JP2602382B2 - ガラス板製造用成形体 - Google Patents

ガラス板製造用成形体

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JP2602382B2
JP2602382B2 JP3300696A JP30069691A JP2602382B2 JP 2602382 B2 JP2602382 B2 JP 2602382B2 JP 3300696 A JP3300696 A JP 3300696A JP 30069691 A JP30069691 A JP 30069691A JP 2602382 B2 JP2602382 B2 JP 2602382B2
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伸広 前田
浩幸 苅谷
一弥 内田
栄昭 遠藤
和彦 星野
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B17/00Forming molten glass by flowing-out, pushing-out, extruding or drawing downwardly or laterally from forming slits or by overflowing over lips
    • C03B17/06Forming glass sheets
    • C03B17/064Forming glass sheets by the overflow downdraw fusion process; Isopipes therefor

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス板製造用成形体
に係り、特に垂直方向下方にガラス板を引き抜くことに
よってガラス板を製造する際に用いる成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス板を製造する方法として、ガラス
板を垂直方向に引き抜くダウンドロー式の製造方法が知
られている(例えば特開昭60−11235号公報参
照)。このダウンドロー式では、溶融槽の底部に設けら
れたスリットを通って流下する溶融ガラスを、スリット
の下方に位置する断面がくさび状の成形体の頂部に供給
し、成形体の表裏面に沿って流下させ、成形体の下端部
において合流させ、下方に向って引き抜くことによって
ガラス板の製造を行なう。
【0003】前記成形体は、アルミナチューブの内部に
モリブデン製中空円筒発熱体を納め、その下部にくさび
状の耐火レンガ部材を取付け、これらの外周を白金薄板
で被覆した形状をしている。この成形体は、耐火レンガ
製の炉壁によって取り囲まれた炉室内の上側に配置さ
れ、前記炉室内の下側は成形されたガラス板を冷却する
冷却雰囲気となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のガラス板の製造
装置に用いられる成形体の耐火レンガ等の外周を白金で
被覆してあるのは、成形体の部分的温度差、熱疲労によ
るひび割れや欠損、あるいは成形体表面上を流れる溶融
ガラスによる耐火レンガ等の侵蝕によって、成形される
ガラス板の品質が低下することを防止するためである。
【0005】しかしながら、このように耐火レンガ等を
白金で被覆してなる成形体を用いてガラス板を成形する
場合、成形体の頂部から高温の溶融状態のガラスが成形
体の表裏面に沿って流下する際、成形体表面の白金被覆
と内部の耐火物との熱膨張の差により、白金被覆と耐火
物との密着性が部分的に損なわれ、白金板が耐火物から
部分的に浮き上がることがあった。このとき、成形体の
表面に生じた凹凸のため、溶融ガラスが全体に渡って均
一な厚さで流下することができず、成形されるガラス板
の形状精度が著しく損なわれる。このため、ガラス板の
製造を一時中断し、成形体を補修或いは交換しなければ
ならないという問題点があった。
【0006】また、上記熱膨張の差により、あるいは他
の何等かの原因により、被覆白金板に亀裂や穴が生じた
ときも、成形されるガラス板の形状精度が著しく損なわ
