JP2603042B2 - 護岸用ブロック - Google Patents

護岸用ブロック

Info

Publication number
JP2603042B2
JP2603042B2 JP18394793A JP18394793A JP2603042B2 JP 2603042 B2 JP2603042 B2 JP 2603042B2 JP 18394793 A JP18394793 A JP 18394793A JP 18394793 A JP18394793 A JP 18394793A JP 2603042 B2 JP2603042 B2 JP 2603042B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block
groove
revetment
tenon
arched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP18394793A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0734429A (ja
Inventor
稔 千田
Original Assignee
株式会社北海道水工コンサルタンツ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社北海道水工コンサルタンツ filed Critical 株式会社北海道水工コンサルタンツ
Priority to JP18394793A priority Critical patent/JP2603042B2/ja
Publication of JPH0734429A publication Critical patent/JPH0734429A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2603042B2 publication Critical patent/JP2603042B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、河岸に設置される積ブ
ロック護岸用のブロックで、ブロック内部の空所に土砂
や石礫を充填して水草や柳類などの植栽を可能にすると
共に、淡水魚やその他の水生動物が生息あるいは避難す
ることができる機能を兼ね備えたものである。すなわ
ち、在来の河川がもっていた自然環境を極力保全しよう
とするもので、植生や魚巣だけの単目的のものでなく、
どちらにでも兼用できる自然に近い護岸用ブロックとし
て利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】従来の魚巣ブロックとしては、共和コン
クリート工業株式会社製の「銀鱗」(商品名)、あるい
は中国コンクリート工業株式会社が出願中の「魚巣用護
岸ブロック」(実開平3−46525号)などがあり、
また植栽ブロックとしては、共和コンクリート工業株式
会社製の「グリーンウォール」(商品名)などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のコンクリート護
岸、あるいはコンクリートブロック積み護岸は、壁体と
して河岸に施工される。このため河岸での植生が失われ
護岸面での植生の回復はできなかった。このコンクリー
ト護岸による植生相の変化、あるいは自然河岸の喪失
は、水生昆虫の生息の場所をなくし、さらに魚類など水
生生物の生息にマイナスの影響を与えている。この対策
として従来は、上述したような植栽用ブロック、あるい
は魚巣ブロックが一部提案されているが、これら従来の
護岸用ブロックは、植物と動物の間の相互補完について
の対策がないため、護岸ブロック設置後の自然環境の保
全機能上からは、未だ不充分であるという問題点があっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決する
ため本発明においては、六面立方体の両側面が略菱形
で、他の四面が略方形のコンクリートブロックの上面の
前縁部に上部突条を突設すると共に、下面の前縁部にこ
の上部突条を嵌合し得る下部凹欠を設け、平断面が半円
形の縦ほぞをブロックの一方の側面に突設すると共に、
この縦ほぞの一部を 嵌合し得るほぞ溝をブロックの他
方の側面に設け、ブロックの下面に後面側の一部を除い
て二条のアーチ形溝を前後方向に沿って設けると共に、
残された後部に前記アーチ形溝より浅い溝をアーチ形溝
と連続して設けて護岸用ブロックを構成する。
【0005】また前記したブロックのアーチ形溝と直交
する水平方向の貫通孔を設けてもよく、また前記したブ
ロックの上部突条の中央部に前後に貫通する小孔を設け
てもよく、さらに前記したブロックのアーチ形溝の前面
開口縁の隅角部およびアーチ形溝と連なる浅い溝の連結
開口縁の隅角部にそれぞれ隅丸を形成してもよい。
【0006】
【作用】上述のように構成した護岸用ブロックは、河岸
のコンクリート基礎上に、まずブロックを横に並べて敷
きつめ、順次敷設したブロック上に上段のブロックを積
み重ねる。この際、上下のブロックは 1/2づつずらせた
布積みとする。
【0007】この布積みされた各ブロックは、上下間に
おいては、下段のブロックの上部突条が上段ブロックの
下部凹欠と係合し、横方向については、隣接する一方の
ブロックの縦ほぞが対向するブロックのほぞ溝と嵌合す
ることによって位置ずれが確実に防止される。
【0008】また護岸壁面が曲線状の場合は、前記した
縦ほぞの断面形状が半円形であると共に、ほぞ溝は縦ほ
ぞの一部と嵌合するようになっているから、隣接するブ
ロック同志の平面的な傾きを充分吸収することができ
る。
【0009】上述のように布積みした本発明のブロック
による護岸は、前面に開口したアーチ形溝の大きな空洞
が各段にあり、この空洞は前面に上部突条による土砂止
めの小壁があるため、空洞内の土砂や砂礫が保持され
る。また、ブロック背面の浅い溝は、ブロックの背後に
設けた粗朶などの土砂止材を通じて、河岸の地山とブロ
ック内に充填された土砂との双方に対して水が流通す
る。
【0010】このため本発明のブロックによる護岸は、
河岸の環境保全について次のような作用が得られる。 1.積ブロック各段の空洞内に土砂や石礫を保持できる
から、川床近くの下段ブロックから護岸天端の上段ブロ
ックまでの間に、それぞれ水生植物、河岸の植物の自生
あるいは植栽を図ることができる。 2.同時に水生や陸生の昆虫類、或いは爬虫類など小動
物の生育ができる。
【0011】3.背面の在来河岸にも水が流通するか
