JP2601420B2 - 表面板に象眼模様を設けているドアの製造方法 - Google Patents

表面板に象眼模様を設けているドアの製造方法

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JP2601420B2
JP2601420B2 JP34035494A JP34035494A JP2601420B2 JP 2601420 B2 JP2601420 B2 JP 2601420B2 JP 34035494 A JP34035494 A JP 34035494A JP 34035494 A JP34035494 A JP 34035494A JP 2601420 B2 JP2601420 B2 JP 2601420B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面板に象眼模様を設け
ているドアの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表面板1に象眼模様を設けている従来の
ドアの断面形状を図1に示す。この図は表面板1の断面
図である。この構造のドアは下記の工程で製造される。
図2に示すように、表面板1をプレス成形して凹部2を
形成する。この図の表面板1は、外周に沿って平行な溝
を凹部2としている。表面板1とは別の金属板を、レー
ザー加工等の方法で切断して装飾材3とする。装飾材3
は溝形の凹部2にはめ込んで固定する外形に切断されて
いる。装飾材3は接着剤を介して凹部2に固定され、あ
るいは表面板1を貫通する固定部材を介して表面板1に
固定される。装飾材3を固定して綺麗になった表面板1
を、枠材に固定してドアを製作する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図1に示す構造の表面
板1を製造する方法は、表面板1とは異なる金属の装飾
材3を固定して、表面を美しく装飾できる特長がある。
しかしながら、前述の方法で製造されるドアは、表面板
1をプレス成形して凹部2を加工するときに、歪が発生
しやすい欠点がある。それは、平面状の表面板1の一部
を絞って凹部2を成形するからである。歪んで平面度の
悪くなった表面板1は、枠材に固定すると波型になって
ドアの品質を著しく低下させる。さらに、困ったこと
に、平面度の低下した表面板1は、その後に平面状にプ
レスしても平面状に修正できない。表面板1の波型の歪
は、凹部2の形状によって変化する。表面板1の局部に
集中して凹部2を設けると、とくに表面板1の平面度が
悪くなやすい欠点がある。このため、表面板1に自由に
装飾模様を設けて、美しいドアを能率よく製造するのが
難しい欠点がある。平面度の低下した表面板1は、内部
に平面状の芯材を充填し、この芯材の表面に密着させて
平面度を修正できる。ただ、この状態で製造されたドア
は、平面状でない表面板1を、無理に修正して芯材に接
着しているので、月日が経過して表面板1が芯材から剥
離されると、表面板1が波形にもどってしまう欠点があ
る。ドアの芯材は、軽くするために充分な強度のものを
使用することが難しく、したがって、表面板1と芯材と
の接着面積が狭くなり、長期間にわたって表面板1を芯
材に強固に接着することが難しい。とくに、ドアは開閉
するときに強い衝撃を受けるので、表面板1が芯材から
外れやすい性質がある。
【0004】さらに、表面板1に凹部2を設け、この凹
部2に正確に合う外形に装飾材3を加工する必要がある
ので、凹部2と装飾材3の加工に高い精度が要求され
る。加工精度が悪いと、装飾材3を凹部2にはめ込むこ
とができなくなったり、凹部2と装飾材3との間に隙間
ができて、綺麗に仕上げられなかったり、装飾材3が変
形してしまう弊害が発生する。このため、高品質なドア
を製造するためには、表面板1のプレス成形と装飾材3
の加工コストが高くなってしまう。また、精度が低下す
ると、製品の歩留が低下する欠点がある。
【0005】さらにまた、図1に示す構造の象眼模様の
