JP2599489B2 - 金属の酸化膜形成法および金属の酸化膜形成炉 - Google Patents

金属の酸化膜形成法および金属の酸化膜形成炉

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は金属材料の表面に良質の酸化膜を形成する方
法およびそのための炉に関する。
[従来の技術] 近年、カラー陰極線管においては、再現される映像の
輝度向上、鮮明化が市場の要求である。これに対して、
輝度向上策の一つとして、カラー陰極線管の映像を再現
する映像面を構成する蛍光を発する各絵素に照射する電
子ビームの運動エネルギーを増大させることが行なわれ
ている。
しかしながら、この方法では電子ビームが陰極線管に
内蔵されている色選別電極であるシャドウマスクに衝突
することにより、シャドウマスク自体の温度を40〜80℃
上昇させることになり、その結果シャドウマスクが熱歪
を生じ、映像面上で色純度が低下する。
その対策として、鉄材からなるシャドウマスクの表面
に酸化膜(黒錆)を形成させ、熱の輻射率を向上させる
ことが行なわれている。
鉄材からなるシャドウマスクの表面に酸化膜を形成す
る手段としては、水蒸気または炭酸ガスによる高温酸化
がある。水蒸気による高温酸化では、輻射率を鉄の0.3
から0.75程度に向上させることができるが、この水蒸気
による高温酸化はバッチ処理になるため生産性がわる
い。これに対して、炭酸ガスによる高温酸化は、トンネ
ル炉で連続的に酸化処理することができる。
このトンネル炉は、第4図に示されるような一般に金
属材料の表面に酸化膜を形成するために用いられている
酸化膜形成炉であり、図中、(A)は予熱帯、(B)は
加熱帯、(C)は除冷帯、(5)は表面処理する鉄材を
炉内へ導くメッシュベルト(稼動部は図示せず)、(1
2)は炉内へ導入された燃焼ガスで充たされている空
間、()は炉内の雰囲気を排出する煙塔、(1)、
(2)、(3)はいずれも燃焼ガスを炉内へ導入する位
置を示す。鉄材はメッシュベルト(5)上に載せられ
て、(A)から(B)、(C)へと移動する。第5図
に、この炉により材料が高温酸化される際の実体温度を
示す。
前記炉内に供給される燃焼ガスは天然ガスと空気を混
合燃焼させたDXガスで、その組成(容積%)は、CO2 1
0.5%、CO 1.5%、H2 1.2%、H2O 0.8%、残部がN2であ
る。
しかしながら、このような方法では、適当な処理温度
(600℃程度)下では充分な膜厚の酸化膜を形成するこ
とができない。
これに対して、この燃焼ガスの酸化雰囲気で450〜600
℃で処理するとともに、さらに空気を添加して処理し、
酸化膜の質を向上させる方法が特開昭61−116734号公報
に開示されている。また、それに関連して炉内の雰囲気
に酸素などを添加することが特開昭46−767号公報、特
開昭57−57448号公報、特公昭58−18734号公報などに開
示されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、これらの炭酸ガスによる処理は、第4
図に示すようなトンネル炉で連続的に行なうことができ
るが、鉄材の輻射率が低いと0.3〜0.4、高くても0.5〜
0.6程度にしかならないという欠点がある。
一方、熱歪によるシャドウマスクの変形を抑えるため
に、熱膨張係数が小さいインバー材(Ni 36%を含有す
る鉄材)を用いる方法もあるが、インバー材を炭酸ガス
による高温酸化しても輻射率が0.3〜0.4と低い酸化膜し
かえられていないのが実情である。
また、カラー陰極線管に用いられるシャドウマスク
は、カラー陰極線管製造工程で空気中、350〜450℃で2
〜3回熱処理されるが、この熱処理工程で酸化膜が黒錆
から赤錆に変化したり、輻射率が0.1前後劣化する欠点
がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされ
たものであり、炭酸ガスによる高温酸化により、輻射率
が高く、空気中で400℃前後で熱処理しても輻射率が劣
化しない良質の酸化膜を形成する酸化膜形成法および酸
化膜形成炉をうることを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は鉄を主成分とする金属材料表面に、10〜13容
積%のCO2、1〜2容積%のCO、0.5〜1.5容積%のH2
0.5〜1.5容積%のH2Oおよび残部がN2からなる燃焼ガス
を使用して580〜650℃の加熱酸化処理により酸化膜を形
成する方法であって、加熱酸化処理の初期段階では前記
燃焼ガス雰囲気中に、酸素または酸素を含む気体を導入
し、後段では前記燃焼ガス雰囲気中に、酸素または酸素
を含む気体を導入しないことを特徴とする金属の酸化膜
形成法および鉄を主成分とする金属材料表面に、10〜13
容積%のCO2、1〜2容積%のCO、0.5〜1.5容積%の
H2、0.5〜1.5容積%のH2Oおよび残部がN2からなる燃焼
ガスを使用して580〜650℃の加熱酸化処理により酸化膜
を形成する炉であって、前記燃焼ガス雰囲気中に酸素ま
たは酸素を含む気体を導入した雰囲気の前段処理室と、
前記酸素または酸素を含む気体を導入しない前記燃焼ガ
ス雰囲気であって、金属材料表面に生成したFe2O3をFe3
O4に還元させる後段処理室に区分したことを特徴とする
金属の酸化膜形成炉に関する。
[作用・実施例] 本発明の方法においては、加熱酸化処理が燃焼ガス雰
囲気中で行なわれるが、その処理の初期段階の雰囲気
が、10〜13容積%のCO2、1〜2容積%のCO、0.5〜1.5
容積%のH2、0.5〜1.5容積%のH2Oおよび残部がN2から
なる燃焼ガスに、酸素または空気などの酸素を含む気体
を導入した雰囲気にされる。前記初期段階とは、たとえ
ばインバー材をベルトスピード300mm/分で処理するばあ
いトンネル炉の入口から内部5m程度までの段階をいう。
加熱雰囲気に導入される酸素は、式(I)または(I
I)で示される反応により燃焼ガスなどに含まれる還元
性組成物である水素、一酸化炭素を酸化性組成物に変化
させる。(水素の燃焼開始温度は580〜600℃、一酸化炭
素の燃焼開始温度は640〜660℃である。) 2(H2)+(O2)=2(H2O) (I) 2(CO)+(O2)=2(CO2) (II) 金属材料に含まれている鉄は加熱雰囲気内の気体によ
り、 H2O系は 〈Fe〉+(H2O)=〈FeO〉+(H2) (III) 3〈FeO〉+(H2O〉=〈Fe3O4〉+(H2) (IV) 2〈Fe3O4〉+(H2O)=3〈Fe2O3〉+(H2) (V) CO2系は 〈Fe〉+(CO2)=〈FeO〉+(CO) (VI) 3〈FeO〉+(CO2)=〈Fe3O4〉+(CO) (VII) 2〈Fe3O4〉+(CO2)=3〈Fe2O3〉+(CO) (VIII) O2系は 2〈Fe〉+(O2)=2〈FeO〉 (IX) 6〈FeO〉+(O2)=2〈Fe3O4〉 (X) 4〈Fe3O4〉+(O2)=6〈Fe2O3〉 (XI) に示されるようにそれぞれ反応して酸化が進むが、本発
明では、金属材料の表面に、酸化、還元に対して一般に
Fe2O3やFeOよりも安定なFe3O4(黒錆)の酸化膜をうる
ことを目的として、温度、雰囲気、時間などの条件が加
熱酸化処理の前段において酸化性を強め、後段において
Fe2O3をFe3O4に還元させる条件になるように制御され
る。
たとえば、加熱酸化処理が、後述する第1図に示すよ
うな処理雰囲気を前段と後段とで異なるようにしうる炉
を用い、 加熱酸化処理の前段の酸素濃度を後段の酸素濃度より
も高くした雰囲気および(または) 加熱酸化処理の後段の還元性気体濃度を前段の還元性
気体濃度よりも高くした雰囲気で行なわれる。
本発明に用いる鉄を主成分とする金属材料としては、
鉄材(鉄を99%以上含有するもの、以下同様)、インバ
ー材(Niを36%含有する鉄材、以下同様)、ステンレス
材などのシャドウマスクとして一般に用いられる材料の
ほか、酸化膜を形成させうる種々の材料があげられる。
本発明に使用する前記燃焼ガス中の一酸化炭素および
水素の割合は一酸化炭素のばあい1〜2容積%、水素の
ばあい0.5〜1.5容積%であるが、この理由は、一酸化炭
素および水素の含有量が前記下限未満や上限をこえるガ
スは、反応塔で製造しにくいためである。なお、金属材
料として鉄材を用いるばあい、水素を含有させるのが反
応速度向上の点から好ましく、インバー材を用いるばあ
い、一酸化炭素または一酸化炭素と水素とを含有させる
のが酸化力が強くなるので好ましい。
前記雰囲気の露点は、鉄材を用いるばあい35〜45℃が
好ましい。該露点が35℃未満では、充分な酸化力がえに
くく、45℃をこえると酸化しやすく実用化しにくい。ま
た、インバー材を用いるばあい40〜50℃が好ましい。露
点と水蒸気量との関係を第6図に示す。
前記のごとき雰囲気を形成する燃焼ガスなどは、酸素
および金属材料との反応により消費されるため、たとえ
ば開口部が1.5〜2m×0.2m程度の炉では315〜385Nm3/時
程度で供給され続ける。
前記酸素または酸素を含む気体の導入量は13.5〜16.5
Nm3/時が好ましい。
このように加熱酸化処理の初期段階にのみ酸素または
酸素を含む気体を導入することにより、処理の前段の雰
囲気の酸化性が強められて酸化が促進され、Fe3O4の酸
化膜が形成される。
酸素または酸素を含む気体が導入される場の設定温度
は、鉄材を用いるばあい580℃以上が好ましく、580〜60
0℃がさらに好ましい。該温度が580℃未満では水素が燃
焼しにくくなる。また、インバー材を用いるばあいは64
0℃以上、さらには640〜650℃であるのが水素、一酸化
炭素ともに燃焼させうるという点から好ましい。なお、
処理される金属材料の実体温度は、前記反応により設定
温度よりも50〜100℃程度高くなる。
前記加熱時間は、鉄材を用いるばあいの処理の前段
(酸素濃度が高いおよび(または)還元性気体濃度が低
い)は10〜30分が好ましく、11〜19分がさらに好まし
く、13〜17分がとくに好ましい。該時間が10分未満では
酸化不足になりやすく、30分をこえると剥離しやすくな
る。また、後段(酸素濃度が低いおよび(または)還元
性気体濃度が高い)は5〜30分が好ましく、3〜11分が
さらに好ましく、6〜9分がとくに好ましい。該処理時
間が5分未満では還元が不充分になりやすく、30分をこ
えると剥離しやすくなる。
一方、インバー材を用いるばあいは処理の前段は15〜
25分が好ましく、18〜22分がさらに好ましく、後段は5
〜15分が好ましく、8〜12分がさらに好ましい。
なお、加熱酸化処理の前後には、適宜予熱および除冷
が行なわれる。
鉄材に酸化膜を形成するばあいは、インバー材(また
はステンレス材)に酸化膜を形成するばあいに比べ、前
記のように露点が低くなるようにし、加熱時間を0.3〜
0.5倍にすることが、酸化膜厚を厚くしすぎないという
点から好ましい。酸化膜厚が3μmをこえると剥離が生
じやすくなり、カラー陰極線管内で電子ビームを発射加
速させる電極間(25kV)の放電現象のおこるおそれが生
じる。
本発明の方法は、第1図に示すような処理の前段と後
段とで雰囲気が異なるようにしうる炉を用いる方法に限
定されるものではなく、処理の前段用の炉と後段用の炉
とを用い、2つの炉にて処理をしてもよい。
以上のごとき本発明の方法により、厚さ0.5〜3μm
のより緻密なFe3O4(黒錆)を主成分とする酸化膜を金
属材料表面に形成することができ、輻射率で表現するな
らば、従来の複合ガスの酸化処理では鉄材で0.5、イン
バー材やステンレス材で0.3〜0.4台にしかならなかった
ものを、いずれも0.6〜0.7程度に増加させることができ
る。
ここで、インバー材を用いたシャドウマスクの輻射率
と、局部ドーミング量率(カラー陰極線管の画質を示す
電子ビーム動作中の熱歪による移動量)との関係を第7
図に示す。第7図から、本発明の方法により酸化膜が形
成されたインバー材からなるシャドウマスクは輻射率が
0.6〜0.7程度であるため、輻射率が0.4のときに比べ、
局部ドーミング量率が約30%改善されたことがわかる。
つぎに前記酸化膜形成法の実施に適した本発明の酸化
膜形成炉を、その代表例である第1図に基づいて説明す
る。
第1図中、(A)は予熱帯、(B1)および(B2)は加
熱帯、(C)は除冷帯であり、加熱帯(B1)および(B
2)は凸状壁(D)により区分されている。(1)は酸
素または酸素を含む気体を炉内へ供給する位置、
(2)、(3)はいずれも酸化性ガスである炭酸ガスを
主体とした複合ガスなどを供給する位置を示している。
(4)は炉内へ導入された複合ガスで満たされている空
間である。加熱帯(B1)の温度は少なくとも650℃とす
る。上下の凸状壁(D)の間は大きさ、形状にとくに限
定はなく、少なくともメッシュベルト(5)および被処
理金属材料が通過しうるようなものであればよい。第1
図に示す装置では、メッシュベルト(5)により
(A)、(B1)(B2)、(C)の順に被処理物が送られ
る。排気塔(6)には炉内圧を調節する制御弁(7)が
設けられており、炉内の雰囲気圧は凸状壁(D)を境
に、(B1)と(B2)とが同等か(B2)と方が高くなるよ
うに雰囲気圧が設定される。さらに炉の出口、入口部に
はステンレス製の薄板のれん(8)を少なくとも1枚メ
ッシュベルト(5)上にたらせている。薄板のれん
(8)は、外気の侵入を防止するという点から、複数枚
が数cmのピッチで設けられているのが好ましい。
第1図に示す装置においては、前記凸状壁(D)のご
とき加熱炉内の断面積が他の部分よりも小さい境界部が
設けられているので、各気体の供給量を、たとえば前
段、後段でそれぞれ100±10Nm3/時、350±10Nm3/時に調
整することにより、加熱酸化処理の前段と後段とで雰囲
気が異なるようにすることができる。
なお、後段の雰囲気圧を前段の雰囲気圧よりも高くす
れば、凸状壁(D)のごとき境界部を設けなくても処理
の前段と後段とで雰囲気が異なるようにすることができ
る。
本発明の酸化膜形成炉の他の例として、加熱酸化処理
の前段の空気を導入した酸素の多い気体と、後段の空気
を導入しない酸化性の弱い還元性組成(CO、H2)の気体
とから、酸化、還元の作用を行なう雰囲気をより効果的
に実現しうる炉として、第3図に示すような、前段と後
段の加熱雰囲気を分離し、制御弁(7)を有する排気口
(9)を設けた炉があげられる。なお、前段と後段との
境界は第3図に示すようにステンレス材などからなる厚
板(11)を用いて雰囲気の分離を行なうのが好ましい。
実施例1 第1図に示す炉を用い、板厚0.2mmのインバー材から
なるシャドウマスクに酸化膜を形成した。炉内雰囲気は
(A)を150±10℃、(B1)および(B2)を650±10℃、
(C)を200±10℃に制御した。
(1)の位置からパイプにて空気(相対湿度65〜75
%)を15Nm3/時の流量で導入し、(2)の位置から第1
表に示す組成で露点を48±3℃に制御した複合ガス(天
然ガスからえたDXガス)を105Nm3/時の流量で導入し、
(3)の位置から第1表に示す組成で露点を48±3℃に
制御した複合ガスを350Nm3/時の流量で導入した。な
お、処理中のCO濃度とO2濃度は(B1)の前半がCO:0.0
%、O2:6.7%、後半がCO:0.1%、O2:10%、(B2)がCO:
1.1%、O2:6400ppmであった。
(B1)と(B2)との雰囲気の境界部である凸状壁
(D)は、予熱部(A)、除冷部(C)の空間とほぼ同
程度の大きさとした。(B1)と(B2)の炉内圧はそれぞ
れの排気口(6)の制御弁(7)を調整し、少なくとも
同程度の内圧になるようにした。ベルトスピードは(B
1)の加熱時間が約18分、(B2)の加熱時間が約1分に
なるよう300mm/分に調整した。
えられたシャドウマスクには、厚さ1μmのFe3O4
主体とする酸化膜(X線回折強度による割合:Fe3O4/Fe2
O3/Fe=30/0/70)が形成されており、輻射率が0.65であ
った。えられたシャドウマスクを用いてカラー陰極線管
を製造することにより、従来法によるシャドウマスク
(輻射率0.45)を用いたものに比べ、画質が約30%改善
されたカラー陰極線管がえられた。
実施例1の処理におけるシャドウマスクの実体温度傾
向を第2図に示す。第2図の横軸は酸化処理する時間の
経過、縦軸(目盛りの1は100℃、5は650℃を示す)は
実体温度を示し、tは測定結果を標準化するためのファ
クターを示す。この実体温度カーブ(E)の部分が、本
発明の重要な部分の1つである。この位置(空気が導入
される位置(1))の雰囲気の温度は、酸化処理するシ
ャドウマスクの存在しないときで、設定温度より10〜30
℃高いことを熱電対により確認した。また、シャドウマ
スクの実体温度および雰囲気温度はほぼ同一の温度で、
設定温度より50〜100℃高くなっていた。これは炉内へ
空気を導入している空気濃度の高い部分で、空気に含ま
れている酸素(O2)と複合ガス中に含まれている一酸化
炭素(CO)、水素(H2)とが前記式(II)または式
(I)で示すように炉内の温度で燃焼を生じ、還元性気
体は酸化性気体に転換し、他の酸化性気体(酸素、二酸
化炭素、水蒸気)とともに前記式(III)〜(XI)ぜ示
される反応が生じていることを示す。そしてつぎの(B
2)部の複合ガス雰囲気により、高価の酸化はFe2O3から
Fe3O4に還元される。
実施例2 板厚0.2mmの鉄材からなるシャドウマスクを用い、設
定温度を600℃に変え、複合ガスの露点を40±30℃に変
え、(B1)の加熱時間および(B2)の加熱時間を実施例
1の0.75倍にしたほかは、実施例1と同様にして厚さ1
μmのFe3O4を主体とする酸化膜(X線回折強度による
割合:Fe3O4/Fe2O3/Fe=40/20/40)が形成された輻射率
が0.7のシャドウマスクを製造した。
実施例2の処理におけるシャドウマスクの実体温度傾
向は、第2図に示される実体温度カーブと同様であった
(ただし、図中、縦軸の目盛りの1は100℃、5は600℃
を示す)。
実施例3〜7 シャドウマスクの材質、複合ガスの露点、(B1)およ
び(B2)の設定温度、(B1)および(B2)における合計
加熱時間を第2表に示すように変えたほかは、実施例1
と同様にして加熱酸化処理し、酸化膜を形成した。えら
れたシャドウマスクの輻射率を第2表に示す。
実施例8 (B1)および(B2)の設定温度を変えたほかは、実施
例1と同様にして酸化膜を形成した。えられたシャドウ
マスクの輻射率を第8図に示す。
実施例9 複合ガスの露点を変えたほかは、実施例1と同様にし
て酸化膜を形成した。えられたシャドウマスクの輻射率
を第9図に示す。
実施例10 (B1)および(B2)における合計加熱時間を変えたほ
かは、実施例1と同様にして酸化膜を形成した。えられ
たシャドウマスクの輻射率を第10図に示す。
[発明の効果] 本発明の酸化膜形成法によれば、鉄材、インバー材、
ステンレス材などに輻射率が高く、空気中350〜450℃で
熱処理しても変質しない酸化膜(黒錆)を連続的に形成
することができる。また、本発明の酸化膜形成炉を用い
ることにより、前記酸化膜形成法を容易に実施すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の酸化膜形成炉の説明図、第2図は本発
明の方法により処理された金属材料の実体温度傾向を示
すグラフ、第3図は本発明の酸化膜形成炉の説明図、第
4図は従来の酸化膜形成炉の説明図、第5図は従来法に
より処理される鉄材の実体温度傾向を示すグラフ、第6
図は露点と水蒸気量との関係を示すグラフ、第7図は輻
射率と局部ドーミンク量率とを関係を示すグラフ、第8
図〜第10図はそれぞれ本発明の実施例における設定温
度、複合ガス露点または加熱時間と輻射率との関係を示
すグラフである。 (図面の主要符号) (1):酸素または酸素を含む気体を供給する位置 (2)、(3):複合ガスなどを供給する位置 (4):複合ガスなどで満たされている空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F27B 9/04 F27B 9/04 F27D 7/02 F27D 7/02 Z (72)発明者 武岡 国生 京都府長岡京市馬場図所1番地 三菱電 機株式会社京都製作所内 (72)発明者 木村 寛 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社中央研究所内 (72)発明者 徳永 政弘 京都府長岡京市馬場図所1番地 三菱電 機株式会社京都製作所内 (72)発明者 佐野 輝夫 京都府長岡京市馬場図所1番地 三菱電 機株式会社京都製作所内 (56)参考文献 特開 昭61−116734(JP,A) 特開 昭46−767(JP,A) 特開 昭57−57448(JP,A) 特開 昭60−189142(JP,A) 特公 昭58−18734(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄を主成分とする金属材料表面に、10〜13
    容積%のCO2、1〜2容積%のCO、0.50〜1.5容積%の
    H2、0.5〜1.5容積%のH2Oおよび残部がN2からなる燃焼
    ガスを使用して580〜650℃の加熱酸化処理により酸化膜
    を形成する方法であって、加熱酸化処理の初期段階では
    前記燃焼ガス雰囲気中に、酸素または酸素を含む気体を
    導入し、後段では前記燃焼ガス雰囲気中に、酸素または
    酸素を含む気体を導入しないことを特徴とする金属の酸
    化膜形成法。
  2. 【請求項2】鉄を主成分とする金属材料表面に、10〜13
    容積%のCO2、1〜2容積%のCO、0.5〜1.5容積%の
    H2、0.5〜1.5容積%のH2Oおよび残部がN2からなる燃焼
    ガスを使用して580〜650℃の加熱酸化処理により酸化膜
    を形成する炉であって、前記燃焼ガス雰囲気中に酸素ま
    たは酸素を含む気体を導入した雰囲気の前段処理室と、
    前記酸素または酸素を含む気体を導入しない前記燃焼ガ
    ス雰囲気であって、金属材料表面に生成したFe2O3をFe3
    O4に還元させる後段処理室に区分したことを特徴とする
    金属の酸化膜形成炉。
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