JP2600897Y2 - トランスファ - Google Patents

トランスファ

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JP2600897Y2
JP2600897Y2 JP1992048388U JP4838892U JP2600897Y2 JP 2600897 Y2 JP2600897 Y2 JP 2600897Y2 JP 1992048388 U JP1992048388 U JP 1992048388U JP 4838892 U JP4838892 U JP 4838892U JP 2600897 Y2 JP2600897 Y2 JP 2600897Y2
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正夫 寺岡
智 相場
正 江田
隆志 伊沢
賢司 平石
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栃木富士産業株式会社
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  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、4輪駆動(4WD)
車のトランスファに関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭63−312236号公報に図5
のようなトランスファが記載されている。これはセンタ
ーデフ201(前輪側と後輪側にエンジンの駆動力を分
配するデファレンシャル装置と、その差動制限用のビ
スカスカップリング203とを備えている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】図6は差動制限機能を
備えたセンターデフのトルク配分特性図である。グラフ
205は比較のために描かれた作動制限機能を持たない
センターデフの特性であり、グラフ205と縦軸間のグ
ラフは前輪側が後輪側より回転する方向の差動回転が生
じたときの後輪側のトルク配分限界を示し、グラフ20
5と横軸間のグラフは後輪側が前輪側より先行する方向
の差動回転が生じたときの前輪側のトルク配分限界を示
す。破線207,209のグラフは差動回転方向により
差動制限力の異るセンターデフを、前輪側が先行回転し
たときに差動制限力が大きくなるように配置したときの
特性である。4WD車をこのような特性にしておくと、
例えばコーナリングに際しては、前輪の先行回転により
後輪に送られる大きなトルクによって前輪が押され前輪
の舵角による旋回性を高め、制動の際は後輪側の先行回
転によりセンーデフの差動制限力が小さくなってABS
(アンチロックブレーキシステム)との干渉を防止し、
加速時は後輪側への荷重移動と前輪の空転により加速性
が向上する。
【0004】ところが、従来のセンターデフ201は、
図6のグラフ211,213が示すように、差動回転の
方向によって差動制限力を変えることができないから、
上記のような走行性や安全性などに対する効果が得られ
ない。又、車輪速センサとコントローラなどを用いて差
動制限力に方向性を与えるセンターデフはあるが、これ
は構成が複雑で高価である。
【0005】そこで、この考案は、コントローラやセン
サーなどの補助手段を用いない簡素で安価な構成で車両
の旋回性、制動性、加速性などを高めるトランスファの
提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この考案のトランスファ
は、伝達トルクを受けて差動制限力を発生すると共に伝
達トルクの方向により差動制限力が異る差動制限手段を
有するデファレンシャル装置を前車軸と同軸上に配置
し、前記デファレンシャル装置をインターナルギヤ、サ
ンギヤ、これらに噛み合うピニオンギヤ及びこのピニオ
ンギヤを回転自在に支承するピニオンキャリヤにて構成
し、前記インターナルギヤを入力軸に前記ピニオンキャ
リヤを前記前車軸に前記サンギヤを後車軸に夫々連結
し、前記デファレンシャル装置の差動時には、前記差動
制限手段は、前記伝達トルクの大きさに応じて前記ピニ
オンギヤの回転軸支部に生ずる摩擦力により前記差動を
制限するように差動制限力を発揮すると共に、前輪側が
後輪側より先行回転するときに差動制限力が大きくなる
ようにしたことを特徴とする。
【0007】
【作用】差動制限力が差動回転方向によって異なるデフ
ァレンシャル装置を前車軸と同軸上に配置すると共に、
前輪側が後輪側より先行回転するときに差動制限力が大
きくなるように配置し、しかも、この差動制限力を、ピ
ニオンギヤの回転軸支部での摩擦力により生ずるように
したから、構成が簡素化されると共に車両の旋回性、制
動性、加速性などを高めることができる。又、コントロ
ーラやセンサーのような補助手段を用いないから構成が
簡素で安価である。
【0008】
【実施例】図1ないし図4により一実施例の説明をす
る。図1はこの実施例を示し、図4はこの実施例を用い
た車両の動力系を示す。左右の方向はこの車両及び図1
での左右の方向である。符号を与えない部材等は図示さ
れていない。
【0009】この動力系は、エンジン1、トランスミッ
ション3、実施例のトランスファ5、フロントデフ7
(前輪側のデファレンシャル装置)、前車軸9,11、
左右の前輪13,15、プロペラシャフト17、リヤデ
フ19(後輪側のデファレンシャル装置)、後車軸2
1,23、左右の後輪25,27などからなり、トラン
スファ5はセンターデフ29、後輪側の断続機構31、
方向変換歯車組33などにより構成されている。
【0010】エンジン1の駆動力はトランスミッション
3からセンターデフ29を介してフロントデフ7と、断
続機構31と方向変換歯車組33とプロペラシャフト1
7とを介してリヤデフ19に分配され、フロントデフ7
から左右の前輪13,15に分配され、リヤデフ19か
ら左右の後輪25,27に分配される。
【0011】センターデフ29は、図4に示すように、
前車軸9,11と同軸上に配置され、そのデフケース3
5はトランスファケース37内部に回転自在に支承され
ており、デフケース35に固定されたリングギヤ39と
トランスミッション3の出力ギヤ41との噛合いにより
エンジン1に回転駆動される。
【0012】図1と図2に示すように、デフケース35
の内部にはダブルピニオンのプラネタリーギヤ式差動機
構43が配置されていると共に、デフケース35には右
から外側と内側の中空軸45,47が貫入している。差
動機構43のインターナルギヤ49はデフケース35に
形成され、サンギヤ51は外側の中空軸45に形成され
ている。外側と内側のピニオンギヤ53,55はそれぞ
