JP2602769B2 - 高速化学脱脂炉 - Google Patents

高速化学脱脂炉

Info

Publication number
JP2602769B2
JP2602769B2 JP5120702A JP12070293A JP2602769B2 JP 2602769 B2 JP2602769 B2 JP 2602769B2 JP 5120702 A JP5120702 A JP 5120702A JP 12070293 A JP12070293 A JP 12070293A JP 2602769 B2 JP2602769 B2 JP 2602769B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace
gas
nox
gas treatment
exhaust gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5120702A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06319952A (ja
Inventor
晃 四ッ辻
吉哉 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
COKI ENGINEERING INC.
Toyo Machinery and Metal Co Ltd
Original Assignee
COKI ENGINEERING INC.
Toyo Machinery and Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by COKI ENGINEERING INC., Toyo Machinery and Metal Co Ltd filed Critical COKI ENGINEERING INC.
Priority to JP5120702A priority Critical patent/JP2602769B2/ja
Publication of JPH06319952A publication Critical patent/JPH06319952A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2602769B2 publication Critical patent/JP2602769B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速化学脱脂炉に関す
る。さらに詳しくは、焼結可能微粒子とポリアセタール
樹脂を主成分とするバインダとの混練物からなる組成物
を高速に脱脂しかつ炉内排ガス処理機構も備えた高速化
学脱脂炉に関する。
【0002】
【従来の技術】粉末射出成形は、通常、焼結可能微粒子
とバインダ樹脂との混練物を射出成形し、得られる成形
物からバインダ樹脂を除去(脱バインダ=脱脂という)
し、脱脂物を焼結して最終の成形品を得る方法である。
上記成形物の脱脂には、用いるバインダ樹脂の種類によ
って、熱分解法と化学的分解法とがあるが、後者の方が
前者に比べて脱脂時間が短く、バインダ樹脂の軟化温度
以下で脱脂でき、脱バインダ時の自重による変形を防止
でき、さらに密度が均一で強度が大きい焼結体が得られ
る点から非常に有望視されている。
【0003】ところで、上記化学的分解法の場合には、
バインダ樹脂としてポリアセタール樹脂を主成分とする
ものが用いられ、脱バインダには酸触媒が用いられる
が、この酸触媒としては通常種々な濃度の硝酸あるいは
O、NO、NOガスが用いられる。しかしなが
ら、これらの成分は酸化性が強くて危険であり取り扱い
が難しく、また脱脂反応により生ずる排ガスや酸化性ガ
スから生ずるNOxガスの処理の問題等、化学的分解法
にはその周辺技術の解決が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記利点の
多い化学分解法を利用でき、かつ排ガス処理に関する周
辺技術等も確立した高速化学脱脂炉を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明の『請求
項1』に係る発明によれば、『〔a〕非酸化性ガス導入
路(21)、ガス排出路(22)、脱脂薬剤供給路(2
3)及び炉内温度調節手段を備え、焼結可能微粒子とポ
リアセタール樹脂を主成分とするバインダとの混練物か
らなる成形物(7)を脱脂処理可能に構成された化学脱
脂炉本体(2)と、〔b〕上記脱脂薬剤供給路(23)
に、流量制御可能な開閉弁(31)を介して管路接続さ
れるNOxガス又はNOxガス発生液体の供給部(3)
と、〔c〕上記ガス排出路(22)に接続される炉内ガ
ス処理路(4)とからなり、上記炉内ガス処理路(4)
は、〔d〕脱脂の際に生ずる有機分解物とNOxガスと
を反応させてNOxガスを還元しうる排ガス処理部(4
3)と、〔e〕排ガス処理部(43)又はその上流に流
量調節バルブ(54)を介して管路接続される炭素源供
給部(53)と、〔f〕排ガス処理部(43)の下流に
設けられたNOx濃度を直接又は間接的に検知するセン
サ(51)検知信号に基づいて上記流量調節バルブ
(54)を作動して炭素源の供給量を制御しうるNOx
処理制御機構(5)とを備えると共に、〔g〕上記排ガ
ス処理部(43)には、冷却装置(43a)が内蔵され
かつ加熱手段(43d)が設けられた事を特徴とする高
速化学脱脂炉(1)』が提供される。また本発明の『請
求項4』に係る発明によれば、『〔a〕非酸化性ガス導
入路(21)、ガス排出路(22)、脱脂薬剤供給路
(23)及び炉内温度調節手段を備え、焼結可能微粒子
とポリアセタール樹脂を主成分とするバインダとの混練
物からなる成形物(7)を脱脂処理可能に構成された化
学脱脂炉本体(2)と、〔b〕上記脱脂薬剤供給路(2
3)に、流量制御可能な開閉弁(31)を介して管路接
続されるNOxガス又はNOxガス発生液体の供給部
(3)と、〔c〕上記ガス排出路(22)に接続される
炉内ガス処理路(4)とからなり、上記炉内ガス処理路
(4)は、〔d〕脱脂の際に生ずる有機分解物とNOx
ガスとを反応させてNOxガスを還元しうる排ガス処理
部(43)と、〔e〕上記排ガス処理部(43)の下流
に設けられる有機物分解処理部(44)と、〔f〕排ガ
ス処理部(43)又はその上流に流量調節バルブ(5
4)を介して管路接続される炭素源供給部(53)と、
〔g〕上記有機物分解処理部(44)の下流に設けられ
NOx濃度を直接又は間接的に検知するセンサ(5
1)の検知信号に基づいて上記流量調節バルブ(54)
を作動して炭素源の供給量を制御しうるNOx処理制御
