JP2603434B2 - 液体クロマトグラフィーの被検成分採取方法及び液体クロマトグラフィー用の被検成分採取装置 - Google Patents

液体クロマトグラフィーの被検成分採取方法及び液体クロマトグラフィー用の被検成分採取装置

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JP2603434B2
JP2603434B2 JP5320236A JP32023693A JP2603434B2 JP 2603434 B2 JP2603434 B2 JP 2603434B2 JP 5320236 A JP5320236 A JP 5320236A JP 32023693 A JP32023693 A JP 32023693A JP 2603434 B2 JP2603434 B2 JP 2603434B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は液体クロマトグラフィ
ー(Liquid chromatography,以下、単にLCと略記す
る。)の被検成分採取方法及びLC装置における被検成
分採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、LCは成分分離用のカラムにサ
ンプルを供給し、溶離液(溶出液)を流し続けることに
よりサンプル中の各成分を分離する手法である。通常、
カラム出口側には分離した各成分を光学的に検知する検
出器が配置され、検出器には記録計が接続され、検出器
で検知した各成分を光電管等にて電気的に測定し電気的
指示を記録計に伝え、記録計の記録紙にグラフとして連
続的に記録される。そして、このLCにて分離した成分
を他の試験等のために採取する場合は、検出器を経た溶
離液をフラクションコレクターに導いて分画し該コレク
ターの試験管に被検成分の液を得るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここに、少ないサンプ
ルから、微量成分を検出する場合には、特に細管カラム
を用いる液体クロマトグラフィー(CapiLlary column L
iquid chromatography,以下、単にCCLCと略記す
る。)が用いられる。しかし、CCLCにて扱うサンプ
ル量を極少量とした場合はフラクションコレクターの1
分画で得る液量が、たとえば1〜10μlの微量とな
り、これを試験管に確実に分取することは不可能に近い
困難な問題である。また、クロマトグラム上の1ピーク
に対応する液量も極少量となるため、試験管内に液滴と
して滴下させて採取していたのでは、カラムクロマトグ
ラフィーにより濃縮された被検成分も希釈されてしまう
ことになる。そこで、本発明者はこの問題点を解決し得
る方法として先に細管カラム液体クロマトグラフィーの
被検成分採取方法(特開平5−264352号公報)を
発明した。この発明にあっては、カラムから溶出した被
検成分を含む溶離液を記録計上のクロマトグラムに配置
した吸着紙に順次吸着させることを特徴とする。すなわ
ち、溶離液をクロマトグラフィーの流路の末端から滴下
することなく吸着紙に連続的に採取し、この吸着紙の必
要部分を切り取って確保することにより、被検成分の溶
離の状況に忠実に微量の被検成分を分取することができ
るものである。
【0004】しかし、この方法にあっては、溶離液を吸
着紙に吸収させて採取するため、その後の処理に際して
吸着紙から被検成分を抽出する必要がある。したがっ
て、抽出操作の手間、並びに抽出効率の問題や、さらに
吸着紙から被検成分を効率よく吸着させるための技術等
が必要とされていた。このように、この方法は、その後
の処理にかならずしも都合のよいものではなかった。ま
た、被検成分の溶出が近接している場合には、吸着紙上
の切断箇所の選択が困難である場合もあった。
【0005】そこで、本発明は上記した問題点を解決す
るためになされたものであって、本発明が解決しようと
する課題は、1本の分取用チューブに被検成分の溶離パ
ターンに正確に対応して確実に被検成分を含む溶離液部
分を採取分離でき、しかも、採取した被検成分の取り扱
いに都合がよい被検成分採取方法及び装置を提供するこ
とである。
【0006】本発明者は、上記した技術的課題を解決す
るべく、以下の発明を創作した。すなわち、本発明者
は、液体クロマトグラフィーによって分離された被検成
分を採取する方法であって、分離用担体を充填したカラ
ムに1以上の被検成分を供給して、溶離液を流し続け、
