JP2604332B2 - ビフィズス菌増殖促進飼料 - Google Patents
ビフィズス菌増殖促進飼料Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビフィズス菌の増殖促
進飼料に関する。本発明の飼料及び飼料組成物は、腸内
に棲息するビフィズス菌の増殖を目的に、動物に対して
単独又は他の飼料成分と共に経口投与される整腸用添加
物として使用することができる。
進飼料に関する。本発明の飼料及び飼料組成物は、腸内
に棲息するビフィズス菌の増殖を目的に、動物に対して
単独又は他の飼料成分と共に経口投与される整腸用添加
物として使用することができる。
【0002】
【従来の技術】ビフィズス菌は、人又は動物の腸内に棲
息する有用菌であり、下痢症、便秘症、感染症等の予防
又は治療、腸内の有害細菌の増殖抑制等その有用性が臨
床的に明らかにされつつある。ビフィズス菌の増殖促進
物質としては、これまでにN−アセチルグルコサミン、
パンテチン類、ペプチド類、核酸関連物質等の他に、胃
酸で分解されず、ビフィズス菌が利用できる糖類(例え
ばラクチュロース)等が報告されている。
息する有用菌であり、下痢症、便秘症、感染症等の予防
又は治療、腸内の有害細菌の増殖抑制等その有用性が臨
床的に明らかにされつつある。ビフィズス菌の増殖促進
物質としては、これまでにN−アセチルグルコサミン、
パンテチン類、ペプチド類、核酸関連物質等の他に、胃
酸で分解されず、ビフィズス菌が利用できる糖類(例え
ばラクチュロース)等が報告されている。
【0003】本発明は、前記ビフィズス菌増殖促進物質
とは全く異なる牛ラクトフェリン、牛アポラクトフェリ
ン及び牛ラクトフェリン鉄からなる群から選ばれた物質
を有効成分とすることを特徴とするビフィズス菌増殖促
進飼料組成物及びこれを含有するビフィズス菌増殖促進
飼料を提供するものである。
とは全く異なる牛ラクトフェリン、牛アポラクトフェリ
ン及び牛ラクトフェリン鉄からなる群から選ばれた物質
を有効成分とすることを特徴とするビフィズス菌増殖促
進飼料組成物及びこれを含有するビフィズス菌増殖促進
飼料を提供するものである。
【0004】ラクトフェリンは、鉄結合性蛋白質であっ
て、生体内では涙、唾液、末梢血及び乳汁に含まれてい
る。牛乳におけるラクトフェリン含量は、人乳中のそれ
の約1/10程度であるが、大腸菌、カンジダ菌及びク
ロストリジウム菌等の有害微生物に対して抗菌効果を示
すことが知られている[ウエルシュ・ジェー・ケー・ア
ンド・ジェー・ティー・メイ:ジャーナル・オブ・ペデ
ィアトリクス(WelshJ.K. & J. T. May:Journal of Ped
iatrics)、第94巻、第1ページ、1979年]。
て、生体内では涙、唾液、末梢血及び乳汁に含まれてい
る。牛乳におけるラクトフェリン含量は、人乳中のそれ
の約1/10程度であるが、大腸菌、カンジダ菌及びク
ロストリジウム菌等の有害微生物に対して抗菌効果を示
すことが知られている[ウエルシュ・ジェー・ケー・ア
ンド・ジェー・ティー・メイ:ジャーナル・オブ・ペデ
ィアトリクス(WelshJ.K. & J. T. May:Journal of Ped
iatrics)、第94巻、第1ページ、1979年]。
【0005】牛乳由来の牛ラクトフェリンを脱鉄するこ
とによって得られる牛アポラクトフェリンが、合成培地
を用いた実験において、0.5〜30mg/mlの添加
量で、大腸菌、ブドウ球菌及び腸球菌等の有害微生物の
増殖を抑制することが知られている[ノンネッケ・ビー
・ジェー・アンド・ケー・エル・スミス:ジャーナル・
オブ・デイリー・サイエンス(Nonnecke B. J. & K. L.