機構(5)とを備えてなる事を特徴とする高速化学脱脂
炉(1)』が提供される。 さらに、本発明の『請求項
5』に係る発明によれば、『〔a〕非酸化性ガス導入路
(21)、ガス排出路(22)、脱脂薬剤供給路(2
3)及び炉内温度調節手段を備え、焼結可能微粒子とポ
リアセタール樹脂を主成分とするバインダとの混練物か
らなる成形物(7)を脱脂処理可能に構成された化学脱
脂炉本体(2)と、〔b〕上記脱脂薬剤供給路(23)
に、流量制御可能な開閉弁(31)を介して管路接続さ
れるNOxガス又はNOxガス発生液体の供給部(3)
と、〔c〕上記ガス排出路(22)に接続される炉内ガ
ス処理路(4)とからなり、上記炉内ガス処理路(4)
は、〔d〕脱脂の際に生ずる有機分解物とNOxガスと
を反応させてNOxガスを還元しうる排ガス処理部(4
3)と、〔e〕排ガス処理部(43)又はその上流に流
量調節バルブ(54)を介して管路接続される炭素源供
給部(53)と、〔h〕上記排ガス処理部(43)の下
流に設けられる有機物分解処理部(44)と、〔f2〕
上記有機物分解処理部(44)の下流に設けられたNO
x濃度を直接又は間接的に検知するセンサ(51)の検
知信号に基づいて上記流量調節バルブ(54)を作動し
て炭素源の供給量を制御しうるNOx処理制御機構
(5)とを備えると共に、〔g〕上記排ガス処理部(4
3)には、冷却装置(43a)が内蔵されかつ加熱手段
(43d)が設けられた事を特徴とする高速化学脱脂炉
(1)』が提供される。
【0006】本発明の高速化学脱脂炉(1)に用いられ
る化学脱脂本体(2)は、非酸化性ガス導入路(2
1)、ガス排出路(22)、酸液供給路(23)及び炉
内温度調節手段を備えた当該分野で公知のものをそのま
ま用いることができる。また、上記化学脱脂本体
(2)には、脱脂対象の成形物(7)を効率良く脱脂す
るため、本発明の『請求項10』に示すように、炉内雰
囲気撹拌手段(24)が設けられることが好ましい。ま
たこの撹拌手段(24)は、本発明の『請求項11』に
示すように、正逆回転可能に構成されることが撹拌効率
を高め、炉内での脱脂条件を均一にし得る点から好まし
い。
【0007】上記化学脱脂炉本体(2)の脱脂薬剤供給
路(23)には、流量制御可能な開閉弁(31)を介し
てNOxガス又はNOxガス発生液体の供給部(3)が
管路接続される。上記供給部(3)の具体例としては、
例えば、NO、NO、NO等のNOxガスを充填し
たNOxガスボンベ(3)や硝酸等の酸液供給部(3
)が挙げられる。上記供給部(3)に用いられる開閉
弁(31)としては、耐酸性材で構成され、弁作動が遠
隔的に制御できる構成のものが好適に用いられる。例え
ばフッ素樹脂製及びステンレス製で構成され、エア圧等
によりピストンを作動して開閉可能な弁機構を有する構
成のものが挙げられる。
【0008】上記酸液供給部(3)としては、硝酸を
用いる場合は特に硝酸取り扱い上の危険性及び煩雑性を
考慮して、本発明の『請求項12』に示すごとき構成を
提案することができる。すなわち、エア供給部(6)に
接続されるエア導入管(3A1a)と上記開閉弁(3
1)に接続される硝酸流出管(3A1b)とを有し、エ
ア圧により硝酸を流出し得る硝酸貯留槽(3A1)と、
底部に硝酸貯留槽(3A1)の重量変化を検出し得るロ
ードセル(3A4)を有して該貯留槽(3A1)を囲橈
し開閉可能に密閉し得る貯留槽収納容器(3A3)とを
備えた構成である。
【0009】上記化学脱脂炉本体(2)のガス排出路
(22)には、炉内ガス処理路(4)が接続されるが、
この接続は脱着可能な構成とされることが、炉内ガス処
理路を単独で取替ができる点で好ましい。
【0010】上記炉内ガス処理路(4)には、脱脂の際
に生ずる炉内ガスを分解処理する排ガス処理部(43)
が設けられる。上記排ガス処理部(43)は、ポリアセ
タール樹脂を主成分とする樹脂バインダをNOxガスの
作用で分解する際発生する有機分解物と余剰のNOxガ
スを主成分とする排ガスを処理対象とするものである。
上記樹脂バインダの分解物としては、例えばホルムアル
デヒド及びそのオリゴマーが挙げられる。該オリゴマー
としてはトリマー程度のものが挙げられるがこれに限定
されない。従って、本発明における排ガス処理部(4
3)では、本発明の『請求項』に示すように、ホルム
アルデヒド若しくはそのオリゴマーを炭素源として用
い、これによってNOxガスを還元する触媒を用いるこ
とが好ましく、この触媒として例えば白金ロジウムが好
適に用いられるが、別段これに限定されない。
【0011】上記炉内ガス処理路(4)における排ガス
処理部(43)は、NOxガスを有機分解物又は炭化水
素と反応させて還元させるので発熱を伴いやすく、ま
た、至適温度に保持することが処理上有効であるので、
本願『請求項』に示す高速化学脱脂炉(1)では、冷
却装置(43a)が内蔵されかつ加熱手段(43d)が
設けられる。冷却装置(43a)としては、例えば排ガ
ス処理部(43)の内部に設けられる蛇管通路部(43
a1)とこの蛇管通路に排ガス処理部(43)の外部か
ら接続される冷却用エア流入管(43a2)及び冷却用
エア流出管(43a3)と、エア供給部(6)とから構
成されるものが簡単な構成のものとして挙げられる。加
熱手段(43d)としては、排ガス処理部(43)を外
部から被覆して加熱しうる構成のものが好ましい。また
至適温度への制御の点から、排ガス処理部内の温度をチ
ェックしうる熱電対(43b)のごとき温度検知手段を
備えておくことも好ましい。
【0012】本発明において、炉内ガス処理路(4)に
は、本願『請求項2』又は『請求項6』に示すように、
排ガス処理部(43)の上流に逆流防止部(42)が設
けられることが好ましい。 この場合、本願『請求項1』
に係る高速化学脱脂炉(1)においては、本願『請求項
3』に示すように、逆流防止部及び排ガス処理部がそれ
ぞれ接続可能なカラム構造からなり、逆流防止部及び排
ガス処理部の順にカラムの流路抵抗が小さ くなるように
各カラム構造の充填度が調節されていることが好まし
い。 また、本願『請求項4』及び『請求項5』に係る高
速化学脱脂炉(1)においては、本願『請求項7』に示
すように、逆流防止部、排ガス処理部及び有機物分解処
理部がそれぞれ接続可能なカラム構造からなり、逆流防
止部、排ガス処理部及び有機物分解処理部の順にカラム
の流路抵抗が小さくなるように各カラム構造の充填度が
調節されていることが好ましい。
【0013】なお、上記のように排ガス処理部(43)
をカラム構造にした場合、ここに後述する炭素源供給部
53)を接続する構成が好ましい。
【0014】さらに本発明において、上記排ガス処理部
(43)が上述したカラム構造を有する場合は、本願
