JP2603272Y2 - 基板成膜治具 - Google Patents

基板成膜治具

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JP2603272Y2
JP2603272Y2 JP1993055506U JP5550693U JP2603272Y2 JP 2603272 Y2 JP2603272 Y2 JP 2603272Y2 JP 1993055506 U JP1993055506 U JP 1993055506U JP 5550693 U JP5550693 U JP 5550693U JP 2603272 Y2 JP2603272 Y2 JP 2603272Y2
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film forming
forming jig
groove
substrate film
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浩二 池田
智昭 阿部
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アネルバ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、貫通孔を有する基板
(例えば光磁気ディスク基板)の貫通孔周辺の基板面を
マスキングして、スパッタリング等の真空成膜によって
この部分が薄膜形成されるのを防ぐとともに、この基板
を基板ホルダーに取り付けるために使用する基板成膜治
具に関する。
【0002】
【従来の技術】図11はこの種の従来の基板成膜治具の
側面断面図である。この基板成膜治具10は、基板12
の貫通孔14の周辺の基板面16をマスキングするため
の円板部18と、基板12の貫通孔14に挿入される嵌
め合い部20とからなる。この嵌め合い部20は、基板
ホルダー22の凹部24内に挿入でき、これによって基
板12は、一点鎖線で示すように、円板部18と基板ホ
ルダー22とに挟まれて基板ホルダー22に固定され
る。この基板成膜治具10は強磁性体材料で形成されて
いて、基板ホルダー22内に埋め込まれた磁石26に吸
引されて基板ホルダー22に保持される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】基板を鉛直姿勢で成膜
処理する方式においては、上述の基板成膜治具を用いた
場合、鉛直姿勢の基板ホルダーから基板を取り外す際
に、次のような問題があった。図11において、基板ホ
ルダー22から基板12を取り外すには、基板成膜治具
10を図面の左側から真空吸着して左方向に水平に引き
抜く必要がある。基板成膜治具10を非常にゆっくり左
方向に移動させると、基板12の貫通孔14の内面と、
基板成膜治具10の嵌め合い部20の外面との摩擦によ
って、基板12が嵌め合い部20に載った状態で、引き
抜かれてくる。しかし、引き抜き速度が速いと、基板1
2は基板成膜治具10の動きに追従できなくなり、嵌め
合い部20から外れて落下してしまう。このため、引き
抜き速度の設定をあまり速くすることができず、基板交
換の自動化にあたり処理能力が向上できなかった。
【0004】これに対して、摩擦力を用いずに基板ホル
ダー22から基板12を取り外す方法がある。すなわ
ち、まず、基板12の外周を把持手段で把持することに
よって基板12が落下しないようにしてから、基板成膜
治具10だけを引き抜く。次に、基板12の貫通孔周辺
の基板面を真空吸着してから、基板12の外周の把持手
段を開放し、基板12を取出す。このような方式を採用
すると、基板の落下は防げるが、基板取り外し作業が複
雑になり、やはり、基板交換の自動化にあたり処理能力
が向上できなかった。
【0005】さらに、基板成膜治具10の嵌め合い部2
0の外径と、基板12の貫通孔14の内径とでは、あま
り寸法差がないので、基板成膜治具10の嵌め合い部2
0に基板12の貫通孔14を挿入するときの動作には精
度が要求される。
【0006】この考案は、上述の問題点を解決するため
