015〜3.7×1017ions/cm2 となってい
る。これより、8.1×1015〜3.3×1016ion
s/cm2 では、一部エッチングされているが、エッチ
ングされているか否かは、あまり明瞭でない。そして、
4.6×1016〜2.6×1017ions/cm2 では
矩形の凹部が明瞭に形成されている。従って、4.6×
1016ions/cm2 以上の照射量を与えることによ
りエッチングを行えることが理解される。
【0033】一方、照射量をさらに増加した3.7×1
17ions/cm2 では、矩形パターンの輪郭部はエ
ッチングされているが、その中央部がエッチングされず
に残っている。そこで、イオン照射量は2.6×1017
ions/cm2 以下とするのがよいことが分かる。こ
れより、照射量は4.6×1016〜2.6×1017io
ns/cm2 の範囲とするのがよいことが理解される。
【0034】なお、照射量が多すぎる場合に、輪郭部の
みがエッチングされている理由は、次のようなものと考
えられる。すなわち、イオンの照射は、理想的には図5
(d)のように照射領域についてはすべて同一の照射量
となることが望ましい。しかし、FIBのイオンビーム
の径は0ではなく、0.5〜1μm程度である。このた
め、実際のイオン照射量の分布は図5(c)のようにな
り、輪郭部では照射量が徐々に変化するいわゆる「だ
れ」が生じた形となっている。そこで、輪郭部分におい
て、照射量が上述のエッチング可能な範囲に入り、ここ
においてエッチングが生起されたものと考えられる。
【0035】一方、照射量が多くなった場合に、エッチ
ングされなくなるのは、注入するイオン量がある程度以
上増えると、損傷層の組成が変化し、アルカリ水溶液に
溶解しないものになってしまうためと考えられる。
【0036】同様の現象は、100keV Au+ 、2
00keVAu++のイオン照射においてもみられ、これ
らの実験結果よりエッチングが可能となるイオン照射量
は次のようになる。
【0037】 200keV Si++ 4.6 ×1016〜2.6 ×1017 ions/cm2 100keV Au+ 約4×1015〜約2×1016 ions/cm2 200keV Au++ 約4×1015〜約2×1016 ions/cm2 200keV Be++ 約8×1017〜未確認 ions/cm2 次に、このエッチングが可能となる臨界イオン照射につ
いて、核衝突エネルギーを第1表に示す。
【0038】 これより、ほぼ同様の核衝突エネルギーにおいて、エッ
チング可能な損傷層が得られることが理解される。すな
わち、核衝突エネルギーが上記第1表の値と同様な値を
とることができれば、どんなイオンでもエッチング可能
な損傷層を得ることができるのである。なお、核衝突エ
ネルギーは、モンテカルロシミュレーションと呼ばれる
公知のシミュレーションによって算出したものである。
【0039】図6は第1実施例に準じてFIBのイオン
が注入される層の厚さを超電導薄膜の厚さより薄くして
浅い溝部を形成した場合の溝部周辺の超電導薄膜の結晶
構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。この写真から
写真の中央縦に形成された溝の幅が0.15μmである
ことが分る。なお、この写真は電子顕微鏡の電子の加速
電圧を25KVとし、倍率を3万倍とした写真であり、
写真下欄の11個の点の両端間の長さが1.00μmで
ある。
【0040】イオンビームの加速エネルギーが200k
eVのときには、イオンが注入される層の厚みは0.2
〜0.3μmであるから、超電導薄膜の厚さをこれより
薄い層にすることにより、イオンの照射部の超電導薄膜
を完全に取り去ることができる。このように、超電導薄
膜の厚さをイオンの注入可能な厚さに留めてもよいが、
より軽いイオンを使用したり、あるいはイオンの加速エ
ネルギーを高くしてイオンの注入される層の厚さを増す
ようにしてイオン照射部の超電導薄膜を完全に取り去る
ようにしてもよい。
【0041】ここで、本実施例においてはFIBにより
イオンを超電導薄膜に注入している。一方、上述のよう
にFIBによりスパッタエッチングを行うことは、従来
より知られている。例えば「5th International Worksh
op on Future Electron Devices 」June 2-4,1988,Miya
gi Zao pp.245-249 には80keV Au+ を用いたF
IBにより超電導薄膜をスパッタエッチングすることが