『請求項9』に示すように、ホルムアルデヒド又はその
低重合物とNOxガスとを反応させてNOxを還元しう
る触媒を担持した充填剤が充填されることが好ましい。
【0015】上記炉内ガス処理路(4)の排ガス処理部
(43)又は有機物分解処理部(44)の下流には、セ
ンサ(51)が設けられる。このセンサ(51)は、N
Ox濃度を直接的又は間接的に検知してそれを信号出力
しうる構成のものであればいずれのものでもあってもよ
い。上記直接的に検知するセンサとしては例えばNOx
メータ(51)が挙げられる。また間接的に検知するセ
ンサとしては、有機分解物濃度を検知するセンサが挙げ
られる。
【0016】本発明の高速化学脱脂炉(1)に設けられ
るNOx処理制御機構(5)は、好ましくは、炭素源貯
留部(53)及び該貯留部(53)から流量調節バルブ
(54)を介して前記排ガス処理部(43)又はその上
流に接続される炭素源供給路(55)からなる炭素源供
給部と、前記センサ(51)の検知信号に基づいて、上
記流量調節バルブ(54)を開閉作動し得るコントロー
ラ(52)とから主として構成される。上記コントロー
ラ(52)は、NOx濃度又は所定の有機物ガス濃度を
設定でき、センサ(51)からの検知信号〔D〕を設定
値〔S〕と比較し、この比較結果に基づいて、流量調節
バルブ(54)を開閉作動するよう構成されている。こ
の流量調節バルブ(54)には例えば電磁開閉弁を用い
る事ができる。
【0017】
【作用】本発明の『請求項1』にかかる発明によれば、
非酸化性ガスが導入されかつ所定の温度に調節された化
学脱脂炉本体(2)内に、焼結可能微粒子とポリアセタ
ール樹脂を主成分とするバインダとの混練物からなる成
形物(7)が収納され、そこに、脱脂薬剤供給路(2
3)を通じてNOxガス又はNOxガス発生液体が供給
されると、炉内にはNOxガスが充満される。上記成形
物中の樹脂バインダは、上記NOxガスと接触して低分
子量の有機物に分解され、ガス体として成形物(7)か
ら離脱して行き、これにより該成形物(7)は脱脂され
る。
【0018】上記脱脂過程によって炉内に分散された有
機分解物及びNOxガスからなる混合ガスは、脱脂炉本
体(2)のガス排出路(22)を通じて炉内ガス処理路
(4)に送られる。
【0019】上記炉内ガス処理路(4)において、上記
混合ガスは該処理路(4)に設けられた排ガス処理部
(43)を通過する際、NOxガスの殆どは有機分解物
を炭素源として還元反応を受け、窒素ガスとして下流に
送られる。
【0020】また、排ガス処理部(43)には冷却装置
(43a)が内蔵されかつ加熱手段(43d)が設けら
れているので、還元反応により発生する熱は有効に除去
されて安全であると共に、処理部の温度が低いときは加
熱手段(43d)により温度上昇されるので、常に至適
温度に制御でき、効果的に還元反応が進められることと
なる。
【0021】さらに、排ガス処理部(43)に炭素源供
給部(53)が接続されているので、炉内で分解された
有機分解物が少なく炭素源が不足していても速やかに炭
素源を供給でき、直ちにNOxガスが還元されることと
なる。
【0022】排ガス処理部(43)の下流に設定された
センサ(51)により、該流路を流れる排ガス中のNO
x濃度が直接的又は間接的に検知されるが、この検知さ
れた値〔D〕が例えば所定の値〔S〕よりも高い場合
は、上記検知信号に基づいて流量調節バルブ(54)が
作動されて、上記排ガス処理部(43)又はその上流に
炭素源が供給され、この新たな炭素源の導入によりNO
xガスは還元され、これによって炉内ガス処理路(4)
を流れる排ガス中のNOx濃度は、上記所定の値〔S〕
以下に保持されることとなる。
【0023】本発明の『請求項4』にかかる発明によれ
ば、排ガス処理部(43)には炭素源供給部(55)が
接続されており、かつ該排ガス処理部(43)の下流に
は有機物分解処理部(44)が接続されているので、炉
内ガス処理路(4)に一時に多量にNOxガスが流れて
もまた脱脂反応の速度を調節しなくても、十分な供給量
の炭素源の存在下でNOxガスは完全に還元処理される
と共に、排ガス処理部(43)を未反応で通過する有機
物はその下流に設けられた有機物分解処理部(44)に
て完全に分解処理されることとなる。
【0024】本発明の『請求項5』にかかる発明によれ
ば、排ガス処理部(43)には冷却装置(43a)が内
蔵されかつ加熱手段(43d)が設けられているので、
還元反応により発生する熱は有効に除去されて安全であ
ると共に、処理部の温度が低いときは加熱手段(43
d)により温度上昇されるので、常に至適温度に制御で
き、効果的に還元反応が進められると共に、この排ガス
処理部(43)には炭素源供給部(55)が接続されて
おり、かつ該排ガス処理部(43)の下流には有機物分
解処理部(44)が接続されているので、炉内ガス処理
路(4)に一時に多量にNOxガスが流れてもまた脱脂
反応の速度を調節しなくても、十分な供給量の炭素源の
存在下でNOxガスは完全に還元処理されると共に、排
ガス処理部 (43)を未反応で通過する有機物はその下
流に設けられた有機物分解処理部(44)にて完全に分
解処理されることとなる。
【0025】本発明の『請求項2』又は『請求項6』
かかる発明によれば、炉内ガス処理路(4)において、
排ガス処理部(43)の上流に逆流防止部(42)が設
けられているので、ガス排出路(22)から炉内ガス処
理路(4)に押し出された炉内ガスは高速化学脱脂炉本
体(2)内に逆流せず、NOx還元処理及び/又は有機
物分解処理がスムースに行われることとなる。 また、本
発明の『請求項3』又は『請求項7』にかかる発明によ
れば、逆流防止部(42)及び排ガス処理部(43)又
は逆流防止部(42)、排ガス処理部(43)及び有機
物分解処理部(44)がいずれもカラム構造を有し、そ
の流路抵抗が充填剤の充填度によって調節されているの
で、各部材の取替が簡便であり、流路抵抗の調節も簡便
に行われることとなる。
【0026】本発明の『請求項』にかかる発明によれ
ば、排ガス処理部(43)において、触媒の作用によ
り、炉内ガスに含まれている有機分解物すなわちホルム
アルデヒド及びその低重合物によってNOxガスは速や
かに還元されることとなる。
【0027】本発明の『請求項』にかかる発明によれ
ば、排ガス処理部(43)が、ホルムアルデヒド又はそ
の低重合物とNOxガスとを反応させてNOxガスを還
元しうる触媒を担持した充填剤が(43c)充填された
カラム構造にて炉内ガス処理路(4)に接続されている
ので、NOxガス、ホルムアルデヒド及びその低重合物
は触媒との接触面積が大きく稼がれており、NOxガス
は効率良く還元されることとなる。 また、排ガス処理部