れる。この場合も、ガラス板の製造を一時中断し、成形
体を補修或いは交換する必要がある。このため、被覆白
金板の亀裂や穴が生じたことを迅速に発見することが望
まれている。
【0007】さらに、成形体が位置する炉室内の成形雰
囲気は、溶融ガラスが成形体に沿って均一な厚さで流れ
るように比較的高温に保たれているが、高すぎると、成
形体の下端部で合流し、融着したガラスは、ガラスの表
面張力の作用により、幅方向に大きく収縮し、ガラス板
の幅方向の平坦な部分が小さくなり好ましくない。した
がって、前記成形雰囲気の温度は比較的低温に保たれる
が、低温過ぎると、炉内にはその下方からガラス板に沿
って上昇してくる低温の気流があり、このため成形体の
溶融ガラスで覆われていない側縁部は冷却され、成形体
の側縁部近くを流下する溶融ガラスの熱を奪い、ガラス
板の幅方向端部が融着しがたいという問題点があった。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するために為
されたものである。すなわち本発明の第1の目的は、表
面形状精度の高いガラス板を得るため、ガラス板の成形
中、成形体の耐火物と該耐火物を覆う白金板との密着性
が損なわれて白金板が部分的に浮き上がることのない成
形体を提供することにある。また、本発明の第2の目的
は、幅広のガラス板を得るため、成形体の下端部で合流
する溶融ガラスをガラス板の全幅に渡って融着し得る成
形体を提供することにある。さらに本発明の第3の目的
は、耐火性本体と被覆板との密着性が維持され、被覆板
の変形を防止できるとともに、被覆白金板の亀裂や穴の
発生を検知することのできる成形体を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成する本
発明によるガラス板製造用成形体は、溶融ガラスが供給
される頂部と、前記溶融ガラスが合流してガラス板とな
る下端部と、前記頂部からの溶融ガラスが分流して前記
下端部の方向へ流下する中央部と該中央部に隣接する2
つの側縁部とから成り前記下端部において近接した幅広
の表裏面と、前記表裏面に隣接する2つの端面とを有す
る耐火性の本体と、前記本体の全表面を覆う白金または
白金合金板の被覆と、を備え、前記中央部、側縁部及び
端面のそれぞれの部分の被覆の厚さを次のうちのいずれ
かとしたことを特徴とする。 (a)中央部の被覆を端面及び側縁部の被覆より厚くす
る。 (b)中央部の被覆を端面の被覆より厚くし、かつ側縁
部の被覆を中央部と同じ厚さにする。 (c)中央部の被覆を端面の被覆と同じ厚さにし、かつ
中央部の被覆を側縁部の被覆より厚くする。
【0010】第2の目的を達成する本発明による他のガ
ラス板製造用成形体は、溶融ガラスが供給される頂部と
前記溶融ガラスが合流してガラス板となる下端部と、前
記頂部からの溶融ガラスが分流して前記下端部の方向へ
流下する中央部と該中央部に隣接する2つの側縁部とか
ら成り前記下端部において近接した幅広の表裏面と、前
記表裏面に隣接する2つの端面とを有する耐火性の本体
と、前記本体の全表面を覆う白金または白金合金板の被
覆とを備えるガラス板製造用成形体であって、前記下端
部において前記成形体の幅方向に亘って形成され、該下
端部における前記被覆の垂直方向の厚さよりも大きい高
さの白金または白金合金材の中実体と、を備えることを
特徴とする。
【0011】第3の目的を達成する本発明によるさらに
他のガラス板製造用成形体は、溶融ガラスが供給される
頂部と前記溶融ガラスが合流してガラス板となる下端部
と、前記頂部からの溶融ガラスが分流して前記下端部の
方向へ流下する中央部と該中央部に隣接する2つの側縁
部とから成り前記下端部において近接した幅広の表裏面
と、前記表裏面に隣接する2つの端面とを有する耐火性
の本体と、前記本体の全表面を覆う白金または白金合金
板の被覆と、前記被覆と前記本体との間を負圧により吸
引する吸引手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
【作用】成形体の耐火性の本体を白金または白金合金板
で被覆し、溶融ガラスが分流して流下する中央部の被覆
の厚さを、中央部の被覆を端面及び側縁部の被覆より厚
くするか、中央部の被覆を端面の被覆より厚くし、かつ
