JP2603352B2 - 溶接スラグ剥離性に優れた溶接ワイヤ - Google Patents
溶接スラグ剥離性に優れた溶接ワイヤInfo
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- JP2603352B2 JP2603352B2 JP2099424A JP9942490A JP2603352B2 JP 2603352 B2 JP2603352 B2 JP 2603352B2 JP 2099424 A JP2099424 A JP 2099424A JP 9942490 A JP9942490 A JP 9942490A JP 2603352 B2 JP2603352 B2 JP 2603352B2
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- welding wire
- wire
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Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、ガスシールドアーク溶接(以下GMAWと略
す)に用いる改良溶接ワイヤに関するものである。
す)に用いる改良溶接ワイヤに関するものである。
〈従来の技術〉 被溶接構造物や機器等の多くが、溶接施工後めっきや
塗料処理が実施され完成品に至るが、溶接後のビード上
に生成付着した溶接スラグ(以下スラグと略す)は、こ
れらの表面処理の前にブラッシング、チッピングハン
マ、ショットブラスト等で剥離、除去されていた。この
スラグはこのとき完全に剥離しないとこれらの表面処理
がうまくいかなかったり、後で剥離してその部分から錆
が発生し、被溶接物の品質および耐久性を著しく劣化さ
せる。
塗料処理が実施され完成品に至るが、溶接後のビード上
に生成付着した溶接スラグ(以下スラグと略す)は、こ
れらの表面処理の前にブラッシング、チッピングハン
マ、ショットブラスト等で剥離、除去されていた。この
スラグはこのとき完全に剥離しないとこれらの表面処理
がうまくいかなかったり、後で剥離してその部分から錆
が発生し、被溶接物の品質および耐久性を著しく劣化さ
せる。
そこで、これまでスラグの剥離を容易にするためワイ
ヤ成分組成に工夫がなされている。例えば、特開昭61−
195793号公報に開示された溶接ワイヤではC≦0.12重量
%(以下%と略す)、Si:0.5〜1.6%、Mn≦1.0%、P≦
0.03%、S≦0.03%、必要に応じBi:0.005〜0.020%を
添加することを特徴とするが、SiやMnが少ない場合には
スラグ生成量が少なくなりすぎ必ずしもスラグ剥離性が
良くない。またビード表面を覆うスラグが斑になってビ
ード形状そのものを乱すなどの問題があった。また、特
開昭62−124095号公報に開示された溶接ワイヤについて
も同様にSiやMnが少ない場合には、主としてSiO2−FeO
−MnO系の金属酸化物からなるスラグの生成が少なくな
りすぎて、必ずしも剥離性がよくない。
ヤ成分組成に工夫がなされている。例えば、特開昭61−
195793号公報に開示された溶接ワイヤではC≦0.12重量
%(以下%と略す)、Si:0.5〜1.6%、Mn≦1.0%、P≦
0.03%、S≦0.03%、必要に応じBi:0.005〜0.020%を
添加することを特徴とするが、SiやMnが少ない場合には
スラグ生成量が少なくなりすぎ必ずしもスラグ剥離性が
良くない。またビード表面を覆うスラグが斑になってビ
ード形状そのものを乱すなどの問題があった。また、特
開昭62−124095号公報に開示された溶接ワイヤについて
も同様にSiやMnが少ない場合には、主としてSiO2−FeO
−MnO系の金属酸化物からなるスラグの生成が少なくな
りすぎて、必ずしも剥離性がよくない。
さらに本発明者らは特願平1−62222号で、C:0.01〜
0.12%、Si:1.3〜2.5%、Mn:0.5〜2.5%、Se、Teのうち
