JP2598915B2 - 二重混合管型ガスバーナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この発明は、主混合管内に小火用混合管を開口させた
二重混合管型ガスバーナに関する。

＜従来の技術＞ ガスこんろなどに使用されているガスバーナは、ノズ
ルから噴出したガスと一次空気とを混合管で混合してバ
ーナヘッドに供給する構造となっており、混合管内では
一次空気が一定の運動エネルギーを持ってバーナヘッド
方向に移動している。このため、ノズルに送られるガス
量を絞って火力の調節を行う際に、ガス量が急に絞られ
たり、比較的強火の状態でガスが止められたりした場合
には、一般に一次空気はその慣性によってそのまま移動
を続けようとし、余分な空気が混合管内に吸い込まれる
ことになりやすいという特性がある。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 上記のように余分な空気が混合管内に吸い込まれる
と、混合比のバランスが崩れてスムーズに小火に移行で
きなかったり、異常燃焼が起きたりすることがあり、ガ
ス器具の使い勝手を悪くする一因となっていた。

この発明は上述のような問題点に着目し、急激にガス
を止めたり火力を絞ったりする操作を安定して行うこと
のできるガスバーナを提供することを目的としてなされ
たものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 上述の目的を達成するために、この発明の二重混合管
型ガスバーナでは、主混合管用のノズルとは別個に調節
可能な小火用ノズルを設け、この小火用ノズルに接続さ
れた小火用混合管を主混合管内に導入して開口させてい
る。

＜作用＞ 主混合管用のガスが急に止められたり火力を絞られた
りした場合でも、小火用混合管からある程度のガスが供
給されているので、主混合管内の一次空気の量が相対的
に小さくなる。このため、余分な空気が混合管内に吸い
込まれることによる異常燃焼等が生じにくくなり、小火
への火力調節等の操作を安定して行うことが可能とな
る。

＜実施例＞ 次に図示の一実施例について説明する。

図において、１はバーナトップ２及びバーナベース３
で構成されるバーナヘッド、４はバーナベース３に接続
されている主混合管、５は主混合管４の下端に接続され
た主ノズル、６は主混合管４内に導入されて開口してい
る小火用混合管、７は小火用混合管６に接続されている
小火用ノズルである。この小火用ノズル７は主ノズル５
とは別個にガス量の調節ができるようになっている。８
は感熱部、8aは感熱部８のリード線、９は感熱部８の支
持棒、10は感熱部カバーである。

バーナトップ２とバーナベース３は中央部に上下に貫
通した穴11を備えた環状のもので、支持棒９は下端を器
具本体（図示せず）に適宜固定されて穴11を貫通するよ
うに配置され、感熱部８は支持棒９の先端に鎖線で示す
ように上下方向に一定の範囲移動可能に、且つばねによ
り上方に付勢された状態で取付けられている。12は炎口
であり、図示は省略してあるがバーナトップ２の周面に
所定の間隔で複数個形成されている。

感熱部カバー10はテーパ部10aを介してその上縁を大
径部10bとした筒状であって、テーパ部10aには複数個の
通気穴10cが一定の間隔で形成されている。この感熱部
カバー10は例えばＣリング等を用いた適宜の手段でバー
ナトップ２の中央上面に一体に固定されている。

上述のように、この実施例のバーナは感熱部８を備え
た環状のものであるため、主混合管４は偏心した位置に
垂直に設けられており、更に小火用混合管６は主混合管
４内に下部から導入され、最も偏心した位置、すなわち
バーナの中心線から最も遠い位置に配置されて上向きに
開口している。なお、主ノズル５と小火用ノズル７及び
これらの周辺の関連部材は従来から公知の構造であり、
説明は省略する。

