JP2599253B2 - スピードスプレーヤ - Google Patents

スピードスプレーヤ

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JP2599253B2
JP2599253B2 JP6236619A JP23661994A JP2599253B2 JP 2599253 B2 JP2599253 B2 JP 2599253B2 JP 6236619 A JP6236619 A JP 6236619A JP 23661994 A JP23661994 A JP 23661994A JP 2599253 B2 JP2599253 B2 JP 2599253B2
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Inventor
昭信 山岸
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株式会社ショーシン
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスピードスプレーヤに関
する。
【0002】
【従来の技術】スピードスプレーヤは果樹園等の圃場で
移動しながら薬剤散布するから、できるだけ車高を低く
設計して、圃場で移動しやすいようにしている。通常の
スピードスプレーヤの車高は1.2m前後である。この
ため、従来のスピードスプレーヤでは運転席をオープン
形式とし、圃場を走行する際に果樹の枝等が邪魔になっ
た際には運転者が上半身を曲げて枝等をさけて走行する
ようにしている。
【0003】このように従来のスピードスプレーヤで薬
液を散布する際に運転者はスピードスプレーヤから噴霧
される薬液に曝される状態にあり、したがって薬液がふ
りかかったり、薬液を吸入したりするおそれがあるか
ら、かならずカッパを着たり、防護マスクをつけたりし
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来のス
ピードスプレーヤで運転席をオープン形式にしているの
はスピードスプレーヤの車高を低く抑えて圃場内での走
行を容易にするためである。しかしながら、スピードス
プレーヤで散布する薬液には人体に有害なものもあるか
ら、人体への影響を無視することはできない。そこで、
図1に示すように車体の前部に運転ルームを設けて薬液
から作業者を保護するようにしたものが考えられてい
る。なお、密閉式の運転ルームを設けた従来のスピード
スプレーヤは運転ルームがスピードスプレーヤの本体の
車高よりもかなり高くなっているため果樹の枝等の邪魔
になり、使用できる圃場が限られていた。
【0005】ところが、図1に示すような運転ルーム付
きのスピードスプレーヤの場合は、視野範囲が制限され
周囲の観察が不都合であるという問題点がある。すなわ
ち、スピードスプレーヤを操作する場合は薬液の噴霧状
態や圃場での走行経路等を常時観察しながら作業しなけ
ればならないが、運転ルーム付きの場合にはとくに後方
の監視がしにくく、噴霧状態等を的確に見ることができ
ないという問題点があった。また、車両を後退させる場
合にサイドミラーのみで確認して行うのでは確実な走行
ができないという問題点もあった。本発明はこれら問題
点を解消すべくなされたものであり、運転ルーム付きの
スピードスプレーヤで後方確認等が適切にでき、取り扱
いの容易なスピードスプレーヤを提供しようとするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、スピードスプレ
ーヤの前部にスピードスプレーヤの本体とは独立に運転
者用の密閉ルームである運転ルームを設けたスピードス
プレーヤであって、前記運転ルームを、前記スピードス
プレーヤの本体の車高と同等あるいはそれ以下の高さと
する通常位置と、前記スピードスプレーヤの本体の車高
よりも上位置で前記運転ルームの背面から後方を視認で
きる後方視認位置との間で昇降可能に設けたことを特徴
とする。また、前記運転ルームの昇降機構として、スピ
ードスプレヤの本体のシャーシの前端に平行リンクを介
して前記運転ルームを支持する可動シャーシを上下に移
動可能に設け、前記平行リンクの一つを側面形状がL字
形に設け、該平行リンクの一方の端部を作用点として回
動することにより前記可動シャーシを昇降させる駆動機
構を設けたこと特徴とする。