側縁部の被覆を中央部と同じ厚さにするか、あるいは中
央部の被覆を端面の被覆と同じ厚さにし、かつ中央部の
被覆を側縁部の被覆より厚くしたことにより、成形体と
被覆板との熱膨張の差によって生じる被覆板の変形が、
被覆板の薄い部分に生じ、溶融ガラスと接する中央部分
の被覆の変形を防止することができる。
【0013】また、成形体の下端部をその下端部の被覆
の垂直方向の厚さよりも大きい高さの白金または白金合
金材で形成した中実体とすることにより、下方からの低
温の上昇気流にさらされている成形体の側縁部は、溶融
ガラスから常に熱の供給を受けている中央部(流下面)
から、中実体を介して熱の供給を受け、成形体の側縁部
近くを流れるガラスの温度の局部的低下が防止され、成
形体の下端部で合流したガラスはガラス板の全幅に亘っ
て融着される。
【0014】さらに、成形体を真空引きするための吸引
手段を成形体に設けたことにより、耐火性本体と被覆板
との密着性が維持され、被覆板の変形を防止することが
できると共に、万一被覆板に亀裂等が生じた場合に真空
圧力の変化によりそのような事態を検知することができ
る。
【0015】
【実施例】以下、図面に示した実施例に基づいて本発明
を説明する。図1は本発明によるガラス板製造用成形体
の一実施例を用いたガラス板の製造装置の縦断面図を概
略的に示す図、図2aは成形体の正面図、図2bは図2
aのA−A’端面図である。
【0016】図において、1は炉壁であり、炉壁1内は
隔壁2により成形室(上室)3とローラ室(下室)4と
に区切られている。成形室3内には図示しない支持手段
によって支持された成形体5が納められ、複数個の抵抗
発熱体6に通電することにより、930〜970℃に制
御されている。
【0017】ローラ室4には、成形されたガラス板7を
下方に引くためのローラ8が図示しない支持手段により
支持され、図示しない駆動手段により駆動されている。
このローラ室4はほぼ650℃に保持されている。
【0018】成形体5の本体9はアルミナ質の電鋳材料
等の耐火性材料から成り、溶融ガラスが供給される頂部
10と、溶融ガラスが合流してガラス板7となる下端部
11と、下端部11において近接した幅広の表裏面13
と、表裏面13に隣接する2つの端面12と、を有し、
全表面を薄い白金または白金合金板の被覆15により覆
われている。表裏面13は頂部10に供給された溶融ガ
ラスが分流して下端部11の方向へ流下する中央部13
aと該中央部13aの両側に隣接する2つの側縁部13
bから成る。
【0019】頂部10にはスリット状に開口した溜部1
6が設けられている。
【0020】中央部13aと側縁部13bの間には、溶
融ガラスの広がりを制御するためのガイド壁17,17
が設けられ、このガイド壁17,17によって溶融ガラ
スは側縁部13bを通らないようにされている。
【0021】使用される耐火性の本体9の材質は、白金
板を腐蝕しない各種耐火レンガ、セラミックス等であ
り、さらにモリブデンやタングステン等の金属をアルミ
ナ質のもので被覆したものでも良い。
【0022】被覆15の厚さは、中央部13aの被覆1
5を端面12及び側縁部13bの被覆15より厚くし
た。本実施例においては溶融ガラスが流下する中央部1
3aの被覆15の厚さを0.75mm(好ましい範囲は
0.6〜1.5mmである。)、側縁部13b及び端面
12の被覆15の厚さを0.5mmとした。
【0023】このように、中央部13aの被覆15を端
面12及び側縁部13bの被覆よりも厚くした理由は、
溶融ガラスと接する中央部13aの被覆15を相対的に
厚くすることにより、中央部13aの被覆15の相対的
な強度を増して局部的な被服板の変形を押えることにあ
る。すなわち、耐火性の本体9と被覆板15との熱膨張
の差によって生じる変形を、成形体5の端面12及び側
縁部13bの相対的に被覆15の薄い部分を変形しやす
くして、熱膨張の差によって生じる変形を成形体5の端
面12及び側縁部13bに集中させて溶融ガラスと接す
る部分の変形を防止し、表面形状精度の良いガラス板を
得ることにある。なお、耐火物、たとえば高アルミナ質
電鋳レンガと白金板の20〜1000℃における平均線
膨張係数は、それぞれ4〜8×10-6/℃、10.2×