次に動作を説明する。使用時には感熱部８は鍋底（図
示せず）に当接して実線のように押し下げられた状態と
なり、内蔵した熱電対やサーミスタ等により鍋底の温度
を検出してその結果が制御に利用される。炎口12から出
る炎などによる輻射熱はそのほとんどが感熱部カバー10
で遮られて感熱部８には達せず、また感熱部８が穴11を
通る上昇気流で冷却されるので、鍋底の温度は正確に検
出される。感熱部カバー10に複数個の通気穴10cが形成
されているので、仮に感熱部カバー10の上面が鍋底で塞
がれるようなことがあっても、穴11を通る気流は通気穴
10cにより支障なく流通することができ、感熱部８の冷
却が不十分となることはない。また、通気穴10cはテー
パ部10aに設けられて傾斜した状態となっているので、
通気穴10c自体の総面積を小さくすることなく炎からの
輻射熱に対して実質的な開口面積を小さくでき、通気穴
10cを設けたことによる輻射熱の影響を低減することが
できる。

バーナヘッド１へのガスは主として主ノズル５から供
給され、一次空気と混合されて生じた混合気は一定の運
動エネルギーを持って主混合管４内を上昇している。な
お、小火用ノズル７からも小量のガスが供給されてお
り、小火用混合管６で混合されて主混合管４内に放出さ
れている。ここで主ノズル５への供給路のコック（図示
せず）が操作されて主ノズル５から噴出していたガスが
急に止められたり絞られたりすると、混合管４内の混合
気はその慣性でそのまま上昇するため、主ノズル５の周
辺から引き続いて一次空気が吸い込まれようとする。し
かし、主混合管４内に放出されている小火用混合管６か
らの混合気により一次空気の吸い込みはある程度抑制さ
れ、更に小火用混合管６からのガスにより主混合管４内
の一次空気量が相対的に小さくなるので、混合気の空気
が過剰になることによる異常燃焼等が生じにくくなり、
小火への火力調節等の操作を安定して行うことが可能と
なるのである。

なお実験によれば、小火用混合管６からの混合気によ
る一次空気の吸い込み抑制作用は、図のように小火用混
合管６がバーナの中心線から最も遠い位置に配置されて
おり、しかも小火用混合管６の開口部6aの真上にバーナ
の中心方向に傾斜した当たり壁13を設けた場合に、最も
大きく発揮されることが確認された。これは、図中に矢
印で示したように小火用混合管６からの混合気が当たり
壁13に当たって方向を変えられ、丁度主混合管４の上部
を覆う状態になって混合管４内の混合気がその慣性によ
り上昇することを妨げるためであると推定される。

また小火用混合管６の開口部6aの高さは、低すぎて主
ノズル５による一次空気の吸引作用を妨げたり、小火用
混合管６が長くなってその吹き出し作用が悪くなったり
しないように選定される必要があり、実験によれば主ノ
ズル５のスロートより奥が望ましく、特に負圧の最大点
を超えた位置が最も良い結果が得られた。

＜発明の効果＞ 上述の実施例から明らかなように、この発明の二重混
合管型ガスバーナは、主混合管用のノズルとは別個に調
節可能な小火用ノズルを設け、この小火用ノズルに接続
された小火用混合管を主混合管内に導入して開口させた
ものである。

従って、主混合管用のガスが急に止められたり火力を
絞られたりした場合でも、小火用混合管から供給されて
いる小火用混合気によって、主混合管内の一次空気の量
が過剰になることが防止される。このため、異常燃焼が
生じにくく、急激にガスを止めたり火力を絞ったりする
操作を安定して行うことのできるガスバーナが得られ、
ガス器具の使い勝手を改善することができるのである。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の一実施例の側断面図である。 １……バーナヘッド、４……主混合管、５……主ノズ
ル、６……小火用混合管、6a……開口部、７……小火用
ノズル、13……当たり壁。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】主混合管用のノズルとは別個に調節可能な
   小火用ノズルを設け、この小火用ノズルに接続された小
   火用混合管を主混合管内に導入して開口させたことを特
   徴とする二重混合管型ガスバーナ。