被検成分が分離された溶離液を得る工程と、前記溶離液
のうち被検成分を含む溶離液部分を、溶離液の流路の端
末に接続された分取用チューブ内に流入させる工程と、
前記分取用チューブ内の前記溶離液部分の後部に気体を
注入する工程、とを備え、分離された各被検成分を含む
複数の溶離液部分を、順次前記分取用チューブ内に採取
し、各溶離液部分間に気体を介在させることにより、前
記分取用チューブ内に複数の溶離液部分を相互に分離し
た状態で保持することを特徴とする液体クロマトグラフ
ィーの被検成分採取方法を創作した。また、試料注入部
と、カラム部と、検出部と及びこれらを接続する配管部
とからなる液体クロマトグラフィーよって分離された被
検成分を採取する装置であって、カラムからの溶離液の
流路の端末に接続され、分離された被検成分を含む溶離
液部分を分取するための分取用チューブと、この分取用
チューブに気体を注入するための気体注入手段と、カラ
ムからの流路を経て送られる溶離液又は気体注入手段か
ら気体流路を経て送られる気体のいずれか一方を、前記
分取用チューブに取り入れ、他方をドレイン側に放出す
るように切換え作動されるバルブ、とを備え、分離され
た各被検成分を含む複数の溶離液部分を、順次前記分取
用チューブ内に採取し、各溶離液部分間に気体を介在さ
せることにより、前記分取用チューブ内に複数の溶離液
部分を相互に分離した状態で保持することを特徴とする
液体クロマトグラフィーにおける被検成分採取装置を創
作した。
【0007】前記カラムは、通常LCに用いるカラムで
あれば使用することができるが、特に、たとえば内径1
80μm〜320μm程度の細管を使用するのが好まし
い。分離用担体は、サンプル中の成分を結合(吸着)
し、溶離液により適度に溶離する性質の微細粒子であ
り、たとえば化学的に特定物質と結合力を持つ反応基を
粒子表面に導入したシリカゲルの微粒子などが用いられ
る。前記溶離液はカラムの分離用担体に吸着したサンプ
ル中の成分を溶離させる作用をなす。溶離液は、LCに
通常用いられるものを適宜選択して使用することができ
る。たとえば水とアセトニトリルなど、二液の混合液よ
りなるものでもよく、二液の比率は適宜調整され、ある
いは分析時間の経過に応じて調整される。
【0008】前記被検成分を含む溶離液部分とは、具体
的には、クロマトグラム上でピークとして溶出する溶離
液部分をいう。
【0009】前記分取用チューブは、両端が開放された
細長い筒状で、バルブに設けられた分取側ポートから溶
離液を導入する分取用配管等を介して接続されている。
分取用チューブとしては、被検成分を含んだ溶離液部分
を分取用チューブ内部に保持できる材質及び形状を有す
るものを用いるが、湾曲あるいは屈曲するものであって
もよい。かかる分取用チューブの一例として、テフロン
製の内径250μmの細管を用いることができる。この
テフロン製の細管の内表面は、ぬれにくい性質を有して
おり、表面張力で細管内部に溶離液を保持しやすい。し
たがって、この分取用チューブ内に保持された溶離液
は、分取用チューブを曲げたり、振ったりしても保持さ
れた状態が維持される。また、テフロン製の細管である
分取用チューブは、その弾性によりピーク用の配管を外
嵌することによりピーク用配管に接続することができ、
接続器具によるデッドボリュームを排除して、採取液の
拡散を防止するのに効果的であるとともに、脱着が容易
で取扱いに便利である。さらに、分取用チューブが透明
あるいは半透明である場合には、分取用チューブに採取
した溶離液部分の位置を溶離に判別することができて便
利である。
【0010】なお、LC装置には、ピークセンサを含め
ることができる。ピークセンサは、検出器からの電気信
号を受信して、任意に設定した電気信号の増大あるいは
電気信号の変化量等によりカラムからの被検成分の溶出
を検出する。すなわち、記録計やモニタ等によって描か
れるクロマトグラムにおける被検成分のピークを検出す
る。さらに、被検成分の検出が開始に伴うピーク検出開
始信号及び被検成分の検出の終了に伴うピーク検出終了
信号をバルブや記録計に送信することができる。なお、
ピークの検出を記録するために記録計やモニタを用いる
ことができる。
【0011】前記バルブは、カラムから溶出された溶離
液あるいはエア注入手段からのエアを分取用チューブ側
に取り入れ、あるいはドレイン側に排出するように切換
え作動可能に形成され、ピークセンサからのピーク検出
開始若しくは終了信号により機械的あるいは電気的操作
により又は手動により操作される。例えば、4ポート切
換えバルブを用いる。この被検成分を含む溶離液を検出
した場合には、バルブの作動により検出器通過後の溶離
液部分を分取用チューブに導入し、エアをドレイン側に
排出する。一方、この溶離液部分の溶出が終了後には、
バルブの作動により溶離液をドレイン側に排出し、エア
を分取用チューブに導入する。
【0012】
【作用】被検成分を含む溶離液部分が溶離液の流路の端
末から、そのまま分取用チューブに流入されるため、こ
の溶離液部分が微量であっても、確実にかつ採取され
る。また、気体の注入により、その後の溶離液部分と正
確に分離される。そして、1本の分取用チューブに、被
検成分を含む複数の溶離液部分が順次、流入されるとと
もに気体が注入されるため、被検成分の溶離パターンに
正確に対応して、複数の溶離液部分が相互に分離されて
採取される。分取用チューブに採取された各溶離液部分
では、クロマトグラフィーにより被検成分が濃縮された
状態にある。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例を図1ないし図3に基
づいて説明する。本実施例では、複数のタンパク質を含
むサンプルをCCLCにより分離して採取する場合につ
いて説明する。図1は、本実施例で使用するCCLC及
びCCLCにおいて分離したサンプルの被検成分を分離
採取する装置全体の構成の概略図を示している。図1に
示すように、CCLC装置は、溶離液を送液するポンプ
2A,2B、サンプルの被検成分を分離するカラム6、
分離したサンプル中の成分を検出する検出器8、記録計
20を主体としてなる。
【0014】CCLC装置においては、液槽3A,3
B、ポンプ2A,2B、ミキサー4、インジェクタバル
ブ5、カラム6及び検出器8はキャピラリーチューブT
にて適宜に接続され、溶離液が順次流れるようにされて
いる。
【0015】本例で用いるカラム6は、内径320μ
m、長さ15cmのチューブにシリカゲルを主成分とし
た微粒状の分離用担体を充填したものである。本例の検
出器8としては、分光光度計(米国、スペクトラフィジ
ックス社製、SC−100(フローセルUZ−LIタイ
プ)を使用する。検出器8は、光源10、セル14、フ
ィルター12及び受光部16とから形成されており、セ
ル14内を通過する溶離液に光源10からの光がフィル
ター12を通過して照射される。
【0016】記録計20は、受光部16からの信号を受
信して、記録紙上等にクロマトグラムCを記録するもの
である。また、この記録計20は、後述するピークセン
サ18からのピーク検出開始信号及びピーク検出終了信
号を受信して、図3に示すようにクロマトグラム上にピ
ークPとともにピーク検出開始信号及びピーク検出終了
信号に対応するイベントマークE1,E2を記録するこ
とができるようになっている。
【0017】このCCLC装置に付加される採取装置
は、図1に示すように、ピークセンサ18、溶離液切換
えバルブ22、分取用チューブ26及びエア注入手段3
0を主体としてなる。ピークセンサ18は、検出器8の
受光部16により測定した吸光度を電気信号として受信
し、所定の吸収波長による吸光度の増加等から光を吸収
する成分の溶出を検出して、その検出信号をバルブ2
2、記録計20及びエア注入手段30に送信するように
なっている。
【0018】バルブ22は、図2に示すように、4個の
ポートA〜Dを有して切換え可能に形成されている。ポ
ートAは、フェラルFを介して検出器8からの溶離液の
流路に接続され、ポートBは、同様にフェラルFを介し
て装置の系外へ溶離液あるいはエアを排出するドレイン
流路Dに接続され、ポートCは、同様にエア注入手段3
0に接続され、ポートDは、分取用チューブ26に接続
されている。そして、このバブル22は、ピークセンサ
18からの電気信号に応じた電磁スイッチの作動によ
り、ポートAからの溶離液をポートBのドレイン流路D
あるいはポートDの分取用チューブ26へ流路を切換え
することができ、またポートCからのエアをドレイン流
路Dあるいは分取用チューブ26へ切換えすることがで
きるようになっている。すなわち、ピークを検出してい
ない状態にあっては、溶離液は、ドレイン流路Dへ、エ
アは分取用チューブ26へ導入され、ピーク検出状態に
あっては、溶離液は、分取用チューブ26へ、エアはド
レイン流路Dへ導入されるようになっている。なお、本
実施例においては、ピークセンサ18からの電気信号の
受信により自動的にバルブ22が作動するようにした