(43)は充填剤の取替により、常に一定以上のNOx
還元能が保持されることとなる。
【0028】本発明の『請求項10』にかかる発明によ
れば、高速化学脱脂炉本体(2)に、炉内雰囲気撹拌手
段(24)が設けられているので、炉内の温度は均一に
なると共に、NOxガスの濃度も均一になり、該脱脂炉
本体(2)内に収納された成形物(7)の脱脂は迅速か
つほぼ均一に達成されることとなる。
【0029】本発明の『請求項11』にかかる発明によ
れば、炉内雰囲気撹拌手段(24)が、正逆回転可能な
ファンを有する構成であり、炉内温度の均一化及び脱脂
条件の均一化がさらに迅速に達成されると共に、均一な
脱脂条件の下に脱脂反応がすみやかにおこなわれること
となる。
【0030】本発明の『請求項12』にかかる発明によ
れば、硝酸貯留槽(3A1)は開閉可能な貯留槽収納容
器(3A3)内に密閉されており、硝酸貯留槽(3A
1)内に貯留されている硝酸は、エア圧により貯留槽収
納容器(3A3)外部から、化学脱脂炉本体(2)への
供給が制御ができることとなる。また、硝酸貯留槽(3
A1)はロードセル(3A4)にて計量されているの
で、貯留量について簡単にモニタされることとなる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に従って詳述する
が、これによって本発明が限定されるものではない。 実施例1 図1は本発明の高速化学脱脂炉の一例の構成説明図であ
る。同図において高速化学脱脂炉(1)は、化学脱脂炉
本体(2)と、脱脂薬剤供給システム(3)と、炉内ガ
ス処理路(4)と、NOx処理制御機構(5)から主と
して構成されている。なお、(6)はコンプレッサであ
る。
【0032】化学脱脂炉本体(2)は、窒素ガス導入管
(21)と、ガス排出孔(22)と、脱脂薬剤供給管
(23)と、炉内雰囲気撹拌用ファン(24)と、図示
しない炉内温度調節器とを備えており、炉内には脱脂対
象の成形物(7)を静置する網棚(25)が設けられて
いる。上記窒素ガス導入管(21)は、図示しない窒素
ガスボンベに接続され、ガス流量計(21a)及び窒素
流量確認・警報発生スイッチ(21b)をこの順に経て
炉内に導入された後、該炉内に敷設され、該底面の他端
に上向きに開口端(21c)が開放されている。上記ガ
ス排出孔(22)には後述する炉内ガス処理路(4)が
接続されている。脱脂薬剤供給管(23)は、後述する
脱脂薬剤供給システム(3)から供給される薬剤を炉内
底部に滴下又は噴出するよう誘導するもので、上記窒素
ガス導入管(21)の開口端(21c)の近傍に滴下口
又は噴出口が位置するように構成されている。炉内雰囲
気撹拌用ファン(24)は、正逆回転可能にも構成され
ている。
【0033】脱脂薬剤供給システム(3)は、この例の
1つは、脱脂薬剤として硝酸を用いる構成のもので、同
図に一点鎖線で囲まれて示されるように、脱脂薬剤供給
管(23)に開閉弁(31)を介して接続される硝酸供
給部(3A)から構成される。
【0034】開閉弁(31)は、耐酸性材例えばフッ素
樹脂製等からなる公知のピストン弁が用いられている。
この開閉弁(31)は、薬剤液量コントローラ(32)
によりピストンが作動されるよう構成されている。
【0035】硝酸供給部(3A)は、エア導入管(3A
1a)及び硝酸流出管(3A1b)を有する硝酸タンク
(3A1)と、上記硝酸タンク(3A1)を密閉可能に
囲橈しかつ開閉自在な構成のタンク防護容器(3A3)
と、このタンク防護容器(3A3)の底面に設けられ、
該収納容器内に収納される硝酸タンク(3A1)の重量
変化を検出するロードセル(3A4)とから主として構
成されるものである。なお、ロードセルはタンク防護容
器(3A3)の外側に設けられるものであってもよい。
【0036】上記エア導入管(3A1a)は、耐酸性素
材例えばフッ素樹脂製のもので、一端が硝酸タンク(3
A1)の上部に位置し、他端が圧力調整弁(32a)を
介してコンプレッサ(6)に接続されている。なお、圧
力調整弁(32a)とコンプレッサ(6)との間の管路
に関しては耐酸性のものでなくともよい。上記硝酸流出
管(3A1b)は、耐酸性及び耐熱性素材例えばフッ素
樹脂製のもので、一端が硝酸タンク(3A1)の底部近
傍に位置し、他端が上述した開閉弁(31)の脱脂薬剤
流入孔(31g)に接続される。上記硝酸タンク(3A
1)の重量は常にロードセル(3A4)にて検出されて
おり、従ってこの重量変化から該タンク(3A1)内に
貯留される硝酸量が把握でき、ボトル交換時期を知るこ
とができる。また、タンク防護容器(3A3)は開閉自
在な構成であるので、硝酸をタンクのまま交換すること
ができる。なお、このタンク防護容器(3A3)内で発
生するNOxガスを炉内又は炉内ガス処理路に排気でき
るように、タンク防護容器(3A3)と炉内又は炉内ガ
ス処理路と連通する連通路が設けられていてもよい。
【0037】また、脱脂薬剤供給システム(3)は、脱
脂薬剤として硝酸を用いる構成に替えてNOxガスを直
接供給する構成(3B)とすることもできる。この場
合、同図に示すように、NOガスボンベ(3B1)か
ら図示しない調圧弁を介して、脱脂薬剤供給管(23)
に接続される流路構成を有するものが好ましい。
【0038】炉内ガス処理路(4)は、化学脱脂炉本体
(2)のガス排出孔(22)に脱着可能に接続される上
流曲管路(41)に、逆流防止カラム(42)、排ガス
処理カラム(43)、有機物分解処理カラム(44)が
この順に脱着可能に接続され、これに下流管路(45)
がさらに脱着可能に接続されている。なお、これらのカ
ラムの流路抵抗は、逆流防止カラム(42)、排ガス処
理カラム(43)、有機物分解処理カラム(44)の順
に小さくなるように設定されている。
【0039】上記逆流防止カラム(42)は、無機物充
填剤が充填されている。
【0040】排ガス処理カラム(43)は、冷却部(4
3a)及び熱電対(43b)を内蔵しており、その周囲
にはホルムアルデヒド又はその低重合物とNOxガスと
を反応させてNOxを還元しうる触媒を担持した充填剤
(43c)が充填されており、さらにカラムの外側には
ヒータ(43d)が設けられている。上記触媒には例え
ば白金ロジウム、希土類(ランタン、セリウム等)が用
いられるが、別段これに限定されない。上記冷却部(
3a)は、空冷式の構造で、上記カラム(43)内に設
けられる蛇管部(43a1)と、この蛇管部(43a
1)に接続されてカラム外に延設されるエア流入管(4
3a2)とエア放出管(43a3)とから構成されてい
る。上記エア流入管(43a2)は流量調節弁(43a
4)及び圧力調整弁(43a5)を介して、コンプレッ
サ(6)に接続されている。
