JP2603030Y2 - 蓋のロック装置 - Google Patents

蓋のロック装置

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JP2603030Y2
JP2603030Y2 JP1993048417U JP4841793U JP2603030Y2 JP 2603030 Y2 JP2603030 Y2 JP 2603030Y2 JP 1993048417 U JP1993048417 U JP 1993048417U JP 4841793 U JP4841793 U JP 4841793U JP 2603030 Y2 JP2603030 Y2 JP 2603030Y2
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哲 新藤
悟 滝沢
俊孝 崎村
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アイワ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、携帯式コンパクトディ
スクプレーヤなどの音響機器に適用して好適な蓋のロッ
ク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯式のコンパクトディスク(以下CD
とする)プレーヤでは、収容体であるキャビネットに設
けられた再生部にCDを直接手で載置して、蓋を閉めた
後再生を行っている。この種のプレーヤは蓋を開けると
再生処理が停止するようになっている。また、水平な状
態で使用されるとは限らないので、一旦閉蓋した後は、
不用意に開蓋されて、再生処理が中断されたり、CDが
落下したりすることのないように蓋のロック装置が設け
られている。
【0003】図11は、従来の蓋のロック装置20の一
例を示す。この蓋のロック装置20では、蓋21の端部
にロック片22が形成され、キャビネット24の内部に
スライド式またはレバー式のロック部25が設けられて
いる。このロック部25は圧縮バネ23等による付勢力
F1で、ロック片22に向けて付勢されている。ロック
片22の下面には勾配面22aが形成され、ロック部2
5の上面にも勾配面25aが形成されている。これによ
り、蓋21を閉じる際に、ロック片22が降下してロッ
ク部25に当接すると、付勢力F1に対抗して勾配面2
5aが勾配面22aに沿ってスライドし、ロック部25
が左方に動く。そしてロック片22の勾配面22aがロ
ック部25の勾配面25aより下側に位置したとき、ロ
ック部25が圧縮バネ23の付勢力で元の位置に復帰す
る。これによって、ロック片22がロック部25に掛止
され、蓋21がロックされる。
【0004】また、キャビネット24の上壁には開蓋ボ
タン26が上下動自在に取り付けられている。開蓋ボタ
ン26には、がたつきを防止するため、直接板バネ等に
よる上向きの付勢力F2が与えられている。この開蓋ボ
タン26の下部には勾配面26aが形成されており、ロ
ック部25の突出部25cの爪には勾配面26aと対向
して当接可能な勾配面25bが形成されている。勾配面
25bと勾配面26aとが当接しているので、開蓋ボタ
ン26には付勢力F1の分力である上向きの力が与えら
れている。
【0005】蓋21を開けるため、開蓋ボタン26を押
し下げると、勾配面25bと勾配面26aとが相対的に
スライドし、ロック部25が圧縮バネ23の付勢力F1
に対抗して左方にスライドする。そして、ロック部25
がロック片22から離れると蓋21のロックが解除され
る。しかし、この例では、開蓋ボタン26を誤って押し
てしまったときにも、蓋21が不用意に開いてしまうこ
とがあった。
【0006】そこで、図12に示すような、蓋のロック
装置20が提案された。この蓋のロック装置20は、図
11に示したロック装置20と同様の構成に加えて、さ
らにキャビネット24にロック部用ストッパ27がスラ
イド可能に取り付けられている。ロック部用ストッパ2
7には、ロック部25の移動を規制するロック部用固定
部28が形成されている。ロック部用ストッパ27は適
宜な規制手段で固定できるようになっている。
【0007】そして上述と同様に蓋21をロックした後