ら、ブロックのコンクリートで囲まれた空間内に充填さ
れた土砂の過度の乾燥を防ぐことができる。このことは
一般植生にとって好ましいだけでなく、微生物を育生す
るのにも有効である。 4.このように、空洞内に植生などの環境が保たれるこ
とによって、河床に近い下段の空洞には、日陰やかくれ
家ができて、魚類などの生息が促進される。
【0012】5.またブロックに設けた貫通孔や、縦目
地内の空隙は、昆虫、爬虫類、小鳥などの生活の場とな
る。 6.このように植生などにとって優れた環境をもつ河床
に近い下段のブロック内では魚が生息し、それより上方
の各段のブロック内の空洞は季節的な水位の変動、ある
いは洪水時における水位の上昇に際して、それぞれ魚の
生息や避難の場所となる。またブロックに設けた水平方
向の貫通孔は隣接ブロックの空洞を連通させるから、さ
らに生物の生育条件を整えることができる。
【0013】
【実施例】以下、図面について本発明の一実施例を説明
する。図中1は六面立方体の上面、2は下面、3は前
面、4は後面、5は右側面、6は左側面である。
【0014】本実施例においては、六面立方体の両側面
5,6が略菱形で、他の四面1,2,3,4が略方形の
コンクリートブロックの上面1の前縁部に上部突条7を
突設すると共に、下面2の前縁部にこの上部突条7を嵌
合し得る下部凹欠8を設ける。また平断面が半円形の縦
ほぞ9をブロックの一方の側面5の略中央部に前面3お
よび後面4と略平行に突設すると共に、この縦ほぞ9の
一部を嵌合し得るほぞ溝10をブロックの他方の側面6
に設ける。
【0015】またブロックの下面2に後面4側の一部を
除いて二条のアーチ形溝11を前後方向に沿って設ける
と共に、残された後部に前記アーチ形溝11より浅い溝
12をアーチ形溝11と連続して設けて護岸用ブロック
Aを構成する。
【0016】また前記したアーチ形溝11と直交してブ
ロックを水平方向に貫通する貫通孔13を設けてもよ
く、また前記した上部突条7の中央部に前後に貫通する
小孔14を設けてもよい。
【0017】また前記したアーチ形溝11の前面開口縁
11aの隅角部および、アーチ形溝11と連なる浅い溝
12の連結開口縁12a(図8参照)の隅角部にそれぞ
れ隅丸(R)を形成するとよい。
【0018】図9,図10は上述のように構成した本発
明の護岸用ブロックAを用いたブロック積み図である。
このブロック積みは河岸に設けたコンクリート基礎15
上にブロックAを横に並べ、逐次その上に上段のブロッ
クAを積み重ねる方法で行われるが、この場合上,下の
ブロックAをそれぞれ 1/2ずつ相互に横方向にずらせた
布積とする。
【0019】またこのブロック積みは、接合部にモルタ
ルを使用しない空積みとして行うが、上,下のブロック
A間のすべり止めとしては、上部突条7が下部凹欠8に
係合することによって位置決めされ、隣接のブロックA
間のずれ止めとしては、縦ほぞ9と、ほぞ溝10との嵌
合によってずれ止めされる。上述のようにして図9、図
10に示すブロック積み護岸が形成される。
【0020】なお上述したブロック積みの場合、図10
に示すように裏込材16を前もって施工するが、背面地
山の土質によっては、ブロックAの背面の浅い溝12か
らの裏込材の流出を防止するため、粗朶などを用いた土
砂止め17を裏込材16の上に敷設すればよい。
【0021】なお図9において、18は左右に隣接する
ブロックA間に形成された細長い空隙で、この空隙は前
記縦ほぞ9の一部がほぞ溝10内に嵌合することによっ
て形成されるものであり、上部突条7に設けた小孔14
はこの空隙18と連通するようになっている。
【0022】また図11は、図10のように形成された
護岸ブロック壁部に、植物の植生と、魚類が魚巣として
生育している状態を示すもので、19,20は植物、2
1は魚類、22は土砂礫である。
【0023】
【発明の効果】上述のように布積みした本発明の護岸用
ブロックAによる護岸は、前面にアーチ形溝11が多数
開口している。このアーチ形溝11による空洞には図1
1に示すように底部に土砂礫22が保持される。またこ
の空洞内はブロックAの背面に設けられた溝12を通し
て、護岸背後の地山と連絡する構造となっているから、
地中の水と河川の水が互いに流通する。このように背後
の地山との断絶がないから、本発明によれば、護岸施工
前の河岸のもつ自然環境を、極力保持することができ
る。
【0024】上述の通りであるから、本発明の護岸用ブ
ロックAを使用した護岸によれば、次のような効果が得
られる。 1.河床から積まれた各段のブロックAの空洞内には水
中、水上それぞれ河川の水位に適応した各種の植物の植
生が期待できるとともに、新たな植栽も可能である。 2.アーチ形溝11、浅い溝12、貫通孔13、ブロッ
ク間の空隙18などの空隙は、昆虫、小動物の生息に適
しており、また魚類などの生息に良好な環境をつくる。 3.河底近くのブロックA内の空洞は、植生、昆虫類の
生息、および魚巣として良好な環境を保つことができ
る。
【0025】4.また各段のブロックA内の空洞は、河
川の増減する水位に対応して魚類の生息あるいは退避の
場所となる。 5.上述のように、本発明のブロックAを使用した護岸
は、植生、植栽と魚巣を兼用する効用を持つものであ
る。 6.また、縦ほぞ9とほぞ溝10とによる隣接ブロック
A間の接合方式は、平面的に隣接ブロックA間の傾きを
ある程度許容するから、本発明のブロックAによれば、
曲線区間のブロック積みも円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の護岸用ブロックの斜め前方より見た斜
視図である。
【図2】本発明の護岸用ブロックの斜め後方より見た斜
視図である。
【図3】ブロックの正面図である。
【図4】ブロックの背面図である。
【図5】ブロックの平面図である。
【図6】ブロックの右側面図である。
【図7】ブロックの左側面図である。
【図8】ブロックの図3におけるX−X断面図である。
【図9】本発明のブロックを使用した護岸の正面図であ
る。
【図10】図9のY−Y断面図である。
【図11】図10の使用状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 上面 2 下面 3 前面 4 後面 5 右側面(側面) 6 左側面(側面) 7 上部突条 8 下部凹欠 9 縦ほぞ 10 ほぞ溝 11 アーチ形溝 11a 前面開口縁 12 浅い溝 12a 連結開口縁 A 護岸用ブロック 13 貫通孔 14 小孔 R 隅丸 15 コンクリート基礎 16 裏込材 17 土砂止め 18 空隙 19,20 植物 21 魚類 22 土砂礫