1種または2種の合計が0.005〜0.20%および残部Feと
不可避的不純物からなることを特徴とする溶接スラグ剥
離性に優れた溶接ワイヤを提案している。しかし、スラ
グ剥離性のさらなる改善が期待されている。
0.12%、Si:1.3〜2.5%、Mn:0.5〜2.5%、Se、Teのうち
1種または2種の合計が0.005〜0.20%および残部Feと
不可避的不純物からなることを特徴とする溶接スラグ剥
離性に優れた溶接ワイヤを提案している。しかし、スラ
グ剥離性のさらなる改善が期待されている。
〈発明が解決しようとする課題〉 前述のように溶接後の生成スラグの完全剥離除去は極
めて重要であり、溶接スラグの除去性が悪いときにはそ
の除去に多大の労力を要することになる。従って溶接後
の生成スラグがより容易に除去できる溶接ワイヤの開発
は、溶接関連産業界にあって切望されている。
めて重要であり、溶接スラグの除去性が悪いときにはそ
の除去に多大の労力を要することになる。従って溶接後
の生成スラグがより容易に除去できる溶接ワイヤの開発
は、溶接関連産業界にあって切望されている。
本発明は、このような従来技術の問題および切望に対
して着目なされたもので、溶接ワイヤを用いて被溶接物
の施工を行った場合に、スラグが適量に生成し、かつ溶
接部に付着するスラグの剥離を容易にするスラグ剥離性
に優れた溶接ワイヤを提供するためになされたものであ
る。
して着目なされたもので、溶接ワイヤを用いて被溶接物
の施工を行った場合に、スラグが適量に生成し、かつ溶
接部に付着するスラグの剥離を容易にするスラグ剥離性
に優れた溶接ワイヤを提供するためになされたものであ
る。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、ガスシールドアーク溶接に用いる溶接ワイ
ヤであって重量比で、C:0.01〜0.08%、Si:1.32〜2.5
%、Mn:0.4〜2.0%、Se、Teのうち1種または2種の合
計が0.005〜0.20%、S:0.060%以下、Bi:0.010〜0.15
%、および残部Feと不可避的不純物とからなることを特
徴とする溶接スラグ剥離性に優れた溶接ワイヤで、かつ
C:0.01〜0.08%、Si:1.32〜2.5%、Mn:0.4〜2.0%、S
e、Teのうち1種または2種の合計が0.005〜0.20%、S:
0.015〜0.060%、Bi:0.010〜0.15%、Ti、Zrのうちの1
種または2種の合計が0.01〜0.35%および残部Feと不可
避的不純物とからなることを特徴とする溶接スラグ剥離
性に優れた溶接ワイヤである。
ヤであって重量比で、C:0.01〜0.08%、Si:1.32〜2.5
%、Mn:0.4〜2.0%、Se、Teのうち1種または2種の合
計が0.005〜0.20%、S:0.060%以下、Bi:0.010〜0.15
%、および残部Feと不可避的不純物とからなることを特
徴とする溶接スラグ剥離性に優れた溶接ワイヤで、かつ
C:0.01〜0.08%、Si:1.32〜2.5%、Mn:0.4〜2.0%、S
e、Teのうち1種または2種の合計が0.005〜0.20%、S:
0.015〜0.060%、Bi:0.010〜0.15%、Ti、Zrのうちの1
種または2種の合計が0.01〜0.35%および残部Feと不可
避的不純物とからなることを特徴とする溶接スラグ剥離
性に優れた溶接ワイヤである。
〈作用〉 溶接後、当該溶接ビード上に生成されるスラグは、主
に溶接ワイヤからの溶接に伴う脱酸生成物や溶解度メタ
ル−スラグ間分解による成分組成であり、母材成分の影
響も若干あるが、通常の場合その影響は小さく、無視で
きる。
に溶接ワイヤからの溶接に伴う脱酸生成物や溶解度メタ
ル−スラグ間分解による成分組成であり、母材成分の影
響も若干あるが、通常の場合その影響は小さく、無視で
きる。
第1表は、GMAW(CO2およびAr−20%CO2シールドガ
ス)に伴う溶接ワイヤ成分と溶着金属成分との関係を示
したものである。なお、このときの溶接条件を第2表に
示した。
ス)に伴う溶接ワイヤ成分と溶着金属成分との関係を示