に、ロック部用ストッパ27をスライドさせて、ロック
部用固定部28がロック部25に当接した位置で保持す
る。これにより、偶然開蓋ボタン26が押されても、ロ
ック部25がロック部用固定部28によって位置規制さ
れるので、ロック部25がロック片22から外れて蓋2
1が不用意に開いてしまうことがない。このときには、
ロック部25が動かないため、開蓋ボタン26の降下も
規制されている。
【0008】蓋21を開くときには、まずロック部用ス
トッパ27を図の左側に移動させて、ロック部25から
ロック部用固定部28を退避させてから、上述と同様に
開蓋ボタン26を押し下げればよい。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上述のいず
れのロック装置20でも、蓋21をロックする時には、
ロック部25がロック片22に遮られて途中で止まるこ
となく、円滑にロック片22に掛かるようにしなければ
ならない。このため、蓋21を最後まで押し下げると、
ロック片22とロック部25との間に若干の隙間Sがで
きるようになされていた。
【0010】一方、蓋21を円滑に開くことができるよ
うに、蓋21にはバネ(図示せず)で開蓋方向への付勢
力F3が加わっているので、蓋21から押し下げ力を取
り去ると、ロック片22が上昇してロック片22がロッ
ク部25に密着し、以後蓋21を開くまで、この状態が
継続する。しかしながら、付勢力F3より僅かでも大き
な力が、蓋21に対して下向きに加われば、蓋21は降
下してしまう。
【0011】携帯式CDプレーヤの携帯時には、無意識
にCDプレーヤを手で挟む等して、蓋21に閉蓋方向へ
の大きな力を与えてしまうことがある。この場合、上述
のように隙間Sがあるため、蓋21が閉蓋方向へ移動し
てしまい、それまで蓋21が開いていたように使用者が
錯覚することがあった。このような錯覚は一瞬のことな
がら、使用者に不快な感じを起こさせるものであった。
また場合によっては、蓋21ががたつき音を発生すると
いった問題があった。
【0012】そこで本考案は、上述したような課題を解
決したものであって、閉蓋状態での蓋のがたつきを防止
することが可能な蓋のロック装置を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本考案は、収容体の蓋の閉蓋時に、上記蓋に設けら
れたロック片に係合して上記蓋をロックするロック手段
と、上記蓋の上下動を規制するための蓋挟持部を有する
蓋挟持ロック手段とを具備し、上記蓋の閉蓋時に上記蓋
挟持ロック手段をロックするよう操作すると、上記蓋挟
持部により上記ロック手段と係合する上記ロック片を上
記ロック手段とで挟持することにより上記蓋の上下動を
規制すると共に、上記蓋挟持ロック手段をロック解除す
るよう操作すると、上記蓋挟持部による上記蓋の上下動
の規制が解除されることを特徴とするものである。
【0014】
【作用】図1に示すように、キャビネット24の蓋21
の端部にはロック片22が形成されている。キャビネッ
ト24には蓋21をロックするロック部25が設けられ
ている。蓋21が開いている状態から、ロック片22が
ロック部25よりも十分下になるように、蓋21を閉じ
るとロック部25がロック片22に掛かって蓋21がロ
ックされる。
【0015】また、キャビネット24には、蓋挟持ロッ
ク手段であるロック部用ストッパ27が移動可能に設け
られている。このロック部用ストッパ27には、ロック
部25の移動を規制するロック部用規制部28と、蓋2
1の上下動を規制する蓋挟持部29が形成されている。
ロック部用ストッパ27を右側に移動させ停止させるこ
とにより、ロック部用規制部28がロック部25を右側
に固定し、ロックの解除を規制することができる。同時
に、蓋挟持部29がロック片22の下側に当接し、ロッ
ク片22が蓋挟持部29とロック部25との間に挟持さ
れるので、蓋21の上下動が防止される。
【0016】ロック部用ストッパ27を左側に移動させ
ると、ロック部用固定部28がロック部25から退避
し、ロック部25が解放されて、ロックの解除が可能に
なる。同時に蓋挟持部29がロック片22から退避し、
ロック片22は図示の位置より下方に動作することがで
きる。したがって、蓋21を開いた後に、再度ロック片