になされたものであり、その目的は、複雑な動作をする
ことなしに迅速に基板交換を可能にする基板成膜治具を
提供することにある。この考案の別の目的は、基板の貫
通孔周辺の基板面をマスキングする機能を有する基板成
膜治具に、基板交換治具としての機能をもたせることに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の考案は、基板成膜
治具の突出部と円板部との間に溝部と傾斜面とを設けた
ものである。すなわち、貫通孔を有する基板の貫通孔周
辺の基板面をマスキングするとともに、この基板を鉛直
状態で基板ホルダーに取り付けるのに使用する基板成膜
治具において、前記貫通孔周辺の基板面をマスキングす
るための円板部と、前記貫通孔の内径よりも小さい外径
を有する突出部と、前記突出部と前記円板部の間に形成
されていて前記突出部よりも外径の小さい溝部と、前記
溝部と前記円板部の間に形成されていて前記溝部から前
記円板部に向かって外側に傾斜する傾斜面とを有するよ
うにしたものである。
【0008】第2の考案は、基板成膜治具の突出部と円
板部と溝部と傾斜面とを同心状に形成したものである。
すなわち、突出部の中心線は円板部の中心線と一致し、
傾斜面と溝部は一周する回転面で形成され、この回転面
の中心線も円板部の中心線と一致している。ここで、回
転面とは、一つの平面曲線をその平面内に存在する直線
(中心線)の回りに回転するときに生じる曲面を指す。
この考案で利用できる代表的な回転面としては円筒面や
截頭円錐面がある。
【0009】第3の考案は、基板成膜治具の突出部を円
板部に対して偏心させたものである。すなわち、突出部
の中心線は円板部の中心線に対して偏心しており、傾斜
面は突出部の周方向に沿った一部分の近傍だけに形成さ
れている。
【0010】
【作用】第1の考案の基板成膜治具を使用すると、鉛直
状態の基板ホルダーから基板成膜治具を引き抜く場合
に、基板は自重によって傾斜面上を滑り落ち、溝部に引
っ掛かってそこで止まる。これにより、複雑な動作なし
に基板成膜治具を基板ホルダーから取り外すことができ
る。基板は溝部に引っ掛かるので、引き抜き速度を速く
しても、基板が基板成膜治具から脱落することはない。
【0011】基板成膜治具の突出部の外径は基板の貫通
孔の内径よりも小さいので、この寸法差にある程度の余
裕をもたせておけば、基板成膜治具から成膜後の基板を
取り外したり、基板成膜治具に新しい基板を取り付けた
りするのは簡単である。
【0012】また、新しい基板を基板成膜治具に取り付
けるには、基板の貫通孔を基板成膜治具の突出部に通し
て、基板を溝部に載せるだけでよく、基板を円板部に密
着させる必要はない。基板の載った鉛直状態の基板成膜
治具を基板ホルダーに向けて押し込むと、基板の片面が
基板ホルダーに押されて基板成膜治具の傾斜面上を上方
に滑っていき、基板の上下方向の位置決めが正しくなさ
れる。そして、最終的に、基板成膜治具の円板部と基板
ホルダーとの間に挟まれて基板が固定される。すなわ
ち、基板成膜治具を基板ホルダーに取り付けるための動
作だけで、基板も正しい位置に同時に取り付けることが
できる。
【0013】第2の考案は、基板成膜治具の全体が回転
面で形成されており、製作が容易である。
【0014】第3の考案は、円板部に対して突出部を偏
心させているので、傾斜面の勾配をきつくすることな
く、また、基板成膜治具の全体の厚さを大きくすること
なく、突出部の外径寸法を小さくすることができる。こ
れにより、基板の貫通孔の内径と突出部の外径との寸法
差を大きくできるので、基板成膜治具から基板を取り外
したり、基板成膜治具に基板を取り付けたりする作業が
容易になる。
【0015】
【実施例】以下、この考案の実施例を図面を参照して説
明する。図1はこの考案の一実施例の基板成膜治具と基
板ホルダーの一部とを示す側面断面図である。この基板
成膜治具30は、円板部32と円柱状の突出部34とを
有し、円板部32と突出部34の間には、嵌め合い部3
6と傾斜面38と溝部40が形成されている。円板部3
2は基板42の貫通孔44の周辺の基板面46を成膜か
