JP2596640B2 - エレベータ用油入緩衝器 - Google Patents

エレベータ用油入緩衝器

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JP2596640B2 JP2330196A JP33019690A JP2596640B2 JP 2596640 B2 JP2596640 B2 JP 2596640B2 JP 2330196 A JP2330196 A JP 2330196A JP 33019690 A JP33019690 A JP 33019690A JP 2596640 B2 JP2596640 B2 JP 2596640B2
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    • B66B5/00Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators
    • B66B5/28Buffer-stops for cars, cages, or skips
    • B66B5/282Structure thereof

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  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,ロープ式エレベータの乗かご又はつり合お
もりが正規の停止位置を過ぎて下降した時に適度な減速
度をもって衝突力を緩和させるエレベータ用油入緩衝器
に関する。
〔従来の技術〕
エレベータには,乗かごが所定の位置を越えて下降し
た場合に,その際の衝突力の緩和を図るために昇降路の
底部に緩衝装置が設けてある。このような緩衝装置とし
て,ばね式の緩衝装置と油入緩衝器が一般的であるが,
従来の油入緩衝器の一例を示すものとして実公昭49−20
678号にその構造を示す断面図の記載がある。これを第1
9図に示す。
第19図において,油入緩衝器1は以下に述べる構成と
なっている。エレベータの昇降路の底部にベース2を介
して立設されたシリンダ3内に緩衝用の作動油15が満た
されている。シリンダ3の中央底部には上方に向けて先
細り状に細くなっているニードル4が植設してある。シ
リンダ3の上端部にはフランジ5が形成してあり,シリ
ンダ3の上部内側面に密着状に嵌入したガイド6の上端
部が固定ボルト14によりフランジ5に固定されている。
ガイド6は,上下の両端が開放状の円筒であり,その
内周面において,プランジャ7が油密状に上下移動でき
るように案内する。プランジャ7は中空になっており,
上端部に乗かご又はつり合おもりを受ける受板8が取付
けてあり,プランジャ7の下端面となる底部部材9の中
央部には噴油孔10が形成してあり,この噴油孔10にニー
ドル4の先端部が貫入している。そして,プランジャ7
の外周面下端部には,ストッパー部11が形成してある。
このストッパー部11は,底部部材9とベース2との間に
圧縮介在しているバネ12の付勢力を受け,ガイド6の下
端部に当接し,プランジャ7がシリンダ3より抜け出す
のを防止すべく構成してある。バネ12は,下降したプラ
ンジャ7を復帰させる役割を担っている。また、プラン
ジャ7の上部の側壁に,プランジャ7の下降とともにプ
ランジャ内の空気が圧縮されて高圧にならないよう空気
孔13を設けてある。
このような構造の油入緩衝器にあっては,乗かご又は
つり合おもりが過下降し,受板8に衝突すると,プラン
ジャ7が下方に移動する。このとき,シリンダ3内の作
動油15は噴油孔10を経てプランジャ7に噴出,流入し,
緩衝作用をする。即ち,噴油孔10の内周面とニードル4
との間の空間より成る流路がオリフィス構造となってお
り,このオリフィス効果によりプランジャ7の下降に対
して制動力を与える。この制動力は,プランジャ7が下
方に行くに従い,テーパ状を成しているニードル4のた
め,噴油孔10の流路面積が小さくなり,作動油15の噴出
量を小さくするようになっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上述べた油入緩衝器の機能は,乗かご又はつり合お