表面板1は、装飾材3を表面板1に外れないように固定
するのが難しい。とくに、ドアは閉じるときに衝撃を受
けるので、振動で装飾材3が外れやすい欠点がある。装
飾材3は接着して表面板1に固定され、あるいは背面に
固定部材を設け、これを表面板1に貫通させて固定され
る。固定部材(図示せず)で表面板1を固定する構造
は、接着に比較して確実に装飾材3を固定できるが、装
飾材3の背面に固定部材を連結するために、装飾材3の
形状に制約を受ける。たとえば、装飾材3が非常に幅の
狭い線状であると、固定部材を連結するのが難しい。固
定部材が装飾材よりも太くなるからである。
【0006】模様が変わると金型等がその都度必要とな
るので、コストアップとなる。また、装飾材をフラット
な面に張り付ける等での処理は、浮き等が生じる場合も
ある。
【0007】さらにまた、表面板1をプレス成形して装
飾材3をはめ込む方法は、図1に示すように、凹部2と
装飾材3の境界に狭い隙間ができるのを皆無にできな
い。それは、表面板1をプレス成形して凹部2を設ける
ときに、凹部2の開口部の隅部が湾曲するからである。
装飾材3の境界にできる隙間は、次第に塵等が付着して
汚れやすい欠点がある。さらに困ったことに、装飾材3
の境界にできる隙間の汚れは、極めて狭い部分に塵が侵
入するので、綺麗に清掃するのが極めて難しい欠点があ
る。
【0008】本発明は、この欠点を解決することを目的
に開発されたもので、本発明の重要な目的は、表面板に
いかなる模様の象眼模様を施しても、表面板の平面度が
低下することがなく、高品質なドアを多量生産できる表
面板に象眼模様を設けているドアの製造方法を提供する
ことにある。
【0009】さらに本発明の他の重要な目的は、複雑な
象眼模様としても高い加工精度が要求されず、安価に綺
麗な象眼模様のドアを多量生産できる表面板に象眼模様
を設けているドアの製造方法を提供することにある。
【0010】さらにまた、本発明の他の重要な目的は、
象眼模様を表面板に強固に外れない状態で固定できると
共に、象眼模様の境界にできる隙間を極減して、この部
分の汚れと清掃を簡単にしていつも綺麗な表面状態にで
きる表面板に象眼模様を設けているドアの製造方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の表面板に象眼模
様を設けているドアの製造方法は、前述の目的を達成す
るために下記の構成を備える。本発明の請求項1の表面
板に象眼模様を設けているドアの製造方法は、下記の工
程でドアを製造する。 表面板1の表面に表面処理膜4を設けて表面処理す
る工程。 表面板1に脱着自在に付着される象眼処理シート5
に模様切り欠きを設ける工程。模様切り欠き5Aは、表
面板1に設ける象眼模様と同じ形状をしている。 象眼処理シート5を表面板1に貼着する工程。と
の工程を逆にして、象眼処理シート5を表面板1に付
着した後に、象眼処理シート5に模様切り欠き5Aを設
けることもできる。 象眼処理シート5を付着している表面板1の模様切
り欠き5Aに向かって研磨粒を噴射し、模様切り欠き5
A部分の表面処理膜4を除去して表面板1の表面を凹凸
加工する工程。 表面板1の凹凸加工面に向かって装飾材3の溶融加
熱粒を噴射し、象眼処理シート5の模様切り欠き5A部
に装飾材3を付着させる溶射工程。 溶射工程の後、表面板1から象眼処理シート5を剥
離する工程。
【0012】さらに、本発明の請求項2の表面板に象眼
模様を設けているドアの製造方法は、下記の工程でドア
を製造する。 表面板1の表面に表面処理膜4を設けて表面処理す
る工程。 表面板1に脱着自在に付着される象眼処理シート5
に模様切り欠きを設ける工程。模様切り欠き5Aは、表
面板1に設ける象眼模様と同じ形状とする。 象眼処理シート5を表面板1に貼着する工程。と
の工程を逆にして、象眼処理シート5を表面板1に付
着した後に、象眼処理シート5に模様切り欠き5Aを設
けることもできる。 象眼処理シート5を付着している表面板1の模様切