【0007】
【作用】本発明に係るスピードスプレーヤは密閉ルーム
として運転者用として密閉ルームを備えたことによっ
て、薬液散布時に薬液が作業者にふりかかることを防止
し、作業者を有害な薬液から効果的に保護することがで
きる。また、運転ルームを昇降可能に設けたことによっ
て、スピードスプレーヤの後方から散布される薬液の散
布状態を監視しながら作業する際などの場合に、運転ル
ームを上位置に上げることによって後方を視認しつつ作
業することができ、的確な散布作業を行うことが可能に
なる。また、通常走行時には運転ルームを下げることに
よって運転ルームが走行の邪魔になることを回避して、
適切な操作を行うことができる。運転ルームの昇降は本
体のシャーシと可動シャーシとを連結する平行リンクを
駆動機構によって鉛直面内で回動することによってなさ
れる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基
づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るスピードス
プレーヤの一実施例の全体構成を示す説明図である。同
図で10はスピードスプレーヤの本体で薬液を貯蔵する
タンク部、12は薬液を噴出するノズル部、14は薬液
を噴霧するための送風ファン部である。なお、タンク部
10の後部側はエンジン室となる。これらタンク部1
0、ノズル部12、送風ファン部14の構成は従来のス
ピードスプレーヤと同様である。
【0009】16は前記タンク部10の前部に設置した
運転ルームである。運転ルーム16はタンク部10と独
立に6面を密閉した密閉ルームとして構成するととも
に、天井高をタンク部10の高さと略同じく設定し、前
輪の前側にせり出して配置する。運転ルーム16内には
走行用ハンドル等のスピードスプレーヤの走行に必要な
装置類と薬液を噴霧する際に送風ファンを駆動等するた
めの操作レバー等が配置される。運転ルーム16の側面
には密閉ドアが設けられ、運転者はこのドアからルーム
内に出入り可能である。運転ルーム16は密閉ルームと
して構成するから、ルーム内の換気機構を設ける。たと
えば、換気部にフィルタを設けたりエアコン等を装備す
ることが望ましい。また、運転ルーム16内に薬液が侵
入することを防止するため運転ルーム16内に予圧をか
けておくのがよい。
【0010】実施例のスピードスプレーヤは運転ルーム
16を上下に昇降可能とし、常時は図1に示すようにタ
ンク部10の高さとほぼ同じ高さにあり、必要時に図2
に示すように上位置に移動できるよう構成したことを特
徴とする。このように運転ルーム16を昇降可能に設け
たのは運転席を通常位置よりも上位置に移動可能とし、
運転席からの周囲の視認を容易にしてスピードスプレー
ヤの操作が的確にできるようにするためである。後方確
認のため運転ルーム16の背面には視認窓を設け、ワイ
パーを設けて視認性を確保するようにする。
【0011】運転ルーム16の昇降範囲は適宜設定する
が、図2に示すように少なくとも視認窓から後方が確認
できる程度上昇できるようにする。なお、スピードスプ
レーヤの走行装置および薬液をノズルへ輸送する機構、
送風ファンの駆動部等はシャーシに固定し運転ルーム1
6のみ昇降できるようにする。図3に運転ルーム16を
昇降させる機構を示す。同図で20はエンジン等を支持
するスピードスプレヤ本体のシャーシであり、22はシ
ャーシ20の前側に連結する可動シャーシで、運転ルー
ム16を支持するためのシャーシである。可動シャーシ
22とシャーシ20は平行リンク24a、24bにより
連結し、平行リンク24a、24bを回動することによ
り可動シャーシ22が昇降するよう構成されている。
【0012】平行リンク24a、24bを回動駆動する
機構は一方の平行リンク24bを側面L字形に設け、そ
の屈曲部をシャーシ20に軸支し、平行リンク24bの
一方の端部を作用点として平行リンク24bを回動する
ことによる。実施例では平行リンク24bの一端を可動
シャーシ22に軸支し、作用点となる他端にシャーシ2
0に固定した油圧シリンダ26の駆動ロッドを軸支す
る。油圧シリンダ26を作動させることによって駆動ロ
ッドに係合する平行リンク24bが回動するから、これ
にともなって平行リンク24aも回動し可動シャーシ2
2を昇降させることができる。実施例の構成によれば、
運転ルーム16の昇降が簡易な構成によってなし得ると