したものである。なお、このときの溶接条件を第2表に
示した。
CO2ガスシールドの場合、Cはワイヤと溶着金属間に
成分差がほとんどなく、Siは62〜64%、Mnは61〜69%の
元素歩留り率、すなわち、両者とも添加量の1/3がスラ
グ化することを示している。また、Ar−20%CO2ガスシ
ールドの場合、Siは同様に約25〜30%がスラグ化する。
成分差がほとんどなく、Siは62〜64%、Mnは61〜69%の
元素歩留り率、すなわち、両者とも添加量の1/3がスラ
グ化することを示している。また、Ar−20%CO2ガスシ
ールドの場合、Siは同様に約25〜30%がスラグ化する。
さらにCO2ガスシールドアーク溶接のMnとSiとの関係
およびスラグ状態を示す第1図と前記の知見、さらに本
発明者らの先願では、ワイヤ組成とスラグ剥離性につい
て鋭意研究を重ねて、Si:1.3〜2.5%、Mn:0.5〜2.5%を
含有した溶接ワイヤを用いれば、スラグ生成量が多く、
かつスラグの軟化温度も高いため、溶接後の冷却に伴う
スラグの収縮量が多くなり、溶接ビード、スラグ界面で
の歪量が多くなり、スラグ剥離性を改善し、さらに先願
(前述)でSe、Teを添加すればさらに極めて有効である
ことを開示した。
およびスラグ状態を示す第1図と前記の知見、さらに本
発明者らの先願では、ワイヤ組成とスラグ剥離性につい
て鋭意研究を重ねて、Si:1.3〜2.5%、Mn:0.5〜2.5%を
含有した溶接ワイヤを用いれば、スラグ生成量が多く、
かつスラグの軟化温度も高いため、溶接後の冷却に伴う
スラグの収縮量が多くなり、溶接ビード、スラグ界面で
の歪量が多くなり、スラグ剥離性を改善し、さらに先願
(前述)でSe、Teを添加すればさらに極めて有効である
ことを開示した。
本発明者らはさらに研究を重ねた結果、(Se、Te)と
Biの共存下で、また、Sと(Se、Te)とBiの共存下で
は、Si含有量がより少ないレベルでもスラグ剥離性が一
層改善されることが判明した。
Biの共存下で、また、Sと(Se、Te)とBiの共存下で
は、Si含有量がより少ないレベルでもスラグ剥離性が一
層改善されることが判明した。
さらに前記ワイヤ成分に加えて、TiおよびZrの1種ま
たはその合計が0.01〜0.35%を添加した場合はワイヤ端
の懸垂溶滴の生成状況が安定し、その結果溶接アークが
安定し、溶接ビードのリップルがなだらかになり、スラ
グの剥離性が一層改善されることを見出した。
たはその合計が0.01〜0.35%を添加した場合はワイヤ端
の懸垂溶滴の生成状況が安定し、その結果溶接アークが
安定し、溶接ビードのリップルがなだらかになり、スラ
グの剥離性が一層改善されることを見出した。
以下、本発明の数値的限定理由について述べる。
Cは、溶接金属の強度を高めるのに有効な元素である
が、0.08%を超えると溶接スパッタの発生を多くしすぎ
るので、機械性能には格別の問題がないものの0.08%を
上限とした。また、0.01%未満ではT.S.が41kgf/mm2以
上にならないので0.01%以上とした。
が、0.08%を超えると溶接スパッタの発生を多くしすぎ
るので、機械性能には格別の問題がないものの0.08%を
上限とした。また、0.01%未満ではT.S.が41kgf/mm2以
上にならないので0.01%以上とした。
Siは、脱酸元素として欠かすことのできない元素であ
るとともに、本発明のスラグ生成元素として重要元素の
一つである。Siが1.32%未満ではスラグ生成量が少なす
ぎ、溶接ビード上に斑状にスラグが生成し、スラグの剥
離性を劣化させるので、1.32%を下限とした。また、2.
5%を超えるとスラグの生成量は多くてよいものの、SiO
2リッチになりすぎ、結晶性の高いスラグとなってスラ
グ剥離性を阻害するようになるので、2.5%を上限とし
た。
るとともに、本発明のスラグ生成元素として重要元素の
一つである。Siが1.32%未満ではスラグ生成量が少なす
ぎ、溶接ビード上に斑状にスラグが生成し、スラグの剥
離性を劣化させるので、1.32%を下限とした。また、2.