10-6/℃であり、伸びにかなりの差がある。
【0024】上記においては中央部13aの被覆15を
端面12及び側縁部13bの被覆より厚くした場合につ
いて説明したが、被覆15の厚さはこれに限らず、中央
部13aの被覆15を端面12の被覆より厚くし、かつ
側縁部13bの被覆15を中央部13aと同じ厚さにし
ても同様な効果を得ることができる。たとえば中央部1
3a及び側縁部13bの被覆の厚さを1.3mm、端面
12の被覆の厚さを1.0mmとすることができる。あ
るいはまた、中央部13aの被覆15を端面12の被覆
と同じ厚さにし、かつ中央部13aの被覆15を側縁部
13bの被覆より厚くしても同様な効果を得ることがで
きる。たとえば中央部13a及び端面12を1.3m
m、側縁部13bを1.0mmとする。
【0025】この場合、中央部13aの被覆15の厚さ
と他の被覆を薄くした部分の被覆の厚さの差を被覆15
を薄くした部分の被覆の厚さの20%未満としたとき、
上述したような効果があまり得られず、溶融ガラスと接
する中央部13aにも被覆白金板15の変形が認められ
た。したがって、中央部13aの被覆は、被覆15を薄
くした部分の被覆よりも20%以上厚くするのが好まし
い。
【0026】図2aにおいて、18は成形体5の端面1
2に付設された吸引口であり、図示しない真空ポンプに
接続されている。ガラス板の製造中、この吸引口18が
被覆15を成形体5の本体9側へ負圧により吸引する。
このため成形体5の本体9と被覆15とが密着状態に維
持され、被覆白金板15の変形が防止される。本実施例
では、吸引口18からゲージ圧にて5×10-4Torr
で真空引きした。
【0027】このように吸引手段により真空引きする
と、真空度の変化を検出することにより、被覆白金板1
5に亀裂や穴があく等の事故を検知することが可能とな
る。
【0028】成形体5の中央部13aの上を流れるガラ
スは、表面張力によって幅方向中央部に向って収縮す
る。本発明者等は、このときの収縮量の大小が、ガラス
の粘度に加えて、成形体5の下端部11の表裏面がなす
角度αによっても左右されることを見いだした。すなわ
ちこの角度αが大きくなればなるほど、成形体5の下端
部11の面上を流れる溶融ガラスに作用する下方への重
力が大きくなっていく。そしてこの角度αが40度を超
えると、溶融ガラスに作用する重力が、成形体5の表面
上での溶融ガラスの界面張力に打ち勝ち、溶融ガラスは
成形体5の表面上から離間しやすくなる。その結果、溶
融ガラスは次第に粘度の大きなガラス流の縁の方から離
間して、得られるガラス板7の幅が狭くなる。たとえ
ば、角度αが50度の場合、30度の場合に対してガラ
ス板7の板幅が5%狭くなった。
【0029】一方、角度αが20度未満の場合では、成
形体5を製造する際、本体9の下端部11が鋭角すぎて
加工の際欠けやすい。また、溶融ガラスを成形体5の頂
部10へ供給する関係上、頂部10はそれなりの厚みが
必要なので、角度αをあまり小さくすると成形体5の縦
方向の長さが必要以上に大きくなり、面上を流下するガ
ラスの冷却が過度に進み融着し難くなる。さらに、成形
体5の表面積がその分増すため、被覆する白金板の使用
量も増え、コスト的に好ましくない。このため、好まし
い角度は20度〜40度である。本実施例では、下端部
11の角度αは30度とした。成形体5のサイズは全幅
800mm、ガイド壁17,17間の距離を600m
m、高さを190mmとした。
【0030】次に、以上述べた成形体5を用いたガラス
板製造装置により、ガラス板を製造した結果を説明す
る。ほぼ950℃のSiO2 ,B23 を主成分とする
硼珪酸塩系の溶融ガラスを図示しない供給管から成形体
5の頂部10の溜部16へ連続的に供給する。供給され
た溶融ガラスは、上方に向けてスリット状に開口した成
形体5の頂部10から溢出し、中央部13aの表裏面に
向って分流した後、水平方向に広がり、左右のガイド壁
17,17によって規制されながら一様な厚さで中央部
13aに接して流下し、成形体5の下端部11で合流す
る。このとき溶融ガラスの温度は約900℃に降下して
いて、ガラス板7となり、ローラ8によって下方に引き
抜かれ、40m/hrの速度で幅550mm、厚さ1.