22がロック部25よりも十分下になるように、蓋21
を閉じることが可能になる。
【0017】
【実施例】以下、本考案に係る蓋のロック装置の実施例
について、図面を参照して詳細に説明する。なお、上述
した従来例と同一の部材には、同一の符号を付しその説
明を省略する。
【0018】図1は、本考案による蓋のロック装置20
の第1実施例を示す。この実施例において、ロック部用
ストッパ27には、蓋21のロック片22を規制して蓋
21のがたつきを防止するために、蓋挟持部29が形成
されている。
【0019】蓋21のロックは、蓋21を閉じた後、ロ
ック片22がロック部25に掛かることで行われる。図
中仮想線で示すように、開蓋時には、ロック部用ストッ
パ27が左側の限界位置にあり、ロック部25は自由に
移動可能になっている。ここで、開いていた蓋21を閉
じるため最後まで押し下げると、ロック片22とロック
片25との間に若干の隙間Sができるが、蓋21は開蓋
方向に力F3で付勢されているので、蓋21から押し下
げ力を取り去るとロック片22が上昇して、ロック部2
5に密着し隙間Sはなくなる。
【0020】この後、ロック部用ストッパ27を右側に
スライドさせてロック部用固定部28をロック部25に
当接したところで規制する。これによりロック部25が
固定されて、例えば開蓋ボタン26を誤って押しても、
蓋21が不用意に開かなくなる。同時に蓋挟持部29が
ロック片22の下にほとんど隙間なく入り込む。これに
よりロック片22はロック部25と蓋挟持部29とで挟
まれて固定され、蓋21のがたつきがなくなる。
【0021】蓋21を開くには、まずロック部用ストッ
パ27を図の左方向にスライドさせて、ロック部用固定
部28をロック部25から離すと共に、蓋挟持部29を
ロック片22から離す。そして、開蓋ボタン26を押し
下げると、ロック部25がロック片22から外れて、ロ
ックが解除される。これで蓋21が付勢力F3により大
きく開かれる。
【0022】次に、本考案の第2実施例について詳細に
説明する。図2は、本考案に係る蓋のロック装置を適用
したCDプレーヤの構成を示す。このCDプレーヤはC
D33の収容体であるキャビネット24に、蓋21の後
端側がヒンジ結合されている。この部分には、上述の開
蓋方向への付勢力F3を与えるためのねじりバネ32が
配置されている。また、蓋21とキャビネット24の互
いの側端部はリンク34,35で連結されている。
【0023】蓋21の前端には矩形のロック板36が下
向きに突設されている。ロック板36の外面側には矩形
の凹部36aが形成されている。凹部36aの下には、
上述と同様なロック片22があり、ここにロック部25
が掛けられて蓋21のロックが行われる。ロック板36
の側端にはピン37が一体的に形成されている。
【0024】キャビネット24の前端には、閉蓋時にロ
ック板36を受け入れるための貫通孔38が形成されて
いる。またその近傍には、上述と同様の開蓋ボタン26
とロック部用ストッパ27とが配されている。
【0025】図3はロック装置20を分解して、キャビ
ネット24の内側から見た状態を示す。貫通孔38の周
囲には周壁38aが形成されている。また貫通孔38の
近傍には円筒39,40,41が突設されている。円筒
39には短壁42が一体的に形成されている。これら周
壁38a,円筒39,40,41,短壁42は、後述す
るカバー板60(図7)を載せて固定するためにあり、
円筒39,40,41には固定用のネジ穴39a,40
a,41aが形成されている。また短壁42の図中上側
にはピン42aが突設されている。
【0026】貫通孔38とキャビネット24の前縁との
間には、ほぼ卵形の貫通孔43が形成されている。この
貫通孔43には上述した開蓋ボタン26が嵌合される。
開蓋ボタン26の輪郭は卵形であり、これが裏側から貫
通孔43に嵌め込まれても表側に抜け出すことのないよ
うに、開蓋ボタン26の周囲には凸部26b,26cが
形成されている。また開蓋ボタン26の中央には突出板
44とピン45とが一体になって突設されている。
【0027】ロック部25は、第一の腕部46と第二の
腕部47とからなるほぼV字形の板であり、各腕部4
6,47の結合部には貫通孔48が形成されている。開
蓋ボタン26をキャビネット24の貫通孔43に嵌合し
