JP2603408Y2 - 汚物収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、トイレ室内等に設置す
る汚物収納装置に係り、特に並設した複数のトイレ室間
の仕切壁となるパーテーション等に設置して使用する構
造の汚物収納装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、トイレ室内に設置する汚物入
れとして、収納容器を壁内部に設置すると共に、汚物投
入口の開閉を自動的に行わせる構造の汚物収納装置が提
案されている。このような汚物収納装置として、例えば
実公平４−２１５１８号には室内側から出入自在になる
汚物入容器を設けると共に、該汚物入容器の上方に設け
られた投入口の開閉蓋を人体感知センサーの感知信号に
よって自動的に開閉させるように構成し、前使用者が汚
れた手で触れた可能性のある汚物入容器の開閉蓋を素手
で掴むことによる不潔感を解消する構造が開示されてい
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上記従来の汚
物収納装置の構造によれば、該汚物収納装置を設置すべ
きトイレ室の壁構造として所定の壁厚を必要とするもの
であり、一般的には上記実公平４−２１５１８号公報に
も開示されているようにトイレ室内にカウンターを設置
し、該カウンターの内部に汚物入容器を構成するか、予
めトイレ室の壁構造自体に汚物収納装置を構成しなけれ
ばならないものであった。従って、トイレ室内に上記の
ようなカウンターを設置することができない場合や、複
数のトイレ室をパーテーション等で仕切って個室化した
所謂公衆トイレ等の場合には、各トイレ室に汚物収納装
置を設置することができないという問題を有するもので
あった。

【０００４】本考案は、上記問題に鑑みて創案されたも
のであり、トイレ室内に特別なカウンターを設置した
り、特別な壁構造を構成する必要がなく、公衆トイレ等
の仕切壁として構成されているパーテーション等にも容
易に設置構成し、汚物入容器の開閉蓋を自動的に開閉さ
せることができる汚物収納装置を提供することを目的と
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案に係る汚物収納装置は、隣接したトイレ室を
仕切る仕切壁の壁面に、背面側が開口する２個の筐体を
背中合わせに接合した容器本体を装着し、該容器本体の
下部に汚物入容器の収容部を形成し、上記筐体の上部に
それぞれ汚物投入口を形成し、上記汚物入容器を上記容
器本体の収容部前面に開閉自在に構成した容器出入口を
介して脱着自在に収容すると共に、上記汚物投入口の内
側に開閉蓋を開閉自在に装着し、該開閉蓋の外側近傍に
人体感知センサーを配設し、該人体感知センサーの感知
信号によって上記投入口開閉蓋の開閉駆動をする上記駆
動装置を動作させるように構成したことを要旨とするも
のである。

【０００６】上記容器本体の収容部に設置する汚物入容
器を、隣接する両トイレ室から投入される汚物に対して
共用される一個の汚物入容器によって構成することもで
きる。

【０００７】

【作用】上記構成によれば、トイレ室内に特別なカウン
ターを設置したり、特別な壁構造を構成する必要がな
く、公衆トイレ等の仕切壁として構成されているパーテ
ーション等、特別な装置や壁構造のないトイレ室にも容
易に設置して使用することができると共に、一個の汚物
収納装置を隣接した二つのトイレ室に共用させることが
できる。また、汚物入容器の開閉蓋を人体感知センサー
によって自動的に開閉させるため、前使用者が汚れた手
で触れた可能性のある開閉蓋を素手で掴むことによる不
潔感を解消することができる。

【０００８】

【実施例】以下、本考案に係る汚物収納装置の構造に関
する実施例を図面に従って説明する。図１乃至図５は、
本考案に係る汚物収納装置の第一の実施例を示すもので
あり、１は隣接する複数のトイレ室を区画して個室化す
るパーテーション等の壁体Ａの表面に装着固定する容器
本体である。この容器本体１は、背面側を開口させた２
個の筐体１ａ，１ａを該背面側開口縁部において相互に
嵌合固着して一体化してなるものであり、本実施例にお
いては、該嵌合部１ｂに上記壁体Ａを挟持してその表面
に装着固定する構造に成っている。即ち、各筐体１ａの
背面側開口縁部にはその背面方向へ短小となる段差部１
ｃが形成してあり、壁体Ａに穿設した取付孔Ｂに対して
その表裏面側から各筐体１ａの段差部１ｃを嵌合し、取
付孔Ｂの周縁を挟持するようにして各筐体１ａ，１ａの
段差部１ｃ，１ｃを相互に嵌合固定する構造になってい
る。２，２は、各筐体１ａ，１ａを壁体Ａの表面に固定
する取付フランジであり、複数の小螺子３，３によって
壁面に締結固定する構造になっている。

【０００９】符号４は、容器本体１の上部に各トイレ室
側からも使用することができるように、背中合わせに接
合する各筐体１ａ，１ａの表面に構成した汚物投入口、
５は容器本体１の下部に構成した汚物入容器６の収容部
である。本実施例において、背中合わせに構成される２
個の汚物投入口４，４は、相互に左右方向へ開口位置を
ずらせて筐体１ａの表面側から内側へ凹陥形成したもの
であり、各汚物投入口４の内奥上縁から投入口開閉蓋７
を回動自在に軸着垂下させ、該投入口開閉蓋７の側縁及
び下縁を汚物投入口４の開口縁に対して離接させること
によって汚物投入口４の開閉をするように構成してあ
る。本実施例において、投入口開閉蓋７はその上縁から
下縁方向へ汚物投入口４の開口側面形状に対応して曲折
した形状に形成してあり、常時は周縁部分を汚物投入口
４の開口縁に当接させて該汚物投入口４を閉止すると共
に、汚物投入時には該投入口開閉蓋７をその上縁を回動
自在に支持する回動軸８回りに容器本体１の内側（矢印
Ｃ方向）へ回動させ、該汚物投入口４を開口するように
なっている。この汚物投入口４の上部には投入口開閉蓋
７を駆動する駆動装置９が配設してある。即ち、上記投
入口開閉蓋７の上部には駆動装置９の摺動軸１０の先端
と連結する連結アーム１１が形成してあり、摺動軸１０
の進退動作により連結アーム１１を前後に移動させ、上
記回動軸８を回転中心として投入口開閉蓋７を開閉移動
させる構造になっている。