【0041】上記有機物分解処理カラム(44)は、燃
焼用エア流入管(44a)が接続されており、白金触媒
を担持した充填剤が充填されている。この燃焼用エア流
入管(44a)は、流量調節弁(44a1)及び圧力調
節弁(44a2)を介して、前述したエア導入管(3A
1a)に管路接続されており、コンプレッサ(6)から
のエア供給を利用する構成である。
【0042】上記炉内ガス処理路(4)の下流管路(4
5)には、該処理路(4)を流れるガス中のNOx濃度
を検知し得るNOxメータ(51)が設けられている。
該NOxメータは後述するNOx処理制御機構(5)を
構成する。なお、下流管路(45)は図示しないダクト
に接続されている。
【0043】NOx処理制御機構(5)は、上記NOx
メータ(51)に電気接続されるHCコントローラ(5
2)と、炭素源を貯留したHCタンク(53)から電磁
バルブ(54)を介して上記排ガス処理カラム(43)
に管路接続されるHC供給流路(55)とから主として
構成されている。HCコントローラ(52)は、設定部
(52a)及び比較部(52b)を有し、設定部(52
a)に設定された所定値〔S〕とNOxメータ(51)
からの検知信号値〔D〕とを比較し、設定値〔S〕より
も出力信号値〔D〕の方が大きいときに電磁バルブ(5
4)に出力してこれを開作動するように構成されてい
る。
【0044】以上のように構成された高速化学脱脂炉
(1)の作動について説明する。まず、高速化学脱脂炉
(1)を運転するに先立って、NOx処理制御機構
(5)において、設定部(52a)に所定のNOx濃度
設定値〔S〕を設定する。次に、窒素ガス供給部から窒
素ガス導入管(21)を通じて窒素ガスを、例えば20
0〜700l/hrの流量で化学脱脂炉本体(2)内に
流し、該炉内を窒素ガスで置換する。このとき炉内の窒
素ガスは、ガス排出孔(22)から炉内ガス処理路
(4)を通じて図示しないダクトへ排気される。上記ガ
ス置換と並行して、炉内温度調節器により炉内温度を例
えば110〜120℃程度に加熱すると共に、ファン
24)を駆動して炉内雰囲気を撹拌する。
【0045】上記炉内温度及びガス置換の調整の間に、
焼結可能微粒子とポリアセタール樹脂を主成分とするバ
インダとの混練物からなる成形物(7)を、化学脱脂
本体(2)内の網棚(25)に静置させる。
【0046】炉内温度及びガス置換が完了すると脱脂薬
剤供給システム(3)〔なお、ここでは硝酸供給部(3
A)で説明する〕を作動させる。すなわち、コンプレッ
サ(6)から高圧(例えば4〜5kg/cm)のエア
を出し、圧力調整弁(32a)により所定の圧力(例え
ば0.6kg/cm)に調節してエア導入管(3A1
a)を通じて硝酸タンク(3A1)内に供給する。上記
コンプレッサ(6)から出た高圧エアは、また、圧力調
弁(44a2)及び流量調節弁(44a1)を介して
圧力及び流量が調節された後、燃焼用エア流入管(44
a)により有機物分解処理カラム(44)に供給され
る。一方、開閉弁(31)においては、薬剤送量コント
ローラ(32)により弁が閉止されている。
【0047】次いで、薬剤送量コントローラ(32)の
作動により開閉弁(31)が開成され、硝酸タンク(3
A1)から硝酸が流出され、脱脂薬剤供給管(23)を
通じて硝酸が化学脱脂炉本体(2)内に滴下される。
【0048】滴下された硝酸は、高温の炉内雰囲気で直
ちに蒸発して硝酸ミストやNO,NO,NO,N
O等のNOxガスとなる。上記蒸発させられた硝酸ミス
ト及びNOxガスは炉内に均一に分散されて、網棚(
)に静置されている成形物(7)と接触して、その外
側からポリアセタールを主成分とする樹脂バインダを分
解して脱脂が始まる。この分解によりホルムアルデヒド
及びそのオリゴマーが生じ、これらが炉内ガスに加わ
る。
【0049】上記のように脱脂が始められると、炉内ガ
スは、脱脂炉本体(2)のガス排出孔(22)を通じて
炉内ガス処理路(4)に排出され、逆流防止カラム(4
2)、排ガス処理カラム(43)、有機物分解処理カラ
ム(44)の各流路抵抗に応じてこの順に送られる。こ
のような脱脂開始後間もない炉内ガスは、NOxガスの
濃度が高く、有機分解物ガスの濃度は低くなっている。
【0050】上記のようなNOxガスリッチの炉内ガス
が、排ガス処理カラム(43)を通過するとき、該カラ
ム(43)中の充填剤に担持される希土類の作用によ
り、NOxガスはホルムアルデヒド又はそのオリゴマー
と反応して一部は還元されてN,CO,CO,H
O等となるが、ホルムアルデヒド及びそのオリゴマーが
NOxガスの還元反応基質としては少ないので、未処理
のNOxガスが残存した混合気体となる。なお、上記排
ガス処理カラム(43)での還元反応により該カラムは
発熱するが、冷却部(43a)により効率良く冷却され
る。
【0051】上記排ガス処理カラム(43)を未処理の
まま通過したNOxガスは、該処理路(4)の下流部に
設けられている下流管路(45)を通過するが、この通
過のときにNOxメータ(51)によって、その濃度が
検知される。上記NOxメータ(51)により検知され
たNOx検知濃度値〔D〕は、電気信号としてHCコン
トローラ(52)に出力される。このように脱脂開始後
間もないときは、検知濃度値〔D〕は設定値〔S〕より
も大きい(D>S)ので、直ちに、HCコントローラ
(52)から電磁バルブ(54)に出力され、電磁バル
ブ(54)が開作動される。これによって、HCタンク
(53)に貯留されている炭素源(例えばメタノール、
液状の炭化水素等)はHC供給流路(55)を通じて排
ガス処理カラム(43)内に供給される。そして、この
炭素源と未反応のNOxガスとが有効に反応して還元さ
れることとなる。
【0052】上記のように、未処理のNOxガスは外部
から供給される炭素源を反応基質として効率良く還元さ
れて、NOxガスの外部への拡散は有効に防止される事
となるる。
【0053】上記脱脂処理が十分進行すると、炉内での
ホルムアルデヒドやそのオリゴマーの濃度が高くなり、
NOxガスを還元し得るに十分な量となる。従って、炉
内ガス処理路(4)に排気される炉内ガスは、排ガス処
理カラム(43)通過時にNOxガスが十分に還元され
るので、下流管路(45)に排気される末処理NOxガ
スは非常にに少なくなり0に近付く。すると、NOxメ
ータ(51)により検知される濃度値〔D〕は設定値
〔S〕よりも十分に小さくなり(S≧D)、もはやHC
コントローラからは出力されず、電磁バルブ(54)は
閉止されて、排ガス処理カラム(43)への炭素源の供
給は停止される。
【0054】この状態で脱脂処理がすすめられるが、こ
のとき炉内ガス処理路(4)を流れる炉内ガスには有機
物ガスリッチの状態となっており、過剰のホルムアルデ