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 六面立方体の両側面が略菱形で、他の四
    面が略方形のコンクリートブロックの上面の前縁部に上
    部突条を突設すると共に、下面の前縁部にこの上部突条
    を嵌合し得る下部凹欠を設け、平断面が半円形の縦ほぞ
    をブロックの一方の側面に突設すると共に、この縦ほぞ
    の一部を嵌合し得るほぞ溝をブロックの他方の側面に設
    け、ブロックの下面に後面側の一部を除いて二条のアー
    チ形溝を前後方向に沿って設けると共に、残された後部
    に前記アーチ形溝より浅い溝をアーチ形溝と連続して設
    けたことを特徴とする護岸用ブロック。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のブロックのアーチ形溝と
    直交する水平方向の貫通孔を設けたことを特徴とする護
    岸用ブロック。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のブロックの上部突条の中
    央部に前後に貫通する小孔を設けたことを特徴とする護
    岸用ブロック。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のブロックのアーチ形溝の
    前面開口縁の隅角部およびアーチ形溝と連なる浅い溝の
    連結開口縁の隅角部にそれぞれ隅丸を形成したことを特
    徴とする護岸用ブロック。
JP18394793A 1993-07-26 1993-07-26 護岸用ブロック Expired - Lifetime JP2603042B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18394793A JP2603042B2 (ja) 1993-07-26 1993-07-26 護岸用ブロック

