JP6254662B2 - 動物の体型改良用飼料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、動物の体型改良用飼料組成物に関するものであって、高泌乳、高繁殖、高肉生産といった高い能力を有する高能力動物の育成を可能とするものである。
動物、例えば、出生後の仔ウシを高能力牛(高泌乳、高繁殖、高肉生産等)に育てるためには、出生後の成長の速い時期に、栄養素を適正に利用させて、体型の良い(体が大きく、つり合いが良い)ウシをつくりあげることが肝要である。本発明は、その為に、摂取した基本的な栄養素の利用を促して体型を良くすることができる素材の開発にはじめて成功したものである。
仔ウシの発育を促すためには、骨格、筋肉を充実させることが大切である。
しかしながら、そのために、飼料や栄養素を単に大量に給与しても、目的を達成することはできない。それどころか、過剰な栄養による過肥気味の育成牛は、高能力牛になりにくい。従って、適正な栄養素を有効に利用できるようにする素材が望まれる。出生後の仔ウシの成長を見ると、生命維持に必要な体や内臓を支持するのに不可欠な骨などの成長は速く、脂肪のような生命活動に特に必要としない組織の発達は最後になる。従って、仔ウシの成長にとっては、出生後、速やかに適切な骨格が形成されるか否かが最重要課題の一つとなる点に着目した。
骨格の形成は、骨形成と骨格筋の形成により行われる。
仔ウシ・育成牛に要求されるのは、将来の高泌乳生産、高肉生産を支えるのに必要な、がっしりとした大きな骨格と丈夫な内臓をつくることである。
仔ウシにとって、低栄養の影響は、体重、管囲に最も早く現れ、体高、胸幅は最も遅い。概して、身体の長さは、高さに比べて早く影響が現れる(「子牛の育成入門」p.16デーリィ・ジャパン臨時増刊号平成元年2月5日発行)。
従って、体型を良くするためには、高栄養もしくは低栄養では難しく、適切な栄養素を有効に利用できるようにすることが大切である。肥満子とやせ子は、避けねばならない。
体型の評価は、栄養度(体積:胸幅×胸深×体長)、体高、胸囲、胸深、尻長、寛幅などの各項目を測定し、得られた測定値、及び、各項目の比率を算出することで行うことができる。
このような技術の現状において、本発明は、体型を改良する目的を設定し、これを飼料や経口投与剤といった経口組成物によって解決することとし、乳酸菌培養物とプロピオン酸菌培養物の併用によって、これを解決するのにはじめて成功したものである。
前者、乳酸菌培養物(発酵物)の例としては、乳酸菌、Lactobacillus gasseri発酵物が挙げられる。この発酵物は、仔牛の腸内菌叢を改善する作用を有することは知られているが(例えば、特許文献1参照)、体型改良作用を有することは知られていない。
後者、プロピオン酸菌培養物(発酵物)の例としては、プロピオン酸菌、Propionibacterium freudenreich発酵物が挙げられる。この発酵物は、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する作用を有することは知られているが(例えば、特許文献2参照)、体型改良作用を有することは知られていない。
なお、ラクトバチルス・ガッセリ発酵副産物とプロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ発酵物の混合物が新生仔牛の腸内菌叢改善効果を有すること、及び、新生仔牛の腸管免疫機能を亢進する可能性が示唆されることが知られているが(例えば、非特許文献1参照)、体型を改良する点については記載されていない。
このように、乳酸菌培養物とプロピオン酸菌培養物の併用によって若干の作用が知られてはいるが、体型が改良されることは従来全く知られておらず、本発明が最先である。したがって、これら両者を併用する本発明は、従来既知の用途(薬効)とは全く別の新しい用途(薬効)(いわゆる第2用途(薬効))を開発するのに成功したものであって、新規用途発明である。
特開2004−305128号公報 特開2006−254841号公報 増子 孝則ら、2007年度日本畜産学会第107回大会講演要旨集p.145
本発明は、高泌乳、高繁殖、高肉生産等高能力を有する動物を育成する目的でなされたものである。
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、各方面から検討の結果、高能力動物を生産するには仔動物の時期のケアが重要であり、しかも仔動物を単に肥育させるだけでなく、体型の良い(体が大きくしかもつり合い(バランス)が良い)仔動物とする必要がある点に着目した。
そこで、体型をよくするため(つまり、体型を改良するため)の方策について、各方面から検討の結果、飼料、飲食品、経口投与薬剤といった経口投与可能な形態が利便性や安全性の面から有利であるとの観点にたった。そして、特に安全面の立場から、有効成分を新規物質に求めるのではなく、既知の物質に求めることとした。
そして、数多くの既知物質をスクリーニングしたが成功には至らなかった。そこで発想を転換して、既知物質の併用に着目して、更に困難なスクリーニングを行った。
その結果、乳酸菌培養物(乳酸菌発酵物)とプロピオン酸菌培養物(プロピオン酸菌発酵物)の併用が有効であるとの新知見を得、更に研究を続けた結果、乳酸菌としてはラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)、そして、プロピオン酸菌としてはプロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ(Propionibacterium freudenreich)が好適であることをはじめて見出し、本発明の完成に至ったものである。
すなわち、本発明は、(A)乳酸菌(ラクトバチルス・ガッセリ)発酵物、及び、(B)プロピオン酸菌(プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ)発酵物を併用する点を特徴とするものであり、実施形態は次のとおりである。
(1)下記する(A)乳酸菌発酵物、及び、(B)プロピオン酸菌発酵物を有効成分としてなること、を特徴とする動物の体長率:(体長/体高)×100、尻長/体高比、体重/体高比の少なくともひとつの増大用飼料組成物。
(A)乳酸菌発酵物:
ホエー蛋白質誘導体含有培地でラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)を中和培養して調製した発酵物、又はその濃縮物、又はその乾燥物。
(B)プロピオン酸菌発酵物:
ホエー及び/又はそのプロテアーゼ処理物でプロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ(Propionibacterium freudenreich)を培養して調製した発酵物、又はその濃縮物、又はその乾燥物。
(2)ラクトバチルス・ガッセリが、ラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)OLL 2716株(FERM BP−6999)であり、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒが、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ(Propionibacterium freudenreich)ET−3株(FERM BP−8115)であること、を特徴とする(1)に記載の飼料組成物。
(3)動物が仔畜であること、を特徴とする(1)又は(2)に記載の飼料組成物。
(4)仔畜が仔ウシであること、を特徴とする(3)に記載の飼料組成物。
本発明によれば、(A)乳酸菌発酵物と(B)プロピオン酸菌発酵物を経口投与することによって(これらは、仔牛の腸内菌叢を改善する作用を有することは知られているが、体型の良い仔動物を生産することは知られていない。)、バランスのとれた体型の良い仔動物を生産することができるという著効が奏される。
このようにして生産された仔動物は、これを常法にしたがって飼育することにより、高泌乳、高繁殖、高肉生産等の高能力を有する高能力動物に育成することができる。本発明に係る体型改良用飼料組成物は、各種動物に広範に適用することができ、本発明によれば、体が大きく、つり合い(バランス)がとれた体型のよい健康にして高能力を有する動物に育成することができ、ヒトも例外ではない。
プレビオサポート給与試験(実施例1)における体重の変化を示す。 同じく、DG(増体日量)の推移を示す。 同じく、体尺推移を示す。図中、横軸の数字は週齢を示し、縦軸の数字はcmを示す。 同じく、体尺推移の続きを示す。図中、横軸の数字は週齢を示し、縦軸の数字は、体重/体高比の場合が%を示すほか、他のグラフの数字はcmを示す。なお、図1〜図4中の*、**の符号は、有意差検定(t−test)で有意差有りを示す(*:p<0.05,**:p<0.01)。
本発明は、下記する(A)乳酸菌発酵物、及び、(B)プロピオン酸菌発酵物を併用することを特徴とする動物の体型改良用飼料組成物に関するものであって、その態様は、例えば次のとおりである。
(A)乳酸菌発酵物
乳酸菌(ラクトバチルス・ガッセリ)発酵物を指す。
例えば、ホエイ蛋白質誘導体(例えば、ホエイ蛋白質濃縮物(WPC)、ホエイ蛋白質分離物(WPI)、これらの加水分解物の少なくともひとつ)含有培地で、ラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)(例えば、OLL 2716株:FERM BP−6999)を中和培養して調製した発酵物、又はその濃縮物、又はその乾燥物。
(B)プロピオン酸菌発酵物
プロピオン酸菌(プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ)発酵物を指す。
例えば、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ(Propionibacterium freudenreich)(例えば、ET−3株:FERM BP−8115)の乳清発酵物が挙げられる。更に具体的には、該ET−3株を乳清(ホエイ及び/又はそのプロテアーゼ処理物)含有培地(例えば、ホエー粉還元液)で培養して得た培養物、単離した細菌自体、培養液(培養上清)、これらの混合物の少なくともひとつから選ばれる乳清発酵物。
(A)乳酸菌発酵物、及び、(B)プロピオン酸菌発酵物を有効成分としてなること、を特徴とする動物の体長率:(体長/体高)×100、尻長/体高比、体重/体高比の少なくともひとつの増大用飼料組成物。
仔畜を高能力家畜(高泌乳、高繁殖、高肉生産等の少なくともひとつ)に育てるためには、体型の良い(体が大きく、つり合いが良い)仔畜が必要である。この点については、後記する参考文献においても指摘されている。
事実、例えば牛の場合、平成16年度肉用牛長期中央研修会テキスト、「和牛改良の課題と和牛審査」、平成16年7月26〜28日、(社)全国肉用牛振興基金協会、1〜18頁(資料1)、及び、平成16年度肉用牛長期中央研修会、「和牛の審査」、(社)全国和牛登録協会北海道支部、1、4頁(資料2)にしたがって和牛の審査が行われている。
それによれば、審査標準に基づいて体格審査が行われ、子牛について、「子牛の見方と選び方」として、肥満子とやせ子はさけること、将来大きくなる飼いやすい牛を選ぶこと(具体的には、骨組みが大きいこと、体高に比して十字部高が高いこと、子牛なりに体幅、体深に富むこと等)、体型の崩れない牛を選ぶこと等が挙げられている。また、体積(体幅×体深×体長)に富むこと、均称についても、それぞれの釣合が月齢に相応して好ましいことも挙げられている。
このように、高能力牛となる仔ウシとしては、各部位が大きく、体が大きいだけでなく、バランスがとれ、体型の良いことが要望される。
本発明は、このように体型の良い仔ウシについて、交配やスクリーニングといった自然のものにまかせるのではなく、人工的に、換言すれば積極的に、「生産」するという技術課題を設定し、しかも、安全性や利便性の面から、経口投与によるものを新たに開発することとした。
そして本発明者らは、各方面から検討の結果、乳酸菌であるラクトバチルス・ガッセリの発酵物とプロピオン酸菌であるプロピオニバクテリウム・フロイデンライヒの発酵物を併用することにより、仔ウシの体型が改良されることをはじめて見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、これら双方の発酵物を併用することを特徴とするものであって、本発明は、体型改良用飼料組成物を提供するものである。
ラクトバチルス・ガッセリ菌発酵物としては、ホエー蛋白質誘導体含有培地でラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)を中和培養して調製した発酵物、又はその濃縮物、又はその乾燥物を使用することができる。
更に詳細には、本発酵物としては、ラクトバチルス・ガッセリ、例えばOLL 2716株(FERM BP−6999)を培養して得た発酵物(菌体、培地成分、代謝分泌物等を含む培養物全体)、それから分離した菌体、菌体破砕物、該培養物から菌体を含む固形物を除去した発酵物残渣(培養液、培養液の混濁した部分ではなく澄んだ部分である培養上澄液を包含する)、その処理物(濃縮物、ペースト化物、乾燥物(噴霧乾燥物、凍結乾燥物、真空乾燥物、ドラム乾燥物の少なくともひとつ)、液状物、希釈物、殺菌物の少なくともひとつ)から選ばれる少なくともひとつが挙げられる。
培地としては、合成培地、半合成培地その他常用される培地が適宜使用可能であるが、好適なL.gasseriの高濃度培養液は、ホエイ蛋白質誘導体及び/又は乳糖を含有する培地、特にホエイ蛋白質誘導体及び/又は乳糖を主成分とする培地に使用し、pHを4.5〜7.0の範囲に保持して、菌数が10〜1010から、好ましくは10から1011となるまで中和培養して得られる。なお、通常の培養方法の場合では、培養物中の菌数は10以下にしかならない。
ホエイ蛋白質誘導体としては、ホエイ蛋白質濃縮物(Whey Protein Concentrate、WPC)、ホエイ蛋白質分離物(Whey Protein Isolate、WPI)、これらの加水分解物から選ばれる少なくともひとつが使用され、市販品も適宜使用可能である。
WPCは、チーズやカゼインを製造する際に生ずるホエイを限外濾過・ゲル濾過・乳糖結晶分離などの方法で処理し、蛋白質含量を通常35〜85%(固形分換算)まで高めたものである。WPIは、WPCと区別されるものであって、イオン交換法などの方法で蛋白質含量を95%(固形分換算)程度まで高めたものである。
加水分解物としては、WPC、WPI、ホエイ、ホエイ蛋白質から選ばれる少なくともひとつを、ペプシン、トリプシン、パパイン等の蛋白質分解酵素等の酵素で処理した酵素処理物が使用される。
本発酵物としては、特開2004−305128号公報(特許文献1)に記載の発酵物であるホエー蛋白質含有培地でL.gasseri OLL 2716(FERM BP−6999)を中和培養して調製した発酵物(固形分含量10.8%)を使用することができる。
仔ウシ1頭1日当たり、ラクトバチルス・ガッセリ菌発酵物の投与量は、0.93〜92.59g(固形分換算で、0.1〜10g)、好ましくは4.65〜46.3g(固形分換算で、0.5〜5g)である。尚、他の動物の場合は、体重に比例して投与量を増減させればよい。
ラクトバチルス・ガッセリ菌発酵物に賦形剤(デンプン、デキストリン、乳成分、珪酸など)を添加して噴霧乾燥することにより、使い勝手の良いラクトバチルス・ガッセリ菌発酵物含有組成物を作ることができ、これを本発酵物として用いることもできる。
該ラクトバチルス・ガッセリ菌発酵物が仔ウシの腸内菌叢改善作用を有することは知られているが(特許文献1)、体型改良作用を有することは全く知られていない。
プロピオン酸菌発酵物としては、ホエー及び/又はそのプロテアーゼ処理物含有培地でプロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ(Propionibacterium freudenreich)を培養して調製した発酵物、又はその濃縮物、又はその乾燥物を使用することができる。
更に詳細には、本発酵物としては、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ、例えばET−3株(FERM BP−8115)を培養して得た培養物である点を除き、他は既述したラクトバチルス・ガッセリ発酵物を同じ物が使用される。
本発酵物としては、特開2006−254841号公報(特許文献2)に記載の発酵物であるホエー含有培地(例えば、10%ホエー粉還元液)をPropionibacterium freudenreich ET−3株(FERM BP−8115)で発酵して調製したものを使用することができる。この中には、100gあたり、900μgのDHNA(1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸:1,4−dihydroxy−2−naphthoic acid)を含む。
このプロピオン酸菌発酵物に賦形剤(脱脂粉乳、デンプン、穀粉、糖類など)を添加して凍結乾燥することにより、使い勝手の良いプロピオン酸菌発酵物含有組成物を作ることができる。この物の1g中には、60μgのDHNAを含む。
仔ウシ1頭1日当たりのプロピオン酸菌発酵物投与量は、0.27〜67.5gで、好ましくは0.675〜27gである。尚、他の動物の場合は、体重に比例して投与量を増減させればよい。
プロピオン酸菌発酵物含有組成物を用いる時には、0.04〜10gで、好ましくは0.1〜4gの投与量である。これらの投与量をDHNA量で換算すると、2.43〜607.5μgで、好ましくは6.07〜243μgとなる。
該プロピオン酸菌発酵物が、ビフィズス菌増殖促進成分を含有しており、仔ウシの腸内菌叢改善作用を有することは知られているが(特許文献2)、体型改良作用を有することは全く知られていない。
本発明においては、上記したプロピオン酸菌発酵物と乳酸菌発酵物は併用して用いる。これらの発酵物は別々に使用してもよいし、混合物として同時に使用してもよい。プロピオン酸菌発酵物とラクトバチルス・ガッセリ菌発酵物の混合比は、10:1〜1:100で、好ましくは5:1〜1:50が良い。
これら両発酵物の混合物としては、市販品も使用することができる。市販品としては、例えばラクトバチルス・ガッセリOLL 2716発酵副産液濃縮物(LG)とプロピオニバクテリウム・フロイデンライヒET−3による発酵物(プロピオン酸菌乳清発酵物)の混合物をデキストリン、乳糖、二酸化ケイ素で製剤化して得た粉末製品であるプレビオサポート(PS:明治飼糧株式会社商品名)が使用できる。
PS(商品名)は、黒毛和種新生仔ウシの腸管免疫機能を亢進する可能性が示唆されている(「乳酸菌発酵副産物・プロピオン酸菌発酵物の混合物給与が新生仔ウシの腸管免疫機能に及ぼす影響」増子 孝則ら、2007年度日本畜産学会第107回大会講演要旨集p.145)。しかしながら、PSが仔ウシの体型を改良する作用を有することは全く知られていない。
このように本発明は、特定の乳酸菌発酵物とプロピオン酸菌発酵物について、従来とは全く別異の新しい用途ないし薬効(第2用途ないし薬効)を新たに見出したものであって、新規用途発明をなすものである。
したがって、本発明は、これら両発酵物を、そのまま、飼料又は飼料添加剤として使用するほか、これら両発酵物に賦形剤(脱脂粉乳、乳糖、澱粉、穀粉、糖類、二酸化ケイ素等の少なくともひとつ)や飼料成分と混合して飼料とし、これを仔畜に経口投与してもよい。飼料水に混ぜたり、代用乳に混合したりすることも可能である。したがって、本発明は、これら両発酵物を含有する飼料組成物又は飼料添加物も提供するものである。
本発明は、これら両発酵物を経口投与して動物、特に仔畜の体型を改良して、体型の良い(体が大きく、且つ、バランス、つり合いがよい)仔畜を作り上げる方法にも関するものである。
本発明において、「体型の良い」とは、体のつり合い、体格、栄養(成長)、十字部高/体高比、体重、十字部高、体長、胸深、尻長、腰角幅、寛幅、座骨幅、胸囲の少なくともひとつの改善であることをいう。
そして、本発明において、体のつり合いの改善とは、体長率:(体長/体高)×100、胸囲率:(胸囲/体高)×100の少なくともひとつの増大であり、体格の改善とは、尻長/体高比の増大であり、栄養(成長)の改善とは、体重/体高比、体長/体高比、体積(胸深×胸幅×体長)の少なくともひとつの増大を指すものである。
プロピオン酸菌発酵物とラクトバチルス・ガッセリ菌発酵物を含有する組成物の仔畜への投与時期は、仔ウシの場合、骨格の形成が速やかに行われる生後から8週齢位の離乳するまでの期間が適当である。他の仔畜の場合も、仔ウシの期間を参考にして適宜規定すればよい。
以下に本発明の実施例について既述するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
本実施例においては、乳酸菌発酵物とプロピオン酸菌発酵物の混合物として、市販品(プレビオサポート:PS)を使用した。なお、プレビオサポート(PS)は、明治飼糧株式会社の商品名であって、既述したように、ラクトバチルス・ガッセリOLL 2716発酵副産物とプロピオニバクテリウム・フロイデンライヒET−3発酵物との混合粉末製品である。
なお、プレビオサポート(PS)については、腸内菌叢改善作用や腸管免疫機能亢進作用は知られているが、体のバランス、つり合いを改善して体型の良い仔畜を生産する作用があることは全く知られていないし、その示唆もない。
本実施例は、PSによる体型を良くする効果を、in vitro試験ではなく、invivo試験、それも、仔畜として実際の仔ウシを用いて、確認したものである。
1.プレビオサポート(PS)の1頭1日当たりの投与量中に含まれる有効成分は下記の通りである。
Lactobacillus gasseri発酵物(固形物換算):1.25g×2回=2.5g(Lactobacillus gasseri発酵物としては、23.15g)
Propionibacterium freudenreichii発酵物含有組成物:0.2g(DHNA 12μg含有)×2回=0.4g(DHNA 24mg含有)(Propionibacterium freudenreichii発酵物としては、2.7g)
2.PSの給与試験:試験条件
・供試牛:和牛20頭(10頭PS添加、10頭無添加)
・添加区は分娩初日からPS給与
・5日目から自動哺乳機での飼養に切り替え
・PS添加期間は25日間
3.測定は、体重の変化以外に、体型が評価できる項目(体高、十字部高、体長、胸深、胸幅、尻長、腰角幅、寛幅、座骨幅、胸囲、腹囲)などを選択し、常法に従って行った。
4.試験成績:以下の通りである。
・8週齢で、PS区>対照区であったのは、体重、十字部高、体長、胸深、尻長、腰角幅、寛幅、座骨幅、胸囲、体重/体高比である。
Figure 0006254662
・8週齢で、有意差がなかったのは、体高、胸幅、腹囲、腹囲/胸囲比である。
Figure 0006254662
PSの投与では、骨格が大きくなり、体高に比して十字部高が高くなることから、将来、大きな成牛になることが予測される。また、胸深、胸幅が大きくなったことから、飼いやすく、飼料の利用率の高い牛になることが充分に予測される。
これらのことは、高泌乳牛、高肉生産牛の育成につながる。
血液中の成分の変化も以下のように現れ、栄養素の代謝促進が認められた。
・8週齢で、有意差の認められたデータ:
ALPは、PS区>対照区 :Ca代謝促進
T−Cholは、PS区>対照区 :脂質代謝促進
リン脂質は、PS区>対照区 :脂質代謝促進
BUNは、PS区<対照区 :蛋白質代謝促進
Figure 0006254662
表中、ALPはアルカリホスファターゼ、T−Cholは総コレステロール、BUNは尿素態窒素を示す。上記結果から、PSは、Ca代謝以外に脂質、蛋白質などの代謝系に関与すると考えられた。
<体型(体のつり合い)改善効果>
体長率と胸囲率で体型(体のつり合い)を評価した。
・参考文献1:「生産獣医療システム乳牛編1」p.27 (社)農山漁村文化協会1999年1月25日発行。
体の釣り合いの変化は、体長率:(体長/体高)×100と胸囲率:(胸囲/体高)×100によって示される。2月齢の体の釣り合いは、その後の体の釣り合いの基本となる。従って、生後速やかに理想的な体の釣り合い(体型)を作り上げることが大切である。
・前記成績によるPS投与の評価:
体長率の比較(8週齢)
対照区:体長率=(体長/体高)×100=(69/79)×100=87.3%
PS区:体長率=(体長/体高)×100=(86/83)×100=103.6%
胸囲率の比較(8週齢)
対照区:胸囲率=(胸囲/体高)×100=(86/70)×100=108.9%
PS区:胸囲率=(胸囲/体高)×100=(92/83)×100=110.8%
上記の結果のように、PSの投与で、体型(体のつり合い)は明らかによくなっている。
<体格改善効果>
尻長/体高比で評価した。
・参考文献:「乳牛における死産の要因の検討:体格測定結果からのアプローチ」山川和宏ら、2007年度日本畜産学会第107回大会講演要旨集p.7
乳牛において尻長/体高比の低い群に死産率が高かった。従って、尻長/体高比を低下させないような体型改良の方向付けが必要である。
・前記成績によるPS投与の評価:8週齢での比較
Figure 0006254662
上記結果から明らかなように、PSの投与で、尻長/体高比は改善の方向に進んだ。
<栄養改善(成長改善)効果>
(1)体重/体高比で評価した。
・参考文献:「黒毛和種牛における発育不良に関する研究」高須 正規ら、第143回日本獣医学会 学術集会2007年4月3日、講演要旨集p.63
黒毛和種牛では発育不良が多発する。非内分泌疾患による発育不良の場合、体高に対して体重が軽く、削痩型の体型を示す。発育不良牛は下痢や肺炎などの消耗性疾患がなく、正常な発育に十分な飼料を摂取しているにも拘わらず、エネルギー不足の状態にある。
・前記成績によるPS投与の評価:
Figure 0006254662
上記結果から明らかなように、PSの投与で、仔ウシの体重/体高比は、明らかに増加し、栄養改善の効果が見られた。
(2)体長/体高比で評価した。
健康な仔ウシの体長/体高比は、不健康な仔ウシ(ウシウイルス性下痢ウイルス持続感染仔ウシ)より大きくなることが知られている。
小岩 政照ら、臨床獣医24(4)42−47、2006
・前記成績によるPS投与の評価:
Figure 0006254662
上記結果から明らかなようにPSの投与で、明らかに栄養改善(成長改善)効果が見られた。
(3)体積(胸深×胸幅×体長)で、栄養状態を評価した。
体積は、栄養度を評価する時に、通常、測定する項目である。
前記成績によるPS投与の評価:
Figure 0006254662
上記結果から明らかなように、PSの投与で、栄養度は改善されている。
したがって、PSの仔ウシへの投与の効果は、腸内菌叢改善作用、免疫賦活作用以外に各種栄養素の代謝活性増強作用などの働きが関与し、体型の改善が行われたと考えられる。特に、Ca代謝以外に、脂肪や蛋白質などの栄養素の代謝系に及ぼす効果が期待されると考えられる。以上、仔ウシを代表例として説明したが、本発明は、仔ウシ以外のウマ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ、スイギュウ等の仔畜にも同様に適用される。

Claims (4)

  1. 下記する(A)乳酸菌発酵物、及び、(B)プロピオン酸菌発酵物を有効成分としてなること、を特徴とする動物の体長率:(体長/体高)×100、尻長/体高比、体重/体高比の少なくともひとつの増大用飼料組成物。
    (A)乳酸菌発酵物:
    ホエー蛋白質誘導体含有培地でラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)を中和培養して調製した発酵物、又はその濃縮物、又はその乾燥物。
    (B)プロピオン酸菌発酵物:
    ホエー及び/又はそのプロテアーゼ処理物でプロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ(Propionibacterium freudenreich)を培養して調製した発酵物、又はその濃縮物、又はその乾燥物。
  2. ラクトバチルス・ガッセリが、ラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)OLL 2716株(FERM BP−6999)であり、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒが、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒ(Propionibacterium freudenreich)ET−3株(FERM BP−8115)であること、を特徴とする請求項1に記載の飼料組成物。
  3. 動物が仔畜であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の飼料組成物。
  4. 仔畜が仔ウシであること、を特徴とする請求項3に記載の飼料組成物。
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