1mmのガラス板が製造された。
【0031】ガラス板7の成形中真空引きを続けたこと
及び中央部13aの被覆15の厚みを端面12の被覆よ
りも相対的に厚くしたことによって、中央部13aの被
覆15は長期に渡って変形が防止され、形状精度の優れ
たガラス板が得られた。
【0032】また、成形体5の下端部11の角度を30
度としたことにより、ガイド壁17,17間の幅600
mmに対して収縮量の小さい550mm幅のガラス板が
得られた。
【0033】さらに、得られたガラス板は、ガラス板の
中央部300mm幅で厚さ1.1mm±10μ、中央部
300mmスパンでの反り(両端を結んだ直線から、そ
の直角方向へのガラス面までの最大距離を、両端間の長
さで割った値)は0.1%以下、表面の凹凸が0.1μ
以下であり、形状精度が極めて高く、研磨をする必要の
ない品質レベルであった。
【0034】図3は本発明によるガラス板製造用成形体
の他の実施例の縦断面図を示す。本実施例は、成形体5
の下端部11を白金または白金合金材で形成された中実
体19とした以外は前述の実施例と同じである。この中
実体19は成形体5の全幅に渡る棒状のもので、断面が
図示のように三角形である。本実施例においてはこの三
角形の断面の高さは25mmとした。
【0035】成形体5の頂部10から成形体の中央部1
3aの表裏面に沿って流下する溶融ガラスは、成形体5
の下端部にて融着してガラス板7が形成されるが、この
成形体5の側縁部13bは融着ガラスと接せず、かつガ
ラス板7に沿って下方から上昇してくる冷風によって熱
が奪われるため、中央部13aより温度が低い。したが
って、成形体5の側縁部13b近くを流下する溶融ガラ
スは中央部を流下する溶融ガラスよりも成形体5に熱を
奪われて温度が低く、その部分すなわち溶融ガラスの幅
方向端部近傍は融着しがたくなっているが、本実施例で
は成形体5の下端部11をその下端から上方に少なくと
も5mmの高さの熱伝導性の良い白金材で形成した中実
体(インゴット)19とすることによって、中実体19
部分は中央部13aの熱が側方に十分供給されて幅方向
に均一な温度に保持される。このため、流下する溶融ガ
ラスは幅方向全体に渡って融着し、温度分布がよいた
め、成形されるガラス板7の肉厚分布も変動幅が極めて
小さく、かつ表面形状精度も改善された。なお、成形体
5の下端部11の中実体19の高さを5mm未満とした
場合、中央部13aからの熱の供給量及び温度の均一化
の効果が小さかったので5mm以上とするのが好まし
い。
【0036】なお、ガラス板7の成形量が少なく溶融ガ
ラスが保有する熱量が不十分なため成形体5の下端部1
1での融着が完全でないときは、中実体19の両端に電
力の入出力端子を接続し、通電することによって発生す
るジュール熱を利用することもできる。
【0037】本実施例では中実体19に通電しなかった
が、下端部11で合流した溶融ガラスは、その全幅に渡
って完全に融着して幅広のガラス板7を得ることがで
き、かつガラス板7の形状精度も前述の実施例と同様に
極めて精度の高いものであった。
【0038】以上主に図面に示した実施例に基づいて本
発明を説明したが、本発明はこれらの実施例には限定さ
れず、特許請求の範囲に記載した範囲内において種々変
形可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明のガラス板製造用成形体によれ
ば、成形体の耐火性の本体を白金または白金合金板で被
覆し、溶融ガラスが分流して流下する中央部の被覆の厚
さを、中央部の被覆を端面及び側縁部の被覆より厚くす
るか、中央部の被覆を端面の被覆より厚くし、かつ側縁
部の被覆を中央部と同じ厚さにするか、あるいは中央部
の被覆を端面の被覆と同じ厚さにし、かつ中央部の被覆
を側縁部の被覆より厚くしたことにより、溶融ガラスと
接する中央部分の被覆の変形を防止することができ、そ
の結果、表面形状精度の高いガラス板を得ることができ
た。
【0040】また、本発明のガラス板製造用成形体によ
れば、成形体の下端部をその下端部の被覆の垂直方向の
厚さよりも大きい高さの白金または白金合金材で形成し
た中実体とすることにより、成形体の下端部で合流した
ガラスをガラス板の全幅に渡って融着させることがで
き、幅広のガラス板を得ることができた。
【0041】さらに、本発明のガラス板製造用成形体に
よれば、成形体を真空引きするための吸引手段を成形体
に設けたことにより、被覆板の変形をさらに防止するこ
とができるので表面形状精度の高いガラス板を得ること