もりが過下降し,受板8に衝突する速度が,エレベータ
の定格速度あるいは法規にて定められている定格速度の
1.15倍の速度で衝突する場合の,いわゆる高速の衝突速
度に対する緩衝作用であり,一般の油入緩衝器でも同様
な使われ方である。
しかし,エレベータ用油入緩衝器の場合には,エレベ
ータの低速運転(保守運転)にて乗かご又はつり合おも
りを衝突させ,プランジャ7が全圧縮した後,荷重を解
放させてプランジャ7が正規位置まで異常なく復帰する
ことを確認するという定期検査が義務づけられている。
この際,従来の油入緩衝器はプランジャ7の下降に伴
い,前述した高速の衝突速度の場合と同様に,プランジ
ャ7内に流入した作動油15が,空気孔13より空気と共に
プランジャ外に噴出する。この噴出した作動油を,定期
検査の後に補給しておけば問題ないが,これを怠ると,
何らかの理由で乗かご又はつり合おもりが過下降して高
速の衝突速度で衝突した際に充分な緩衝作用を発揮でき
ず,安全性を損なう恐れがあった。
また,低速の衝突速度による油入緩衝器の動作は,高
速の場合と異なり定期的に実施すべきものであるため頻
度が著しく高いにもかかわらず,その都度プランジャ7
の空気孔13より噴出する作動油の清掃をしなければなら
ず,保守性を著しく低下させる要因にもなっていた。
このような油入緩衝器の作動時の作動油の噴出を防止
する手段として,装置全体を密封構造とし,油圧と空気
圧で緩衝作用をもたせることが考えられるが,装置全体
を密封構造とすることは,工作精度を著しく高める必要
があるばかりでなく,作動時の高圧に耐え得る構造が要
求されるため製品コストが極めて高価となり,一般的で
ない。
また,特開昭60−148882号には,第20図に示すよう
に,シリンダ3の側壁に設けた貫通孔より作動油15の一
部が流入する油留室16a,16bを設ける構造のものが記載
されている。しかし,この構造も前記と同様に装置を密
封することに変わりなく,前述と同様な問題点を有する
ほか,油留室16a,16bを設けるためにより構造が複雑に
なる。
また,実開昭60−137766号には,第21図に示すよう
に,プランジャ頂部の受板8に開閉装置17を設ける構成
のものが記載されている。これは,受板8に,空気穴18
を有するゴム等の材料から成る緩衝片開閉装置を備える
ことにより,高速の衝突速度で衝突する場合には,第22
図にその特性を示すように,瞬間的に作動油による大き
な制動力が発揮され,その反力で開閉装置17を形成して
いる弾性材が強く圧縮され,空気穴18を閉じてプランジ
ャ内部の作動油15が外部に噴出しないよう構成されてい
る。
しかし,前述した低速の衝突速度による衝突の場合に
は,第23図にその特性を示すように,作動油による制動
力は徐々に増加していくため,開閉装置17の空気穴はす
ぐには密着せず,その間に作動油が噴出してしまう。つ
まり,開閉装置17による方法は,乗かご又はつり合おも
りが油入緩衝器に高速で衝突する場合に対する作動油の
プランジャ外への噴出を防止するものであり,低速の衝
突速度で衝突させる場合の作動油のプランジャ外への噴
出に対する防止は充分とはいえない。また,作動時に高
圧になるため,前記した例と同様な問題点を有する。
さらに,実開昭61−203673号には,第24図に示すよ
う,ニードル4の頂部に油飛散防止体19を設けて,油入
緩衝器作動時の作動油のプランジャ7外への噴出を防止
することの記載がある。ニードル4の頂部にロッド22を
設け,これに,水平部20と縁部21とからなる飛散防止体
19を設けてある。これにより,油入緩衝器の作動時,作
動油15が噴油孔10よりプランジャ7内に流入するが,飛
散防止体19に衝突し,一度プランジャ底部の向きに戻さ
れ,その後に飛散防止体19とプランジャ7の内側面との
間隙を経由して受板8に向けて噴出されるので,空気孔
13からの作動油15のプランジャ外への噴出が防止できる
というものである。
しかし,高速の衝突速度で作動した場合には,第25図
にその際の作動油の流れを示すように,作動油15がシリ
ンダ3から噴油孔10を経て噴出する際の速度は相当な高