ヒドやそのオリゴマー等の有機物ガスが上記排ガス処理
カラム(43)を通過することとなるが、その下流に接
続されている有機物分解処理カラム(44)において、
白金触媒とコンプレッサ(6)を通じて供給されるエア
との作用により完全燃焼されてCOと水蒸気に分解さ
れることとなる。
【0055】そして脱脂処理が終盤に近付くと、再びN
Oxガスリッチの炉内ガスとなり、前記と同様にNOx
メータ(51)により検知される濃度値〔D〕が設定値
〔S〕との間でD>Sとなり、再びNOx処理制御機構
(5)が有効に作動して炭素源が排ガス処理カラム(4
3)へ供給されて、未処理のNOxガスが還元されるこ
ととなる。
【0056】以上の作動によって示される通り、本発明
の高速化学脱脂炉においては、脱脂反応開始から終了ま
での間、炉内で生ずるNOxガス及びホルムアルデヒド
やそのオリゴマー等の有機ガス等は、炉内ガス処理路
(4)を流れる間に、互いに反応されてNOxは還元さ
れ残余の有機ガスは完全燃焼されて排気されるが、その
排気ガス中に含有されるNOx濃度が常にチェックさ
れ、これが所定値を越えるときはさらに炭素源を導入し
て還元せしめて、所定値以下に管理されることとなる。
【0057】
【発明の効果】本発明の『請求項1』にかかる発明によ
れば、焼結可能微粒子とポリアセタール樹脂を主成分と
するバインダとの混練物からなる成形物が、硝酸ミスト
により高速で脱されると共に、硝酸から由来するNO
xガスが脱脂に伴って発生するホルムアルデヒド及びそ
のオリゴマーと反応して還元処理できる。また、排ガス
処理部は冷却手段及び加熱手段を備えているので、排ガ
ス処理部の温度をNOxガス還元反応に対して常に至適
温度乃至最適温度に設定でき、還元処理を効率的に進め
ることができる上、排ガス処理部の寿命を延ばすことも
できる。
【0058】さらに、脂反応開始後の所定時間及び脱脂
反応終盤近くの所定時間において、NOxガスリッチと
なる場合にも、本願発明によれば、NOx処理制御機構
が有効に働いて未処理のNOxガスを還元するシステム
を有しているので、脱脂反応の運転中の全期間を通じて
NOxガス濃度をモニタしかつ還元処理し続ける事がで
きる。従って、NOxガスを所定の濃度以下で排気する
ように管理されるので、作業環境を清浄に保つと共に、
大気汚染等の問題を防止することができる。
【0059】本発明の『請求項』にかかる発明によれ
ば、脱脂反応の速度を調節しなくても発生NOxガス量
に比して常に十分量の炭素源を供給しておき、かつ未反
応の炭素源を完全燃焼させることができるので、NOx
ガス還元反応を十分な基質補充下に進めることができ、
ほぼ完全なNOxガス還元処理を実行することができ
る。
【0060】本発明の『請求項』にかかる発明によれ
ば、排ガス処理部をNOxガス還元に対して至適温度乃
至最適温度に制御できると共に、還元反応に必要な炭素
源供給量をNOxガス量に比して多量に供給しても未反
応の炭素源を排出しないので、より完全なNOxガス還
元処理を実行することができる。
【0061】本発明の『請求項2』又は『請求項6』
かかる発明によれば、NOxガスを本体内に逆流させな
いで効率良く還元処理することができる。
【0062】本発明の『請求項3』又は『請求項7』
かかる発明によれば、排ガス処理部がカラム構造である
ので、炉内ガスと触媒との接触面積が非常に大きく稼ぐ
ことができ、処理能力が大きくなると共に、充填剤の交
換が速やかで補修等も行いやすく、常に高い触媒能を維
持することができる。
【0063】本発明『請求項』にかかる発明によれ
ば、排ガス処理部に還元反応に好適な触媒が用いられて
いるので、NOxガスを効率良く還元することができ
る。
【0064】本発明『請求項』にかかる発明によれ
ば、NOxガス還元反応に好適な触媒が充填剤に担持さ
れていて接触面積が著しく稼がれており、高速で還元処
理することができる。
【0065】本発明『請求項10』にかかる発明によ
れば、高速化学脱脂炉本体に、炉内雰囲気撹拌手段が設
けられているので、炉内温度を均一に調整できると共
に、硝酸ミストの濃度も均一とでき、脱脂反応を精度良
く均質に行うことができる。
【0066】本発明『請求項11』にかかる発明によ
れば、炉内雰囲気撹拌手段が、正逆回転可能なファンを
有する構成であるので、炉内温度の均一化及び脱脂条件
の均一化がさらに迅速に達成されると共に、均質で高速
な脱脂処理が可能となる。
【0067】本発明『請求項12』にかかる発明によ
れば、硝酸貯留槽は開閉可能な貯留槽収納容器内に密閉
されており、硝酸貯留槽内に貯留されている硝酸は、エ
ア圧により貯留槽収納容器外部から、化学脱脂炉本体へ
の供給が制御ができるので、硝酸と接触する危険性を非
常に小さくする事ができる。また、硝酸貯留槽はロード
セルにて計量されているので、硝酸貯留量を的確に把握
する事ができる。またさらに、硝酸は二重槽構成内に貯
留されており、その上、貯留槽収納容器内の空間は連通
路を通じて高速化学脱脂炉本体内又は炉内ガス処理路に
接続されているので、硝酸貯留槽から漏れでたNOxガ
スは、大気中に放出される前段で還元・吸収でき、作業
環境を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高速化学脱脂炉の一例の概略構成図
【符号の説明】
(1)…高速化学脱脂炉 (2)…化
学脱脂炉本体 (3)…脱脂薬剤供給システム (4)…炉
内ガス処理路 (5)…NOx処理制御機構 (6)…コ
ンプレッサ (7)…成形物 (21)…
窒素ガス導入管 (22)…ガス排出孔 (23)…
脱脂薬剤供給管 (24)…炉内雰囲気撹拌用ファン (25)…
網棚 (3A)…硝酸供給部 (3B)…
NOxガス供給部 (3A1)…硝酸タンク (3A3)
…タンク防護容器 (3A4)…ロードセル (3A1
a)…エア導入管 (3A1b)…硝酸流出管 (3B1)
…NOガスボンベ (31)…開閉弁 (32)…
薬剤送量コントローラ (41)…上流曲管路 (42)…
逆流防止カラム (43)…排ガス処理カラム (43a)
…冷却部 (43b)…熱電対 (43c)
…充填剤 (44)…有機物分解処理カラム (45)…
下流管路 (51)…NOxメータ (52)…
HCコントローラ (53)…HCタンク (54)…
電磁バルブ (55)…HC供給流路 (52a)
…設定部 (52b)…比較部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F27B 17/00 C04B 35/64 301 (72)発明者 谷口 吉哉 兵庫県明石市二見町福里字西之山523番 ノ1 東洋機械金属株式会社 内 (56)参考文献 特開 昭61−251581(JP,A) 特開 平2−501284(JP,A) 特開 平4−298236(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)非酸化性ガス導入路、ガス排出