ができたことに加え、被覆板に亀裂等が生じた場合に真
空圧力の変化によりそのような事態を検知することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガラス板製造用成形体の一実施例
を用いたガラス板の製造装置の縦断面図を概略的に示す
図である。
【図2】本発明によるガラス板製造用成形体を示す図で
あり、図2aは成形体の正面図、図2bは図2aのA−
A’端面図である。
【図3】本発明によるガラス板製造用成形体の他の実施
例の縦断面図である。
【符号の説明】
1 炉壁 2 隔壁 3 成形室 4 ローラ室 5 成形体 6 抵抗発熱体 7 ガラス板 8 ローラ 9 本体 10 頂部 11 下端部 12 端面 13 表裏面 13a 中央部 13b 側縁部 15 被覆 16 溜部 17 ガイド壁 18 吸引口 19 中実体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 苅谷 浩幸 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホ ーヤ株式会社内 (72)発明者 内田 一弥 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホ ーヤ株式会社内 (72)発明者 遠藤 栄昭 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホ ーヤ株式会社内 (72)発明者 星野 和彦 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11 号 日本板硝子株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−174332(JP,A) 特開 昭63−151633(JP,A) 特開 昭60−11235(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融ガラスが供給される頂部と、前記溶融
    ガラスが合流してガラス板となる下端部と、前記頂部か
    らの溶融ガラスが分流して前記下端部の方向へ流下する
    中央部と該中央部に隣接する2つの側縁部とから成り前
    記下端部において近接した幅広の表裏面と、前記表裏面
    に隣接する2つの端面とを有する耐火性の本体と、 前記本体の全表面を覆う白金または白金合金板の被覆
    と、を備え、 前記中央部、側縁部及び端面のそれぞれの部分の被覆の
    厚さを次のうちのいずれかとしたことを特徴とするガラ
    ス板製造用成形体。 (a)中央部の被覆を端面及び側縁部の被覆より厚くす
    る。 (b)中央部の被覆を端面の被覆より厚くし、かつ側縁
    部の被覆を中央部と同じ厚さにする。 (c)中央部の被覆を端面の被覆と同じ厚さにし、かつ
    中央部の被覆を側縁部の被覆より厚くする。
  2. 【請求項2】溶融ガラスが供給される頂部と、前記溶融
    ガラスが合流してガラス板となる下端部と、前記頂部か
    らの溶融ガラスが分流して前記下端部の方向へ流下する
    中央部と該中央部に隣接する2つの側縁部とから成り前
    記下端部において近接した幅広の表裏面と、前記表裏面
    に隣接する2つの端面とを有する耐火性の本体と、 前記本体の全表面を覆う白金または白金合金板の被覆
    と、を備えるガラス板製造用成形体であって、 前記下端部において前記成形体の幅方向に亘って形成さ
    れ、該下端部における前記被覆の垂直方向の厚さより大
    きい高さの白金または白金合金材の中実体と、を備える
    ことを特徴とするガラス板製造用成形体。
  3. 【請求項3】溶融ガラスが供給される頂部と、前記溶融
    ガラスが合流してガラス板となる下端部と、前記頂部か
    らの溶融ガラスが分流して前記下端部の方向へ流下する
    中央部と該中央部に隣接する2つの側縁部とから成り前
    記下端部において近接した幅広の表裏面と、前記表裏面
    に隣接する2つの端面とを有する耐火性の本体と、 前記本体の全表面を覆う白金または白金合金板の被覆
    と、 前記被覆と前記本体との間を負圧により吸引する吸引手
    段と、を備えることを特徴とするガラス板製造用成形
    体。
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