速となり,飛散防止体19に衝突する。この作動油15は,
飛散防止体19の下方においては,ほぼ直角に垂下する縁
部21に沿って逆流するような状態になり,噴油孔10より
噴出される作動油の流れを妨げるため,油入緩衝器の高
速による作動時の減速特性を不安定にしてしまうことに
より,この点に充分に配慮されているとは言えなかっ
た。
本発明の目的は,上記した従来技術での諸問題点を解
決し,安全性及び信頼性を向上させることのできるエレ
ベータ用油入緩衝器を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために,本発明においては,エレ
ベータの乗かご又はつり合おもりが油入緩衝器に,エレ
ベータの定格速度を越えない速度で衝突した際に,ある
いはエレベータの保守運転速度で衝突した際に,プラン
ジャに設けられた空気孔より作動油が噴出するのを防止
する噴油防止手段を設け,上記速度を越える高速の衝突
速度で衝突する際の作動油のプランジャ空気孔よりの噴
出は許容する構成とする。
〔作用〕
乗かご又はつり合おもりが油入緩衝器に高速の衝突速
度で衝突する場合の作動油のプランジャ外への噴出を許
容するので,前述したような油留室を設けたり,油入緩
衝器全体を密封構造にするなどの必要がなくなり,構造
簡易で低コストの油入緩衝器とすることができる。
また,高速の衝突速度で衝突する場合の油入緩衝器の
緩衝作用には影響を与えることなく,低速の衝突速度に
対する作動時にプランジャ外への噴油防止効果を発揮す
るので,定期検査時などの保守作業に予備があったとし
ても緩衝器の安全性を損なうことがなく,かつ保守作業
の作業性も向上させることができる。
〔実施例〕
実施例1 本発明の第1の実施例を第1図〜第7図により説明す
る。これは,噴油防止手段として,ニードル先端に,プ
ランジャ室内への作動油流出を案内する案内ロッドを設
ける構成を用いる場合である。
第5図に断面構造図を示すように,エレベータ装置
は,昇降路41の頂部に形成した機械室42に巻上機43を設
置している。この巻上機43は,第6図に側面図を示すよ
うに,シーブ44と,このシーブ44を駆動する電動機49
と,この電動機49とシーブ44との間に介在した減速機50
と,この減速機50の入力軸を利用して装置した電磁ブレ
ーキ45とから構成されている。そして,このシーブ44に
ワイヤロープ46を巻掛けて,乗かご47とつり合おもり48
をつるべ式に吊下げている。
一方,昇降路41の底部構造を示すのが第7図である。
第7図において,昇降路底部51に立設された油入緩衝器
1に対し,ワイヤロープ46にて吊下げられた乗かご47
は,通常運転時においては図の実線位置で停止し,油入
緩衝器1には接触しない。しかし,制御系統の故障など
により乗かご47が過下降した際は,油入緩衝器1を作動
させ,図の点線位置で停止させるようになっている。
第1図は本実施例の油入緩衝器の構造を示す断面図で
ある。第1図において,2はベース,3はシリンダ,4はニー
ドル,5はフランジ,6はガイド,7はプランジャ,8は受板,9
は底部部材を示している。また,10は噴油孔,11はストッ
パ部,12は復帰用のバネ,13は空気孔,15は作動油,23は緩
衝体を示している。
ここで,シリンダ3とプランジャ7はいずれも鋼管製
であり,シリンダ3のフランジ5と固着されるガイド6
は鋳鉄又は砲金から成り,プランジャ7の動きを円滑に
し,かつ油もれを防止すべく封油構造が採用されてい
る。プランジャ7の頂部に設けられた受板8には緩衝体
23が固着されている。プランジャ7の底部部材9の中央
に設けられた噴油孔10と同心にこの孔を貫通するニード
ル4は,その下端部がシリンダ3の底部に固着されてお
り,そして,制動力の大きさから定まる適切なテーパを
有する。プランジャ7の側壁の上部の一部には空気孔13
が設けられ,油入緩衝器の作動時に,プランジャ7内部
の空気を空気孔13より流出させることにより,プランジ
ャ内が高圧になるのを防止している。
ここで,本実施例においては,低速作動時の作動油の
空気孔13からの噴油防止手段として,ニードル4の頂部
に,ニードル4の外径より小さい径の案内ロッド24が固