いう利点がある。なお、実施例とは逆に平行リンク24
bの屈曲点を可動シャーシ22に軸支し、平行リンク2
4b一端側を作用点として油圧シリンダに連繋し、他端
をシャーシ20に軸支するようにしてもよい。また、油
圧シリンダ26に変えて電動シリンダ等の他の駆動機構
を使用することも可能である。
【0013】図2は運転ルーム16を上位置に上昇させ
た状態を示すが、このように運転ルーム16を上昇させ
ることによって運転席からスピードスプレーヤの後方を
視認することができ、運転席ルーム16内から薬液の噴
霧状態等を確認して適切な薬液散布をなすことができ
る。このようにスピードスプレーヤの後方を直接視認で
きることは適切な薬液散布をなす上できわめて有効であ
る。また、運転ルーム16を上位置にすることでスピー
ドスプレーヤを後退移動させることも容易にでき、車庫
入れ等の操作も容易に行うことが可能になる。このよう
に運転ルーム16を昇降可能にして後方確認できるよう
にすることは、運転席からサイドミラーのみで後方を視
認する場合とくらべて格段に視認性が向上することはあ
きらかである。
【0014】なお、運転席ルーム16を昇降させるのは
必要時に行えばよく、たとえば圃場内を走行する際に運
転席ルーム16を上げておくと果樹の枝等にあたって不
都合な場合は図1のように運転席ルーム16を通常位置
にして走行すればよい。そして、後方視認をする必要が
生じた際には運転席ルーム16を上げて後方確認しつつ
操作するようにする。このように、運転席ルーム16を
昇降自在にしたことによって、スピードスプレーヤの操
作に合わせて運転ルーム16を適宜下位置あるいは上位
置にして使用することができるから、運転席ルーム16
が固定の場合にくらべてはるかに使いやすく適切なスピ
ードスプレーヤの操作を行うことが可能になる。
【0015】もちろん、本実施例のスピードスプレーヤ
の場合は運転ルーム16を完全に密閉して設けているか
ら、スピードスプレーヤから薬液を噴霧した場合に、薬
液が作業者に直接ふりかかったりすることを防止するこ
とができ、有害な薬液から作業者を確実に保護すること
ができ、安全なスピードスプレーヤとして提供すること
が可能である。
【0016】
【発明の効果】本発明に係るスピードスプレーヤによれ
ば、上述したように、運転ルームを密閉空間にするとと
もに、運転席ルームを後方視認位置と通常走行位置との
間で昇降可能としたことから、作業者を薬液から保護し
て安全に薬液散布作業することができるとともに、スピ
ードスプレーヤによる薬液散布作業をより的確に行うこ
とができる使いやすいスピードスプレーヤとして提供す
ることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピードスプレーヤの全体構成を
示す説明図である。
【図2】運転ルームを上昇させた状態を示す説明図であ
る。
【図3】運転ルームの昇降機構を示す説明図である。
【符号の説明】
10 タンク部 12 ノズル部 14 送風ファン部 16 運転ルーム 20 シャーシ 22 可動シャーシ 24a、24b 平行リンク 26 油圧シリンダ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピードスプレーヤの前部にスピードス
    プレーヤの本体とは独立に運転者用の密閉ルームである
    運転ルームを設けたスピードスプレーヤであって、 前記運転ルームを、前記スピードスプレーヤの本体の車
    高と同等あるいはそれ以下の高さとする通常位置と、前
    記スピードスプレーヤの本体の車高よりも上位置で前記
    運転ルームの背面から後方を視認できる後方視認位置と
    の間で昇降可能に設けたことを特徴とするスピードスプ
    レーヤ。
  2. 【請求項2】 運転ルームの昇降機構として、スピード
    スプレヤの本体のシャーシの前端に平行リンクを介して
    前記運転ルームを支持する可動シャーシを上下に移動可
    能に設け、 前記平行リンクの一つを側面形状がL字形に設け、該平
    行リンクの一方の端部を作用点として回動することによ
    り前記可動シャーシを昇降させる駆動機構を設けたこと
    特徴とする請求項1記載のスピードスプレヤ。
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