JP2600034Y2 - 光ディスクプレーヤのローディング機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】この考案は光ディスクプレー
ヤのローディング機構に係わり、特に、トレイローディ
ング動作からディスククランプ動作へスムーズに移行す
る光ディスクプレーヤのローディング機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ディスクプレーヤの従来のローディン
グ機構の例を図４に示す。図に示すディスクトレイ６は
筐体に出入自在に支持されており、光ディスクを乗せて
ターンテーブル８ａ上に移送する。ターンテーブル８ａ
はメカシャーシ８に支持されており、メカシャーシ８と
共に上昇して光ディスクをクランパとの間に挾持してプ
レイ状態とする。

【０００３】上記ディスクトレイ６とメカシャーシ８は
モータ１により駆動される。モータ１の回転軸に固着さ
れた駆動プーリ２とプーリ歯車４のプーリ部の間にベル
ト３が掛けられており、プーリ歯車４の歯車部は歯車５
の全歯歯車と噛合っている。歯車５は欠歯部５ａの設け
られた欠歯歯車と欠歯部５ｂの設けられた欠歯歯車を有
しており、夫々の欠歯歯車はディスクトレイ６のラック
６ａとスライド部材７のラック７ａと噛合い可能となっ
ている。

【０００４】スライド部材７はシャーシに摺動自在に支
持されており、それに設けられたカムがシャーシに回動
自在に支持されたメカシャーシ８のピン８ｂ，８ｂと係
合している。

【０００５】上記構成において、ディスクトレイ６が筐
体から突出した状態で光ディスクが載置された後、モー
タ１がローディング方向に回転すると、ディスクトレイ
６が筐体内に引込まれる。このとき、スライド部材７の
ラック７ａには歯車５の欠歯部５ｂが相対しており、ス
ライド部材７は停止し、メカシャーシ８は下降位置に保
たれている。

【０００６】ディスクトレイ６が引込まれると、ディス
クトレイ６のラック６ａと欠歯歯車の噛合いが外れ、ス
ライド部材７のラック７ａと欠歯歯車が噛合うようにな
る。すると、スライド部材７が移動して、メカシャーシ
８を上昇させる。メカシャーシ８の上昇に伴いターンテ
ーブル８ａが上昇して光ディスクをクランプする。

【０００７】光ディスクの排出はモータ１がローディン
グ方向と反対方向に回転することにより上記動作と逆方
向の動作により行われる。

【０００８】上記従来のローディング機構では、トレイ
ローディング動作からディスククランプ動作に切り換わ
るときに双方が停止している期間があり、動作に衝撃を
伴い不安定となるという欠点があった。

【０００９】上記問題を解決するために、遊星歯車をデ
ィスクトレイに設けた直線とアーク状に連らなるラック
と噛合わせ、メカシャーシを駆動するカムを遊星歯車を
支持する揺動アームで一体的に回転させるローディング
機構が提案されている。

【００１０】そして、そのローディング機構では、ディ
スクトレイのラックのアーク状部分のピッチ線が遊星歯
車のピッチ線の回動包絡線と一致する場合は、ディスク
トレイのラックのピッチ線は直線とそれに滑らかに連ら
なる円弧で形成され、遊星歯車がディスクトレイのラッ
クのアーク状部分と噛合うときメカシャーシが駆動さ
れ、遊星歯車がディスクトレイのラックの直線部分と噛
合うときディスクトレイが駆動される。