着,又はニードルと一体に形成されており,その案内ロ
ッド24の高さは,プランジャ7が全圧縮して受板8が図
の鎖線の位置まで下降しても受板8の下端面に当接しな
いように決められる。また,ニードル4の先端と案内ロ
ッド24との連結部は作動油15の通常時の油面より低く構
成してある。
このため,エレベータ低速運転(保守運転)の速度で
油入緩衝器が作動した場合,第2図に示すように,噴油
孔10を流出した作動油は,油の粘性により案内ロッド24
に案内されて図の矢印のように中央部に集合されて上昇
し,プランジャ頂部の受板8に当接した後に下方に落下
する。この際にプランジャ7の側壁上部に設けられた空
気孔13より作動油は噴出しない。この場合の案内ロッド
24の高さは,油入緩衝器の全行程の少なくとも1/5以上
の高さが必要であることを実験的に確認している。
一方,高速の衝突速度にて油入緩衝器が作動した場合
であっても,衝突直後に噴油孔10より噴出される作動油
の流れを乱すことがないため,高速動作時の緩衝特性に
影響を与えることはない。ただし,この場合の空気孔13
からの作動油15の噴出は,噴出量が減少する効果は期待
できるが,噴出そのものは許容しなければならない。こ
の作動油の噴出量と衝突速度との関係を示すと第3図の
ようになる。即ち,従来技術の場合の噴油量が破線曲線
で示すように低速衝突速度vlの場合にも多量にあるのに
対し,本実施例の場合には実線曲線で示すように低速衝
突速度vlでは噴油量が無くなる。また,高速衝突速度vh
における噴油量も,本実施例の場合の方が従来技術の場
合よりも減少する。なお,案内ロッド24が第4図に示す
ようにテーパを有する形状であれば,噴油孔10を通った
作動油がより中央部に集合されるために,空気孔13から
の噴油防止効果がより増大する。
実施例2 第2の実施例を第8図〜第10図を用いて説明する。こ
れは,噴油防止手段として,空気孔13の位置のプランジ
ャ内径部に防油部材を設ける構成を用いる場合である。
第8図において,シリンダ3,プランジャ7,ニードル4,
バネ12などの油入緩衝器の主要部材は第1の実施例と同
一であるが,本実施例においては,空気孔13の位置のプ
ランジャ7の内壁側に径方向に中心に向って突出するよ
うに,空気孔13に通じる通気孔26を有する防油部材25が
設けてある。これにより,低速の衝突速度で乗かごが油
入緩衝器に衝突した際,シリンダ3内の作動油15が,噴
油孔10より噴出し,プランジャ7の内壁に沿って上昇し
て来る作動油15を防油部材25が防ぐことができる。即
ち,防油部材25は作動油15に対するせきとなり,作動油
15が通気孔26を通って空気孔13より外部に噴出すること
はない。
空気孔13の位置に設ける防油部材の,別の構成例を第
9図に,その要部断面図を第10図に示す。空気孔13を,
プランジャ7の壁面の対向する2個所の位置に配置し,
これらの空気孔13に,防油部材27の両端を係合させる。
この防油部材27は,第10図に示すように,対向した空気
孔13に貫通し,かつ,これと交差する通気孔28を有する
構成であるので,作動油のプランジャ外への噴出は防止
するが,プランジャの内部の空気は外部に排出できる。
実施例3 第3の実施例を第11図,第12図により説明する。これ
は,噴油防止手段として,ニードル頂部に防油体を設け
る構成を用いるものである。
第11図,第12図においても,シリンダ3,プランジャ7,
ニードル4,バネ12などの油入緩衝器1の主要部材はこれ
までの実施例と同一である。第11図において,ニードル
4の頂部を作動油15の油面より上方まで延長し,その上
端部に図示のような防油体29を設けてある。この防油体
29は,前述した公知例にある飛散防止体19のように,水
平部分と垂下部分を有するが,本実施例の防油体29は,
水平部分30と垂下部分31とを所定の曲率を有する曲面で
結び,さらに垂下部分31は,所定の勾配でプランジャ7
の内壁側に傾けて配置される。これにより,高速の衝突
速度にてプランジャ7が作動した場合であっても,噴油
孔10より高速で噴出した作動油15が,防油体29の水平部
分30に衝突した後,作動油の流れを乱すことなく,防油
体29の垂下部分31に沿ってプランジャ7の内壁側に流れ
るようになり,油入緩衝器1の高速作動時の減速特性に
影響を与えることはない。低速の衝突速度に対する作動
油のプランジャ外への噴出を防止できるのはいうまでも
ない。
第12図は防油体の別の構成例を示すものである。第12
図において,防油体32は,ニードル4の頂部に配置する
のは第11図の場合と同様であるが,防油体32の下面は所
定の曲率を有する曲面のみで形成されているのが特徴で
ある。
実施例4 第4の実施例を第13図により説明する。これは,噴油
防止手段として,作動油油面上に防油浮遊体を設ける構
成を用いるものである。
第13図において,作動油15よりも比重の小さい部材で
形成された防油浮遊体33を,作動油15の油面上に浮遊さ
せ,噴油孔10から噴出する作動油が勢いよく上昇するの
を防止することで,空気孔13からの作動油の噴出を防止
する。この防油浮遊体33は,例えば弾性ゴム,プラスチ
ックなどから成るもので,油入緩衝器の高速動作時に
は,高速で受板8の直下まで持上げられ,その状態が保
持されるので,高速動作時の減速特性に影響を与えるこ
とがなく,また,プランジャ7の復帰時にも空気孔13よ
り外部の空気がプランジャ内へ流入するのを損なうこと
もない。
その他の実施例 ところで,これまで述べた油入緩衝器の低速での衝突
速度による作動油の噴出は,エベレータの低速運転,い
わゆる保守運転において乗かご,又はつり合おもりを下
降させて定期検査を行う場合について述べて来た。しか
し,第5図に示したように,乗かご47とつり合おもり48
はワイヤロープ46にてつるべ式に吊下げられている。こ
のため,いずれかが重くなり,電磁ブレーキ45を間欠的
に解放させる操作を行えば,低速運転による油入緩衝器
1の定期検査を同様に実施できる。この方法は簡易であ
るため一般的にも用いられている。しかし,保守員が手
動で操作する方法であるので,油入緩衝器への衝突速度
は,前述の保守運転による場合よりも,変動範囲が広く
なる。また,前述保守運転時の衝突速度も,エレベータ
の定格速度や電動機の制御方式の相違により,ある範囲
で変動する。以上を考慮すると,実施例1〜実施例4で
述べた作動油の噴油防止手段で充分でない場合も予想さ
れる。つまり,第14図に示すように,低速衝突速度vl
は変動範囲があり,エレベータ定格速度v0にも変動範囲
があるので,衝突速度が高くなれば,換言すればエレベ
ータの定格速度に近くなれば,作動油の噴油が発生する
場合もあることになる。このため,より広範囲のエレベ
ータ機種に使用する油入緩衝器としては,以下に実施例
を示すように,これまで述べた噴油防止手段を組合せる
ことにより,充分な噴油防止効果を発揮させることが望
ましい。
第15図に示す実施例は,実施例1で述べた,ニードル
4の頂部に案内ロッド24を設ける噴油防止手段と,実施
例2で述べた,プランジャ7の空気孔13の位置の内壁側
に通気孔26を有する防油部材25を設ける噴油防止手段と
を組合せたもので,より大きな噴油防止効果を発揮させ
ることができるのはいうまでもない。
また,第16図に示す実施例は,実施例1の,ニードル
4の頂部に案内ロッド24を設ける噴油防止手段と,実施
例3の,ニードル4の頂部上方に防油体29を設ける噴油
防止手段とを組合せたものである。
さらに,第17図に示す実施例は,実施例1の案内ロッ
ド24による噴油防止手段と,実施例3のニードル頂部上
方に防油体29を設ける噴油防止手段と,実施例2の空気
孔13の位置に通気孔26を有する防油部材25を設ける噴油
防止手段とを組合せたものであり,さらに大きな噴油防
止効果を発揮させることができる。
この他,第18図に示す実施例は,実施例2の空気孔13
の位置に防油部材25を設ける噴油防止手段と,実施例4
の作動油の油面上に防油浮遊体33を浮遊させる噴油防止
手段とを組合せたもので,このような組合せによって
も,各噴油防止手段を単独で用いる場合に比べて,より
大きな噴油防止効果を発揮させることができる。
上記以外にも,実施例1〜実施例4で述べた構成の任
意の2つ以上を組合せた噴油防止手段を用いて,同様の