り欠き5Aに向かって凹凸塗料を塗布し、模様切り欠き
5A部分の表面処理膜4の表面を凹凸塗料で凹凸加工す
る工程。 表面板1の凹凸加工面に向かって装飾材3の溶融加
熱粒を噴射し、象眼処理シート5の模様切り欠き5A部
に装飾材3を付着させる溶射工程。 溶射工程の後、表面板1から象眼処理シート5を剥
離する工程。
【0013】さらにまた、本発明の請求項3に記載され
る表面板に象眼模様を設けているドアの製造方法は、下
記の工程でドアを製造する。 表面板1に脱着自在に付着される象眼処理シート5
に模様切り欠きを設ける工程。 象眼処理シート5を表面板1に貼着する工程。と
の工程を逆にして、象眼処理シート5を表面板1に付
着した後に、象眼処理シート5に模様切り欠き5Aを設
けることもできる。 象眼処理シート5の模様切り欠き5Aに向かって凹
凸塗料を塗装し、模様切り欠き5A部分を凹凸塗料で凹
凸加工する工程。 凹凸加工面に向かって装飾材3の溶融加熱粒を噴射
し、象眼処理シート5の模様切り欠き5A部に装飾材3
を付着させる溶射工程。 溶射工程の後、表面板1から象眼処理シート5を剥
離する工程。 装飾材3の付着された表面板1に表面処理膜4を設
ける工程。 装飾材3の上に塗布された表面処理膜4を研磨して
除去する工程。
【0014】さらに、本発明の請求項4に記載される表
面板に象眼模様を設けているドアの製造方法は、下記の
工程でドアを製造する。 表面板1に脱着自在に付着される象眼処理シート5
に模様切り欠きを設ける工程。 象眼処理シート5を表面板1に貼着する工程。と
の工程を逆にして、象眼処理シート5を表面板1に付
着した後に、象眼処理シート5に模様切り欠き5Aを設
けることもできる。 象眼処理シート5の模様切り欠き5Aに向かって研
磨粒を噴射し、研磨粒でもって模様切り欠き5A部分を
凹凸加工する工程。 凹凸加工面に向かって装飾材3の溶融加熱粒を噴射
し、象眼処理シート5の模様切り欠き5A部に装飾材3
を付着させる溶射工程。 溶射工程の後、表面板1から象眼処理シート5を剥
離する工程。 装飾材3の付着された表面板1に表面処理膜4を設
ける工程。 装飾材3の上に塗布された表面処理膜4を研磨して
除去する工程。
【0015】
【作用】本発明のドアの製造方法は、従来のように、正
確に切断した装飾用の金属板等の装飾材を凹部にはめ込
んで象眼模様とするのではない。本発明の表面板に象眼
模様を設けているドアの製造方法は、その好ましい実施
例の図3ないし図7に示すように、模様切り欠き5Aの
ある象眼処理シート5を表面板1に接着し、象眼処理シ
ート5の模様切り欠き5Aに研磨粒を噴射し、あるいは
凹凸塗料を塗布して表面板1を凹凸加工し、その後に金
属等の溶融加熱粒を噴射して模様切り欠き5Aに象眼模
様を付着する。このようにして、表面板に象眼模様を設
ける本発明の製造方法は、象眼模様の金属板等をはめ込
むために表面板をプレス加工する必要がなく、また、金
属板を凹部の形状に正確に合わせて切断する必要もな
く、さらに、切断した金属板を接着等の方法で固定する
必要もなく、種々の図柄の象眼模様を簡単かつ容易に、
しかも綺麗にして高級なドアを安価に多量生産できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想
を具体化するための表面板に象眼模様を設けているドア
の製造方法を例示するものであって、本発明はドアの製
造方法を下記のものに特定しない。
【0017】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、「作用の欄」、および
「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付
記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、
実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0018】[実施例1]本発明の表面板に象眼模様を
設けているドアの製造方法は、下記の工程でドアを製造
する。 図3に示すように、表面板1の表面に表面処理膜4
を設けて表面処理する工程 表面板1には、金属板や木製の板材が使用されるが、金
属板が最適である。表面板1は、表面に表面仕上シート
を接着し、あるいは塗装して表面処理される。表面仕上
げシートには、たとえば木目等の模様を印刷した塩化ビ
ニル等のプラスチックシート、木材を薄くスライスした
突板、表面に模様を印刷して紙等が使用される。表面処
理された表面板1は、さらにその表面を保護するため
に、剥離できるように保護シートを接着して保護するの
がよい。
【0019】 表面板1に脱着自在に付着される象眼
処理シート5を用意し、この象眼処理シート5に模様切
り欠き5Aを設ける工程 象眼処理シート5は、溶射工程に耐える耐熱性のシート
材、たとえば、プラスチックシートやゴムシートを使用
する。象眼処理シート5は、充分な強度を有するよう
に、たとえば厚さを0.3〜3mm、好ましくは0.4
〜2mm、さらに好ましくは0.5〜1.5mmとす
る。象眼処理シート5は、表面板1に設ける象眼模様と
同じ形状に模様切り欠き5Aを設ける。象眼処理シート
5は、カッターの移動軌跡をコンピュータで制御して所
定の模様の模様切り欠き5Aを切断し、あるいは所定の
形状の刃物で切断して模様切り欠き5Aを設ける。
【0020】 図4に示すように、象眼処理シート5
を表面板1に貼着する工程 模様切り欠き5Aを設けた象眼処理シート5を、剥離で
きるように表面板1に付着する。象眼処理シート5は、
粘着剤を使用して表面板1に剥離できるように付着する
ことができる。また、象眼処理シートを磁気シートとし
て、磁気的な吸着力で金属製の表面板に付着することも
できる。本発明のドアの製造方法は、好ましくは、模様
切り欠き5Aを設けた象眼処理シート5を表面板1に接
着する。この方法によると、多数枚の象眼処理シート5
を積層し、同時に切断して模様切り欠き5Aを設けるこ
とができる。このため、象眼処理シート5に模様切り欠
き5Aを設ける工程を能率よくできる特長がある。た
だ、本発明のドアの製造方法は、との工程を逆にし
て、象眼処理シート5を表面板1に付着した後に、象眼
処理シート5を切断して模様切り欠き5Aを設けること
もできる。
【0021】 図5に示すように、象眼処理シート5
を付着している表面板1の模様切り欠き5Aに向かって
研磨粒を噴射し、模様切り欠き5A部分の表面処理膜4
を除去すると共に、表面板1の表面を凹凸加工する工程 この工程は、象眼処理シート5に向かって砂等の研磨粒
を噴射するサンドブラスト工程である。サンドブラスト
される研磨粒は、最初に、模様切り欠き5Aを通過して
表面処理膜4を除去する。さらにサンドブラストする
と、研磨粒は表面板1の表面に衝突し、その衝撃で表面
板1の表面を凹凸状に加工する。表面板1の表面を凹凸
加工するのは、錨効果で凹凸面に溶融加熱粒を機械的に
確実に付着させるためである。凹凸面に溶射される溶融
加熱粒は、錨のように凹凸面に噛み付いて確実に付着さ
れる。サンドブラスト工程は、表面処理膜4を除去する
作用と、溶融加熱粒を確実に剥離しないように付着させ
る作用とを実現する。
【0022】 図6に示すように、表面板1の凹凸加
工面1Aに向かって装飾材3の溶融加熱粒を噴射し、象
眼処理シート5の模様切り欠き5A部に装飾材3を付着
させる溶射工程 溶融加熱粒には、シンチュウ、ステンレス、銅、アルミ
ニウム、亜鉛、クローム等の金属である。ただ、本発明
の製造方法は、溶射される溶融加熱粒を金属に特定しな
い。溶融加熱粒に溶射できる全てのもの、たとえば、セ
ラミック等も使用できる。溶射される金属6は、図8に
示すように、アーク放電して溶融させる。溶融状態の金
属は噴射される加圧空気で微粒子の溶融加熱粒となり、
表面板1の模様切り欠き5Aに向かって飛翔して表面板
1の凹凸面に付着する。
【0023】 図7に示すように、溶射工程の後、表
面板1から象眼処理シート5を剥離する。表面板1から
