JP2597878B2 - 堰堤の構造 - Google Patents

堰堤の構造

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、ダムや堤防等の堰堤の構造に関するもの
である。
「従来の技術」 堤防によって海や湖沼を締め切り、その内側を排水し
て干拓地を造成するような場合、その堤防は多量の土砂
を水中に盛土して築造されることが従来一般的であった
が、そのようなことでは水深が大きい場合には適用する
ことができないし、また、水深が浅い場合においても膨
大な工事費、工期を要することから、近年においては第
4図に示すようにケーソンを用いて堤防を構築すること
も行なわれている。
第4図に示されるような堤防は、ケーソンaを水面に
浮かべて設置位置まで曳航していき、そこで内部に中詰
砂bを充填してケーソンaを水底地盤G上に沈設するこ
とで構築されるものであり、したがって、従前の土砂の
盛土によって築造される堤防に比して、工期、工事費を
大きく削減することができるとともに、水深が大きい場
合にも適用できるものである。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、上記のようなケーソンaを用いて構築され
る堤防にあっては、ケーソンaの堤外に面する壁体cが
水圧を直接的に受け、しかもその水圧は図中の矢印で示
すように水深に比例して壁体cの下部ほど大きくなるの
で、壁体cはそのような水圧に耐え得る充分な強度が必
要であり、そのため、特に水深が大きい場合には壁厚が
極めて大きくなってしまうという難点があった。たとえ
ば水深が100m程度の場合にはその壁体cの所要壁厚は80
cm程度にも及んでしまい、この点で水深が大きい場合に
は必ずしも有効であるとはいえないものであった。ま
た、このように大きな水圧を受けることから、壁体cの
水密性を充分に確保することが著しく困難となるもので
あった。
さらに、上記のケーソンaが転倒や滑動を生じること
がなく水底地盤G上に安定に据え付けられるためには、
ケーソンa自体の自重およびその内部に充填される中詰
砂bの重量が充分に大きいことが必要であり、したがっ
て中詰砂bの量も膨大なものとなってしまうものであっ
た。
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、ケー
ソンを用いて堤防等の堰堤を構築する場合に、そのケー
ソンの壁体に加わる水圧を低減せしめて、所要壁厚を薄
くできるとともにその壁体の水密性を容易に確保するこ
とのできる構造を提供することを目的としている。
「課題を解決するための手段」 この発明は、中空箱状のケーソンを水底地盤上に沈設
することによって構築される堰堤の構造であって、前記
ケーソンは、その内部にこのケーソンの堤外に面する壁
体と堤内に面する壁体との間を複数の室に仕切る隔壁が
設けられており、それら各室内に水を注入することによ
ってこのケーソンを水底地盤上に沈設させるとともに、
各室に注入された水の水位が堤外側の室から堤内側の室
にかけて漸次低くなるようにされていることを特徴とし
ている。
「作用」 この発明の堰堤の構造においては、ケーソンの内部に
設けられた複数の室内に水を注入することによってケー
ソンを沈設する。そして、各室内に注入する水の水位を
堤外側の室から堤内側の室にかけて漸次低くすることに
よって、ケーソンの壁体および隔壁にはそれぞれそれら
の両側の水位差によって生じる水圧しか加わることがな
い。したがって、各壁体、各隔壁は、その水圧に対して
耐え得る程度の強度を有していれば足り、このため、そ
れらの壁厚は薄いもので済む。
「実施例」 以下、この発明の一実施例を第1図ないし第3図を参
照して説明する。
第3図はこの実施例の構造による堤防の全体の形状を
示すものであって、この堤防は、複数(この実施例にお
いては12基)のケーソン1…を円形に並べることによっ
て海を締め切り、その内側を排水することによって堤内
に干拓地を造成するためのものである。
上記の堤防を構築するための各ケーソン1は、第1
図、第2図に示すように、底板2、上面板3、堤外に面
する壁体4、堤内に面する壁体5によって中空箱状とさ
れたコンクリート製のものであって、堤外に面する壁体
4はその高さが堤外の水面上に突出する高さを有するも
のとなっているが、堤内に面する壁体5はその高さが水
底地盤Gよりやや高い程度の低いものとされている。そ
して、上面板3は堤内側が低くなるように傾斜するもの
とされている。このケーソン1は、内部が中空とされて
いるので、これ自体が水面上に浮かんで曳航することが
できるものとなっている。
また、このケーソン1の内部には、上記両壁体4,5の
間に3つの隔壁6a,6b,6cが設けられており、それらの隔
壁6a,6b,6cによってこのケーソン1の内容には両壁体4,
5の間に4つの室7a,7b,7c,7dが互いに隣合って設けられ
たものとなっている。
上記構成のケーソン1は、予めドライドックにて製作
され、海面上に浮かべられて設置位置まで曳航され、そ
こで各室7a〜7d内に海水が注入されて円形に並べられた
状態で沈設されて、全体として第3図に示したような堤
防を形成するのであるが、各室7a〜7d内に注入される海
水の水位は、第1図に示されるように堤外側の室から堤
内側の室に向かって漸次低くなるようにされている。つ
まり、堤外の水深をH、各室7a〜7d内の水位を堤外側の
ものから順h1,h2,h3,h4とすると、H>h1>h2>h3>h4