    路、脱脂薬剤供給路及び炉内温度調節手段を備え、焼結
    可能微粒子とポリアセタール樹脂を主成分とするバイン
    ダとの混練物からなる成形物を脱脂処理可能に構成され
    た化学脱脂炉本体と、 (b)上記脱脂薬剤供給路に、流量制御可能な開閉弁を
    介して管路接続されるNOxガス又はNOxガス発生液
    体の供給部と、 (c)上記ガス排出路に接続される炉内ガス処理路とからなり、 上記炉内ガス処理路は、 (d)脱脂の際に生ずる有機分解物とNOxガスとを反
    応させてNOxガスを還元しうる排ガス処理部と、 (e)排ガス処理部又はその上流に流量調節バルブを介
    して管路接続される炭素源供給部と、 (f1) 排ガス処理部の下流に設けられたNOx濃度を
    直接又は間接的に検知するセンサ検知信号に基づいて
    上記流量調節バルブを作動して炭素源の供給量を制御し
    うるNOx処理制御機構 を備えると共に、 (g)上記排ガス処理部には、冷却装置が内蔵されかつ
    加熱手段が設けられた 事を特徴とする高速化学脱脂炉。
  2. 【請求項2】 炉内ガス処理路の排ガス処理部の
    上流に逆流防止部が設けられている請求項1に記載の高
    速化学脱脂炉。
  3. 【請求項3】 逆流防止部及び排ガス処理部がそ
    れぞれ接続可能なカラム構造からなり、逆流防止部及び
    排ガス処理部の順にカラムの流路抵抗が小さくなるよう
    に各カラム構造の充填度が調節されてなる請求項記載
    の高速化学脱脂炉。
  4. 【請求項4】 (a)非酸化性ガス導入路、ガス
    排出路、脱脂薬剤供 給路及び炉内温度調節手段を備え、
    焼結可能微粒子とポリアセタール樹脂を主成分とするバ
    インダとの混練物からなる成形物を脱脂処理可能に構成
    された化学脱脂炉本体と、 (b)上記脱脂薬剤供給路に、流量制御可能な開閉弁を
    介して管路接続されるNOxガス又はNOxガス発生液
    体の供給部と、 (c)上記ガス排出路に接続される炉内ガス処理路と からなり、 上記炉内ガス処理路は、 (d)脱脂の際に生ずる有機分解物とNOxガスとを反
    応させてNOxガスを還元しうる排ガス処理部と、 (e)排ガス処理部又はその上流に流量調節バルブを介
    して管路接続される炭素源供給部と、 (h)上記排ガス処理部の下流に設けられる有機物分解
    処理部と、 (f2)上記有機物分解処理部の下流に設けられたNO
    x濃度を直接又は間接的に検知するセンサの検知信号に
    基づいて上記流量調節バルブを作動して炭素源の供給量
    を制御しうるNOx処理制御機構と を備えてなる事を特徴とする 高速化学脱脂炉。
  5. 【請求項5】 (a)非酸化性ガス導入路、ガス排出
    路、脱脂薬剤供給路及び炉内温度調節手段を備え、焼結
    可能微粒子とポリアセタール樹脂を主成分とするバイン
    ダとの混練物からなる成形物を脱脂処理可能に構成され
    た化学脱脂炉本体と、 (b)上記脱脂薬剤供給路に、流量制御可能な開閉弁を
    介して管路接続されるNOxガス又はNOxガス発生液
    体の供給部と、 (c)上記ガス排出路に接続される炉内ガス処理路と からなり、 上記炉内ガス処理路は、 (d)脱脂の際に生ずる有機分解物とNOxガスとを反
    応させてNOxガスを還元しうる排ガス処理部と、 (e)排ガス処理部又はその上流に流量調節バルブを介
    して管路接続される炭 素源供給部と、 (h)上記排ガス処理部の下流に設けられる有機物分解
    処理部と、 (f2)上記有機物分解処理部の下流に設けられたNO
    x濃度を直接又は間接的に検知するセンサの検知信号に
    基づいて上記流量調節バルブを作動して炭素源の供給量
    を制御しうるNOx処理制御機構と を備えると共に、 (g)上記排ガス処理部には、冷却装置が内蔵されかつ
    加熱手段が設けられた事を特徴とする高速化学脱脂炉。
  6. 【請求項6】 炉内ガス処理路の排ガス処理部の
    上流に逆流防止部が設けられている請求項4又は5に
    載の高速化学脱脂炉。
  7. 【請求項7】 逆流防止部、排ガス処理部及び有
    機物分解処理部がそれぞれ接続可能なカラム構造からな
    り、逆流防止部、排ガス処理部及び有機物分解処理部の
    順にカラムの流路抵抗が小さくなるように各カラム構造
    の充填度が調節されてなる請求項6記載の高速化学脱脂
    炉。
  8. 【請求項8】 排ガス処理部が、ホルムアルデヒ
    ド若しくはその低重合物又は炭化水素とNOxガスとを
    反応させてNOxガスを還元しうる触媒を備えてなる請
    求項1、2、4、5、又は6のいずれかに記載の高速化
    学脱脂炉。
  9. 【請求項9】 排ガス処理部に、ホルムアルデヒ
    ド又はその低重合物とNOxガスとを反応させてNOx
    を還元しうる触媒を担持した充填剤が充填されてなるこ
    とを特徴とする請求項3又は7に記載の高速化学脱脂
    炉。
  10. 【請求項10】 高速化学脱脂炉本体に、炉内雰囲
    気撹拌手段が設けられてなる請求項1〜9のいずれかに
    記載の高速化学脱脂炉。
  11. 【請求項11】 炉内雰囲気撹拌手段が、正逆回転
    可能なファンを有して構成される請求項10記載の高速
    化学脱脂炉。
  12. 【請求項12】 NOxガス発生源流体供給部が、
    エア供給部に接続されるエア導入管と開閉弁に接続され
    る硝酸流出管とを有しエア圧により硝酸を流出し得る硝
    酸貯留槽と、底部に硝酸貯留槽の重量変化を検出し得る
    ロードセルを有して該貯留槽橈し開閉可能に密閉し得る
    貯留槽収納容器と、該収納容器内の閉塞空間を高速化学
    脱脂炉本体又は炉内ガス処理路に密閉可能に連通しうる
    連通路 とを備えてなる請求項1〜11のいずれかに記載
    の高速化学脱脂炉。
JP5120702A 1993-04-22 1993-04-22 高速化学脱脂炉 Expired - Fee Related JP2602769B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5120702A JP2602769B2 (ja) 1993-04-22 1993-04-22 高速化学脱脂炉