象眼処理シート5を剥離すると、表面処理膜4を除去し
た部分に溶射された金属埋設されて象眼模様となる。そ
の後、表面板1の全面に、透明ないし半透明の塗料を塗
布し、あるいは透明シートを接着することもできる。
【0024】このようにして、象眼模様が施された表面
板1を枠材に固定してドアとする。表面板1を枠材に固
定してドアを組み立てた後、表面板に前記の〜の工
程の処理をして象眼模様を設けることもできる。
【0025】図6と図7に示す表面板1は、図9の拡大
断面図に示すように、表面処理膜4と同じ膜厚に象眼模
様の溶射層を形成している。ただ、本発明のドアの製造
方法は、図10に示すように、表面処理膜4よりも溶射
層を厚くし、溶射層の表面を鎖線で示す位置まで研磨し
て、象眼模様とすることもできる。研磨した溶射層は、
表面が金属の平滑面となって綺麗な鏡面に仕上げること
ができる。
【0026】[実施例2]象眼処理シートの模様切り欠
きに研磨粒を噴射して凹凸加工するのにかわって、凹凸
塗料を塗布する以外、実施例1と同様にして表面板に象
眼模様を設けているドアを製造する。凹凸塗料は、表面
板に塗布されて乾燥した状態で表面に凹凸ができる塗料
で、たとえば、バインダーに粒体を混入したもの、ある
いは、乾燥すると収縮して表面に紫波状の凹凸ができる
ものが使用される。凹凸塗料にはたとえば、大日本塗料
株式会社が低温溶射用塗布型粗面形成剤として製造して
いる『ブラスノン』が使用できる。
【0027】凹凸塗料を使用する方法は、図11に示す
ように下記の工程でドアの表面板を象眼模様とする。 表面板1の表面に表面処理膜4を設けて表面処理す
る工程、象眼処理シート5に模様切り欠き5Aを設ける
工程、象眼処理シート5を表面板1に貼着する工程、模
様切り欠き5Aを設けた象眼処理シート5を、剥離でき
るように表面板1に付着する工程は、実施例1と同じ。
【0028】 象眼処理シート5を付着している表面
板1の模様切り欠き5Aに向かって凹凸塗料7を塗布
し、模様切り欠き5Aの表面板1の表面を凹凸加工する
工程
【0029】 その後、表面板1の凹凸加工面1Aに
向かって装飾材3の溶融加熱粒を噴射し、象眼処理シー
ト5の模様切り欠き5A部に装飾材3を付着させる溶射
工程この工程は実施例1と同じ。
【0030】 溶射工程の後、表面板1から象眼処理
シート5を剥離する。表面板1から象眼処理シート5を
剥離すると、表面処理膜4を除去した部分に溶射された
金属埋設されて象眼模様となる。その後、表面板1の全
面に、透明ないし半透明の塗料を塗布し、あるいは透明
シートを接着することもできる。
【0031】[実施例3]この実施例は、表面板の表面
に、表面処理膜よりも先に装飾材を設ける方法である。
この方法は図12に示すようにして、下記の工程で表面
板を処理してドアを製造する。
【0032】 表面板1に脱着自在に付着される象眼
処理シート5を用意し、この象眼処理シート5に模様切
り欠き5Aを設ける工程 象眼処理シート5を表面板1に貼着する工程 との工程は実施例1と同じ。
【0033】 図12に示すように、象眼処理シート
5を付着している表面板1の模様切り欠き5Aに向かっ
て凹凸塗料7を塗布し、あるいは図示しないが模様切り
欠きに向かって研磨粒を噴射し、模様切り欠き5A部分
を凹凸加工する工程 凹凸塗料7を塗布する方法は、付着される凹凸塗料7で
表面板の表面を凹凸にする。研磨粒を噴射する方法は、
象眼処理シート5の模様切り欠きに向かって砂等の研磨
粒を噴射するサンドブラストである。サンドブラストさ
れる研磨粒は、表面板1の表面に衝突し、その衝撃で表
面板1の表面を凹凸状に加工する。
【0034】 表面板1の凹凸加工面1Aに向かって
装飾材3の溶融加熱粒を噴射し、象眼処理シート5の模
様切り欠き5A部に装飾材3を付着させる溶射工程この
工程も実施例1と同じである。 溶射工程の後、表面板1から象眼処理シート5を剥
離する。象眼処理シート5を剥離すると、模様切り欠き
部分に溶射された金属が装飾材となって付着される。