らマスキングするためのものである。嵌め合い部36の
外径は、基板42の貫通孔44の内径よりもわずかに小
さくされている。この嵌め合い部36は、基板42の位
置決めの役割を果たすと共に、基板42をその場所で支
持することもできる。傾斜面38は截頭円錐面で形成さ
れ、溝部40側が小径に、嵌め合い部36側が大径にな
っている。すなわち、傾斜面38は溝部40から円板部
32に向かって外側に広がるように傾斜している。突出
部34の外径は、基板42の貫通孔44の内径よりも、
ある程度の余裕をもって小さくされている。溝部40
は、突出部34よりもさらに外径が小さくされている。
嵌め合い部36と溝部34と突出部34はいずれも、一
周する円筒面で形成されている。
【0016】この実施例での寸法の一例を示すと、基板
42が、3.5インチまたは5インチの光磁気ディスク
基板の場合、基板42の貫通孔44の内径が15mm、
基板成膜治具30の嵌め合い部36の外径が15(−
0.016〜−0.086)mm、突出部34の外径が
14(−0.016〜−0.086)mm、溝部40の
外径が13mmである。また、傾斜面38の加工寸法は
C1.0mmであり、傾斜面38は基板成膜治具の中心
線に対して45度だけ傾斜している。嵌め合い部36の
軸方向の長さは0.5mm程度である。また、この実施
例では、嵌め合い部36と円板部32との間に加工逃げ
47が形成されていて、これにより、基板42が円板部
32に密着できるようになっている。さらに、突出部3
4の先端外周部35にはR加工を施して丸みをもたせて
あり、突出部34への基板42の挿入を容易にしてい
る。このR加工はテーパ加工でもよい。
【0017】次に、基板ホルダー側の構造を説明する。
基板ホルダー48には凹部49が形成され、この凹部4
9に基板成膜治具30の突出部34が挿入されるように
なっている。基板ホルダー48の内部には、外径7mm
の円板状の磁石50が8個埋め込まれており、この磁石
50によって、強磁性体材料でできた基板成膜治具30
を引き付けておくことができる。
【0018】次に、基板42を基板ホルダー48から取
り外す手順を説明する。図2に示すように、基板成膜治
具30を真空吸着パッド52で真空吸着して、基板ホル
ダー48から基板成膜治具30を引き抜くことができ
る。すると、基板42は、一点鎖線で示すように嵌め合
い部36に載ったままの状態で引き抜かれるか、あるい
は、嵌め合い部36から外れて傾斜面38を滑り落ち、
実線で示すように溝部40に載った状態で引き抜かれ
る。基板成膜治具30を比較的速く引き抜けば、通常
は、溝部40まで滑り落ちた状態で基板42が基板成膜
治具30とともに引き抜かれる。
【0019】次に、図3に示すように、真空吸着パッド
52を上方に向けて、基板成膜治具30を水平に倒す。
すると、溝部40に載っていた基板42は、傾斜面38
を滑り落ちて、再び、嵌め合い部36に入り込む。この
状態で、複数の真空吸着パッド54を用いて基板42を
基板成膜治具30から持ち上げる。これにより、基板成
膜治具30から基板42を取り外すことができる。基板
成膜治具30の突出部34の外径は、基板42の貫通孔
の内径よりもある程度の余裕をもって小さくされている
ので、基板42が突出部34に引っ掛かることはない。
【0020】真空吸着パッド54が基板42に接触する
位置は、基板成膜治具30の円板部32の外径よりも内
側の領域Aの範囲内である。この領域内は、記録面とし
ては使用しない部分なので、この領域Aにおいて真空吸
着パッド54が基板42に直接触れても問題はない。な
お、真空吸着パッド54の代わりに、基板42の外周部
をつかむタイプの基板支持装置を用いて、基板42を持
ち上げてもよい。
【0021】基板42を基板成膜治具30に載せるに
は、上述の真空吸着パッド54または他の支持機構を用
いて、基板42を基板成膜治具30の上方まで搬送し、
そこから、基板42を落下させる。その際、基板42の
中心を基板成膜治具30の中心に正確に合わせる必要は
ない。すなわち、基板42の貫通孔が基板成膜治具30
の突出部34に引っ掛からない程度に、基板42が位置