れの軸部57,57を左右のピニオンキャリヤ59,6
1に回転自在に支承されている。各ピニオンキャリヤ5
9,61は溶接で一体にされ、左のピニオンキャリヤ5
9は内側の中空軸47にスプライン連結されている。
【0013】外側の中空軸45はその右側に配置されベ
アリング63,65を介してトランスファケース37に
支承された中空軸67にスプライン連結されている。中
空軸67には大歯車69が形成されており、この大歯車
69は中空軸71に形成された小歯車73と噛合ってい
る。中空軸71は平行軸75にベアリング77を介して
支承されており、平行軸75はベアリング79,81を
介してトランスファケース37に支承されている。又、
この中空軸71は断続機構31のカップリングスリーブ
83により方向変換歯車組33に対して断続される。こ
うして、中空軸45は、後輪側に連結されている。
【0014】内側の中空軸47はベベルギヤ式フロント
デフ7のデフケース85にスプライン連結されている。
フロントデフ7はデフケース85の回転をピニオンシャ
フト87とピニオンギヤ89から左のサイドギヤ91と
右のサイドギヤ93とに分配し、更に左のサイドギヤ9
1にスプライン連結された左前車軸9と右のサイドギヤ
93にスプライン連結された右前車軸11とを介して左
右の前輪、13,15に分配する。こうして、中空軸4
7は前輪側に連結されている。
【0015】従って、センターデフ29のデフケース3
5(インターナルギヤ49)に入力したエンジン1の駆
動力はピニオンギヤ53,55からピニオンキャリヤ5
9(中空軸47)を介して前輪側とサンギヤ51(中空
軸45)を介して後輪側に分配され、前後輪間に駆動抵
抗差が生じるとピニオンギヤ53,55の自転と公転と
により前後各側に差動分配される。
【0016】各ピニオンギヤ53,55の軸部57とピ
ニオンキャリヤ59,61との回転部(即ち、ピニオン
ギヤの回転軸支部)には駆動トルクとその反力との合力
が作用しこの合力の大きさに応じた摩擦力により差動制
限力が生じる。こうして差動制限手段95が構成され、
差動機構43の差動力が制限される。
【0017】又、図2に示すように、インターナルギヤ
49が車両の前進時に例えば矢印97の方向に回転する
と、後輪25,27(サンギヤ51)側が空転し前輪1
3,15より先行回転したときにサンギヤ51に掛る空
転トルクをTSPとし、前輪13,15(ピニオンキャリ
ヤ59,61)側が空転し後輪25,27より先行回転
したときにサンギヤ51に掛るグリップトルクをTG
すると、後輪25,27の駆動抵抗によりTG はTSP
り大きくなる。
【0018】従って、後輪25,27がグリップ側にな
ると大きいグリップトルクTG によって差動制限手段9
5の差動制限力が大きくなり、このようなトルク分配特
性に方向性がない場合に較べて、後輪25,27のトル
ク分配割合が増加する。又、後輪25,27が空転側に
なると小さい空転トルクTSPによって差動制限手段95
の差動制限力が小さくなり、それだけ空転側へのトルク
が増えるから、この場合も後輪25,27へのトルク
割合が増加する。こうして、空転時とグリップ時とに
拘らずルク分配割合は後輪25,27側が大きく前輪
13,15側が小さくなる。
【0019】図3はこのようなことを示すトルク配分特
性図である。グラフ99は差動制限機能のない場合の特
性であり、グラフ101は前輪13,15が先行回転し
たときの特性であり、グラフ103は後輪25,27が
先行回転したときの特性である。このように、グラフ9
9に対するグラフ101とグラフ103の傾斜角α,β
が大きく異っており、特性に大きな方向性があることが
分る。なお、トルク配分割合はグラフ101が5であ
り、グラフ103が1.8である。
【0020】こうして、トランスファ5が構成されてい
る。
【0021】図4の車両において、コーナリングの際は
前輪13,15側の先行回転によりグラフ101側の特
性となって、後輪25,27に大きな駆動トルクが送ら
れる。この駆動トルクに押された前輪13,15の舵角
により生じるコーナ内側へのヨーモーメントにより車両
の旋回性が向上する。
【0022】又、制動は後輪ロックを避けるために後輪
25,27の回転数が前輪13,15の回転数より高く
なる状態で行われる。従って、この場合はグラフ103
側の特性になって差動制限手段95による前後輪間の拘
束力が小さくなり、ABSとの干渉が防止される。
【0023】又、フルスロットルで加速する時あるいは
登板の際は後輪25,27への荷重移動により前輪1
3,15が先行回転してグラフ101側の特性になり、
後輪25,27に送られる大トルクにより加速性や登板
性が大幅に向上する。
【0024】トランスファ5はそれ自体差動制限機能
方向性のあるセンターデフ29を前車軸9,11と同
軸上に配置すると共に、上記のように用いたことによ
り、コントローラやセンサーなどの補助手段を用いない
簡素で安価な構成により、車両の旋回性、制動性、加速
性、登坂性などを大幅に高めることができる。
【0025】
【0026】
【考案の効果】この考案のトランスファは、コントロー
ラやセンサーのような補助手段を用いずにそれ自体差動
制限機能に方向性のあるデファレンシャル装置を前車軸
と同軸上に配置すると共に、前輪が後輪より先行回転す
るときに差動制限力が大きくなる方向に配置したから、
簡素で安価な構成で車両の旋回性、制動性、加速性、登
坂性などを大幅に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の断面図である。
【図2】この実施例の作用を説明するための図面であ
る。
【図3】この実施例のトルク配分特性図である。
【図4】この実施例を用いた車両の動力系を示すスケル
トン構成図である。
【図5】従来例の図面である。
【図6】従来例の問題点を説明するためのトルク配分特
性図である。
【符号の説明】
5 トランスファ 29 センターデフ(デファレンシャル装置) 95 差動制限手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 伊沢 隆志 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士 産業株式会社内 (72)考案者 平石 賢司 栃木県栃木市大宮町2388番地 栃木富士 産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−57032(JP,A) 特開 昭61−205517(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 17/35 F16H 48/20