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5120702A JP2602769B2 (ja) 1993-04-22 1993-04-22 高速化学脱脂炉

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06319952A JPH06319952A (ja) 1994-11-22
JP2602769B2 true JP2602769B2 (ja) 1997-04-23

Family

ID=14792874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5120702A Expired - Fee Related JP2602769B2 (ja) 1993-04-22 1993-04-22 高速化学脱脂炉

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2602769B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102005027216A1 (de) * 2005-06-13 2006-12-21 Basf Ag Vorrichtung und Verfahren zum kontinuierlichen katalytischen Entbindern mit verbesserten Strömungsbedingungen
CN107931604A (zh) * 2017-12-22 2018-04-20 宁波斯百睿自控设备有限公司 一种气体过滤装置以及催化脱脂炉
CN110202154A (zh) * 2019-06-26 2019-09-06 王端 以草酸溶剂为催化剂的草酸催化脱脂方法及脱脂炉
CN110181045B (zh) * 2019-07-03 2024-01-30 宁波恒普技术股份有限公司 一种连续脱脂炉的硝酸雾化装置
CN115533099A (zh) * 2022-09-23 2022-12-30 温州大学平阳智能制造研究院 一种多模式脱脂-烧结一体化加热炉
CN117161382A (zh) * 2023-09-19 2023-12-05 苏州中耀科技有限公司 一种mim零件的脱脂方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61251581A (ja) * 1985-05-01 1986-11-08 トヨタ自動車株式会社 セラミツク製品の製造方法
ATE122916T1 (de) * 1987-09-23 1995-06-15 Fuel Tech Inc Verfahren zur reduktion von stickoxiden und minimierung der produktiven von anderen verunreinigungen.
JPH04298236A (ja) * 1991-03-27 1992-10-22 Sekiyu Sangyo Kasseika Center 窒素酸化物接触還元用触媒

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06319952A (ja) 1994-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR950012137B1 (ko) 디이젤엔진 배기가스 중의 질소산화물 제거방법
US5431893A (en) Cleaning exhaust gases from combustion installations
EP1785606B1 (en) Exhaust gas purifier
JP3226923B2 (ja) ガス混合物の混合成分を検出する方法及び装置
US20080314027A1 (en) Exhaust Gas Treatment
JPH05272331A (ja) 排ガス浄化装置およびその排ガス浄化装置に使用される還元剤供給方法および装置
CN102171147A (zh) 启动时所储存的氨的释放
KR20010012436A (ko) Scr 촉매 변환기에서 산화 질소를 환원시키기 위한방법 및 장치
JP2602769B2 (ja) 高速化学脱脂炉
Aki et al. Catalytic supercritical water oxidation of pyridine: kinetics and mass transfer
US5229071A (en) Catalytic oxidizer for treating fixed quantities of gases
JPH02258017A (ja) 固体還元剤を用いた排ガス脱硝装置
JPH10217245A (ja) 廃プラスチック脱塩素処理装置
KR940703709A (ko) 로 장치의 배출가스에서 no 함량을 선택적으로 감소시키는 방법 및 이를 위한 장치(method and apparatus for selective reduction of the no-content of exhaust gases from kiln plant)
JP3398558B2 (ja) 内燃機関排気ガス浄化装置
US5730947A (en) System and process for vacuum thermolysis treatment of liquid or gas products the disposal of which is detrimental to the environment
CN102210969A (zh) 焚化炉用氮氧化物削减系统
JP2674681B2 (ja) 排ガス中の窒素酸化物除去方法
JP2010065648A (ja) 排気浄化装置
JPH0559933A (ja) 還元剤改質リアクターおよび排ガス浄化装置
JP3317761B2 (ja) 高速化学脱脂炉用硝酸供給方法とその装置
EP3470639A1 (en) Device and method for generating a reducing agent gas from a liquid or solid reducing agent
CN110360003A (zh) 氨生成和储存系统和方法
JPH0635817B2 (ja) ディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法
KR101199023B1 (ko) 영가철 제조장치 및 이를 이용한 영가철의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090129

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090129

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100129

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110129

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110129

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120129

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130129

Year of fee payment: 16

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees