JP2597154B2 - ディーゼルエンジンの逃孔式燃料噴射ポンプ - Google Patents

ディーゼルエンジンの逃孔式燃料噴射ポンプ

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JP2597154B2 JP63178748A JP17874888A JP2597154B2 JP 2597154 B2 JP2597154 B2 JP 2597154B2 JP 63178748 A JP63178748 A JP 63178748A JP 17874888 A JP17874888 A JP 17874888A JP 2597154 B2 JP2597154 B2 JP 2597154B2
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明はディーゼルエンジンの逃孔式燃料噴射ポンプ
に関するものである。
《従来技術》 従来の逃孔式燃料噴射ポンプは、例えば第3図及び第
4図に示すように構成されている。
即ち、逃孔式燃料噴射ポンプ1のプランジャ2をプラ
ンジャ胴8に調量回転及び吐出摺動自在に挿嵌し、プラ
ンジャ胴8内のプランジャ室13の途中部の周面に吸入口
9を、プランジャ室13の先端部に吐出口10をあける。ま
た、プランジャ2の周面に閉弁用端縁3と噴射量調節用
弁面4と開弁用溝5とを順に形成し、開弁用溝5を連通
路6でプランジャ室13に連通する。
そして、プランジャ2の吐出行程での吸入口9を閉弁
用端縁3が閉じ終えてから開弁用溝5が開け始めるまで
の有効吐出ストロークSにプランジャ2がプランジャ室
13内の燃料を加圧して吐出口10から吐出する。
《発明が解決しようとする課題》 上記従来技術では次の問題がある。
(イ)周知のように、燃料が噴射されてから発火するま
での発火遅れの時間はほぼ一定であるため、クランク軸
の回転に対する発火遅れの角度はエンジンの回転数が高
くなるほど大きくなる。
また、燃料噴射ポンプと噴射ノズルとを別体に製造し
て噴射管で接続する場合には、噴射管内での噴射遅れ時
間もほぼ一定であり、クランク軸の回転に対する噴射遅
れ角度もエンジンの回転数が高くなるほど大きくなる。
このため、第5図に示すように、一般にエンジンの主
な稼動運転状態である高速回転時に適正なクランク角Q0
で発火するように、燃料噴射ポンプの噴射タイミングQ1
を高速回転時の噴射遅れ角度+発火遅れ角度q1だけ早い
進角位置に設定している。
ところが、低速回転時には噴射遅れ角度+発火遅れ角
度q2が上記高速回転時の場合よりも小さくなるために、
発火時期Q2が早くなり過ぎる。
(ロ)一方、上記問題点(イ)を解決するために、クラ
ンク軸から燃料噴射カム軸への伝動機構中に燃料噴射時
期自動調節装置(オートタイマ等)を介装することが一
般に行なわれているが、燃料噴射時期自動調節装置が余
分に要る分だけエンジンの製造コストが高くなる。
本発明は、燃料噴射時期自動調節装置の介装を省略で
きながら、簡単な構成で負荷領域の全域に亘ってエンジ
ンの回転に対応する進角作用を得るようにすることを目
的とする。
《課題を解決するための手段》 本発明は、上記目的を達成するために、上記従来技術
の構造において、次の改良を加えたものである。
即ち、本発明は、例えば第1図及び第2図に示すよう
に、ディーゼルエンジンの逃孔式燃料噴射ポンプ(1)
のプランジャ(2)をプランジャ胴(8)に調量回転及
び吐出摺動自在に挿嵌し、プランジャ胴(8)内のプラ
ンジャ室(13)の途中部の周面に吸入口(9)を、プラ
ンジャ室(13)の先端部に吐出口(10)をあけ、プラン
ジャ(2)の周面に閉弁用端縁(3)と噴射量調節用弁
面(4)と開弁用溝(5)とを順に形成し、開弁用溝
(5)を連通路(6)でプランジャ室(13)に連通し、
プランジャ(2)の吐出行程での上記吸入口(9)を閉
弁用端縁(3)が閉じ終えてから開弁用溝(5)が開け
始めるまでの有効吐出ストローク(S)に、プランジャ
(2)がプランジャ室(13)内の燃料を加圧して吐出口
(10)から吐出するように構成したディーゼルエンジン
の逃孔式燃料噴射ポンプにおいて、プランジャ(2)の
噴射量調節用弁面(4)の低負荷域から高負荷域までの
負荷領域の全域に亘って動的噴射時期調節用絞り通路溝
(7)を形成し、動的噴射時期調節用絞り通路溝(7)
を連通路(6)でプランジャ室(13)に連通し、閉弁用
端縁(3)から動的噴射時期調節用絞り通路溝(7)ま
での寸法(L)及び動的噴射時期調節用絞り通路溝
(7)の溝幅(W)を吸入口(9)の口径(D)よりも
小さくすることによって、プランジャ(2)の有効吐出
ストローク(S)の初期の圧力逃し行程(l)にプラン
ジャ室(13)内の燃料の一部を上記動的噴射時期調節用
絞り通路溝(7)から上記吸入口(9)を経て燃料室
(14)に吐き戻すように構成したものである。
《作用》 本発明は、第2図に示すように、次のように作用す
る。
プランジャ(2)の有効吐出ストローク(S)の初期
の圧力逃し行程(l)においては動的噴射時期調節用絞
り通路溝(7)が吸入口(9)に連通し続けることによ
り、プランジャ(2)で加圧され始めたプランジャ室
(13)内の燃料の一部が連通路(6)と動的噴射時期調
節用絞り通路溝(7)と吸入口(9)とを経て燃料室
(14)に吐き戻される。これにより、プランジャ(2)
の吐出作動位置に対するプランジャ室(13)内の圧力上
昇率が低下し、燃料噴射ポンプ(1)から送られた燃料
が噴射ノズル(17)で噴射開始する時期が遅れる。な
お、上記圧力逃し行程(l)は、第2図に示すように、
吸入口(9)がプランジャ(2)の閉弁用端縁(3)に
よって閉じられてから動的噴射時期調節用絞り通路溝
(7)を通過した後に、プランジャ(2)の噴射量調節
用弁面(4)によって完全に閉じられるまでの行程を示
すものである。
そして、エンジンが高速回転から低速回転に近づくほ
どプランジャ(2)の作動速度が遅くなって、上記圧力
逃し行程(l)でプランジャ室(13)内の燃料が動的噴
射時期調節用絞り通路溝(7)と吸入口(9)とを経て
燃料室(14)へ吐き戻されやすくなる。このため、上記
圧力逃し行程(l)でのプランジャ室(13)内の圧力上
昇率の低下がエンジンの低速回転ほど大きくなって燃料
噴射ポンプ(1)から送られた燃料が噴射ノズル(17)
で噴射開始する時期が遅れる。
つまり、従来の動的噴射時期調節用絞り通路溝(7)
を設けていないものでは、エンジンの主な稼動運転状態
である高速回転時に適正なクランク角で発火するように
燃料噴射ポンプ(1)からの吐出タイミングを設定する
と、上述したように燃料噴射ポンプ(1)での燃料の吐
き出しから噴射ノズル(17)での燃料噴射までに生じる
時間遅れ(噴射遅れ時間)が一定なために、エンジンの
低速回転時には上記噴射遅れによる噴射遅れ角度が小さ
くなる。この結果、第6図に示すように、エンジンの低
速回転時では噴射ノズル(17)のノズル針弁のリフト開
始時期(噴射開始時期)がエンジンの高速回転時よりも
早くなって発火時期が早くなり過ぎる。
これに対し、本発明では、上述のようにエンジンの低
速回転時には上記圧力逃し行程(l)でのプランジャ室
(13)内の圧力上昇率が低下して、第7図に示すように
噴射ノズル(17)のノズル針弁のリフト開始が早まるこ
とが抑制される。これにより、エンジンの低速回転時で
も噴射ノズル(17)の噴射開始時期は適正となる。そし
て、動的噴射時期調節用絞り通路溝(7)はプランジャ
(2)の噴射量調節用弁面(4)の低負荷域から高負荷
域までの負荷領域の全域に亘って形成されることによ
り、負荷領域の全域に亘って上述の噴射ノズル(17)の
燃料噴射開始時期の適正化が自動的に行われる。
《発明の効果》 本発明は上記のように構成され作用することから次の
効果を奏する。
プランジャの噴射量調節用弁面の低負荷域から高負荷
域までの負荷領域の全域に亘って動的噴射時期調節用絞
り通路溝を形成したので、燃料噴射時期自動調節装置を
介装しなくても動的噴射時期調節用絞り通路溝のみを形
成するといった極めて簡単な構成で、低負荷域から高負
荷域までの負荷領域の全域に亘ってエンジンの回転に対
応した進角作用を得ることができる。
《実施例》 以下、本発明の実施例を第1図と第2図とに基づき説
明する。
即ち、第1図に示すように、エンジンの逃孔式燃料噴
射ポンプ1内に形成されたプランジャ胴8にプランジャ
2(直径7mm)が吐出摺動自在に挿嵌されており、ガバ
ナ(図示せず)により調量回転可能に設けられている。
そして、プランジャ胴8の上側壁12とプランジャ2間
にプランジャ室13が形成され、プランジャ胴8の横側壁
11にプランジャ室13の吸入口9(直径3mm)が、上側壁1
2にプランジャ室13の吐出口10が、横側壁11の外周に燃
料室14がそれぞれ形成されている。また、吐出口10は吐
出弁16を介して噴射ノズル17に連通している。
プランジャ2の上端縁を閉弁用端縁3とし、この上端
縁3から溝状に連通路6が下方に伸び、この連通路6と
一連に開弁用溝5が横幅2mm及び溝深さ2mmで、半円形状
に形成されている。
また、プランジャ2の上端縁3と開弁用溝5間の周面
を噴射量調節用弁面4とし、この噴射量調節用弁面4を
横切る状態に動的噴射時期調節用絞り通路溝7が連通路
6から一連に、上端縁3より下方1mmの箇所に溝幅0.3mm
及び溝深さ0.3mmで、半円形状に形成されている。
◎実験データ(第6図及び第7図参照) 第6図は従来技術における圧縮上死点付近での筒内圧
B(単位はkg/cm2)と燃料噴射圧C(単位はkg/cm2)と
ノズル針弁リフトE(単位はmm)との変化を示すグラフ
であり、(イ)はエンジン回転数が2600rpmの場合、
(ロ)は1600rpmの場合、(ハ)は1200rpmの場合を示
し、第7図は本実施例における第6図に対応するグラフ
である。
本実施例は従来技術に比べて、エンジンの低速回転時
(1200rpm)に、グラフCのピーク時及びグラフEの
立ち上がり時が第7図(ハ)では第6図(ハ)よりも
圧縮上死点側に近いことで、噴射開始時期が遅く、動的
タイミングが改善されていることがわかる。
また、エンジンの低速回転時及び高速回転時(1200rp
m・1600rpm・2600rpm)に、グラフBのピーク時の圧
力及び発火直後からピーク時に至る間の圧力上昇率
が第7図では第6図よりも小さいことで、発火直後の爆
発的燃焼期の燃焼室内の圧力上昇率が小さいことがわか
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の概略縦断面図、第2図はプラ
ンジャの周面の展開図である。第3図及び第4図は従来
技術を示し、第3図は第1図相当図、第4図は第2図相
当図である。第5図はエンジンの低速回転時及び高速回
転時での発火時期を示す図、第6図は従来技術における
圧縮上死点付近での筒内圧B(単位はkg/cm2)、燃料噴
射圧C(単位はkg/cm2)及びノズル針弁リフトE(単位
はmm)の変化を示すグラフであり、(イ)はエンジン回
転数が2600rpmの場合、(ロ)は1600rpmの場合、(ハ)
は1200rpmの場合を示し、第7図は上記実施例における
第6図に対応するグラフである。 1……逃孔式燃料噴射ポンプ、2……プランジャ、3…
…2の閉弁用端縁、4……噴射量調節用弁面、5……開
弁用溝、6……連通路、7……動的噴射時期調節用絞り
通路溝、8……プランジャ胴、9……吸入口、10……吐
出口、13……プランジャ室、14……燃料室、D……9の
口径、S……有効吐出ストローク、W……7の幅、l…
…Sの初期の圧力逃し行程。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディーゼルエンジンの逃孔式燃料噴射ポン
    プ(1)のプランジャ(2)をプランジャ胴(8)に調
    量回転及び吐出摺動自在に挿嵌し、そのプランジャ胴
    (8)内のプランジャ室(13)の途中部の周面に吸入口
    (9)を、上記プランジャ室(13)の先端部に吐出口
    (10)をあけ、 上記プランジャ(2)の周面に閉弁用端縁(3)と噴射
    量調節用弁面(4)と開弁用溝(5)とを順に形成し、
    その開弁用溝(5)を連通路(6)で上記プランジャ室
    (13)に連通し、 上記プランジャ(2)の吐出行程での上記吸入口(9)
    を上記閉弁用端縁(3)が閉じ終えてから上記開弁用溝
    (5)が開け始めるまでの有効吐出ストローク(S)
    に、上記プランジャ(2)が上記プランジャ室(13)内
    の燃料を加圧して上記吐出口(10)から吐出するように
    構成したディーゼルエンジンの逃孔式燃料噴射ポンプに
    おいて、 上記プランジャ(2)の噴射量調節用弁面(4)の低負
    荷域から高負荷域までの負荷領域の全域に亘って動的噴
    射時期調節用絞り通路溝(7)を形成し、その動的噴射
    時期調節用絞り通路溝(7)を上記連通路(6)で上記
    プランジャ室(13)に連通し、 上記閉弁用端縁(3)から上記動的噴射時期調節用絞り
    通路溝(7)までの寸法(L)及び上記動的噴射時期調
    節用絞り通路溝(7)の溝幅(W)を上記吸入口(9)
    の口径(D)よりも小さくすることによって、上記プラ
    ンジャ(2)の上記有効吐出ストローク(S)の初期の
    圧力逃し行程(l)に上記プランジャ室(13)内の燃料
    の一部を上記動的噴射時期調節用絞り通路溝(7)から
    上記吸入口(9)を経て燃料室(14)に吐き戻すように
    構成したことを特徴とするディーゼルエンジンの逃孔式
    燃料噴射ポンプ。
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