た後、キャビネット24の円筒41を貫通孔48に挿入
することにより、ロック部25は円筒41を中心に回転
可能にされている。なお、貫通孔38に挿入された蓋2
1のロック板36をロック部25でロックするとき、ロ
ック部25が十分回動可能なように、貫通孔38と貫通
孔43の間の周壁38aは低くなっている。
【0028】第一の腕部46の先端上側にはピン52が
突設されている。一方、第二の腕部47の先端からは、
横方向に爪49が張り出している。また、第二の腕部4
7の先端からは、ほぼL字状の凸部50が上側に向けて
突設されている。凸部50と爪49の間には上下方向に
突っ切る凹部51が形成されている。
【0029】図4は貫通孔43に開蓋ボタン26を嵌め
込み、ロック部25を円筒41に装着した状態を示す。
また同図は、ロック部25の爪49が蓋21のロック片
22にロックされており、かつ開蓋ボタン26が押され
ていない状態を示す。この時、開蓋ボタン26の突出板
44にロック部25の凸部50が重なっている。開蓋ボ
タン26のピン45は、凸部50の前端に接するような
位置にある。
【0030】この時は、図5に示すように、爪49が、
蓋21のロック板36の凹部36aに入り込んでロック
片22に掛かり、これにより蓋21がロックされる。爪
49の表側には上述と同様の勾配面25aが形成されて
いる。そして、蓋21を閉じるときには、ロック板36
の勾配面22aが爪49の勾配面25aを押して、一旦
爪49を図の右方向に移動させる。
【0031】また、凸部50は上述のように、開蓋ボタ
ン26の突出板44に重ねて配されている。凸部50に
は上述と同様の勾配面25bが形成され、突出板44に
は勾配面26aが形成されている。図示の状態において
開蓋ボタン26を押すと、傾斜面26aに傾斜面25b
が押圧され、これによりロック部25が図4において円
筒41を中心にして反時計回りに回転する。そして図6
に示すように、爪49がロック板36すなわちロック片
22から離れ、蓋21のロックが解除されて開蓋可能と
なる。
【0032】図4に示すようにキャビネット24の周縁
部には、互いに面一な二枚の案内板54が適宜な間隔を
あけて突設されていて、上述のロック部用ストッパ27
を配するための溝53が案内板54の間に形成されてい
る。
【0033】ロック部用ストッパ27は、溝53を覆う
ように溝53の外側に配される操作部27aを有する。
操作部27aの中央からは、溝53の内側に配される中
央部27bが横方向に延出している。この中央部27b
の前後には、薄肉板状のロック部用固定部28と案内棒
27cが延出している。そして、ロック部用固定部28
と操作部27aとの間、及び案内棒27cと操作部27
aとの間に、それぞれ溝55が設けられている。また中
央部27bからは、薄肉板状の上述と同様な蓋挟持部2
9が横方向に延出している。
【0034】図7に示すように、案内板54に各溝55
を掛けて、ロック部用ストッパ27をキャビネット24
に取り付けると、ロック部用ストッパ27は案内板54
に沿って溝53の長手方向に移動可能になる。
【0035】ロック部用固定部28には、ほぼ8の字形
の開口56が形成されており、ロック部用ストッパ27
がキャビネット24に取り付けられると、この開口56
内に開蓋ボタン26のピン45及びロック部25の凸部
50が配置される。なおロック部用固定部28の端部に
は凸部31が形成され、中央部27bには突起57が形
成されている。
【0036】図7は、ロック部用ストッパ27がロック
部25を固定している状態を示す。すなわち、まず、図
4と同様にロック部25の爪49がロック片22にロッ
クされており、かつ開蓋ボタン26が押されていない状
態にある。この状態において、ロック部25の凸部50
が、8の字形の開口56の固定部56aに受け入れられ
ている。凸部50は固定部56aとほぼ同じ幅を持って
おり、このため、凸部50が横方向に移動することがで
きなくなっている。つまり、蓋21のロックを解除して
不用意に開蓋することができないように、ロック部25
が円筒41を中心にして回動するのを規制している。
【0037】なお、上述のように、凸部50は常に開蓋
ボタン26の突出板44に重なっており、図示の状態で
は凸部50の動きが規制されているため、開蓋ボタン2
6も動かないように規制されている。
【0038】さて蓋21のロック片22の下側には、既
にロック部25の爪49が当接している。上述したよう
に、蓋21には開蓋方向への付勢力F3(図2参照)が
与えられているので、ロック片22は爪49に密着する
ことになる。また図7に示す状態では、ロック部用スト
ッパ27の蓋挟持部29がロック片22の上側に重なっ
て当接する。したがって、第1実施例と同様に、ロック
片22は爪49と蓋挟持部29との間に挟まれて、上下
に移動しないようになっている。このため、蓋21に上
下方向の力が加わっても、これががたつくのを防止する
ことができる。
【0039】図7の状態から、凸部50が開口56の解
放部56bに当接するまで、操作部27aを動かしてロ
ック部用ストッパ27をロック部25を解放する側にス
ライドさせると、凸部50は解放部56b内で横方向に
移動可能になる。また、蓋挟持部29は蓋21のロック
片22には重ならない位置に退避する。
【0040】この時、開蓋ボタン26を押すと、図8に
示すように、ロック部25が円筒41を中心にして図中
の反時計回りに回動する。これにより、爪49がロック
板36すなわちロック片22から離れ、蓋21のロック
が解除されて開蓋可能となる。なお、開口56の端部に
は、開蓋ボタン26を押した時に、開蓋ボタン26のピ
ン45が通過するための凹溝58が形成されている。
【0041】上述と同様に、開蓋ボタン26は付勢力F
2によって表側に押し戻され、また、ロック部25は付
勢力F1により蓋21側(ここでは時計方向)に付勢さ
れており、蓋21を開いた後は、ロック部25が時計回
りに回動する。
【0042】ここで、上述のように、蓋21を閉じる
と、爪49がロック片22に押し戻された後、また時計
回りに回動してロック片22の下に入り込んで、蓋21
がロック部25によりロックされる。ここで、蓋挟持部
29がロック片22から退避しているため、爪49がロ
ック片22に遮られないように、ロック片22が爪49
よりも十分に上側に来るまで、蓋21を押し込むことが
できる。
【0043】そして、ロック部用ストッパ27をロック
部25を固定する側にスライドさせれば、再度ロック部
用固定部28によるロック部25の固定、及び蓋挟持部
29と爪49による蓋21の位置規制を行うことが可能
になる。なお、ロック片22の端部には、ロック部用ス
トッパ27側に向けて下がる勾配面22bが形成されて
いて、蓋挟持部29がこの勾配面22bを通過してロッ
ク片22に重なることが容易にされている。
【0044】さて、図7に示すように、ロック部用スト
ッパ27には、カバー板60が重ねられている。このカ
バー板60はほぼ三角形の板であり、各隅部に貫通孔6
1,62,63が形成されている。また、カバー板60
には位置決め用の貫通孔64,65が形成されていて、
貫通孔64に開蓋ボタン26のピン45の先端が嵌入さ
れ、貫通孔65にキャビネット24のピン42aの先端
が嵌入される。これによって、カバー板60が周壁38
a、短壁42、円筒39,40,41上に載置される。
この時、貫通孔61,62,63がキャビネット24の
円筒39,40,41のネジ穴39a,40a,41a
に合致する。またカバー板60には開口66が形成され
ていて、この開口66にロック部用ストッパ27の中央
部27bの突起57が納まる。
【0045】図9に示すように、カバー板60には、さ
らに板バネ30が重ねられる。板バネ30はカバー板6
0に固定されるL字形の基部67を有する。基部67に
は貫通孔67a,67b,67cが形成されている。貫
通孔67aは板バネ30の位置決めに用いられ、ここに
カバー板60の貫通孔65を通過したピン42が嵌めら
れて、板バネ30がカバー板60に載置される。そして
貫通孔67b,67cがカバー板60の貫通孔61,6
3にそれぞれ合致するようになされる。
【0046】さらに図示しないネジが貫通孔67b,6
1を挿通されネジ穴39a(図7)に、また貫通孔67
c,63を挿通されネジ穴41aに、それぞれ螺合され
る。これにより、板バネ30とカバー板60がキャビネ
ット24に固定されている。また、カバー板60の貫通
孔62にもネジが挿通されネジ穴40a(図7)に螺合
されて、カバー板60が部分的に浮き上がらないように
されている。これにより、上述の開蓋ボタン26、ロッ
ク部25、ロック部用ストッパ27が、カバー板60と
キャビネット24との間に挟まれて落下しないようにな
されている。
【0047】基部67の貫通孔67c側からは、ロック
部用付勢部71が一旦下方に折れ曲がって、さらにロッ
ク部25の第一の腕部46に向けて延出している。この
ロック部用付勢部71は、円筒41を中心として一旦反
時計回りに曲げられた後、第一の腕部46に突設された
ピン52の左側に時計方向側から当接している。つまり
ロック部25には、上述したように、常に時計方向の付
勢力が与えられている。この付勢力が図1における付勢
力F1に相当する。
【0048】さらに、基部67からは、カバー板60の
開口66側に向けてストッパクリック部68が水平に延
出している。そしてストッパクリック部68の先端には
V字形の曲折部68aが形成されていて、これが開口6
6に入り込み、ロック部用ストッパ27の突起57に僅
かに引っ掛かるようにされている。
【0049】そして、ロック部用ストッパ27がロック
部25を固定する側にあるとき(図7参照)、曲折部6
8aが突起57の前側に当接することによって突起57
を固定側に付勢して、ロック部用ストッパ27がここか
ら不用意に動かないようにしている。また、ロック部用
ストッパ27がロック部25を解放する側にあるとき、
曲折部68aが突起57の後側に当接することによって
突起57を解放側に付勢して、ロック部用ストッパ27
がここから不用意に動かないようにしている。このよう
にロック部用ストッパ27をスライドして、ロック部2
5の固定と解放を切り換えるとき、曲折部68aの付勢
力が切り換わるようにすることにより、使用者が手ごた
えを感じるようになっている。
【0050】また、基部67からカバー板60の貫通孔
64に向けてボタン用付勢部69が延出していて、この
ボタン用付勢部69の先端が貫通孔64を覆っている。
この貫通孔64には開蓋ボタン26のピン45(図3、
図7参照)が嵌まっており、ボタン用付勢部69はこの
ピン45を図中の下方に押すように常時付勢している。
すなわち、図1に示す付勢力F2を開蓋ボタン26に与
えている。
【0051】上述のように蓋21を開く時には、上述の
F1の分力と、このボタン用付勢部69による付勢力F
2の合力より大きい力で、開蓋ボタン26を押さなけれ
ばならない。また一旦押された開蓋ボタン26は、これ
らの力の合力により表側に戻ることになる。
【0052】また、基部67から図中わずかに下方に向
けて、ストッパ用規制部70が延出している。これを受
けるため、カバー板60には傾斜面72が形成されてい
る。ストッパ用規制部70は、撓み部30aとその先端
に形成された係止部30bとからなり、ロック部用スト
ッパ27の移動を規制するものである。撓み部30a
は、傾斜面72及び蓋21のロック片22のピン37に
重なって配置されている。
【0053】係止部30bは撓み部30aの先端から横
方向に張り出している。図10に仮想線で示すように、
蓋21が開いている時、ロック部25を解放する位置に
あるロック部用ストッパ27(図8参照)のロック部用
固定部28の凸部31に係合する。これによってロック
部用ストッパ27は、ロック部25を固定する側に移動
することができないように規制されている。したがっ
て、図8に示すようにロック部25が固定されないた
め、蓋21を閉じることが可能である。
【0054】そして、図10に実線で示すように、蓋2
1を閉じた時、蓋21のロック板36に突設されたピン
37が撓み部30aに当接して、これを図中上方に押し
曲げる。すると撓み部30aは、蓋21に図中の下側へ
の(開蓋方向への)付勢力F4を与えることになる。こ
の付勢力F4は、上述の付勢力F3によるロック片22
を爪49に密着させる作用効果を向上させるものであ
る。
【0055】さて、このようにして撓み部30aが変形
すると、係止部30bが突起31から外れて突起31よ
りも図中の上方に位置する。これにより、ロック部用ス
トッパ27を自由に動かすことができるようになるの
で、ロック部25をロック部用固定部28で固定するこ
とが可能になると同時に、蓋挟持部29とロック部25
とで蓋21のロック片22を挟んで、蓋21のがたつき
を防止することが可能になる。
【0056】また、ロック部用ストッパ27を動かして
ロック部25を解放し、蓋21を開いた後で、蓋21を
閉じる際には、図1の実施例と同様に隙間Sができ、蓋
21を確実にロックすることが可能になる。
【0057】上述の実施例では、蓋21を閉じた状態
で、ロック部用ストッパ27を動かすことによって、ロ
ック部用固定部28でロック部25を固定するだけでは
なく、蓋挟持部29とロック部25とで蓋21のロック
片22を挟んで、蓋21のがたつきを防止することが可
能である。
【0058】なお上述の実施例では、開蓋方向への付勢
力F3を発生するねじりバネ32(図2)を設けている
が、これに限られることなく、他の手段により開蓋方向
への付勢力F3を発生するようにしてもよい。あるい
は、上述の実施例における板バネ30の弾性を適度にし
て、撓み部30aによる付勢力F4を十分大きくするこ
とにより、ねじりバネ32を設けないようにしてもよ
い。この場合、常時ではなく、蓋21を閉じる時から開
く時までの間だけ、蓋21に開蓋方向への付勢力F4が
働くことになり、上述と同様にロック片22を押し上げ
て爪49に密着させることができる。また開蓋時には蓋
21を僅かながら押し上げて開蓋操作を容易にすること
が可能である。
【0059】
【考案の効果】以上説明したように、本考案の蓋のロッ
ク装置は、収容体の蓋の閉蓋時に、上記蓋に設けられた
ロック片に係合して上記蓋をロックするロック手段と、
上記蓋の上下動を規制するための蓋挟持部を有する蓋挟
持ロック手段とを具備したものである。
【0060】したがって、本考案によれば、閉蓋時の蓋
のがたつきを防止することが可能である。また、蓋挟持
ロック手段は、閉蓋状態で作動又は解除させることがで
きるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る第1実施例の蓋のロック装置20
を示す図である。
【図2】第2実施例の蓋のロック装置20が適用された
CDプレーヤを示す斜視図である。
【図3】第2実施例を分解して示す図(1/5)であ
る。
【図4】第2実施例を分解して示す図(2/5)であ
る。
【図5】第2実施例の要部を示す、図4におけるV−V線
矢視断面図である。
【図6】第2実施例を分解して示す図(3/5)であ
る。
【図7】第2実施例を分解して示す図(4/5)であ
る。
【図8】第2実施例を分解して示す図(5/5)であ
る。
【図9】第2実施例を裏から見た斜視図である。
【図10】ロック部用ストッパ27の移動を規制する部
材の構成を示す、図9におけるX−X線矢視断面図であ
る。
【図11】従来の蓋のロック装置20の一例を示す図で
ある。
【図12】従来の蓋のロック装置20の他の例を示す図
である。
【符号の説明】
20 蓋のロック装置 21 蓋 22 ロック片 24 キャビネット 25 ロック部 26 開蓋ボタン 27 ロック部用ストッパ 28 ロック部用規制部 29 蓋挟持部 30 板バネ 30a 撓み部 30b 係止部 31 凸部 70 ストッパ規制部
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−80291(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 39/00 - 55/16 G11B 33/02

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収容体の蓋の閉蓋時に、上記蓋に設けら
    れたロック片に係合して上記蓋をロックするロック手段
    と、 上記蓋の上下動を規制するための蓋挟持部を有する蓋挟
    持ロック手段とを具備し、 上記蓋の閉蓋時に上記蓋挟持ロック手段をロックするよ
    う操作すると、上記蓋挟持部により上記ロック手段と係
    合する上記ロック片を上記ロック手段とで挟持すること
    により上記蓋の上下動を規制すると共に、上記蓋挟持ロ
    ック手段をロック解除するよう操作すると、上記蓋挟持
    部による上記蓋の上下動の規制が解除されることを特徴
    とする蓋のロック装置。
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