JP2602640B2 - 刷込みシリンダー用の調節可能な支えキヤリジ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、刷込みシリンダー用の調節可能な支えキヤ
リジに関するものである。

輪転印刷機においては、その印刷区域において、案内
レールに沿ってころがるように配置されたシリンダー支
え用のキヤリジによって輪転機内に挿入される刷込みシ
リンダーが用いられることは知られている。そのため、
先行技術のキヤリジの上部にはＵ字型部とベアリングが
配備されていて、これらがＵ字型部の平行の脚の上端に
取り付けられたシリンダー・ハブを収容しており、ま
た、前記ハブの１つは、機械の主駆動装置によって駆動
される駆動部と噛み合った例えば歯車のような伝動部を
有している。

従来のハブは、輪転機の中の刷込みシリンダーを迅速
に交換できるという点で、長い間実証されてきたすぐれ
た価値をもっている。ただし、その代りに、この種の輪
転機においては、シリンダーの作業する長さを変えると
きに機械的に大きな問題が生じること、また機械に合う
一定の長さをもつシリンダーを長さの短いシリンダーと
交換する必要のあることが知られている。この場合に
は、シリンダーと関連するベアリングを取りはずして精
密な支え用スリーブ・アダプターを含む延長部を備えた
短いシリンダー・ハブを取り付けなければならない。こ
の際、スリーブ・アダプターはキヤリジ・ベアリングに
連結し全組立部を機械に設置し直すことになる。この技
術分野ですぐれた技能を有するものならば、スリーブを
短いシリンダーのハブに組立てるのは、特に刷込みシリ
ンダーの回転マウントに関して高い精密性が要求される
ことから、機械的にかなり複雑な作業となることを認識
できるであろう。このことから、延長スリーブも高精度
の規格に合わせて機械加工する必要が生じ、従って、ま
た刷込みシリンダーの長さが異なるため、シリンダーの
種類ごとに、対応して異なる大きさをもつ一連の適当な
延長ハブを維持しておくことが必要となるため、投資費
用が大幅に増大することになる。

加えて、支え用アダプターがきわめて精密につくられ
たとしても、機械の寸法に比してシリンダーの長さが短
くなるほど、シリンダー・マウントの厳密さが低下して
くることも留意しなければならない。

本発明の１つの目的は、特に輪転印刷機において、刷
込みシリンダーを延長スリーブ・アダプター上にのせる
必要がなく、複雑に機械的操作を含まずに刷込みシリン
ダーの迅速な交換を可能にし、長さいかんにかかわらず
刷込みシリンダーを直接支え、選択可能なシリンダー位
置決め機能を備え、また機械の種駆動装置に容易に接続
でき、さらに、これらのすべてが単純で経験的な手段と
きわめて簡単な構造をもつキヤリジを介して達成できる
ような刷込みシリンダー用の支えとなる新しいシリンダ
ーを提供することにある。

前記の目的は、印刷機の刷込みシリンダー（16）の軸
方向に位置調節可能な刷込みシリンダー（16）用支えキ
ャリジにおいて、該キャリジには、刷込みシリンダー
（16）の縦軸に平行に延びた案内（９）が配設されてお
り、該案内（９）には、案内（９）上を移動可能な、刷
込みシリンダー（16）のハブ（17,18）を取り付ける取
付手段（12,13,14,15）が配設されているベアリング支
え又は横支え（10,11）が設けられていることを特徴と
するキャリジにより達成される。

このシリンダー・ハブに、支え機能はもたないが、も
っぱら機械内部でのシリンダーの調節を可能にし、また
シリンダーと機械の主駆動装置の不可欠な一部を形成す
る駆動機構を機能的に接続させることに役立つ接続手段
を収容するようにつくられた延長部を配備すれば、極め
て有利である。

以下図面にもとづいて本発明の実施例を説明する。

添付図面から理解できるように、このキヤリジは、全
体として１であらわされているが、機械の壁部６および
７に垂直に延びるレール５に沿って車輪３および４で走
行するようにつくられたフレーム２を含んでいる。壁部
７はレール５のところでキヤリジ１が通れるような適当
な口をもつように成形され、一方それに向き合った壁部
６は、そこを連結用延長部19が通れるような口８をもつ
ように成形されている。これらについては後にさらに詳
しく説明する。

キヤリジ１は、その上端に、構造は例えば機械工具産
業ではよく知られているような平行な案内９を備えてお
り、また、前記案内は、移動可能な状態で、これら平行
な案内に沿って矢印Ｆの方向に動かすようにつくられた
横の支え10および11を収容できるようになっている。横
の支え10,11には、それぞれ、後述の刷込みシリンダー1
6のハブ17,18の取付手段たる通常のスタンド12および13
が含まれており、これらは、それぞれころがりベアリン
グ14および15を擁している。

各刷込みシリンダー16は、それぞれ、ハブ17,18、そ
れぞれ延長部17a,18aを有しており、これらは、それぞ
れころがりベアリング14,15の対応する溝の中に受けら
れている。