が、これに限らず、手動によって切換えするものであっ
てもよい。
【0019】分取用チューブ26は、テフロン製で内径
250μmのものを用いる。この分取用チューブ26
は、ピーク分取用の配管である内径50μmで外径28
0μmのシリカ製チューブ27及びこのシリカ製チュー
ブ27をを外嵌してフェラルF内に挿入される細管28
を介してバルブ22のポートDに接続されている。
【0020】図1に示すように、エア注入手段30は、
本実施例においてはガスタイトシリンジ31のロッド3
2がスクリュウ33によりシリンジ内に押し込み可能に
形成されて、ニードルNの先端側がバルブ22のポート
Cに接続されている。エア注入手段30は、ピークセン
サ18からの電気信号を受信し、ピークを検出していな
い状態にあっては、一定量のエアをポートCを介して作
動するバルブ22内の流路V1を介して一定量のエアを
分取用チューブ26へ導入可能となっている。また、ピ
ークセンサ18によるピークの検出終了信号とピーク検
出開始信号との間隔が非常に短い場合には、その間のピ
ーク非検出状態において1μLのエアを強制的に排出
し、分取用チューブ26に導入可能となっている。
【0021】次に、このようなCCLC装置及びCCL
C用の被検成分採取装置の使用例について説明する。サ
ンプルを装置の系内に注入前には、溶離液が流されて、
装置系内を溶離液で十分に置換する。本実施例の溶離液
は蒸留水HとアセトニトリルRとの混合液よりなり、サ
ンプルの注入後、分析時間の経過に伴ってアセトニトリ
ルRの比率を順次増大するように変化させ、たとえば1
〜10μl/分の一定の流速で流される。また、サンプ
ルの注入に先立って、検出器8等にも通電して安定化さ
せておく。
【0022】シリンジに採取したサンプルの一定量を、
インジェクターバルブ5に注入し、溶離液によりカラム
6側に導入する。サンプルは溶離液とともにカラム6に
至り、分離用担体との吸脱着により各成分に分離されて
カラム6から溶出される。したがって、サンプル注入時
から所定時間経過後の溶離液には、分離された被検成分
がそれぞれ含まれている。カラム6から溶出した溶離液
は、検出器8のフローセル14に入り、フィルタ12を
経た所定波長の光により透過される。受光部16は、フ
ローセル14の透過光を検出し吸光度として測定する。
さらにこの測定値は電気信号に変換されて、記録計20
及びピークセンサ28に送信される。記録計20にあっ
ては、受信した吸光度を所定のスケールで記録紙上にク
ロマトグラムCとして順次記録する。なお、図3の
(A)には、クロマトグラムCを示し、図3の(B)
は、ピークセンサ18におけるピーク検出状態を示し、
図3の(C)は、分取用チューブ26内での各溶離液部
分M1〜M5を示している。図3においては、クロマト
グラムC、ピーク検出状態及び分取用チューブ26内の
各溶離液部分M1〜M5が対応させて示されている。
【0023】ピークセンサ18では、分析・分取条件に
応じて設定されたピーク検出感度を越えれば、電気信号
の変化等をピークPとして検出し、ピーク検出感度を越
えない場合には、ピークPとして検出しないようになっ
ている。したがって、サンプル注入後、タンパク質成分
が溶出しない間は、ピーク非検出状態であり、バルブ2
2は流路V1の状態にあり、溶離液はバルブ22を介し
てドレイン流路Dに導かれ排出される。一方、分取用チ
ューブ26には、エア注入手段30により毎分一定量の
エアが導入されている。
【0024】しかる後、所定量の溶離液がカラム6から
溶出され、タンパク質成分が溶出されてくると、検出器
8からの電気信号の増大等により、ピークセンサ18に
より電気信号の変化がピークP1として検出され、バル
ブ22にその信号が伝わる。これにより、バルブ22で
は、図2に示すように流路V2に切替えが行われ、フロ
ーセル14からの溶離液部分M1は、分取用チューブ2
6に導入される。同時に、エアはドレイン流路Dに排出
される。なお、実際には、フローセル14においてタン
パク質成分の溶出を検出してしばらく経過した後、その
タンパク質を含む溶離液部分がバルブ22に到達するた
め、ピークセンサ18によるピーク検出とバルブ22の
作動には一定のリレータイムが設定されている。一方、
図3(A)に示すように、記録計20にも同時にその信
号を送り、記録計20のクロマトグラムC上には、ピー
ク検出開始のイベントマークE1が記録されるととも
に、ピークP1が記録されていく。
【0025】また、ピークセンサ18で受信した電気信