5%を超えるとスラグの生成量は多くてよいものの、SiO
2リッチになりすぎ、結晶性の高いスラグとなってスラ
グ剥離性を阻害するようになるので、2.5%を上限とし
た。
Mnは、Siと同様の脱酸元素までスラグ生成特性をもつ
が、0.4%未満では溶接金属のMn量が少なくなりすぎ満
足すべき靭性が得られないので、0.4%を下限とした。
また、2.0%を超すと溶接金属の強度が上がりすぎてよ
くないので、2.0%を上限とした。
が、0.4%未満では溶接金属のMn量が少なくなりすぎ満
足すべき靭性が得られないので、0.4%を下限とした。
また、2.0%を超すと溶接金属の強度が上がりすぎてよ
くないので、2.0%を上限とした。
Se、Teは同効物質であって、メタル・スラグ界面に選
択的に作用する元素であり、スラグの剥離性を著しく改
善する。1種または2種の合計が0.005%未満ではその
効果が十分でないので、0.005%を下限とした。また、
0.20%を超すとスラグの剥離性は一層よいものの、溶接
ビードに気孔が発生することがあるので、0.20%を上限
とした。
択的に作用する元素であり、スラグの剥離性を著しく改
善する。1種または2種の合計が0.005%未満ではその
効果が十分でないので、0.005%を下限とした。また、
0.20%を超すとスラグの剥離性は一層よいものの、溶接
ビードに気孔が発生することがあるので、0.20%を上限
とした。
SはSe、Teとほぼ同効物質であるが、0.060%を超す
と溶接ビードに気孔を発生することがあるので、0.060
%を上限とした。また、Sの0.015%未満は不可避的不
純物として入ってくるので、Sを積極的に添加する場合
は0.015%を下限とする。
と溶接ビードに気孔を発生することがあるので、0.060
%を上限とした。また、Sの0.015%未満は不可避的不
純物として入ってくるので、Sを積極的に添加する場合
は0.015%を下限とする。
Biは、Se、Teおよび積極的に添加したSとの共存下に
おいてスラグの剥離性を改善する効果がみられたが、理
由は明らかでない。Biが0.150%を超えてもスラグ剥離
性は一層向上するが、溶接スパッタの発生があまりにも
多くなるので、0.150%を上限とした。また0.010%未満
ではより高度のスラグ剥離性(後述)が得られないので
0.010%を下限とした。
おいてスラグの剥離性を改善する効果がみられたが、理
由は明らかでない。Biが0.150%を超えてもスラグ剥離
性は一層向上するが、溶接スパッタの発生があまりにも
多くなるので、0.150%を上限とした。また0.010%未満
ではより高度のスラグ剥離性(後述)が得られないので
0.010%を下限とした。
また、TiおよびZrは同効物質であって強い脱酸元素で
ある。TiおよびZrは必要に応じて1種または2種の合計
が0.01〜0.35%の範囲で添加(0.01%未満は不可避的に
入る)すれば、剥離性は一層改善される。また、0.35%
を超えるとワイヤ製造上での問題が生じ易く実質的に製
造が難しいので、0.35%を上限とした。
ある。TiおよびZrは必要に応じて1種または2種の合計
が0.01〜0.35%の範囲で添加(0.01%未満は不可避的に
入る)すれば、剥離性は一層改善される。また、0.35%
を超えるとワイヤ製造上での問題が生じ易く実質的に製
造が難しいので、0.35%を上限とした。
この他、Niは、溶接金属の靭性改善や引張強さの調整
に添加することが多いが、Ni≦2.0%であれば本発明の
スラグ剥離性に何ら影響ないことを確認した。
に添加することが多いが、Ni≦2.0%であれば本発明の
スラグ剥離性に何ら影響ないことを確認した。
Moは、溶接金属の引張強度を高める目的で用いること
が多いが、Mo≦0.60%であれば本発明のスラグ剥離性に
何ら影響ないことを確認した。
が多いが、Mo≦0.60%であれば本発明のスラグ剥離性に
何ら影響ないことを確認した。
また、Alは、溶接アーク特性を調整する目的で、Tiあ
るいはZrと併用して用いることがあるが、Al≦0.50%の
添加では本発明のスラグ剥離性に影響ないことを確かめ
た。
るいはZrと併用して用いることがあるが、Al≦0.50%の
添加では本発明のスラグ剥離性に影響ないことを確かめ
た。
さらにPについては、0.030%以下の範囲であればス
ラグ剥離性に影響ないことを確かめた。
ラグ剥離性に影響ないことを確かめた。
〈実施例〉 以下に具体的な実施例を挙げ、本発明の効果を説明す
る。
る。
スラグ剥離性試験および耐気孔性の試験は、第2図