各延長部17a,18aは、さらに、それぞれ延長部17b,18b
を有しており、そこにはそれぞれの延長手段19,20が収
められていて、それぞれ延長部17b,18bにしっかり取り
付けられている。ネジ21および22は、それぞれの目的に
用いられるものである。

延長手段19および20は、支えの機能はもたないが、こ
れについては、後にさらに詳しく説明する。スタンド12
および13は、それぞれ横の支え10および11とともに、平
行な案内９に沿って矢印Ｆで示す方向に移動させること
ができ、またシリンダー16の変化する長さｌならびに刷
込みシリンダーの選ばれた位置に合わせることが可能で
ある。さらに、スタンド12および13には、それぞれ図に
は単に図式的に描いて23および24で示した延長部を含め
ることができる。これらの従属する各延長部は、例え
ば、矢印ｇの方向に作動することのできるそれぞれのネ
ジ25,26に機能的に接続されたブラケットまたはそれに
似た部材を含むようにすることもできる。

各ネジ溝つきの軸すなわちネジ25,26は、図には示し
ていないが通常の方法で、支え10および11ならびにスタ
ンド12および13をそれぞれ手動で動かし、平行なレール
９に沿った望ましい位置に配置することのできるハンド
ル車に接続することもできる。もちろん、横向きの各部
品を、ネジまたは類似の締め具を利用して、平行な案内
９上にしっかりロックすることも可能である。

上述したように、刷込みシリンダー16のハブ17の延長
部17bとハブ18の延長部18bは、延長手段19および20に接
続されている。図に示されているように、延長部19およ
び20は、支えの機能は果さない。実際、左側に示されて
いる延長部19は、その上端に歯車27を備えており、この
歯車は、例えば追加の歯車28とともに機械の主駆動シス
テムによって駆動される噛合を形成して、刷込みシリン
ダー16に望ましい回転運動をあたえるようにすることが
できる。そのためには、延長部19は、止めネジ21などの
手段でハブ17の延長部17bにしっかり接続され、また、
ハブ17の延長部17bと対応する延長部19の対応する端部
の間には打込みキー29が配備される。

もう一方のハブ18の延長部18bも、ネジ22およびキー3
0によってハブ18にしっかり接続されている支えでない
延長手段20にしっかり固定される。さらに、延長部20の
自由な端部は、31で示された回転運動機構に連結するこ
ともできるが、この機構は、シリンダー16を軸方向に位
置決めする機能のみをもっており、これにより、２つの
シリンダーは、機械の全長に亘って互いに（横に整合さ
せたまま）真に１列に並べることができるようになる。

図に示すように、刷込みシリンダーは、その端部のす
ぐ近くで支えられており、従ってその曲げのモーメント
は、キヤリジの端部で行なわれる従来の支えに比べてか
なり小さくなるはずである。

本発明に従えば、シリンダー16は、キヤリジ案内９上
で選択的に位置決めすることができ、それによって長さ
の異なる刷込みシリンダーを使用でき、また、任意のシ
リンダー16を他のものと交換するのが、迅速に、複雑で
長い機械的作業を行なわずに実施することができる。こ
れにより、一定時間内に生産できる量はかなり増大する
ことになる。さらに、延長部19および20は、支えおよび
スライド運動の機能を果さず、もっぱら回転運動をシリ
ンダー16に伝え、横の整合を行なうのに役立つため、こ
れら延長部の機械加工品の消耗度はかなり少なくなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示すもので、刷込みシリンダ
ーを受けるために意図された支え用キヤリジの一部を断
面した外観図である。 1:キヤリジ、9:案内、10,11:横の支え、16:刷込みシリ
ンダー。

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】印刷機の刷込みシリンダーの軸方向に位置
   調節可能な刷込みシリンダー用支えキャリジにおいて、 該キャリジには、刷込みシリンダーの縦軸に平行に延び
   た案内が配設されており、 該案内には、案内上を移動可能な、刷込みシリンダーの
   ハブを取り付ける取付手段が配設されている横の支えが
   設けられている ことを特徴とするキャリジ。
2. 【請求項２】前記刷込みシリンダーのハブには伝動手段
   に連結するための延長部が配備されている特許請求の範
   囲第１項に記載のキャリジ。
3. 【請求項３】前記延長部が、それを貫通するネジにより
   前記刷込みシリンダーの対応するハブに接続されている
   特許請求の範囲第２項に記載のキャリジ。
4. 【請求項４】前記延長部の１つが、駆動される歯車と噛
   み合う歯車に形成された端部を有している特許請求の範
   囲第２項に記載のキャリジ。
5. 【請求項５】前記延長部の１つが、刷込みシリンダーを
   軸方向に移動させるための手段に操作可能に連結されて
   いる特許請求の範囲第２項に記載のキャリジ。
6. 【請求項６】前記平行な案内に沿って移動可能な各支え
   が、下方突出延長部を有しており、 該下方突出延長部には駆動可能なネジ溝つき軸が操作可
   能に接続されている特許請求の範囲第１項に記載のキャ
   リジ。
7. 【請求項７】前記横の支えが、強固な止め手段をもって
   いる特許請求の範囲第１項に記載のキャリジ。