となるようにされている。
このような構造の堤防にあっては、ケーソン1は全体
としてその外側から水深Hに応じた水圧を受けるが、そ
の水圧はケーソン1の壁体4.5および各隔壁6a〜6cに分
散されることになり、したがって、それぞれの壁体4,
5、隔壁6a〜6cの厚みは薄いもので良い。
すなわち、堤外に面する壁体4には、その外側から水
深Hに応じた水圧が加わるが、この壁体4には同時に室
6a側からも水深h1に応じた水圧が加わるのでその大部分
は相殺され、結局、この壁体4は最大でも内外の水位
差、すなわちΔh=H−h1によって生じる水圧しか受け
ないことになる。同様に、各隔壁6a〜6cはそれらの内外
の水位差によって生じる水圧を受けるのみであり、堤内
に面する壁体5はその内側から水深h4に応じた水圧しか
受けることがない。したがって各壁体4,5、隔壁6a〜6c
はそれぞれそれらの水圧に耐え得る程度の強度を有すれ
ば良く、その壁厚は薄いもので充分である。また、大き
な水圧が加わらないことから、壁体4,5、各隔壁6a〜6d
の水密性も容易に確保することができる。
また、この構造の堤防では、ケーソン1内部に海水を
注入するので、従来のように中詰砂を充填せずともその
海水の重量によってケーソンを海底地盤Gに対して充分
に安定に据え付けることができ、中詰砂が不要になる
分、コスト削減を図ることができる。
なお、上記実施例では、ケーソン1内部を3つの隔壁
6a〜6cによって4つの室7a〜7dに仕切った構成とした
が、隔壁の数、それらによって仕切られる室の数は適宜
で良い。そして、多数の隔壁によって多数の室を設け、
各室間の水位差を小さくすればするほど、ケーソンの壁
体やその内部の隔壁に加わる水圧を小さくすることがで
きることはいうまでもない。
また、必要であれば各隔壁の間に第2図に破線で示す
ような補強壁10…を所定の間隔で設けても良い。このよ
うな補強壁10…を設ける場合には、それらの補強壁10…
の下部に注入された水が通過し得る連通口を設けておく
と良い。
さらに、上記実施例は、複数のケーソンを並べること
によって円形の堤防を構築するようにした場合の例であ
るが、この発明は上記のような円形の堤防に適用するの
みならず、従来一般の堤防や、大きな水圧を受ける他の
堰堤、たとえば峡谷に設けるダム、岸壁、護岸構造物等
に対しても、同様に適用することが可能である。
「発明の効果」 以上で詳細に説明したように、この発明によれば、ケ
ーソンの内部を隔壁によって複数の室に仕切り、それら
各室内に水を注入することによってこのケーソンを水底
地盤上に沈設させるとともに、各室に注入された水の水
位が堤外側の室から堤内側の室にかけて漸次低くなるよ
うにしたものであるので、ケーソンの内部に注入される
水の重量によってケーソンを安定に据え付けることがで
き、したがって中話砂が不要となるので、その分、工事
費を削減することができるとともに、ケーソンの壁体お
よび隔壁にはそれぞれ両側の水位差分の水圧した加わら
ないので、それらの壁体を薄いものとでき、かつ、それ
らの水密性を容易に確保することができる、という効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図はこの発明の一実施例を示すもの
で、第1図はこの実施例の構造による堤防の立断面面、
第2図は第1図のII−II線視平断面図、第3図はこの実
施例の堤防の全体の形状を示す斜視図である。 第4図はケーソンを用いて構築された従来の堤防の構造
を示す立断面図である。 G……水底地盤、1……ケーソン、4……堤外に面する
壁体、5……堤内に面する壁体、6a,6b,6c……隔壁、7
a,7b,7c,7d……室、h1,h2,h3,h4……水位。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E02D 23/02 E02D 23/02 Z (72)発明者 横山 典明 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 清水 勝公 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 奥津 宣孝 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 堀 哲郎 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 中井 康博 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−171921(JP,A) 特開 昭53−142013(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空箱状のケーソンを水底地盤上に沈設す
    ることによって構築される堰堤の構造であって、前記ケ
    ーソンは、その内容にこのケーソンの堤外に面する壁体
    と堤内に面する壁体との間を複数の室に仕切る隔壁が設
    けられており、それら各室内に水を注入することによっ
    てこのケーソンを水底地盤上に沈設させるとともに、各
    室に注入された水の水位が堤外側の室から堤内側の室に
    かけて漸次低くなるようにされていることを特徴とする
    堰堤の構造。
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