【0035】 その後、装飾材を含む表面板1の全面
に、顔料を混合している塗料を塗布して表面処理膜を形
成する。表面処理膜は、表面板の表面を綺麗に表面塗装
すると共に、装飾材の表面にも塗布される。
【0036】 平面研磨して、装飾材の上に塗布され
た表面処理膜を除去して削り出しする工程 装飾材の上に塗布された表面処理膜が除去されると、装
飾材が表出して、表面処理膜の一部に装飾材を埋設する
状態の象眼模様となる。さらに、必要ならば、表面処理
膜と装飾材の表面全体に、透明ないし半透明の塗料を塗
布し、あるいは透明シートを接着して表面をさらに美し
く表面処理する。
【0037】
【発明の効果】本発明のドアの製造方法は下記の優れた
特長がある。 表面板に複雑で美しい象眼模様を設けて、表面板の
反りを極減できる。それは、本発明のドアの製造方法
が、象眼模様を設けるために、従来のように表面板をプ
レス成形して凹部を設ける必要がないからである。美し
い象眼模様として反りのない表面板のドアは、極めて高
品質なものである。
【0038】 高い加工精度が要求されず、高級なド
アを安価に多量生産できる。それは、本発明のドアの製
造方法が、従来のように表面板を、専用に設計された高
価な金型を使用してプレス成形する必要がなく、また、
この凹部に合わせて正確に金属板を切断する必要がない
からである。本発明の製造方法は、象眼処理シートに模
様切り欠きを設け、この模様切り欠きにサンドブラスト
や凹凸塗料で凹凸処理して、溶融加熱粒を溶射すること
により、複雑で美しい象眼模様のドアを製造できるから
である。とくに、模様切り欠きと同じ形状に象眼模様を
設けることができるので、象眼模様の図柄や形状に制限
がなく、複雑で美しい象眼模様にできる特長がある。
【0039】 象眼模様を強固に表面板に固定して外
れないようにできる特長がある。それは、本発明のドア
の製造方法が、象眼処理シートの模様切り欠きにサンド
ブラストや凹凸塗料で表面板に凹凸を設け、この凹凸面
に溶融加熱粒を溶射して付着させるからである。とく
に、本発明の方法で製造されたドアは、象眼模様の全面
を表面板に強固に接着できる特長がある。このため、複
雑な象眼模様、とくに、細い線状の模様等としても象眼
模様を外れないように表面板に固定片できる特長があ
る。象眼模様を強固に固定できるドアは、開閉時の衝撃
によっても象眼模様が外れるのを効果的に防止できる特
長がある。
【0040】 象眼模様と周囲の表面処理膜との間に
隙間ができず、象眼模様と表面処理膜の境界を密着でき
る。それは、本発明のドアの製造方法が、表面処理膜の
一部を除去して除去部に溶射して装飾材を設け、あるい
は、装飾材の上に表面処理膜を設けて、装飾材を削り出
しして表出させて象眼模様とするからである。象眼模様
と表面処理膜との境界に隙間のない本発明の方法で製造
されたドアは、隙間に塵が溜って汚れることがなく、長
期間にわたって美しく使用できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の方法で製造されたドアの表面板の断面
【図2】 図1に示す構造の表面板の製造工程を示す斜
視図
【図3】 本発明の方法でドアを製造する工程を示す一
部断面斜視図
【図4】 本発明の方法でドアを製造する工程を示す一
部断面斜視図
【図5】 本発明の方法でドアを製造する工程を示す一
部断面斜視図
【図6】 本発明の方法でドアを製造する工程を示す一
部断面斜視図
【図7】 本発明の方法でドアを製造する工程を示す一
部断面斜視図
【図8】 本発明の方法に使用する溶射装着の概略断面
【図9】 本発明の方法で製造された表面板の要部拡大
断面図
【図10】 本発明の方法で製造された表面板の要部拡
大断面図
【図11】 本発明の他の方法でドアの表面板に象眼模
様を設ける状態を示す断面図
【図12】 さらに本発明の他の方法でドアの表面板に
象眼模様を設ける状態を示す断面図
【符号の説明】