(a)に示したように厚さ10mm、幅100mm、長さ500mmの
表面を研削した鋼板(SM−41)の母材1の中央に設けた
V溝2(深さ5mm、開先角度60°)に、本発明に係るワ
イヤおよび比較例に係るGMAW用ワイヤ(1.2mm径)を用
いて、溶接電流:300A、溶接電圧:30V、溶接速度:40cm/m
in、シールドガス:CO2およびAr−20%CO2、20ml/minの
条件で溶接し、鋼板の温度が室温まで低下した後その溶
接ビード3上のスラグ4(第2図(b)参照)を鋼製ブ
ラシで2回ブラッシングしたときに剥離したスラグ4の
剥離率(面積)で評価した(第3図参照)。
(a)に示したように厚さ10mm、幅100mm、長さ500mmの
表面を研削した鋼板(SM−41)の母材1の中央に設けた
V溝2(深さ5mm、開先角度60°)に、本発明に係るワ
イヤおよび比較例に係るGMAW用ワイヤ(1.2mm径)を用
いて、溶接電流:300A、溶接電圧:30V、溶接速度:40cm/m
in、シールドガス:CO2およびAr−20%CO2、20ml/minの
条件で溶接し、鋼板の温度が室温まで低下した後その溶
接ビード3上のスラグ4(第2図(b)参照)を鋼製ブ
ラシで2回ブラッシングしたときに剥離したスラグ4の
剥離率(面積)で評価した(第3図参照)。
なお、このとき、鋼板の冷却に伴ってスラグが自然剥
離したものは鋼板を傾けるなどして予め除去した後ブラ
ッシングを行った。
離したものは鋼板を傾けるなどして予め除去した後ブラ
ッシングを行った。
で評価し、剥離率が95%以上のものを良とした。
また、耐気孔性はスラグ剥離後の溶接ビードをJIS Z
3104(1968)「鋼溶接部の放射線透過試験方法および透
過写真の等級分類方法」に従って行い、同2級以上を
良、3級以下を不良として判定した。
3104(1968)「鋼溶接部の放射線透過試験方法および透
過写真の等級分類方法」に従って行い、同2級以上を
良、3級以下を不良として判定した。
実施例、比較例のワイヤ化学成分判定結果を第3表に
示した。第3表の記号1、2および12、14は従来のGMAW
用ワイヤのCO2およびAr−20%CO2溶接の例であり、スラ
グ剥離性が著しく劣り悪い。また記号11はSが本発明の
許容範囲の上限を超えているために耐気孔性が不良とな
っている。記号9はSiが高すぎるために結晶化スラグ化
傾向が出始めスラグ剥離性が劣化するので悪い。また、
Se+Teが多すぎて気孔を発生する。記号10は耐気孔、ス
ラグ剥離とも良好であるが、Biが高すぎてスパッタが多
くなりすぎるので敢えて不良とした。
示した。第3表の記号1、2および12、14は従来のGMAW
用ワイヤのCO2およびAr−20%CO2溶接の例であり、スラ
グ剥離性が著しく劣り悪い。また記号11はSが本発明の
許容範囲の上限を超えているために耐気孔性が不良とな
っている。記号9はSiが高すぎるために結晶化スラグ化
傾向が出始めスラグ剥離性が劣化するので悪い。また、
Se+Teが多すぎて気孔を発生する。記号10は耐気孔、ス
ラグ剥離とも良好であるが、Biが高すぎてスパッタが多
くなりすぎるので敢えて不良とした。
記号3〜8および記号14〜18は、いずれも本発明範囲
内のワイヤの例であり、スラグ剥離性および耐気孔性と
も良好である。
内のワイヤの例であり、スラグ剥離性および耐気孔性と
も良好である。
記号19は、Bi0.052%、Se0.001%(添加せず)の例で
あるが、Bi、Seの両者の添加をしなかった記号12および
13に比較して改善されているもののまだまだ十分スラグ
剥離性が良好となっていない。
あるが、Bi、Seの両者の添加をしなかった記号12および
13に比較して改善されているもののまだまだ十分スラグ
剥離性が良好となっていない。
〈発明の効果〉 本発明に係る溶接ワイヤは、以上詳述したように、著
しくスラグ剥離性が改善されたものであって、溶接後の
表面処理、例えばめっきや電着塗装を行うに際して、ス
ラグ剥離に要する労力や注意を著しく低減することがで
きるので、この分野での産業上の寄与は極めて大きい。
しくスラグ剥離性が改善されたものであって、溶接後の
表面処理、例えばめっきや電着塗装を行うに際して、ス
ラグ剥離に要する労力や注意を著しく低減することがで
きるので、この分野での産業上の寄与は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】 第1図は、CO2ガスシールドアーク溶接用ワイヤのMn、S
i含有量とスラグ状態との関係を示す特性図、第2図
(a)は、試験片V溝断面図、第2図(b)は、試験片