噴油防止効果を発揮させることができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば,エレベータの定格速度を越えない低
速での衝突動作時に作動油のプランジャ外への噴出を防
止することができ,油入緩衝油の信頼性及び安全性が向
上する。また,作動油のプランジャ外への噴出がないの
でエレベータの保守点検時の保守性の良いエレベータ用
油入緩衝器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す断面図,第2図は第1
図実施例の噴油防止動作を説明する図,第3図は油入緩
衝器作動時の噴油量と衝突速度との関係を示す特性図,
第4図は本発明の他の実施例を示す断面図,第5図〜第
7図はエレベータ装置の構造を示す図,第8図〜第13図
はそれぞれ本発明の他の実施例を示す断面図,第14図は
油入緩衝器作動時の噴油量と衝突速度との関係を示す特
性図,第15図〜第18図はさらに本発明の実施例を示す断
面図,第19図〜第21図は従来例を示す断面図,第22図,
第23図は油入緩衝器の減速度特性を示す特性図,第24
図,第25図は従来例の構造を示す断面図である。 符号の説明 1……油入緩衝器,3……シリンダ,4……ニードル,7……
プランジャ,8……受板,10……噴油孔,12……バネ,13…
…空気孔,15……作動油,24……案内ロッド,25,27……防
油部材,26,28……通気孔,29,32……防油体,33……防油
浮遊体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大森 福次 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日 立製作所水戸工場内 (72)発明者 佐々木 悟 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 日立エレベータサービス株式会社内 (72)発明者 松崎 義夫 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 日立エレベータサービス株式会社内 (56)参考文献 実開 昭61−203673(JP,U) 実開 昭53−103092(JP,U) 実開 昭48−65977(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】昇降路の底部に立設され、内部に作動油を
    満たした円筒状のシリンダと、このシリンダに嵌合して
    上下方向に摺動可能に設けられ、頂面と底面を有する中
    空円筒状のプランジャと、前記底面中心部に穿設した噴
    油孔と、このプランジャの上部側壁に設けた空気孔と、
    前記シリンダの底面中心部に立設し前記プランジャの噴
    油孔を貫通可能に配設したニードルと、このニードル先
    端頂部に設けたニードルよりも小径の案内ロッドと、前
    記プランジャの底面を上向きに付勢するバネとを備え、
    前記プランジャの下降移動に伴って前記シリンダ内の作
    動油が前記噴油孔から前記プランジャ内へ噴出すること
    により、前記プランジャの下降荷重に対する制動力を付
    与するように構成したエレベータ用油入緩衝器におい
    て、 下記噴油防止手段(1)〜(3)のうち少なくとも何れ
    か1つを備えることを特徴とするエレベータ用油入緩衝
    器。 (1)前記案内ロッドと前記ニードルとの境界部を前記
    作動油の油面より下方位置に設け、前記案内ロッドは前
    記プランジャの作動行程の少なくとも1/5以上の長さを
    備えるとともに、前記プランジャの下降限位置において
    前記プランジャの頂面内壁との間に空隙を形成する噴油
    防止手段。 (2)前記プランジャの内壁側に、前記空気孔と連通す
    る通気孔を備えた防油部材を有する噴油防止手段。 (3)前記作動油の油面上に浮遊し、外径が前記プラン
    ジャの内径より小さく、かつ少なくとも前記噴油孔の孔
    径より大きい防油浮遊体を備える噴油防止手段。
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