JP2600024B2 - フープ状リードフレームに対するモールド部の成形装置 - Google Patents

フープ状リードフレームに対するモールド部の成形装置

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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、IC又はトランジスタ
ー或いはダイオード等の電子部品の製造に際して使用す
るフープ状のリードフレームにおいて、その長手方向に
沿って一定のピッチで形成した各電子部品の各々に対し
て密封用の熱硬化性樹脂製モールド部を成形するための
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、前記IC等の電子部品の製造に際
しては、従前から行われていたいわゆる短冊状のリード
フレームを使用した製造方法に代えて、例えば、特開平
2−60133号公報等に記載されているように、前記
短冊状のリードフレームを長手方向に一体的に連接して
成るフープ状のリードフレームを使用することが行われ
ている。
【0003】ところで、前記フープ状リードフレームに
対するモールド部の成形は、リードフレームを成形用金
型にて位置合わせしながら締め付けし、次いで、前記モ
ールド部成形用の各キャビティー内に熱硬化性樹脂を溶
融状態で注入し、この熱硬化性樹脂の硬化を待って、前
記成形用金型の締め付けを解除したのち、前記フープ状
リードフレームを搬送することを繰り返すことによって
行うものであるから、その一回当たりの成形には、前記
成形用金型の締め付け及び締め付け解除に要する時間、
溶融状態の熱硬化性樹脂を注入することに要する時間、
更には、熱硬化性樹脂を硬化すること等に要する時間の
合計と言うように、可成り長い時間を必要とするもので
ある。
【0004】従って、前記モールド部成形工程の速度を
向上するには、一回の成形工程によって成形するモール
ド部の個数をできるだけ多くすれば良いが、一回の成形
工程によって成形するモールド部の個数を多くするに
は、前記成形用金型におけるリードフレームの長手方向
に沿っての長さを長くしなければならず、成形用金型の
長さが長くなると、当該成形用金型とリードフレームと
の間における熱膨張差が大きくなり、成形用金型におけ
る各キャビティーとリードフレームにおける各電子部品
との間に、前記熱膨張差によって大きいずれが発生し
て、モールド部成形の精度が大幅に低下するため、前記
成形用金型の長さ寸法を余り長くすることができないか
ら、モールド部成形工程の速度の向上には、一定の限界
が存在するのであった。
【0005】そこで、従来は、前記モールド部成形工程
の速度を向上するためには、以下に述べるような成形方
法を採用している。すなわち、図4及び図5に示すよう
に、多数個の電子部品A1を長手方向に沿って一定ピッ
チで形成して成るフープ状リードフレームAを、その長
手方向に適宜送りピッチPの間隔で間欠的に移送する経
路中に、下金型1a及び上金型1bを備えた第1成形用
金型1と、同じく下金型2a及び上金型2bを備えた第
2成形用金型とを配設し、前記送りピッチPのうち半分
の部分P1における各電子部品A1の各々に対して前記
第1成形用金型1にてモールド部A2を成形する一方、
前記送りピッチPのうち残りの半分の部分P2における
各電子部品A1の各々に対して前記第2成形用金型2に
てモールド部A2を成形するようにしている。
【0006】そして、この成形方法は、両成形用金型
1,2による成形の各々には、前記したように長い時間
を必要とするものの、フープ状リードフレームAの送り
ピッチPにおける部分に対するモールド部の成形を、前
記送りピッチPの半分ずつに分けて行うものであること
により、前記フープ状リードフレームAを間欠的に移送
する送りピッチPを、従前の場合よりも約2倍に増速す
ることができるから、モールド部成形工程の速度を向上
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この成形方法
は、互いに独立する二つの成形用金型1,2を、フープ
状リードフレームAの長手方向に適宜距離を隔てて別々
に配設するもので、モールド部を成形することに要する
スペースが大幅に増大するから、成形設備が著しく大型
化すると共に、互いに独立する二つの成形用金型を別々
に配設するから、設備費も大幅にアップすると言う問題
がある。
【0008】また、前記両成形用金型1,2によるモー
ルド部の成形は、前記両成形用金型1,2に、原料熱硬
化性樹脂タブレットの装填室1c,2cを設けて、この
装填室1c,2c内にプランジャ(図示せず)を押し込