号がピーク検出感度を下回った場合には、ピークP1と
しての検出はされなくなり、ピーク検出終了信号が発せ
られる。これにより、バルブ22にあっては、所定のリ
レータイム後に、図2に示す流路V2に切り換わり、再
び被検成分を含まない溶離液はドレイン流路Dに排出さ
れ、エアが分取用チューブ26に導入される。この結
果、タンパク質を含む溶離液部分M1のみが、分取用チ
ューブ26に採取される。一方、ピーク検出終了の信号
は記録計20に送られ、クロマトグラムC上にピーク検
出終了のイベントマークE2が記録される(図3(A)
参照)。
【0026】このようにして第1のピークP1が溶出し
た後に、所定時間をおいて第2のピークP2が溶出さ
れ、さらに所定時間経過後には第3のピークP3が溶出
される。そして、各ピークP1〜P3に対応する溶離液
部分M1〜M3は、それぞれの溶出液量が、各溶出時間
と溶出時間の間に導入されたエアによって介在されて分
取用チューブ16内に採取される(図3(C)参照)。
【0027】さらに、第4及び第5のピークP4,P5
の分取について説明する。第4のタンパク質がカラム6
から溶出されることにより、受光部16により検出され
る吸光度が増大し、その結果、ピークセンサ18により
ピークP4として検出され、ピーク検出開始信号がバル
ブ22及び記録計20に送られる。バルブ22は先のピ
ークP1〜P3と同様に、ピーク検出開始信号を受けて
切り換えられ、溶離液部分M4は分取用チューブ26に
導入される。そして第4のピークP4のピーク検出が終
了するやいなや第5のタンパク質の溶出により再びピー
クP5が検出される。この場合、これらの信号に対応し
てバルブ22は切換えされるが、第4のピーク検出終了
信号と、第5のピーク検出開始信号との間は極めて短時
間ゆえ、通常のエア注入量では、分取用チューブ26に
十分なエアを導入できず、分取用チューブ26において
第4の溶離液部分M4と第5の溶離液部分M5とが十分
に分離しない場合がある。このため、ピーク検出終了信
号とピーク検出開始信号との時間的間隔が一定時間以内
の場合には、エア注入手段30は、強制的に1μLのエ
アを排出し、分取用チューブ26において、第4の溶離
液部分M4と第5の溶離液部分M5との間に1μLのエ
アにより2cmの間隔を確保できるようになっている
(図3(C)参照)。なお、本実施例では、1μLのエ
アを排出することとしたが、エア量は適宜設定すること
ができる。
【0028】そして、第5のピークP5の溶離液部分M
5は分取用チューブ26に採取される。この後、ピーク
検出終了後には、所定の分析時間終了まで、毎分一定量
のエアが分取用チューブ26に導入される。分析が終了
した後には、ピーク用配管27から分取用チューブ26
を取り外す。
【0029】図3に対応して示すように、取り外した分
取用チューブ26には、クロマトグラムC上のイベント
マークE1,E2が記録されたピークP1〜5に対応す
る溶離液部分M1〜M5がほぼクロマトグラムC上のピ
ーク間隔に対応して分離ししてかつ連続的に分取されて
いる。分取用チューブ26が透明であるため、容易に各
被検成分の位置やクロマトグラムCとの対応を確認する
ことができる。また、各溶離液部分M1〜M5は、表面
張力により分取用チューブ26内に保持されており、分
取用チューブ26を巻いたり、上下に振ったりしても、
分離状態が保持され、取扱いが都合がよい。さらに、こ
のチューブ26ごと、保存することができ、冷凍保存も
可能である。
【0030】これら分取した各溶離液部分M1〜M5中
のタンパク質のアミノ酸分析等をする場合には、溶離液
部分M1〜M5間に介在させたエア部分で分取用チュー
ブ26をカットして各溶離液部分M1〜M5をそれぞれ
含んだチューブに分離することもできる。
【0031】このように、溶離液の流路Tから滴下させ
ることなく連続的に液体のまま溶離液部分M1〜M5を
採取することとしたため、LCにおいて従来にない新た
な被検成分採取方法となっている。また、溶離液を吸着
紙の吸収させて採取するのと異なり、タンパク質の変性
や分解、損失のおそれが少なくなく、抽出操作する必要
もない。また、クロマトグラフィーにより有効に濃縮さ
れた状態で被検成分を得ることができるため、その後の
処理が迅速でかつ無駄なく行うことができる。また、ク
ロマトグラムC上で近接したピークP4,P5であって
も、バルブ22の切換えと、エアの瞬間的注入により確
実に分離して採取することができる。さらに、クロマト
グラムCと対応させなくても、各ピークP1〜P5に対