溶接後断面図、第3図は、溶接スラグ剥離後のスラグ付
着状況を示す模式図である。 1……母材、2……V溝、3……溶接ビード、4……溶
接スラグ。
i含有量とスラグ状態との関係を示す特性図、第2図
(a)は、試験片V溝断面図、第2図(b)は、試験片
溶接後断面図、第3図は、溶接スラグ剥離後のスラグ付
着状況を示す模式図である。 1……母材、2……V溝、3……溶接ビード、4……溶
接スラグ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−40995(JP,A) 特開 昭62−248594(JP,A) 特開 昭62−124095(JP,A) 特開 昭61−195793(JP,A) 特開 平2−241691(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】ガスシールドアーク溶接に用いる溶接ワイ
ヤであって重量比で、C:0.01〜0.08%、Si:1.32〜2.5
%、Mn:0.4〜2.0%、Se、Teのうち1種または2種の合
計が0.005〜0.20%、S:0.060%以下、Bi:0.010〜0.15
%、および残部Feと不可避的不純物とからなることを特
徴とする溶接スラグ剥離性に優れた溶接ワイヤ。 - 【請求項2】ガスシールドアーク溶接に用いる溶接ワイ
ヤであって重量比で、C:0.01〜0.08%、Si:1.32〜2.5
%、Mn:0.4〜2.0%、Se、Teのうち1種または2種の合
計が0.005〜0.20%、S:0.015〜0.060%、Bi:0.010〜0.1
5%、Ti、Zrのうちの1種または2種の合計が0.01〜0.3
5%および残部Feと不可避的不純物とからなることを特
徴とする溶接スラグ剥離性に優れた溶接ワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2099424A JP2603352B2 (ja) | 1990-04-17 | 1990-04-17 | 溶接スラグ剥離性に優れた溶接ワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2099424A JP2603352B2 (ja) | 1990-04-17 | 1990-04-17 | 溶接スラグ剥離性に優れた溶接ワイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03297596A JPH03297596A (ja) | 1991-12-27 |
JP2603352B2 true JP2603352B2 (ja) | 1997-04-23 |
Family
ID=14247082
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2099424A Expired - Lifetime JP2603352B2 (ja) | 1990-04-17 | 1990-04-17 | 溶接スラグ剥離性に優れた溶接ワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2603352B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6608284B1 (en) | 2000-05-17 | 2003-08-19 | Illinois Tool Works Inc. | Weld wire with enhanced slag removal |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0683912B2 (ja) * | 1985-02-26 | 1994-10-26 | 日産自動車株式会社 | 溶接方法 |
JPS6240995A (ja) * | 1985-08-20 | 1987-02-21 | Nippon Steel Corp | スラグ剥離性良好なア−ク溶接用鋼ワイヤ |
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-
1990
- 1990-04-17 JP JP2099424A patent/JP2603352B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH03297596A (ja) | 1991-12-27 |
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