むことにより、前記原料熱硬化性樹脂タブレットを溶融
した状態で、リードフレームAの長手方向に延びるラン
ナー溝1d,2dを介して各モールド部成形用キャビテ
ィー1e,2e内に注入することで行うものであること
により、前記装填室1c,2c内には、熱硬化性樹脂の
ロスが発生することになる。
【0009】従って、前記従来のように、一本のリード
フレームAにおける各モールド部A2を、両成形用金型
1,2によって成形する方法であると、両成形用金型
1,2は、その装填室1c,2c内における溶融状態の
熱硬化性樹脂を、その片側に一列状に並ぶ各モールド部
成形用キャビティー1e,2eに対してのみ分配するよ
うな形態になるから、一回のモールド部成形当たりに発
生する熱硬化性樹脂のロス量が多くなると言う問題もあ
った。
【0010】本発明は、フープ状リードフレームにおけ
る各電子部品の各々に対して密封用の熱硬化性樹脂製の
モールド部を成形するに際して、前記のような問題を招
来することがないようにした成形装置を提供することを
技術的課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため本発明は、成形用金型に、複数個のモールド部成
形用キャビティーを当該成形用金型の一端面から他端面
に向かって一列状に配設して成るキャビティー列を、少
なくとも二列設けると共に、この両キャビティー列の間
の部位に、当該両キャビティー列の各キャビティーの各
々に対する原料熱硬化性樹脂タブレットの装填室を設け
る一方、フープ状リードフレームをその長手方向に適宜
送りピッチずつ間欠的に搬送する搬送経路を、前記成形
用金型における第1のキャビティー列に沿って成形用金
型の一端面から他端面に向かって延びる第1の往路と、
これに続いて、前記成形用金型を迂回してその他端面か
ら一端面に戻る復路と、更にこれに続いて、前記成形用
金型における第2のキャビティー列に沿って成形用金型
の一端面から他端面に向かって延びる第2の往路とによ
って構成し、更に、前記搬送経路のうち前記第1の往路
と前記第2の往路との間の部位に、前記フープ状リード
フレームを、前記第2の往路におけるリードフレームの
長手一側面が前記第1の往路におけるリードフレームの
長手一側面に対して向かい合う方向に180度ひねるよ
うにしたひねり搬送部を設ける構成にした。
【0012】
【作用】この構成において、フープ状リードフレーム
が、先づ、第1の往路を通過するときにおいて、成形用
金型の第1のキャビティー列における各キャビティーに
より、当該リードフレームにおける送りピッチのうち一
部の部分に対してモールド部が成形される。次いで、前
記リードフレームが、復路を経て反転したのち、第2の
往路を通過するときにおいて、成形用金型の第2のキャ
ビティー列における各キャビティーにより、当該リード
フレームにおける送りピッチのうち残りの部分に対して
モールド部が成形されるのである。
【0013】この場合において、前記両キャビティー列
の間の部位に、当該両キャビティー列における各キャビ
ティーの各々に対する原料熱硬化性樹脂タブレットの装
填室を設ける一方、リードフレームの搬送経路のうち第
1の往路と第2の往路との間の部位に、前記リードフレ
ームを、180度ひねるようにしたひねり搬送部を設け
て、前記第1の往路におけるリードフレームの長手一側
面と、前記第2の往路におけるリードフレームの長手一
側面とが互いに向かい合うようにしたことにより、両キ
ャビティー列における各キャビティーの各々に対して、
溶融状態の熱硬化性樹脂を常に同じ方向から注入するこ
とができると共に、一つの原料熱硬化性樹脂タブレット
の装填室を、両キャビティー列の両方に対して共用する
ことができるのである。
【0014】
【発明の効果】従って、本発明によると、リードフレー
ムにおける送りピッチのうち一部の部分に対するモール
ド部の成形と、前記送りピッチのうち残りの部分に対す
るモールド部の形成とを、一つの成形用金型に設けた第
1のキャビティー列と第2のキャビティー列との両方に
よって行うことができ、換言すると、リードフレームの
送りピッチにおける部分に対するモールド部の成形を部
分的に分けて行うと言う成形方法を、一つの成形用金型
によって行うことができるから、前記従来のように、互
いに独立する二つの成形用金型を、リードフレームの長
手方向に沿って並設する場合に比べて、リードフレーム
の長手方向に沿ってのスペースを大幅に短縮できて、成
形設備を著しく小型化できると共に、設備費を大幅に低
減できるのである。
【0015】しかも、本発明によると、両キャビティー
列における各キャビティーの各々に対して、溶融状態の
熱硬化性樹脂を常に同じ方向から注入できることによ
り、各モールド部の各々を同じ条件で成形できて、製品
の均一化を図ることができるものでありながら、一つの
原料熱硬化性樹脂タブレットの装填室を、両キャビティ
ー列の両方に対して共用することができることにより、
原料熱硬化性樹脂のロス量の低減、ひいては、成形に要
するコストを低減できる効果を有する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面(図1〜図3)
について説明する。図1及び図2は、第1の実施例を示
すもので、この図において符号10は、下金型10aと
上金型10bとから成る成形用金型を示し、この成形用
金型10には、複数個のモールド成形用キャビティー1
1aをフープ状リードフレームAにおける各電子部品A
1と同じピッチで一列状に配設した第1のキャビティー
列11と、同じく複数個のモールド成形用キャビティー
12aをフープ状リードフレームAにおける各電子部品
A1と同じピッチで一列状に配設した第1のキャビティ
ー列12とが設けられている。
【0017】更に、前記成形用金型10には、前記両キ
ャビティー列11,12の間の部位に、原料熱硬化性樹
脂タブレットの装填室13を設けると共に、この装填室
13を前記第1のキャビティー列11における各キャビ
ティー11aの各々及び前記第2のキャビティー列12
における各キャビティー12aの各々に対して連通する
ランナー14,15が設けられている。
【0018】一方、前記フープ状リードフレームAを、
先づ、前記第1のキャビティー列11に沿って前記成形
用金型10における一端面10cから他端面10dに向
かうように搬送し、次いで、第1の反転プーリ16a,
16bにて搬送方向を180度逆向きに反転したのち、
前記成形用金型10の上方を迂回してその他端面10d
から一端面10cに向かって戻し搬送し(この場合、リ
ードフレームAは、前記成形用金型10の下方を迂回し
て戻し搬送するようにしても良い)、更に、第2の反転
プーリ17a,17bにて搬送方向を180度逆向きに
反転したのち、前記第2のキャビティー列12に沿って
前記前記成形用金型10における一端面10cから他端
面10dに向かうように搬送する。
【0019】この場合において、前記成形金型10にお
けるリードフレームAの長手方向に沿っての長さ寸法を
Lとすると、前記フープ状リードフレームAを、前記成
形用金型10の長さ寸法Lの二倍の送りピッチP(P=
2×L)ずつ間欠的に搬送するように構成する。更に、
前記フープ状リードフレームAを、前記第1の反転プー
リ16aと、前記第2の反転プーリ17aとの間の部位
において、当該リードフレームAにおける長手軸線の回
りに180度だけひねることにより(このひねり部を、
符号Bで示す)、当該リードフレームAが前記第1のキ
ャビティー列12の箇所及び前記第2のキャビティー列
11の箇所を通過するときにおいて、その長手方向の一
側面A3が互いに向かい合うように構成するのである。
【0020】この構成において、フープ状リードフレー
ムAが、先づ、第1のキャビティー列11を通過すると
きにおいて、この第1のキャビティー列11における各
キャビティー11aにより、当該リードフレームAにお
ける送りピッチPのうち半分の長さLの部分に対してモ
ールド部A2が成形される。次いで、前記リードフレー
ムAが、第1の反転プーリ16a,16b及び第2の反
転プーリ17a,17bを経たのち、第2のキャビティ
ー列12を通過するときにおいて、この第2のキャビテ
ィー列12における各キャビティー12aにより、当該
リードフレームAにおける送りピッチPのうち残りの半
分の長さLの部分に対してモールド部A2が成形される
のである。
【0021】この場合において、前記両キャビティー列
11,12の間の部位に、当該両キャビティー列11,
12の各キャビティー11a,12aの各々に対する原
料熱硬化性樹脂タブレットの装填室13を設ける一方、
前記リードフレームAを、第1の反転プーリ16aと第
2の反転プーリ17aとの間の部位において、180度
だけひねって、当該リードフレームAが前記第1のキャ
ビティー列11の箇所及び前記第2のキャビティー列1
2の箇所を通過するときにおいて、その長手方向の一側
面A3が互いに向かい合うように構成したことにより、
前記両キャビティー列11,12における各キャビティ
ー11a,12aの各々に対して、溶融状態の熱硬化性
樹脂を常に同じ方向から注入することができると共に、
一つの原料熱硬化性樹脂タブレットの装填室13を、両
キャビティー列11,12の両方に対して共用すること
ができるのである。
【0022】なお、前記リードフレームAに対するひね
り部Bは、第1の反転プーリ16aと16bとの間の部
位、又は第2の反転プーリ17aと17bとの間の部位
に設けても良く、また、前記成形用金型10における他
端面10dと、前記前記第1の反転プーリ16a,16
bとの間に、図2に二点鎖線で示すように、リードフレ
ームAを適宜長さだけストックするようにしたバッファ
ー部Cを設けて、このバッファー部Cにおいて、前記リ
ードフレームAを180度だけひねるように構成しても
良いのである。
【0023】図3は、第2の実施例を示すもので、この
第2の実施例は、前記成形用金型10に、第1のキャビ
ティー列11及び第2のキャビティー列12を設けるこ
とに加えて、同様に構成した第3のキャビティー列18
及び第4のキャビティー列19を設けると共に、これら
第3のキャビティー列18と第4のキャビティー列19
との間の部位に、これら両キャビティー列18,19に
おける各キャビティー18a,19aの各々に対してラ
ンナー21,22を介して連通する原料熱硬化性樹脂タ
ブレットの装填室20を設ける一方、前記第2のキャビ
ティー列12を通過したあとのフープ状リードフレーム
Aを、第1の反転プーリ16a,16b及び第2の反転
プーリ17a,17bを経て、180度だけひねりなが
ら反転したのち(このひねり部を、符号B′で示す)、
前記第3のキャビティー列18に沿って搬送し、更に、
第1の反転プーリ16a,16b及び第2の反転プーリ
17a,17bを経て、180度だけひねりながら反転
したのち(このひねり部を、符号B″で示す)、前記第
4のキャビティー列19に沿って搬送するように構成し
たものである。
【0024】そして、この第2の実施例によると、一本
のフープ状リードフレームAに対するモールド部A2の
成形を、第1のキャビティー列11、第2のキャビティ
ー列12、第3のキャビティー列18及び第4のキャビ
ティー列19の四箇所に分けて行うことができるから、
フープ状リードフレームAにおける送りピッチPを、前
記第1の実施例の場合よりも二倍にでき、モールド部成
形の速度を二倍にアップすることができるのである。ま
た、本発明は、キャビティー列を、前記両実施例のよう
に、二列又は四列にすることに限らず、モールド部成形
の速度を更にアップするために、前記と同様にして、6
列又は8列にしても良いことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す平面図である。
【図2】前記第1の実施例の斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示す平面図である。
【図4】従来の場合を示す平面図である。
【図5】図4のV−V視側面図である。
【符号の説明】
A フープ状リードフレーム A1 電子部品 A2 モールド部 A3 長手一側面 10 成形用金型 10a 下金型 10b 上金型 11,12,18,19 キャビティー列 11a,12a,18a,19a キャビティー 13,20 原料熱硬化性樹脂タブレットの装填室 14,15,21,22 ランナー 16a,16b,17a,17a 反転プーリ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成形用金型に、複数個のモールド部成形用
    キャビティーを当該成形用金型の一端面から他端面に向
    かって一列状に配設して成るキャビティー列を、少なく
    とも二列設けると共に、この両キャビティー列の間の部
    位に、当該両キャビティー列の各キャビティーの各々に
    対する原料熱硬化性樹脂タブレットの装填室を設ける一
    方、フープ状リードフレームをその長手方向に適宜送り
    ピッチずつ間欠的に搬送する搬送経路を、前記成形用金
    型における第1のキャビティー列に沿って成形用金型の
    一端面から他端面に向かって延びる第1の往路と、これ
    に続いて、前記成形用金型を迂回してその他端面から一
    端面に戻る復路と、更にこれに続いて、前記成形用金型
    における第2のキャビティー列に沿って成形用金型の一
    端面から他端面に向かって延びる第2の往路とで構成
    し、更に、前記搬送経路のうち前記第1の往路と前記第
    2の往路との間の部位に、前記フープ状リードフレーム
    を、前記第2の往路におけるリードフレームの長手一側
    面が前記第1の往路におけるリードフレームの長手一側
    面に対して向かい合う方向に180度ひねるようにした
    ひねり搬送部を設けたことを特徴とするフープ状リード
    フレームに対するモールド部の成形装置。
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