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18394793A JP2603042B2 (ja) 1993-07-26 1993-07-26 護岸用ブロック

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0734429A JPH0734429A (ja) 1995-02-03
JP2603042B2 true JP2603042B2 (ja) 1997-04-23

Family

ID=16144603

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18394793A Expired - Lifetime JP2603042B2 (ja) 1993-07-26 1993-07-26 護岸用ブロック

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2603042B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100442566B1 (ko) * 2002-03-12 2004-07-30 이근희 생태블럭 및 그를 이용한 생태적 식생 호안공 및 식생옹벽공의 시공방법
WO2005001209A1 (en) * 2003-06-27 2005-01-06 Hyun-Mo Kang Fish place block
KR100566490B1 (ko) * 2003-12-03 2006-04-04 신명철 어소블럭
CN102094406A (zh) * 2010-12-15 2011-06-15 东南大学 一种鱼礁式多孔混凝土预制块
KR101280330B1 (ko) * 2011-08-12 2013-07-01 이윤철 세굴방지용 기초블럭
CN104818695A (zh) * 2015-05-21 2015-08-05 交通运输部天津水运工程科学研究所 一种生态壅水型护滩结构
CN108316245A (zh) * 2018-04-17 2018-07-24 湖南全水生态科技有限公司 生态砌块
CN110528460A (zh) * 2019-09-19 2019-12-03 天津市水利工程有限公司 一种适用于亲水岸边的生态护坡连锁砖

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0734429A (ja) 1995-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060104721A1 (en) Method for recovering underwater ecosystem of a river
JP2603042B2 (ja) 護岸用ブロック
JPH0211482Y2 (ja)
KR101132200B1 (ko) 식생과 수서생물의 서식공간을 제공하는 호안옹벽블록
JP3785155B2 (ja) 生物生息空間を有するブロック及びそのブロックを用いたブロック壁構造
JP3097282U (ja) 生態系保全型ブロック
JPH09310326A (ja) 多自然型積みブロック
JP2791949B2 (ja) 魚巣ブロック
JP3462474B2 (ja) 生態系に配慮した護岸構造及び生態系護岸用ブロック
KR20020069953A (ko) 생태블록
JPH0610363B2 (ja) 生態系保全ブロック及びそれを用いた護岸構造
JP2964391B2 (ja) 多自然型積みブロック
JPH0735852Y2 (ja) 魚巣用護岸ブロック
JP2500358B2 (ja) 護岸ブロック及び護岸構造物
CN215405898U (zh) 一种用于水生动物栖息地搭建的生态鱼巢砖
KR200356104Y1 (ko) 바구니형 식생호안블록
JPH086095Y2 (ja) 魚礁用護岸壁
KR200369896Y1 (ko) 어소겸용 식생블럭
JP2501230Y2 (ja) 魚巣用護岸ブロック
KR200386587Y1 (ko) 환경식생 호안블럭
JP4353347B2 (ja) 閉鎖性水域の干潟造成方法
JP2709429B2 (ja) 魚巣ブロック
KR200246799Y1 (ko) 식재옹벽블럭
JPH10114928A (ja) 河川用コンクリートブロックおよびコンクリートブロック工
KR200234134Y1 (ko) 생태블록