示されている。しかし、この場合の照射量は1×1017
〜1018ions/cm2 であり、本実施例に比べ10
2 程度大きくなっている。従って、本実施例による損傷
層の形成とスパッタエッチングとは全く異なる技術であ
ることが理解される。なお、本実施例において、エッチ
ングが起っていないことは、図3(a)からも明らかで
ある。
【0042】次に、第1実施例において、エッチング液
として使用するKOH水溶液の濃度及び温度、並びに処
理時間を種々異ならせて実験を行った結果を第2表に示
す。なお、全てKOH水溶液で処理後に純水にて洗浄を
行った。
【0043】 この表において、「Dc照射部」の欄は、表中同行に記
載の照射量(Dc)の値以上の照射量を与えた部分、す
なわち損傷層14の除去の状態を示す。「Dc以下照射
部」の欄は、表中同行に記載の照射量(Dc)の値以下
の照射量を与えた部分の状態を示す。「異物付着」と
は、Dc以下の照射部の表面に純水またはアルコールに
よる洗浄で除去不可能な異物が付着したことを示す。
【0044】この表から、「Dc照射部」の欄が「除
去」であり、「Dc以下照射部」の欄が「変化なし」で
あることが望ましいことになる。この点で試料3、4、
5、9及び11が望ましいものになるが、試料5、9及
び11ではイオン照射を行っていない部分の抵抗値がゼ
ロとなる臨界温度が若干低下した。以上のことから試料
3及び4の条件が最も良いことになる。
【0045】次に、KOH水溶液に代えて、NaOH水
溶液を使用し、その濃度及び温度並びに処理時間を変え
て同様に実験を行った結果を第3表に示す。
【0046】 この表から試料13、14及び16の条件が望ましいも
のであるが、試料14及び16ではイオン照射の行って
いない部分の抵抗値がゼロとなる臨界温度が若干低下し
た。以上のことから試料13の条件が最も良いことにな
り、NaOH水溶液はKOH水溶液とほぼ同じ効果を持
っていることが分る。
【0047】さらに、KOH水溶液、NaOH水溶液と
同じようなアルカリ性を示すBa(OH)2 飽和水溶液
(ほぼ0.5規定)で実験を行ったところ、その水溶液
温度25℃、処理時間5〜20分の処理条件で第1表の
試料3及び4と同じ結果が得られた。従って、Ba(O
H)2 水溶液は、KOH水溶液とほぼ同じ効果をもって
いることが分る。同様に、LiOH、RbOH、CsO
H、Sr(OH)2 等の強いアルカリ水溶液でも、ほぼ
同様な効果が得られる。
【0048】次に、やや弱いアルカリ性のCa(OH)
2 飽和水溶液(ほぼ0.02規定)で実験を行った。そ
の水溶液温度25℃、処理時間5〜20分の処理条件で
第2表の試料2のように、Dc照射部の除去が不十分で
あった。従って、アルカリ性が弱い場合には、エッチン
グが十分に行えないことが理解される。同様に、Mg
(OH)2 、Be(OH)2 や遷移金属の水酸化物は、
水に対する溶解度が小さいこと、またはその水溶液のア
ルカリ性が弱いことから十分な効果を得ることができな
いと考えられる。
【0049】図7には、KOHによるアルカリ処理の時
間と、超電導薄膜の性状の関係を示す。このように、ア
ルカリ処理の時間を長くしても、超電導状態に転移する
温度(転移温度)には変化がない。しかし、アルカリ処
理の時間を増加すると、常温時における電気抵抗が徐々
に増加する。従って、アルカリ処理は、超電導薄膜に若
干の影響があり、アルカリ処理の時間は、できるかぎり
短くすることが望ましいと考えられる。第2実施例 図8は本発明の第2実施例を示し、同図(a)は超電導
薄膜上にレジストパターンを形成した超電導薄膜の模式
断面図、同図(b)はイオンビームの照射により損傷層
を形成する状態を示す超電導薄膜の模式断面図、同図
(c)はその損傷層を除去した状態を示す超電導薄膜の
模式断面図、同図(d)はレジストパターンを除去した
状態を示す超電導薄膜の模式断面図である。
【0050】この実施例における絶縁性基板11及び超
電導薄膜12については第1実施例と同じ物であるが超
電導薄膜12上にレジストパターン16が形成されてい
る。このレジストパターン16上からAr、Ne、Si
++等のイオンビーム17が全面に照射されて損傷層14
を形成する(同図(b)参照)。この実施例ではSi++
等のイオンビーム17を200keVで使用した。
【0051】その後、損傷層14を形成した超電導薄膜
12をエッチング液に浸して溝15(同図(c)参照)
を形成し、次いでレジストパターン16を除去して、溝
15を有する超電導薄膜12を形成した(同図(d)参
照)。この実施例ではエッチング条件は第1実施例と同
じにした。
【0052】このように、第2実施例においても上述の
第1実施例と同様に効果的な溝形成による超電導薄膜の
分割が達成される。
【0053】また、以上の実施例はいずれも絶縁性基板
上にRfマグネトロンスパッタリング装置で超電導素材
薄膜を堆積後にアニール処理を行った試料を用いて行わ
れたが、アニール処理を行っていない試料についても同
様な効果が得られた。この場合、薄膜に所望のパターン
を形成した後、アニール処理を行えば所望のパターンを
有する超電導薄膜が得られる。
【0054】さらに、実施例では、BiCaSrCuO
系薄膜を使用したが、YBaCu系薄膜、TlBaCa
CuO系薄膜に対しても適用することができる。この場
合にはBaが水に弱いことを考慮してアルカリ性水溶液
の処理時間をできるだけ短くすることが望ましい。
【0055】なお、本実施例によって得られた溝に、例
えば常電導体を埋め込むことにより、良好なSNS(超
電導・常電導・超電導)ジョセフソン接合を形成する等
により、超電導デバイスを形成することができる。
【0056】ジョセフソン接合素子 次に、プレーナ型ジョセフソン接合素子の作製方法を以
下に示す。図9はそのプレーナ型ジョセフソン接合素子
の模式図である。
【0057】図10は分子線エピタキシー装置を用いた
薄膜作製装置の概略図である。図において、真空チャン
バ50は、2個の電子ビーム型蒸発源52a,52b及
び3個の抵抗加熱によるるつぼ型蒸発源52c〜52e
を有している。そして、これら蒸発源52a〜52eか
ら酸化ビスマスBi2 3、ストロンチウムSr、カル
シウムCa、銅Cuなどがそれぞれ独立に原子あるいは
分子の状態で放出される。また、これらの放出は、それ
ぞれに対応して設けられたシャッタ54a〜54eによ
って制御される。さらに、真空チャンバ50には、酸素
ボンベ56に接続されたラジカルビーム源58が設けら
れており、酸素ボンベ56からの分子状の酸素は原子状
の酸素O* として供給され、これが基板11に照射され
る。なお、基板11は、真空チャンバ50内の蒸発源5
2に対向する位置に配置されている基板ホルダ62に固
定されている。これによって、基板11上に所望の薄膜
を形成することができる。なお、本実施例では、基板1
1としてMgOを用いたが、SrTiO3 、YSZ、A
2 3 、LaAlO3 、LaGaO3 、NdGaO3
でもよい。
【0058】このような装置により、まずMgO基板1
1上に酸化物薄膜18を形成する。加熱されたMgO基
板11上にBi2 3 、Sr、Cuと原子状酸素O*
照射し、酸化物薄膜18であるBi−Sr−Cu−O薄
膜を形成した。基板温度は650〜750℃である。こ
こで、Bi2 3 、Sr、CuはBi・Sr・Cu・S
r・Bi−Bi・Sr・Cu・Sr・Bi−…(以下同
じ)のような順番で順次堆積した。それぞれの蒸発量は
概ね次の通りである。すなわち、Bi2 3 は1.25
オングストローム/秒、Srは2.20オングストロー
ム/秒、Cuは、0.40オングストローム/秒、O*
は1×1016/秒・cm2 である。また、それぞれの蒸
発源の開放時間(シャッターの開いている時間)は概ね
次の通りである。すなわち、Bi2 3 は3.20秒、
Srは4.02秒、Cuは、2.90秒である。
【0059】この実施例では、Bi2 3 、Sr、Cu
と原子状酸素O* を同時に照射したが、前述のBi・S
r・Cu・Sr・Biの堆積毎に、堆積後原子状酸素O
* を照射するようにしてもよい。
【0060】次に、このBi−Sr−Cu−O薄膜の上
に、上述の方法と同様にBi2 3 、Sr、Ca、Cu
と原子状酸素O* を照射し、超電導薄膜12であるBi
−Sr−Ca−Cu−O薄膜を形成した。基板温度は6
50〜750℃である。ここで、Bi2 3 、Sr、C
a、CuはBi・Sr・Ca・Cu・Ca・Sr・Bi
−Bi・Sr・Ca・Cu・Ca・Sr・Bi−…(以
下同じ)のような順番で順次堆積した。それぞれの蒸発
量は概ね次の通りである。すなわち、Bi2 3 は1.
25オングストローム/秒、Srは2.20オングスト
ローム/秒、Caは2.20オングストローム/秒、C
uは、0.40オングストローム/秒、O* は1×10
16/秒・cm2 である。また、それぞれの蒸発源の開放
時間(シャッターの開いている時間)は概ね次の通りで
ある。すなわち、Bi2 3 は3.20秒、Srは4.
02秒、Caは3.85秒、Cuは、2.90秒であ
る。
【0061】この実施例では、Bi2 3 、Sr、C
a、Cuと原子状酸素O* を同時に照射したが、前述の
Bi・Sr・Cu・Ca・Cu・Sr・Biの堆積毎
に、堆積後原子状酸素O* を照射するようにしてもよ
い。
【0062】Bi−Sr−Cu−O薄膜の膜厚は本実施
例では1500オングストロームとしたが、300オン
グストローム以上であればよい。また、Bi−Sr−C
a−Cu−O薄膜の膜厚は本実施例では1500オング
ストロームとしたが、500〜2000オングストロー
ムとしてもよい。
【0063】次に、この積層膜の表面に位置する超電導
薄膜12に100keVのSiイオンの集束イオンビー
ムを照射して損傷層14を形成した。本実施例では、S
iイオンを用いたがAuイオン、Biイオン等の他のイ
オンを用いてもよい。本実施例では、照射量は7×10
16ions/cm2 としたが、1016〜1017ions
/cm2 としてもよい。本実施例では、加速電圧は10
0keVとしたが、超電導薄膜の膜厚により30〜20
0keVの範囲で変えるとよい。
【0064】次に、エッチング液として1規定、25℃
のKOH水溶液に積層膜を5分間浸し、純水にて洗浄し
た。本実施例ではKOH濃度は1規定としたが、1〜1
0規定としてもよい。本実施例では、アルカリ水溶液と
してKOHを用いたが、NaOH、LiOH、RbO
H、CsOH、Ba(OH)2 、Sr(OH)2 でもよ
い。この場合、アルカリ水溶液の濃度は0.1〜10規
定とすればよい。
【0065】以上のようにして得られた接合の4.2K
における電流−電圧曲線を図11に示す。この接合にマ
イクロ波を照射すると電流−電圧曲線においてシャピロ
ステップが観測されることから、この接合はジョセフソ
ン接合であることが分る。これは、イオンビーム照射に
よりBi−Sr−Ca−Cu−O薄膜により形成された
損傷層が、KOH処理により除去されていることを示し
ている。図12は、本発明で得られた接合の臨界電流の
温度変化を示している。これは直線的であり、この接合
がマイクロブリッジ型の接合であることを示している。
【0066】このようにして、本実施例において、プレ
ナー型のジョセフソン接合素子が得られる。
【0067】なお、本実施例では、酸化物超電導体とし
てBi系を用いたが、Y(希土類)系、Tl系の酸化物
超電導体でもよい。また本実施例では、酸化物としてB
i−Sr−Cu−Oを用いたが、PrBa2 Cu3
7-x 、Bi2 Sr2 MO6 (MはCo、Mn、Fe)、
SrTiO3 あるいはBi−Sr−Cu−OとBi−S
r−Ca−Cu−Oの超格子、Y(希土類)系超電導体
とPrBa2 Cu3 7- x の超格子を用いてもよい。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、イ
オンビームを超電導薄膜に照射して損傷層を形成する工
程とこの損傷層をアルカリ水溶液により除去処理する工
程とからなるので、従来のイオンビームスパッタエッチ
ング法における場合のように、超電導薄膜に形成した溝
の両側に損傷層が存在することがなく、また再付着層に
より実効的な超電導ギャップがその溝のみかけの幅より
も拡がってしまうという欠点がない。さらに、従来のレ
ーザアシストエッチング法におけるレーザ光の回折によ
り極めて微細な溝を形成するのは困難であるという問題
もない。従って、膜に実効的なギャップの幅そのままの
溝を形成することができる。
【0069】また、この加工方法を利用することによ
り、プレナー型のジョセフソン接合素子を容易に作製す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の超電導薄膜の加工方法を示し、同
図(a)はFIBの照射により損傷層を形成する状態を
示す超電導薄膜の模式断面図、同図(b)はその損傷層
を除去した状態を示す超電導薄膜の模式断面図である。
【図2】スパッタ装置の構成を示す模式図である。
【図3】実施例の溝部周辺の結晶構造を示す走査型電子
顕微鏡写真であり、同図(a)は、アルカリ処理前、同
図(b)はアルカリ処理後の状態を示す。
【図4】実施例の溝部周辺の結晶構造を示す走査型電子
顕微鏡写真であり、同図(a)は、照射量8.1×10
15〜4.6×1016ions/cm2 の状態、同図
(b)は6.5×1016〜3.7×1017ions/c
2 の状態を示す。
【図5】図4における照射量の大きすぎる場合の溝の状
態及びイオン照射の特性を示す説明図である、同図
(a)は溝の状態を示す平面図、同図(b)は同正面断
面図、同図(c)はイオンビームの照射特性を示す図、
同図(d)はイオンビームの理想的な照射特性を示す図
である。
【図6】超電導薄膜に浅い溝部を形成した場合の溝部周
辺の結晶構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】実施例における超電導薄膜のアルカリ処理によ
る影響を示す特性図である。
【図8】第2実施例の超電導薄膜の加工方法を示し、同
図(a)は超電導薄膜上にレジストパターンを形成した
超電導薄膜の模式断面図、同図(b)はイオンビームの
照射により損傷層を形成する状態を示す超電導薄膜の模
式断面図、同図(c)はその損傷層を除去した状態を示
す超電導薄膜の模式断面図、同図(d)はレジストパタ
ーンを除去した状態を示す超電導薄膜の模式断面図であ
る。
【図9】本発明のジョセフソン接合素子の構成を説明す
るための外観斜視図である。
【図10】分子線エピタキシー装置の構成を示す説明図
である。
【図11】実施例のジョセフソン接合素子の電圧/電流
特性を示す図である。
【図12】実施例のジョセフソン接合素子における温度
と臨界電流の関係を示す特性図である。
【図13】従来例のイオンビームスパッタエッチングの
一例を示す超電導薄膜の模式断面図である。
【図14】従来例のイオンビームスパッタエッチングの
他の例を示し、同図(a)は超電導薄膜上にレジストパ
ターンを形成した超電導薄膜の模式断面図、同図(b)
はイオンビームの照射により溝を形成した状態を示す超
電導薄膜の模式断面図、同図(c)はレジストパターン
を除去した状態を示す超電導薄膜の模式断面図である。
【図15】従来例のレーザアシストエッチングの説明図
である。
【符号の説明】
11 絶縁性基板 12 超電導薄膜 13 イオンビーム(FIB) 14 損傷層 15 溝 16 レジスト 17 イオンビーム
【手続補正書】
【提出日】平成3年8月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】ここで、スパッタリング装置は図2に示す
構成を有しており、ベルジャ31には、排気系32、ア
ルゴンガスボンベ33と酸素ガスボンベ(図示せず)
接続されている。なお、アルゴンガスボンベ33及び酸
素ガスボンベ(図示せず)はバリアブルリークバルブ3
4、ストップバルブ35を介しベルジャ31に接続され
ている。また、ベルジャ31内には、陽極36および陰
極37がシャッター38を介し対向配置されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】ここで、本実施例においてはFIBにより
イオンを超電導薄膜に注入している。一方、上述のよう
にFIBによりスパッタエッチングを行うことは、従来
より知られている。例えば「5th International Worksh
op on Future Electron Devices 」June 2-4,1988,Miya
gi Zao pp.245-249 には80keV Au+ を用いたF
IBにより超電導薄膜をスパッタエッチングすることが
示されている。しかし、この場合の照射量は1×1017
〜1018ions/cm2 であり、本実施例に比べ10
2 程度大きくなっている。従って、本実施例による損傷
層の形成とスパッタエッチングとは全く異なる技術であ
ることが理解される。なお、本実施例において、スパッ
エッチングが起っていないことは、図3(a)からも
明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根本 雅昭 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオンビームを酸化物超電導材料からな
    る超電導薄膜に照射して損傷層を形成する工程とこの損
    傷層をアルカリ水溶液により除去処理する工程とからな
    る超電導薄膜の加工方法。
  2. 【請求項2】 基板上に酸化物薄膜を形成する工程と、
    この酸化物薄膜上に酸化物超電導材料からなる超電導薄
    膜を形成する工程と、この超電導薄膜にイオンビームを
    照射して損傷層を形成する工程と、この損傷層をアルカ
    リ水溶液により除去処理する工程とからなるジョセフソ
    ン接合素子の製造方法。
JP3178728A 1990-06-29 1991-06-24 超電導薄膜の加工方法及びジヨセフソン接合素子の製造方法 Pending JPH05102545A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999017382A1 (fr) * 1997-09-30 1999-04-08 Yoichi Okabe Procede de fabrication d'un dispositif a effet josephson coplanaire

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999017382A1 (fr) * 1997-09-30 1999-04-08 Yoichi Okabe Procede de fabrication d'un dispositif a effet josephson coplanaire

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