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝達トルクを受けて差動制限力を発生す
    ると共に伝達トルクの方向により差動制限力が異る差動
    制限手段を有するデファレンシャル装置を前車軸と同軸
    上に配置し、前記デファレンシャル装置をインターナル
    ギヤ、サンギヤ、これらに噛み合うピニオンギヤ及びこ
    のピニオンギヤを回転自在に支承するピニオンキャリヤ
    にて構成し、前記インターナルギヤを入力軸に前記ピニ
    オンキャリヤを前記前車軸に前記サンギヤを後車軸に夫
    々連結し、前記デファレンシャル装置の差動時には、前
    記差動制限手段は、前記伝達トルクの大きさに応じて前
    記ピニオンギヤの回転軸支部に生ずる摩擦力により前記
    差動を制限するように差動制限力を発揮すると共に、前
    輪側が後輪側より先行回転するときに差動制限力が大き
    くなるようにしたことを特徴とするトランスファ。
JP1992048388U 1992-07-10 1992-07-10 トランスファ Expired - Fee Related JP2600897Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE3507492A1 (de) * 1985-03-02 1986-09-04 Dr.Ing.H.C. F. Porsche Ag, 7000 Stuttgart Allradantrieb fuer ein kraftfahrzeug

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JPH068051U (ja) 1994-02-01

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