【００１０】符号１２は、汚物投入口４内の左右内壁に
配置したセンサーである。即ち、上記構成になる汚物投
入口４内に使用者が手指等の人体の一部を挿入すること
によって人体感知信号を生ずるように構成したものであ
る。

【００１１】符号１３は、容器本体１の下部に構成した
汚物入容器６の収容部５を開閉被蓋する収容部開閉蓋で
ある。上記汚物入容器６は、この収容部開閉蓋１３で被
覆する筐体１ａの開口部１ｄを介して容器本体１の収容
部５内に装置し、また該収容部５から取り外すことがで
きるようになっている。本実施例において、該収容部開
閉蓋１３は、その下端部に掛け止めアーム１４を形成
し、この掛け止めアーム１４の鉤部１４ａを筐体１ａの
開口部下縁に構成した止軸１５に回動自在に引っ掛け、
収容部開閉蓋１３の開放時（矢印Ｄ方向）にその上部側
縁に取り付けた回動規制体１６によって容器本体１の外
方への過回転を防止するように構成してある。汚物入容
器６を容器本体１から脱着させるための上記開口部は、
必ずしも隣接する２個のトイレ室内に対して各別に構成
する必要はなく、図示例の如く、一方の筐体１ａに構成
すれば足りるものである。

【００１２】図６は、本考案に係る汚物収納装置の第二
の実施例を示すものであり、隣接しない単独のトイレ室
に設置する場合の構造に関する。即ち、本実施例におい
ては、上記第一の実施例と同一の構成になる一側の筐体
１ａの背面に所定容量の密閉容器１７を一体化付設して
容器本体１を構成したものである。トイレ室の側部パー
テーションに対する構成のみでなく、該密閉容器１７の
部分を壁面に埋設させて設置固定することもできるた
め、独立したトイレ室内に構成することも可能になる。

【００１３】

【考案の効果】本考案に係る汚物収納装置は、以上のよ
うに基本的な構成において二個の筐体を背中合わせにし
て容器本体を構成しているため、公衆トイレ等簡単なパ
ーテーションで仕切って個室化したトイレ室において隣
接する両トイレ室から使用させることができると共に、
隣接しない又は単独構成のトイレ室に対しても片側仕様
の構成によって簡単に汚物収納装置を設置することがで
きるものであり、トイレ室内に特別なカウンターや壁構
造を構成することなく、省スペースの汚物収納装置を提
供することができる。また、汚物入容器の開閉蓋を自動
的に開閉させるため、前使用者が汚れた手で触れた可能
性のある開閉蓋を素手で掴むことによる不潔感を解消す
ることができる等、本考案の実施により得られる効果は
極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る汚物収納装置の第一の実施例に関
し、筐体の一部を切り欠いて内部構造を示す正面図であ
る。

【図２】同じく側面図である。

【図３】同じく縦断面図である。

【図４】同じく汚物投入口部分の構造を示す要部拡大縦
断面図である。

【図５】同じく収容部開閉蓋のヒンジ構造を示す要部拡
大断面図である。

【図６】本考案に係る汚物収納装置の第二の実施例を示
す縦断面図である。

【符号の説明】

１ 容器本体 １ａ 筐体 ４ 汚物投入口 ５ 収容部 ６ 汚物入容器 ７ 投入口開閉蓋 ８ 回動軸 ９ 駆動装置 １０ 摺動軸 １１ 連結アーム １２ センサー １３ 収容部開閉蓋

フロントページの続き (72)考案者 福田 芳道 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番 １号 東陶機器株式会社内 (72)考案者 澤登 尚子 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番 １号 東陶機器株式会社内 (56)参考文献 実開 昭63−52499（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−131718（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−191217（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−31620（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭58−46168（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47K 17/02 A47K 17/00 E04H 1/12 301 E04C 2/52 B65F 1/00

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 隣接したトイレ室を仕切る仕切壁の壁面
   に、背面側が開口する２個の筐体を背中合わせに接合し
   た容器本体を装着し、 該容器本体の下部に汚物入容器の収容部を形成し、上記
   筐体の上部にそれぞれ汚物投入口を形成し、 上記汚物入容器を上記容器本体の収容部前面に開閉自在
   に構成した容器出入口を介して脱着自在に収容すると共
   に、上記汚物投入口の内側に開閉蓋を開閉自在に装着
   し、 該開閉蓋の外側近傍に人体感知センサーを配設し、該人
   体感知センサーの感知信号によって上記投入口開閉蓋の
   開閉駆動をする上記駆動装置を動作させるように構成し
   たことを特徴とする汚物収納装置。
2. 【請求項２】 上記容器本体の収容部に設置する汚物入
   容器が、隣接する両トイレ室から投入される汚物に対し
   て共用される一個の汚物入容器であることを特徴とする
   請求項１の汚物収納装置。