【００１１】

【考案が解決しようとする課題】上記遊星歯車を用いた
ローディング機構におけるディスクトレイのラックは形
状が複雑であり、製造が困難であるという問題があっ
た。

【００１２】この考案は上記した点に鑑みてなされたも
のであり、簡単な構成で動作の安定した光ディスクプレ
ーヤのローディング機構を提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】この考案の光ディスクプ
レーヤのローディング機構は、筐体に出入り自在に支持
されたディスクトレイに設けた出入り方向に延びるラッ
クと噛み合うギヤの回転によりディスクトレイを出入さ
せ、筐体に昇降自在に支持されたメカシャーシをスライ
ド部材の動きにより昇降させるディスクプレーヤのロー
ディング機構において、駆動太陽歯車、従動内歯車及び
キャリアを同軸に設け、前記キャリアに立設された軸に
回転自在に支持された遊星歯車を前記駆動太陽歯車と従
動内歯車の内歯と噛合わせ、前記従動内歯車に設けた外
歯と前記ディスクトレイに設けたラックとを噛合わせ、
前記キャリアと一体のキャリア歯車と前記スライド部材
に設けたラックとを噛み合わせ、前記スライド部材に立
設されたピンを前記ディスクトレイに設けたデイスクト
レイの移動方向に延びる部分と前記スライド部材の移動
方向に延びる部分とが連なるガイド溝と係合させてなる
ものである。

【００１４】さらに、この考案の光ディスクプレーヤの
ローディング機構は、筐体に出入り自在に支持されたデ
ィスクトレイに設けた出入り方向に延びるラックと噛み
合うギヤの回転によりディスクトレイを出入させ、筐体
に昇降自在に支持されたメカシャーシをスライド部材の
動きにより昇降させるディスクプレーヤのローディング
機構において、駆動太陽歯車、従動内歯車及びキャリア
を同軸に設け、前記キャリアに立設された軸に回転自在
に支持された遊星歯車を前記駆動太陽歯車と従動内歯車
の内歯と噛合わせ、前記従動内歯車に設けた外歯と前記
スライド部材に設けたラックとを噛合わせ、前記キャリ
アと一体のキャリア歯車と前記ディスクトレイに設けた
ラックとを噛み合わせ、前記スライド部材に立設された
ピンを前記ディスクトレイに設けたデイスクトレイの移
動方向に延びる部分と前記スライド部材の移動方向に延
びる部分とが連なるガイド溝と係合させてなるものであ
る。

【００１５】また、前記各光ディスクプレーヤのローデ
ィング機構において、前記ディスクトレイのガイド溝の
デイスクトレイの移動方向に延びる部分と前記スライド
部材の移動方向に延びる部分との連結部にディスクトレ
イの移動方向とスライド部材の移動方向とに対して傾斜
する部分を設けたものである。

【００１６】

【作用】この考案によれば、移動手段が駆動されること
により、筐体外に突出されたディスクトレイが、筐体内
に収納される。そして、係合部とディスクトレイとの相
対的な位置関係が変わり、切換手段が駆動手段の動力伝
達先を切替えることにより、メカシャーシが駆動され
る。

【００１７】なお、前記切換手段に速度変換機構を設け
た場合には、ディスクトレイのローディング速度が変化
される。

【００１８】

【実施例】この考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１はこの考案の実施例である光ディスクプレーヤ
のローディング機構を示す断面図、図２は同ローディン
グ機構の概略を示す平面図である。

【００１９】図に示す６はディスクトレイであり、筐体
に出入自在に支持されており、光ディスクを乗せてター
ンテーブル８ａ上に移送する。図２に示す矢印Ｂでディ
スクトレイ６の移動方向が示されている。

【００２０】ターンテーブル８ａはメカシャーシ８に支
持されている。メカシャーシ８は図示していない軸を介
してシャーシに回動自在に支持されそれに立設されたピ
ン８ｂ，８ｂにより昇降される。

【００２１】ターンテーブル８ａはメカシャーシ８と共
に上昇して光ディスクをターンテーブルの上方に配置さ
れたクランパとの間に挾持してプレイ状態とする。

【００２２】上記ディスクトレイ６とメカシャーシ８は
モータ１により駆動される。モータ１の回転軸に固着さ
れた駆動プーリ２とプーリ歯車４のプーリ４ａの間にベ
ルト３が掛けられており、プーリ歯車４の歯車４ｂは太
陽歯車９の大歯車９ａと噛合っている。

【００２３】太陽歯車９と同軸にキャリア１０と従動内
歯歯車１２が回転自在に支持されており、また、キャリ
ア１０に立設された軸１０ａ，１０ａに遊星歯車１１，
１１が回転自在に支持されている。