応する溶離液部分M1〜M5を分離分取することがで
き、透明の分取用チューブ26であるため分断する箇所
を明確に把握することができる。
【0032】なお、本実施例にあっては、ピークセンサ
18によりピークの検出を常に監視して、バルブ22の
作動を自動的に行うこととしたが、これに限るものでは
ない。すなわち、一定の分析条件下で、一定の溶離液量
で流出することが予め知ることができる場合には、ピー
クセンサ18によることなく、タイマーセットすること
により、一定時間ごとにバルブ22の切換えを行うこと
もできる。さらに、手動でバルブ22の切換えを行うこ
ともできる。
【0033】また、本実施例にあっては、ピーク非検出
状態にあっては、エア注入手段から常時一定量のエアを
分取用チューブ26に導入するものとしたがこれに限る
ものではない。すなわち、溶離液部分を分取用チューブ
26に採取後に、次に溶離液部分と分離できる程度の一
定量のエアを導入するように形成してもよい。
【0034】また、分取用チューブ26からの溶離液部
分M1〜M5を取り出すには、分取用チューブ26を分
断してシリンジで吸い出す他、、分取用チューブ26の
一方から順次エアを送って、他端から溶離液部分M1〜
M5をシリンジで吸入するとか、あるいは流下させるこ
ともできる。また、直ちにマススペクトル装置やガスク
トマトグラフ装置に溶離液部分M1〜M5を導入する場
合には、分取用チューブ26にエアを導入することによ
り、順次、溶離液部分M1〜M5をマススペクトル装置
等のインジェクタに送るようにすることもできる。本実
施例はCCLCの場合であるが、LCに広く適用するこ
とができる。
【0035】
【発明の効果】本発明方法及び装置によれば、1本の分
取用チューブに被検成分の溶離パターンに正確に対応し
て確実に被検成分を含む溶離液部分を採取分離でき、し
かも、採取した被検成分の取り扱いに都合がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の装置概要図である。
【図2】図1の装置におけるバルブのポートの切換え方
向を示す図である。
【図3】クロマトグラム(A)とピークセンサによるピ
ーク検出信号状態(B)と分取用チューブ内における各
被検成分を含む溶離液部分(C)の対応図である。
【符号の説明】
6…カラム 26…分取用チューブ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体クロマトグラフィーによって分離され
    た被検成分を採取する方法であって、 分離用担体を充填したカラムに1以上の被検成分を供給
    して、溶離液を流し続け、被検成分が分離された溶離液
    を得る工程と、 前記溶離液のうち被検成分を含む溶離液部分を、溶離液
    の流路の端末に接続された分取用チューブ内に流入させ
    る工程と、 前記分取用チューブ内の前記溶離液部分の後部に気体を
    注入する工程、 とを備え、分離された各被検成分を含む複数の溶離液部
    分を、順次前記分取用チューブ内に採取し、各溶離液部
    分間に気体を介在させることにより、前記分取用チュー
    ブ内に複数の溶離液部分を相互に分離した状態で保持す
    ることを特徴とする液体クロマトグラフィーの被検成分
    採取方法。
  2. 【請求項2】試料注入部と、カラム部と、検出部と及び
    これらを接続する配管部とからなる液体クロマトグラフ
    ィーよって分離された被検成分を採取する装置であっ
    て、 カラムからの溶離液の流路の端末に接続され、分離され
    た被検成分を含む溶離液部分を分取するための分取用チ
    ューブと、 この分取用チューブに気体を注入するための気体注入手
    段と、 カラムからの流路を経て送られる溶離液又は気体注入手
    段から気体流路を経て送られる気体のいずれか一方を、
    前記分取用チューブに取り入れ、他方をドレイン側に放
    出するように切換え作動されるバルブ、 とを備え、分離された各被検成分を含む複数の溶離液部
    分を、順次前記分取用チューブ内に採取し、各溶離液部
    分間に気体を介在させることにより、前記分取用チュー
    ブ内に複数の溶離液部分を相互に分離した状態で保持す
    ることを特徴とする液体クロマトグラフィーにおける被
    検成分採取装置。
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