1…表面板 2…凹部 3…装飾材 4…表面処理膜 5…象眼処理シート 5A…模様切り欠き 6…溶射される金属 7…凹凸塗料

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面板(1)の表面に表面処理膜(4)を設け
    て表面処理する工程と、この表面板(1)に脱着自在に付
    着される象眼処理シート(5)に模様切り欠きを設ける工
    程と、象眼処理シート(5)を表面板(1)に貼着する工程
    と、象眼処理シート(5)が付着された表面板(1)の模様切
    り欠き(5A)に向かって研磨粒を噴射し、模様切り欠き(5
    A)部分の表面処理膜(4)を除去して表面板(1)の表面を凹
    凸加工する工程と、表面板(1)の凹凸加工面に向かって
    装飾材(3)の溶融加熱粒を噴射し、象眼処理シート(5)の
    模様切り欠き(5A)部に装飾材(3)を付着させる溶射工程
    と、溶射工程の後、表面板(1)から象眼処理シート(5)を
    剥離する工程とからなる表面板に象眼模様を設けている
    ドアの製造方法。
  2. 【請求項2】 表面板(1)の表面に表面処理膜(4)を設け
    て表面処理する工程と、この表面板(1)に脱着自在に付
    着される象眼処理シート(5)に模様切り欠きを設ける工
    程と、象眼処理シート(5)を表面板(1)に貼着する工程
    と、象眼処理シート(5)が付着された表面板(1)の模様切
    り欠き(5A)に向かって凹凸塗料を塗布して、模様切り欠
    き(5A)部分の表面処理膜(4)の表面を凹凸加工する工程
    と、表面板(1)の凹凸加工面に向かって装飾材(3)の溶融
    加熱粒を噴射し、象眼処理シート(5)の模様切り欠き(5
    A)部に装飾材(3)を付着させる溶射工程と、溶射工程の
    後、表面板(1)から象眼処理シート(5)を剥離する工程と
    からなる表面板に象眼模様を設けているドアの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 表面板(1)に脱着自在に付着される象眼
    処理シート(5)に模様切り欠きを設ける工程と、象眼処
    理シート(5)を表面板(1)に貼着する工程と、象眼処理シ
    ート(5)の模様切り欠き(5A)に向かって凹凸塗料を塗装
    し、模様切り欠き(5A)部分を凹凸塗料で凹凸加工する工
    程と、凹凸加工面に向かって装飾材(3)の溶融加熱粒を
    噴射し、象眼処理シート(5)の模様切り欠き(5A)部に装
    飾材(3)を付着させる溶射工程と、溶射工程の後、表面
    板(1)から象眼処理シート(5)を剥離する工程と、装飾材
    (3)の付着された表面板(1)に表面処理膜(4)を設ける工
    程と、装飾材(3)の上に塗布された表面処理膜(4)を研磨
    して除去する工程とからなる表面板に象眼模様を設けて
    いるドアの製造方法。
  4. 【請求項4】 表面板(1)に脱着自在に付着される象眼
    処理シート(5)に模様切り欠きを設ける工程と、象眼処
    理シート(5)を表面板(1)に貼着する工程と、象眼処理シ
    ート(5)の模様切り欠き(5A)に向かって研磨粒を噴射
    し、研磨粒でもって模様切り欠き(5A)部分を凹凸加工す
    る工程と、凹凸加工面に向かって装飾材(3)の溶融加熱
    粒を噴射し、象眼処理シート(5)の模様切り欠き(5A)部
    に装飾材(3)を付着させる溶射工程と、溶射工程の後、
    表面板(1)から象眼処理シート(5)を剥離する工程と、装
    飾材(3)の付着された表面板(1)に表面処理膜(4)を設け
    る工程と、装飾材(3)の上に塗布された表面処理膜(4)を
    研磨して除去する工程とからなる表面板に象眼模様を設
    けているドアの製造方法。
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