Smith:Journal of Dairy Science )、第6巻、第3ペ
ージ、1984年]。
とによって得られる牛アポラクトフェリンが、合成培地
を用いた実験において、0.5〜30mg/mlの添加
量で、大腸菌、ブドウ球菌及び腸球菌等の有害微生物の
増殖を抑制することが知られている[ノンネッケ・ビー
・ジェー・アンド・ケー・エル・スミス:ジャーナル・
オブ・デイリー・サイエンス(Nonnecke B. J. & K. L.
Smith:Journal of Dairy Science )、第6巻、第3ペ
ージ、1984年]。
【0006】一般に、アポラクトフェリンの抗菌性は、
鉄要求性の高い菌種に対して、鉄をキレート化すること
により、その増殖を抑制すると考えられている。
鉄要求性の高い菌種に対して、鉄をキレート化すること
により、その増殖を抑制すると考えられている。
【0007】一方、人乳中に存在する人ラクトフェリン
に鉄を飽和させた人ラクトフェリン鉄は、ビフィズス菌
の増殖を促進することが知られている(児玉:日本小児
科学会誌、第87巻、第1000ページ、1983
年)。
に鉄を飽和させた人ラクトフェリン鉄は、ビフィズス菌
の増殖を促進することが知られている(児玉:日本小児
科学会誌、第87巻、第1000ページ、1983
年)。
【0008】以上のように、従来から牛ラクトフェリ
ン、牛アポラクトフェリンの有害微生物に対する抗菌性
及び人ラクトフェリン鉄のビフィズス菌に対する増殖促
進効果は知られていた。
ン、牛アポラクトフェリンの有害微生物に対する抗菌性
及び人ラクトフェリン鉄のビフィズス菌に対する増殖促
進効果は知られていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、ラクトフ
ェリンについて研究を続け、その研究において牛ラクト
フェリン、牛ラクトフェリンから鉄を除去して得た牛ア
ポラクトフェリン及び牛ラクトフェリンに鉄をキレート
結合させた牛ラクトフェリン鉄のビフィズス菌に対する
増殖促進効果が、人ラクトフェリン鉄のそれよりも大き
いことを見出し、この知検に基づいて本発明に到達し
た。
ェリンについて研究を続け、その研究において牛ラクト
フェリン、牛ラクトフェリンから鉄を除去して得た牛ア
ポラクトフェリン及び牛ラクトフェリンに鉄をキレート
結合させた牛ラクトフェリン鉄のビフィズス菌に対する
増殖促進効果が、人ラクトフェリン鉄のそれよりも大き
いことを見出し、この知検に基づいて本発明に到達し
た。
【0010】本発明の目的は、ビフィズス菌に対して強
力な増殖促進効果を有する飼料を提供することにある。
詳しくは、飼料等に添加し、ビフィズス菌の生菌数を増
加させることのできる飼料組成物を提供することにあ
る。
力な増殖促進効果を有する飼料を提供することにある。
詳しくは、飼料等に添加し、ビフィズス菌の生菌数を増
加させることのできる飼料組成物を提供することにあ
る。
【0011】更に、本発明の他の目的は、飼料等に添加
して経口投与するか、又は直接経口投与するかの方法に
より、動物に対し、腸内に棲息するビフィズス菌の増殖
を促進することのできる飼料組成物を提供することにあ
る。
して経口投与するか、又は直接経口投与するかの方法に
より、動物に対し、腸内に棲息するビフィズス菌の増殖
を促進することのできる飼料組成物を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明は、牛ラクトフェリン、牛アポラクトフェリン及び牛
ラクトフェリン鉄からなる群から選ばれた物質を有効成
分として含有することを特徴とするビフィズス菌増殖促
進飼料であり、前記飼料が、牛の飼料であること及び前
記有効成分が、少なくとも15%(重量)の割合で含有
されていることを望ましい態様としてもいる。
明は、牛ラクトフェリン、牛アポラクトフェリン及び牛
ラクトフェリン鉄からなる群から選ばれた物質を有効成
分として含有することを特徴とするビフィズス菌増殖促
進飼料であり、前記飼料が、牛の飼料であること及び前
記有効成分が、少なくとも15%(重量)の割合で含有
されていることを望ましい態様としてもいる。
【0013】次に本発明について詳述する。
【0014】本発明の牛アポラクトフェリンは、牛乳に
由来する牛ラクトフェリンから鉄を除去して得られる。
また、牛ラクトフェリン鉄は、牛ラクトフェリンに鉄を
飽和結合することによって得られる。
由来する牛ラクトフェリンから鉄を除去して得られる。
また、牛ラクトフェリン鉄は、牛ラクトフェリンに鉄を
飽和結合することによって得られる。
【0015】牛ラクトフェリンの供給源は、初乳、移行
乳、常乳、末期乳、更にこれらの加工品、また加工余剰
物であるチーズホエー等、牛ラクトフェリンを含むもの
であればいかなるものであっても良い。これら牛ラクト
フェリンの供給源を、イオン交換クロマトグラフ法によ
り処理して牛ラクトフェリンを分離、精製し、その牛ラ
クトフェリンをクエン酸水溶液に溶解し、鉄を除去して
鉄フリーの牛アポラクトフェリンを調製する。また、牛
ラクトフェリンを硫酸鉄水(溶媒)と反応させ、その反
応生成物を限外濾過して、牛ラクトフェリン鉄を得るこ
とができる。牛ラクトフェリン、牛アポラクトフェリン
及び牛ラクトフェリン鉄は、液状又は乾燥した粉末状に
おいて、ビフィズス菌増殖促進物質として使用すること
ができる。
乳、常乳、末期乳、更にこれらの加工品、また加工余剰
物であるチーズホエー等、牛ラクトフェリンを含むもの
であればいかなるものであっても良い。これら牛ラクト
フェリンの供給源を、イオン交換クロマトグラフ法によ
り処理して牛ラクトフェリンを分離、精製し、その牛ラ
クトフェリンをクエン酸水溶液に溶解し、鉄を除去して
鉄フリーの牛アポラクトフェリンを調製する。また、牛
ラクトフェリンを硫酸鉄水(溶媒)と反応させ、その反
応生成物を限外濾過して、牛ラクトフェリン鉄を得るこ
とができる。牛ラクトフェリン、牛アポラクトフェリン
及び牛ラクトフェリン鉄は、液状又は乾燥した粉末状に
おいて、ビフィズス菌増殖促進物質として使用すること
ができる。
【0016】本発明の牛ラクトフェリン、牛アポラクト
フェリン及び牛ラクトフェリン鉄は、液体、粉体若しく
は固体の不活性担体又は増量剤、更に食品素材又は医薬
品素材等との混合によりビフィズス菌増殖促進飼料組成
物とすることもできる。
フェリン及び牛ラクトフェリン鉄は、液体、粉体若しく
は固体の不活性担体又は増量剤、更に食品素材又は医薬
品素材等との混合によりビフィズス菌増殖促進飼料組成
物とすることもできる。
【0017】以下において、試験例及び実施例により本
発明を更に詳しく説明する。
発明を更に詳しく説明する。
【0018】試験例1 牛ラクトフェリン、牛アポラクトフェリン、牛ラクトフ
ェリン鉄及び人ラクトフェリン鉄のビフィズス菌増殖促
進効果について試験した。
ェリン鉄及び人ラクトフェリン鉄のビフィズス菌増殖促
進効果について試験した。
【0019】(1)試料の調製 (1−1)牛ラクトフェリンの調製 特開昭63−152400号公報の実施例8と同様にし
て牛ラクトフェリンを調製した。
て牛ラクトフェリンを調製した。
【0020】(1−2)牛アポラクトフェリンの調製 前記(1−1)の牛ラクトフェリン90gを精製水21
00mlに溶解した後、10%クエン酸水溶液を添加して
そのpHを2.5に調整し、室温において1時間反応させ
た。この反応生成物を限外濾過し、そのケーキを凍結乾
燥して牛アポラクトフェリン87gを調製した。
00mlに溶解した後、10%クエン酸水溶液を添加して
そのpHを2.5に調整し、室温において1時間反応させ
た。この反応生成物を限外濾過し、そのケーキを凍結乾
燥して牛アポラクトフェリン87gを調製した。
【0021】(1−3)牛ラクトフェリン鉄の調製 前記(1−1)の牛ラクトフェリン30gを精製水70
0mlに溶解し、これを2.6mM硫酸鉄水溶液と室温にお
いて24時間反応させた。この反応生成物を限外濾過
し、そのケーキを凍結乾燥して牛ラクトフェリン鉄26
gを調製した。
0mlに溶解し、これを2.6mM硫酸鉄水溶液と室温にお
いて24時間反応させた。この反応生成物を限外濾過
し、そのケーキを凍結乾燥して牛ラクトフェリン鉄26
gを調製した。
【0022】(1−4)人ラクトフェリン鉄の調製 児玉の方法(日本小児科学会誌、第87巻、第1000
ページ、1983年)により、人ラクトフェリン鉄を調
製した。
ページ、1983年)により、人ラクトフェリン鉄を調
製した。
【0023】(2)供試菌株 ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacteriu
m bifidum ATCC 15696) ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidoba
cterium infantis ATCC15697) ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium
breve ATCC 15700) ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium
longum ATCC 15707) ビフィドバクテリウム・シュードロンガム(Bifidoba
cterium pseudolongum ATCC 25526) ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacteriu
m animalis ATCC 25527)
m bifidum ATCC 15696) ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidoba
cterium infantis ATCC15697) ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium
breve ATCC 15700) ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium
longum ATCC 15707) ビフィドバクテリウム・シュードロンガム(Bifidoba
cterium pseudolongum ATCC 25526) ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacteriu
m animalis ATCC 25527)
【0024】(3)試験方法 (3−1)供試菌株の前培養液の調製 保存スラントから供試菌株株1白金耳を採り、これをG
AM寒天培地(日水製薬)に塗抹した後、このGAM寒
天培地を35℃において16時間、嫌気的に培養した。
GAM寒天培地上に生育したコロニーを白金耳でかきと
り、滅菌生理食塩水にその濁度が2.0(波長:660
nm)になるように懸濁して、供試菌株の前培養液を調製
した。
AM寒天培地(日水製薬)に塗抹した後、このGAM寒
天培地を35℃において16時間、嫌気的に培養した。
GAM寒天培地上に生育したコロニーを白金耳でかきと
り、滅菌生理食塩水にその濁度が2.0(波長:660
nm)になるように懸濁して、供試菌株の前培養液を調製
した。
【0025】(3−2)増殖促進効果の試験 GAMブイヨン培地(日水製薬)を記載通り精製水に溶
解し、115℃において15分間滅菌した。この基本培
地に、滅菌フィルターで除菌した前記(1)の試料溶液
を、基本培地中の濃度が0.05%になるように加えて
試験培地を調製した。
解し、115℃において15分間滅菌した。この基本培
地に、滅菌フィルターで除菌した前記(1)の試料溶液
を、基本培地中の濃度が0.05%になるように加えて
試験培地を調製した。
【0026】この試験培地に、前記(3−1)の供試菌
株の前培養液を1%接種し、その濁度を測定した後、3
5℃において16時間、嫌気的に培養した。そして、そ
の培養液の濁度を測定した。
株の前培養液を1%接種し、その濁度を測定した後、3
5℃において16時間、嫌気的に培養した。そして、そ
の培養液の濁度を測定した。
【0027】対照として、前記(1)の試料溶液の代わ
りに精製水を基本培地に加えた以外は、前記と同様にし
て、培養液の濁度を測定した。
りに精製水を基本培地に加えた以外は、前記と同様にし
て、培養液の濁度を測定した。
【0028】上記の培養液の濁度の測定結果から、次式
によってそれぞれの試料について、それぞれの供試菌株
に対する増殖促進率を算出した。
によってそれぞれの試料について、それぞれの供試菌株
に対する増殖促進率を算出した。
【0029】増殖促進率(%)={(T16−T0 )/
(C16−C0 )}×100−100 前記式において各記号は、次の濁度を表している。
(C16−C0 )}×100−100 前記式において各記号は、次の濁度を表している。
【0030】T16:16時間培養後の試験培養液の濁度 T0 :培養前の試験培養液の濁度 C16:16時間培養後の対照培養液の濁度 C0 :培養前の対照培養液の濁度
【0031】(4)試験の結果 表1に示すとおりであった。表1によると、供試したビ
フィズス菌6株に対して、牛ラクトフェリン、牛アポラ
クトフェリン及び牛ラクトフェリン鉄は、人ラクトフェ
リン鉄よりも非常に高い増殖促進効果を示すことがわか
る。また、人ラクトフェリン鉄は、動物由来のビフィズ
ス菌、ビフィドバクテリウム・シュードロンガム及びビ
フィドバクテリウム・アニマリスに対しては、増殖促進
効果を示さなかった。
フィズス菌6株に対して、牛ラクトフェリン、牛アポラ
クトフェリン及び牛ラクトフェリン鉄は、人ラクトフェ
リン鉄よりも非常に高い増殖促進効果を示すことがわか
る。また、人ラクトフェリン鉄は、動物由来のビフィズ
ス菌、ビフィドバクテリウム・シュードロンガム及びビ
フィドバクテリウム・アニマリスに対しては、増殖促進
効果を示さなかった。
【0032】
【表1】
【0033】試験例2 牛ラクトフェリン、牛アポラクトフェリン及び牛ラクト
フェリン鉄の量がビフィズス菌に対する増殖促進効果に
及ぼす影響について試験を行った。
フェリン鉄の量がビフィズス菌に対する増殖促進効果に
及ぼす影響について試験を行った。
【0034】(1)試料の調製 (1−1)牛ラクトフェリンの調製 試験例1の(1−1)と同様にして、牛ラクトフェリン
を調製した。
を調製した。
【0035】(1−2)牛アポラクトフェリンの調製 試験例1の(1−2)と同様にして、牛アポラクトフェ
リンを調製した。
リンを調製した。
【0036】(1−3)牛ラクトフェリン鉄の調製 試験例1の(1−3)と同様にして、牛ラクトフェリン
鉄を調製した。
鉄を調製した。
【0037】(2)供試菌株 試験例1と同じものを使用した。
【0038】(3)試験方法 試験例1の(3−2)における基本培地中の試料の牛ラ
クトフェリン、牛アポラクトフェリン及び牛ラクトフェ
リン鉄の量を、第2表に示す量としたこと以外は試験例
1と同様にして試験を行い、それぞれの増殖促進率
(%)を算出した。
クトフェリン、牛アポラクトフェリン及び牛ラクトフェ
リン鉄の量を、第2表に示す量としたこと以外は試験例
1と同様にして試験を行い、それぞれの増殖促進率
(%)を算出した。
【0039】(4)試験の結果 表2に示すとおりであった。表2によると、牛ラクトフ
ェリン、牛アポラクトフェリン及び牛ラクトフェリン鉄
のいずれもが、30ppm の量において、供試菌株6株の
すべてに対して増殖促進効果があること、その量が増え
ると増殖促進効果が高くなること、更に、その量が25
0〜500ppm で最大の増殖促進効果が得られることが
わかる。また、効果としては牛アポラクトフェリンが最
も高く、次いで牛ラクトフェリン、牛ラクトフェリン鉄
の順であった。
ェリン、牛アポラクトフェリン及び牛ラクトフェリン鉄
のいずれもが、30ppm の量において、供試菌株6株の
すべてに対して増殖促進効果があること、その量が増え
ると増殖促進効果が高くなること、更に、その量が25
0〜500ppm で最大の増殖促進効果が得られることが
わかる。また、効果としては牛アポラクトフェリンが最
も高く、次いで牛ラクトフェリン、牛ラクトフェリン鉄
の順であった。
【0040】
【表2】
【0041】
実施例1 脱脂粉乳800gに、試験例1の(1−1)と同様にし
て調製した牛ラクトフェリン200gを混合し、流動性
のよい飼料1000gを得た。この飼料を、1〜2才令
の健康なホルスタイン種のメス牛5頭に、1回30gの
投与量において1日2回、2日間、朝夕の飼料と共に給
餌した。給餌を受けたメス牛の糞便中の細菌数は、表3
に示すとおりであった。
て調製した牛ラクトフェリン200gを混合し、流動性
のよい飼料1000gを得た。この飼料を、1〜2才令
の健康なホルスタイン種のメス牛5頭に、1回30gの
投与量において1日2回、2日間、朝夕の飼料と共に給
餌した。給餌を受けたメス牛の糞便中の細菌数は、表3
に示すとおりであった。
【0042】表3によると、牛ラクトフェリンの投与に
より、メス牛の有害な腸内細菌は減少し、有用なビフィ
ズス菌数は顕著に増加した。
より、メス牛の有害な腸内細菌は減少し、有用なビフィ
ズス菌数は顕著に増加した。
【0043】
【表3】
【0044】実施例2 脱脂粉乳850gに、試験例1の(1−2)と同様にし
て調製した牛アポラクトフェリン150gを混合して、
流動性のよい飼料1000gを得た。この飼料を、1〜
2才令の健康なホルスタイン種のメス牛5頭に、1回3
0gの投与量において1日2回、2日間、朝夕の飼料と
共に給餌した。給餌を受けたメス牛の糞便中の細菌数
は、表4に示すとおりであった。
て調製した牛アポラクトフェリン150gを混合して、
流動性のよい飼料1000gを得た。この飼料を、1〜
2才令の健康なホルスタイン種のメス牛5頭に、1回3
0gの投与量において1日2回、2日間、朝夕の飼料と
共に給餌した。給餌を受けたメス牛の糞便中の細菌数
は、表4に示すとおりであった。
【0045】表4によると、牛アポラクトフェリンの投
与によリ、メス牛の有害な腸内細菌は減少し、有用なビ
フィズス菌数は顕著に増加した。
与によリ、メス牛の有害な腸内細菌は減少し、有用なビ
フィズス菌数は顕著に増加した。
【0046】
【表4】
【0047】実施例3 脱脂粉乳700gに、試験例1の(1−3)と同様にし
て調製した牛ラクトフェリン鉄300gを混合して、流
動性のよい飼料1000gを得た。この飼料を、1〜2
才令の健康なホルスタイン種のメス牛5頭に、1回30
gの投与量において1日2回、2日間、朝夕の飼料と共
に給餌した。給餌を受けたメス牛の糞便中の細菌数は、
表5に示すとおりであった。
て調製した牛ラクトフェリン鉄300gを混合して、流
動性のよい飼料1000gを得た。この飼料を、1〜2
才令の健康なホルスタイン種のメス牛5頭に、1回30
gの投与量において1日2回、2日間、朝夕の飼料と共
に給餌した。給餌を受けたメス牛の糞便中の細菌数は、
表5に示すとおりであった。
【0048】表5によると、牛ラクトフェリン鉄の投与
によリ、メス牛の有害な腸内細菌は減少し、有用なビフ
ィズス菌数は顕著に増加した。
によリ、メス牛の有害な腸内細菌は減少し、有用なビフ
ィズス菌数は顕著に増加した。
【0049】
【表5】
【0050】実施例4 脱脂粉乳800gに、試験例1の(1−1)と同様にし
て調製した牛ラクトフェリン100g、及び試験例1の
(1−2)と同様にして調製した牛アポラクトフェリン
100gを混合して、流動性のよい飼料1000gを得
た。この飼料を、1〜2才令の健康なホルスタイン種の
メス牛5頭に、1回30gの投与量において1日2回、
2日間、朝夕の飼料と共に給餌した。給餌を受けたメス
牛の糞便中の細菌数は、表6に示すとおりであった。
て調製した牛ラクトフェリン100g、及び試験例1の
(1−2)と同様にして調製した牛アポラクトフェリン
100gを混合して、流動性のよい飼料1000gを得
た。この飼料を、1〜2才令の健康なホルスタイン種の
メス牛5頭に、1回30gの投与量において1日2回、
2日間、朝夕の飼料と共に給餌した。給餌を受けたメス
牛の糞便中の細菌数は、表6に示すとおりであった。
【0051】表6によると、牛ラクトフェリン及び牛ア
ポラクトフェリンの同時投与によリ、メス牛の有害な腸
内細菌は減少し、有用なビフィズス菌数は顕著に増加し
た。
ポラクトフェリンの同時投与によリ、メス牛の有害な腸
内細菌は減少し、有用なビフィズス菌数は顕著に増加し
た。
【0052】
【表6】
【0053】