決めされればよい。また、多少引っ掛かかる位置になっ
ても、突出部34の先端外周部35のR加工面に沿っ
て、基板42は突出部34に入り込むことができる。突
出部34を通過した基板42は、傾斜面38を滑り落ち
て、嵌め合い部36に嵌まり込む。このように、基板搬
送機構の位置決め精度があまり高くなくても、基板42
を基板成膜治具30に取り付けることでき、その作業の
自動化が容易になる。
【0022】水平状態の基板成膜治具30に基板42を
載せたら、再び、真空吸着パッド52を用いて図2に示
すように基板成膜治具30を鉛直状態にし、基板成膜治
具30の突出部34を基板ホルダー48の凹部49に挿
入する。このとき、基板42は、嵌め合い部36に載っ
ているか、あるいは、溝部40まで滑り落ちているかの
いずれかである。嵌め合い部36に載っている場合は、
基板成膜治具30が基板ホルダー48に装着されたとき
に、基板42が基板成膜治具30の円板部32と基板ホ
ルダー48の段部51とに挟まれて固定される。溝部4
0まで滑り落ちている場合は、基板成膜治具30が基板
ホルダー48に挿入されるに従って、基板42の片面が
基板ホルダー48の段部51に押される。そして、基板
42は傾斜面38に沿って上昇し、最終的に嵌め合い部
36に嵌まった状態で、やはり、基板成膜治具30の円
板部32と基板ホルダー48の段部51とに挟まれて固
定される。強磁性体でできた基板成膜治具30は、基板
ホルダー48内の磁石50に吸着されて、その装着状態
が維持される。
【0023】図4は基板成膜治具の傾斜面と溝部につい
て、その各種の形状例を示すものである。(A)は図1
に示す基板成膜治具の傾斜面38を拡大して示したもの
である。この傾斜面38は、基板成膜治具の中心線を含
む平面で切断した断面(以下、縦断面という。)が直線
で形成されている。溝部40の縦断面も直線である。
(B)は溝部40bの縦断面を内側に凸の曲線で形成し
たものである。(C)は傾斜面38cの縦断面を内側に
凸の曲線で形成したものである。(D)は傾斜面38d
の縦断面を外側に凸の曲線で形成したものである。
(E)は溝部40eの縦断面を内側に凸の曲線で形成す
るとともに、溝部40eと突出部34eとの接続部分の
壁面41eを垂直状態から傾斜させたものである。
(F)は傾斜面38fと溝部40fとを一体のV字溝で
形成したものである。これらの形状例は、すべて、その
傾斜面と溝部が、基板成膜治具の中心線を中心とする閉
じた回転面で形成されている。なお、図4において一点
鎖線で示すものは、溝部に載った状態の基板42であ
る。
【0024】図5は、嵌め合い部を省略した基板成膜治
具の実施例である。この実施例では、基板成膜治具30
gの傾斜面38gが円板部32gに直接つながってい
る。このように嵌め合い部がないときには、基板成膜治
具30gを鉛直状態にすると常に基板42が溝部40g
に載ることになる。
【0025】図6は、図1の実施例で用いた基板よりも
小さい2.5インチの光磁気ディスク基板のための基板
成膜治具の実施例である。この2.5インチ基板42h
は、その貫通孔44hの内径が11mmである。この場
合、基板成膜治具30hの嵌め合い部36hの外径は1
1(−0.016〜−0.086)mmであり、突出部
34hの外径は10.6(−0.016〜−0.08
6)mm、溝部40hの外径は9.5mmであって、傾
斜部38hはC0.75mmのテーパ加工で形成されて
いる。この2.5インチ基板42hは、その中央付近に
段差43が付いていて、この段差43部分に貫通孔44
hが形成されている。このような基板形状に対応して、
基板成膜治具30hの嵌め合い部36hの長さは多少長
くしてある。また、図1の実施例におけるような加工逃
げ47は省略できる。一方、基板ホルダー48hの凹部
49hの底部には磁石50hが埋め込まれており、この
磁石50hによって基板成膜治具30hが吸着保持され
る。この実施例における基板着脱動作は、図1の実施例
の基板成膜治具を用いた場合と同様である。
【0026】図7はこの考案の別の実施例を示し、
(A)は側面図、(B)は円板部を省略した背面図、