【００２４】遊星歯車１１，１１は太陽歯車９の小歯車
９ｂと従動内歯歯車１２の内歯１２ａとに噛合ってい
る。従動内歯歯車１２の外歯１２ｂはディスクトレイ６
のラック６ａと噛合い、キャリア１０に設けられたキャ
リア歯車１０ｂはスライド部材７のラック７ａと噛合っ
ている。

【００２５】スライド部材７はシャーシにディスクトレ
イ６の移動方向と直角方向（図に示す矢印Ａ方向）に移
動自在に支持され、それに設けられたカム７ｂ，７ｂは
メカシャーシ８に立設されたピン８ｂ，８ｂと係合して
いる。さらに、スライド部材７に立設されたピン７ｃは
ディスクトレイ６に設けられたガイド溝６ｂと係合して
いる。

【００２６】上記構成において、スライド部材７に立設
されたピン７ｃがディスクトレイ６のガイド溝６ｂの前
方左端に係合しているときにディスクトレイ６は筐体内
の最奥部に位置し、メカシャーシ８は最上昇位置にあり
光ディスクはメカシャーシ８に支持されたターンテーブ
ル８ａにクランプされている。すなわち、プレイ状態で
ある。

【００２７】この状態では、スライド部材７は移動可能
であるが、ディスクトレイ６は移動できない。従って、
従動内歯歯車１２の外歯１２ｂとディスクトレイ６のラ
ック６ａとの噛合により従動内歯歯車１２は回転でき
ず、駆動太陽歯車９がモータ１によりオープン方向に回
転駆動されると、遊星歯車１１，１１はキャリア１０と
共に公転する。このときキャリア歯車１０ｂとスライド
部材７のラック７ａとの噛合いによりスライド部材７が
送られメカシャーシ８が下降して、光ディスクのクラン
プが解除される。図２（ａ）にクランプ解除中の状態が
示されている。

【００２８】スライド部材７に立設されたピン７ｃがデ
ィスクトレイ６に設けられたガイド溝６ｂのディスクト
レイ移動方向に延びる部分に係合するようになると、ス
ライド部材７は停止し、従って、キャリア１０の回転も
停止する。遊星歯車１１，１１は公転を停止し、自転に
より太陽歯車９の回転を従動内歯歯車１２に伝えるよう
になる。

【００２９】従動内歯歯車１２の外歯１２ｂはディスク
トレイ６のラック６ａとの噛合いによりディスクトレイ
６をオープン方向に送る。図２（ｂ）にディスクトレイ
６の移動中の状態が示されている。

【００３０】ディスクトレイ６の移動終端はマイクロス
イッチにより検出されモータ１が停止して光ディスク排
出動作が終了する。

【００３１】ディスクトレイ６がオープンした状態から
プレイ状態とするときには、モータ１をクローズ方向に
回転させることにより上記と逆の動作が行われる。

【００３２】図３にこの考案の他の実施例を示す。この
実施例ではディスクトレイ６のガイド溝６ｂはディスク
トレイ６の移動方向に延びる部分とスライド部材７の移
動方向に延びる部分の連結部が双方の部分と傾斜するよ
うに構成されている。他の部分の構成は図１および図２
に示した実施例のものと同様である。

【００３３】このような構成とすることにより、スライ
ド部材７に立設されたピン７ｃがガイド溝のディスクト
レイ６の移動方向に延びる部分とスライド部材７の移動
方向に延びる部分の連結部と係合しているときには、ス
ライド部材７とディスクトレイ６とが減速されて動き、
移動開始および終了時の動きを衝撃のない状態とするこ
とができる。

【００３４】上述した本願実施例の構成によれば、ディ
スクトレイのラックとスライド部材のラックとの歯車の
噛み合わせにおいて、位相合わせをする必要がなく、組
立が容易である。