(1)本発明は、ビフィズス菌に対して強力な増殖促進
効果を有する飼料を提供することができる。 (2)本発明のビフィズス菌増殖促進飼料組成物は、ビ
フィズス菌を含有する培養用培地、食品、飼料等に添加
することにより、ビフィズス菌の増殖を促進することが
できる。 (3)本発明のビフィズス菌増殖促進飼料及び飼料組成
物は、動物に対して、単独又は他の飼料成分と共に経口
投与することにより、動物の腸内のビフィズス菌を増加
させることができる。
効果を有する飼料を提供することができる。 (2)本発明のビフィズス菌増殖促進飼料組成物は、ビ
フィズス菌を含有する培養用培地、食品、飼料等に添加
することにより、ビフィズス菌の増殖を促進することが
できる。 (3)本発明のビフィズス菌増殖促進飼料及び飼料組成
物は、動物に対して、単独又は他の飼料成分と共に経口
投与することにより、動物の腸内のビフィズス菌を増加
させることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/20 A61K 37/14 AEW (C12N 1/38 C12R 1:01)
Claims (3)
- 【請求項1】 牛ラクトフェリン、牛アポラクトフェリ
ン及び牛ラクトフェリン鉄からなる群から選ばれた物質
を有効成分として含有することを特徴とするビフィズス
菌増殖促進飼料。 - 【請求項2】 前記飼料が、牛の飼料である請求項1に
記載のビフィズス菌増殖促進飼料。 - 【請求項3】 前記有効成分が、少なくとも15%(重
量)の割合で含有されている請求項1又は請求項2のい
ずれかに記載のビフィズス菌増殖促進飼料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7061703A JP2604332B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | ビフィズス菌増殖促進飼料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7061703A JP2604332B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | ビフィズス菌増殖促進飼料 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1048297A Division JPH0779684B2 (ja) | 1989-02-27 | 1989-02-27 | ビフィズス菌増殖促進組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0847370A JPH0847370A (ja) | 1996-02-20 |
JP2604332B2 true JP2604332B2 (ja) | 1997-04-30 |
Family
ID=13178875
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7061703A Expired - Fee Related JP2604332B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | ビフィズス菌増殖促進飼料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2604332B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019119711A (ja) * | 2018-01-09 | 2019-07-22 | サンスター株式会社 | 腸内環境改善用経口組成物 |
-
1995
- 1995-02-24 JP JP7061703A patent/JP2604332B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0847370A (ja) | 1996-02-20 |
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