(C)は(A)のC−C線断面図である。この実施例
は、基板成膜治具30iの突出部34iの中心線56
が、基板成膜治具30iの円板部32iの中心線58か
ら偏心している。突出部34iは円筒状であり、突出部
34iと円板部32iの間には、溝部40iと傾斜面3
8iと嵌め合い部36iが形成されている。嵌め合い部
36iは、円板部32iと同心の円筒面で形成されてい
る。溝部40iとそれに続く傾斜面38iは、(C)に
明瞭に示すように、突出部34iと同心の円筒状のシャ
フト60の外周の一部分(図面では上部だけ)に形成さ
れている。このように突出部34iを偏心させると、突
出部34iの外径を小さくすることができる。突出部3
4iの外径が小さくなると、基板成膜治具30iに対す
る基板42の着脱方法を、後述のように、より簡便なも
のにすることができる。
【0027】この基板成膜治具30iを用いると、この
治具を鉛直状態にしたままで基板42を着脱できる。ま
ず、基板成膜治具30iを基板ホルダーから引き抜い
て、溝部40iに基板42を入れる。次に、矢印62で
示すように、基板42を上方に持ち上げて、基板42の
貫通孔44の中心線70を突出部34iの中心線56付
近までもってくる。その後、基板42を図の右方向に移
動させる。これにより、基板42の貫通孔44が突出部
30iを抜け出る。突出部34iの外径は図1の実施例
よりも相当小さくできるので、貫通孔44と突出部34
iとの隙間は相当余裕がある。したがって、図3に示す
ような水平状態での基板着脱動作の代わりに、比較的位
置精度の出しにくい矢印62のような鉛直状態での基板
着脱動作が可能となる。基板42を基板成膜治具30i
に取り付けるには、矢印62とは反対の動作となる。
【0028】図8は図7と同様に突出部が偏心している
実施例であるが、突出部の形状が円筒状ではない点が異
なっている。(A)は側面図、(B)は円板部を省略し
た背面図、(C)は(A)のC−C線断面図である。こ
の実施例の突出部34jは、(B)に示すように、三つ
の平面と一つの円弧面で形成されている。この突出部3
4jに接する外接円64の中心線56jは、基板成膜治
具30jの円板部32jの中心線58jに対して偏心し
ている。この外接円64は、基板42の貫通孔44の内
径よりも相当小さくなっており、基板42の着脱が容易
である。突出部34jと円板部32jの間には、溝部4
0jと傾斜面38jと嵌め合い部36jが形成されてい
る。嵌め合い部36jは、円板部32jと同心の円筒面
で形成されている。図8の実施例における基板の着脱方
法は図7の実施例と同様である。
【0029】ところで、図7と図8に示す基板成膜治具
を用いる場合には、基板着脱時に基板成膜治具の傾斜面
及び溝部が上方に位置する必要がある。したがって、基
板ホルダーが回転するタイプの場合、基板成膜治具を保
持する基板ホルダーが停止するときには、基板成膜治具
の傾斜面及び溝部が常に上方に来るようにする必要があ
る。
【0030】図9は、図7と図8に示す基板成膜治具に
対して基板着脱動作をするときに用いる基板搬送装置を
示す。(A)は基板搬送装置66の側面断面図、(B)
はその正面図である。この基板搬送装置66には断面が
V字形の円弧状の溝68が形成されていて、この溝68
で基板42の外周縁の下端を支持することができる。
【0031】図10は、基板成膜治具の突出部の外径
と、治具の厚さとの関係を説明する側面断面図である。
実線で示した基板成膜治具30は図1の実施例と同じも
のである。その突出部34の外径をD1とする。これに
対して、一点鎖線は突出部34kの外径をD2と小さく
したものである。どちらの突出部も円板部32と同心の
円筒状である。ところで、突出部の外径を小さくできれ
ば、基板成膜治具に対する基板42の着脱が容易にな
る。例えば図1の実施例の基板成膜治具を用いた場合で
も、突出部の外径が相当小さければ、図7及び図8の基
板成膜治具の場合と同様に、鉛直状態にしたままでの基
板の着脱動作が可能になる。
【0032】しかしながら、同心タイプの突出部の外径
を小さくするには次のような制約がある。図10では傾