【００３５】実施例は以上のように構成されているが考
案はこれに限られず、例えば、従動内歯歯車の外歯をス
ライド部材のラックと噛合わせ、キャリア歯車をディス
クトレイのラックと噛合わせてもこの考案の効果を得る
ことができる。

【００３６】

【考案の効果】この考案によれば、簡単な構成で動作の
安定した光ディスクプレーヤのローディング機構を提供
することが可能となる。

【００３７】なお、速度変速機構を設けた構成において
は、ディスクトレイのローディング速度を変化させるこ
とができるため、製品に高級なイメージを与えることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例である光ディスクプレーヤの
ローディング機構を示す断面図である。

【図２】図２（ａ）は同ローディング機構の概略を示す
平面図、図２（ｂ）は同ローディング機構の他の作動状
態を示す平面図である。

【図３】この考案の他の実施例である光ディスクプレー
ヤのローディング機構を示す平面図である。

【図４】従来の光ディスクローディング機構の例を示す
平面図である。

【符号の説明】

１ モータ ２ 駆動プーリ ３ ベルト ４ プーリ歯車 ５ 歯車 ６ ディスクトレイ ６ａ ラック ７ スライド部材 ７ａ ラック ８ メカシャーシ ８ａ ターンテーブル ８ｂ ピン ９ 駆動太陽歯車 ９ａ 大歯車 ９ｂ 小歯車 １０ キャリア １０ａ 軸 １０ｂ キャリア歯車 １１ 遊星歯車 １２ 従動内歯歯車 １２ａ 内歯 １２ｂ 外歯

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−94160（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−177166（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G11B 17/04

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 筐体に出入り自在に支持されたディスク
   トレイに設けた出入り方向に延びるラックと噛み合うギ
   ヤの回転によりディスクトレイを出入させ、筐体に昇降
   自在に支持されたメカシャーシをスライド部材の動きに
   より昇降させるディスクプレーヤのローディング機構に
   おいて、駆動太陽歯車、従動内歯車及びキャリアを同軸
   に設け、前記キャリアに立設された軸に回転自在に支持
   された遊星歯車を前記駆動太陽歯車と従動内歯車の内歯
   と噛合わせ、前記従動内歯車に設けた外歯と前記ディス
   クトレイに設けたラックとを噛合わせ、前記キャリアと
   一体のキャリア歯車と前記スライド部材に設けたラック
   とを噛み合わせ、前記スライド部材に立設されたピンを
   前記ディスクトレイに設けたデイスクトレイの移動方向
   に延びる部分と前記スライド部材の移動方向に延びる部
   分とが連なるガイド溝と係合させてなる光ディスクプレ
   ーヤのローディング機構。
2. 【請求項２】 筐体に出入り自在に支持されたディスク
   トレイに設けた出入り方向に延びるラックと噛み合うギ
   ヤの回転によりディスクトレイを出入させ、筐体に昇降
   自在に支持されたメカシャーシをスライド部材の動きに
   より昇降させるディスクプレーヤのローディング機構に
   おいて、駆動太陽歯車、従動内歯車及びキャリアを同軸
   に設け、前記キャリアに立設された軸に回転自在に支持
   された遊星歯車を前記駆動太陽歯車と従動内歯車の内歯
   と噛合わせ、前記従動内歯車に設けた外歯と前記スライ
   ド部材に設けたラックとを噛合わせ、前記キャリアと一
   体のキャリア歯車と前記ディスクトレイに設けたラック
   とを噛み合わせ、前記スライド部材に立設されたピンを
   前記ディスクトレイに設けたデイスクトレイの移動方向
   に延びる部分と前記スライド部材の移動方向に延びる部
   分とが連なるガイド溝と係合させてなる光ディスクプレ
   ーヤのローディング機構。
3. 【請求項３】前記ディスクトレイのガイド溝のデイスク
   トレイの移動方向に延びる部分と前記スライド部材の移
   動方向に延びる部分との連結部にディスクトレイの移動
   方向とスライド部材の移動方向とに対して傾斜する部分
   を設けた請求項１または２の光ディスクプレーヤのロー
   ディング機構。