斜面38の傾斜角度を45度に一定にしてあるので、実
線の突出部34を有する基板成膜治具の厚さはT1とな
り、一点鎖線の突出部34kを有する基板成膜治具の厚
さはT2となる。すなわち、突出部の外径を小さくすれ
ばするほど、基板成膜治具が厚くなってしまう。成膜装
置の構成上、基板成膜治具の厚さを所定範囲内にしたい
場合には、同心タイプの突出部の外径はあまり小さくで
きないことになる。ところで、傾斜面38の角度を大き
くすれば、突出部34の外径を小さくしても治具の厚さ
はあまり増加せずにすむ。しかし、傾斜面38の傾斜角
度をきつくすると、基板42が傾斜面38上をスライド
するのに支障が出る恐れがある。結局、突出部の外径を
小さくし、かつ、治具の厚さを増加させずに、また、傾
斜面の傾斜角度もきつくしないようにするには、図7及
び図8に示すような偏心タイプの突出部を用いるのが好
ましいことになる。
【0033】
【考案の効果】この考案の基板成膜治具によれば、突出
部よりも外径の小さい溝部に基板が引っ掛かるので、引
き抜き速度を速くしても、基板が基板成膜治具から脱落
することはない。したがって、基板成膜治具を基板ホル
ダーから引き抜く動作だけで、基板を基板ホルダーから
容易に取り出すことができる。また、その後の基板交換
も容易である。これにより、基板交換の自動化が容易に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例の基板成膜治具と基板ホル
ダーの一部とを示す側面断面図である。
【図2】図1の基板成膜治具を真空吸着パッドで保持し
た状態を示す側面断面図である。
【図3】図1の基板成膜治具を基板着脱姿勢にしたとき
の側面断面図である。
【図4】基板成膜治具の傾斜面及び溝部の各種の形状例
を示す拡大断面図である。
【図5】嵌め合い部を省略した実施例の側面断面図であ
る。
【図6】小さい基板のための実施例の側面断面図であ
る。
【図7】偏心突出部を有する実施例の側面断面図、背面
図及び背面断面図である。
【図8】偏心突出部を有する別の実施例の側面断面図、
背面図及び背面断面図である。
【図9】基板搬送治具の側面断面図と正面図である。
【図10】基板成膜治具の突出部の外径と治具の厚さと
の関係を説明する側面断面図である。
【図11】従来の基板成膜治具と基板ホルダーの一部と
を示す側面断面図である。
【符号の説明】
30 基板成膜治具 32 円板部 34 突出部 36 嵌め合い部 38 傾斜面 40 溝部 42 基板 44 貫通孔 46 基板面 48 基板ホルダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 C23C 16/00 - 16/56

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通孔を有する基板の貫通孔周辺の基板
    面をマスキングするとともに、この基板を鉛直状態で
    板ホルダーに取り付けるのに使用する基板成膜治具にお
    いて、 前記貫通孔周辺の基板面をマスキングするための円板部
    と、前記貫通孔の内径よりも小さい外径を有する突出部
    と、前記突出部と前記円板部の間に形成されていて前記
    突出部よりも外径の小さい溝部と、前記溝部と前記円板
    部の間に形成されていて前記溝部から前記円板部に向か
    って外側に傾斜する傾斜面とを有することを特徴とする
    基板成膜治具。
  2. 【請求項2】 前記突出部の中心線は前記円板部の中心
    線と一致し、前記傾斜面と前記溝部は一周する回転面で
    形成され、この回転面の中心線も前記円板部の中心線と
    一致していることを特徴とする請求項1記載の基板成膜
    治具。
  3. 【請求項3】 前記突出部の中心線は前記円板部の中心
    線に対して偏心しており、前記傾斜面は前記突出部の周
    方向に沿った一部分の近傍だけに形成されていることを
    特徴とする請求項1記載の基板成膜治具。
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