JP2596039B2 - 先割れ繊維及びその製造法 - Google Patents

先割れ繊維及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はソフトな触感を有し、かつ腰のある有端繊維
に関し、更に詳しくは、繊維先端が極細繊維群より成り
先端部外は非分割状を保つ繊維に関する。
(従来の技術) 最近人工スエードなどを代表とした極細繊維の用途開
発が進み、合成繊維糸で極細化することによる触感効果
が認められて来ている。しかしながら熱可塑性合成繊維
の細い繊維を紡出する技術は難しく、種々の方式が提案
されているものの実状として現状の単成分系紡糸設備で
は延伸糸としてせいぜい0.3デニールの単繊維を得るこ
とが限界である。更に細い合成繊維を得る手段として
は、特公昭48−28005号を代表とする2成分以上の複合
繊維を分割して極細化する方法、または特公昭46−2782
号などに見られる2成分ポリマーを多芯型芯鞘複合紡糸
した糸を延伸後、1方のポリマーを溶剤で溶出して極細
繊維を得る方法等がある。
また繊維先端のみが細化された微繊維を付与する方法
としては特公昭45−711号にみられるように、海島型の
複合紡糸を作り、先端のみを残してパラフィンで覆い海
成分を溶出して先端のみに島成分のみを残す方法や特開
昭52−21468号にみられるような溶剤を布帛表面にステ
ィーミングして、ブラッシングする方法、特開昭54−14
7268号に開示される溶剤と膨潤剤とで特殊条件下で溶出
処理する方法等が知られている。
(本発明が解決しようとする課題) しかしながら、これらの極細繊維より得られる布帛
は、ソフトな手触りが得られるものの張り腰の不足もし
くは弾発性が不足することや、繊維表面積の増加より、
表面反射光が増大することにより発色状に劣る等の商品
としての問題点や、設備が複雑になり、紡糸技術が難し
くなったり、設備コストの増大等の問題を有している。
また、商品の要求特性からは合皮や、ワンピングクロ
ス等の特殊用途は別として、衣料用やインテリヤ用途等
は極表層のみに極細繊維を配し、接触初期にのみ手触り
に寄与すれば充分な場合やかえって表層以外は0.5デニ
ール以上の繊維径を持つものの方が有用な場合が多い。
また、特開昭54−147268号や特開昭52−21468号にみ
られる繊維は先割れ端部を有し、触感や弾発性を満足す
る繊維が得られるものの細極化糸特有の発色性不良やぬ
めり感増大にともなう欠点を解決し得ていない。
加えて、特公昭45−711号や特開昭52−21468号、及び
特開昭54−147268号に示される方法は、紡糸装置が複雑
なことや部分的溶出が特殊な方法や特定条件に限定され
るため、装置的管理的に非常に面倒な方法である。
(課題を解決するための手段) 本発明者らはかかる背景を考慮し鋭意研究を進めた結
果繊維幹部が0.5〜10デニールのポリエステル系有端繊
維でありその先端10μm以上2mm以下の不定断面形状の5
0〜500本の細繊維に分割されており、カットパイル布帛
や紡績糸等の有端繊維含有布帛とした場合、きわめてソ
フトでドライ感に富む感触を有し、弾発性や張り腰をそ
こなうことのない布帛やシート状物が通常の簡単な溶出
処理のみで得られることを見い出した。
すなわち本発明は (1) 繊維幹部が0.5〜10デニールで、繊維軸方向に
0.2〜0.9μmの巾の微細溝を有する有端繊維であり、該
繊維の先端部が長さ10μm〜2mmで50〜500本の不定形断
面の極細繊維に先割れしていることを特徴とする先割れ
繊維。
および (2) リン化合物をリン原子換算で2000ppm以下含有
する繊維形成性熱可塑性重合体(A)に該重合体と実質
的に非相溶性の重合体(B)を0.5〜7重量%配合せし
めて、剪断速度50〜5500/秒、ドラフト比300〜4000を満
足する条件で溶融紡糸し、延伸して得られた繊維を切断
し、該切断繊維を前記重合体(B)の溶出剤で処理する
ことを特徴とする請求項(1)記載の先割れ繊維の製造
法である。
本発明糸は端部のみが細分化され、端部より少なくと
も100μm以長部では0.5〜10デニール通常糸形態を保持
していることが必要である。布帛の場合は、繊維幹部デ
ニールは0.5〜5デニールであることが有用であり、0.5
デニール未満では最終用途のソフト感は増すものの物に
よっては張り腰に欠ける風合や圧縮時の弾発性に劣る欠
点がある。逆に幹部太さが5デニールを越えると初期接
触感はソフトがあるが全体としてはゴワゴワした布帛や
構造物となってしまう。布帛以外の各種シート状物では
5デニールを越え10デニールまで有用である。先端先割
れ部はその長さが10μm以上であり、好ましくは10μm
〜2mm、布帛の場合、より好ましくは100〜10μmであ
る。10μm未満では極細繊維の触感効果が不充分とな
り、2mm以上では好ましい触感効果が得られるものの細
繊部の摩擦耐久性低下や幹部との洗濃度差が明確になり
好ましくない。
また細繊部の断面形状は不定型断面形状であることに
より光沢がよりマイルドになり、合繊維特有のギラギラ
光沢を防止出来る。
また紡糸過程中のコントロールが容易で紡糸設備のよ
り簡素なもので製造出来る。
かくして特に布帛において、繊維幹部は0.5〜5デニ
ールで、繊維軸方向に0.2〜0.9μmの巾の微細溝を有す
る有端繊維でその先端部に50〜500本に細繊化され、そ
の長さが10μm〜2mmである合成繊維は非常にソフトな
触感と張り腰と弾発性を同時に満足し得る高感性布帛に
適した繊維となる。
本発明の有端繊維および繊維形成性熱可塑性重合体と
は溶融紡糸で得られる合成繊維および溶融紡糸できる重
合体であり、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレー
ト等のポリエステル系繊維、ナイロン6,ナイロン66等の
ポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエーテルエステル等が挙げられる。
好ましい合成繊維としてはポリエステル系繊維であ
る。ポリエステル系繊維の場合、繊維形成性熱可塑性重
合体(A)に非相溶性の重合体(B)とはポリオキシア
ルキレングリコール系水溶性高分子またはその誘導体で
あることが好ましい。
本発明の先割れ繊維は、繊維幹部に凹凸を付与するこ
とにより深色性を増すという点と触感がよりドライで合
成繊維特有のぬめり感を除去する点が特徴であり、更に
は凹凸形態は、繊維軸方向に概略的に連続する微細溝で
あることにより繊維軸方向の摩擦力が低く、繊維断面方
向の摩擦力を高く出来、繊維間の軸方向への繊維間の移
動が阻害されることなく断面方向間の摩擦力が高くし得
るので、糸の曲げ抗力が低く保った状態でドライなキシ
ミ感を付与する目的を達し得る。凹凸の大きさは、深色
能を増し、ドライ感を付与する点よりその巾が0.2〜0.9
μmであることが有効であり、0.2μm未満では深色能
がほとんど出ないばかりかドライ感にも効果がない。逆
に0.9μmを越えるとドライ感は付与されるものの深色
性を増す効果が得られない。これら微細溝の数は繊維断
面方向の外周距離で10μm当り10〜50本である。
今、1つ改善点は、微細化繊維の深色能を上げ触感特
性を高める点にある。一般に繊維は細繊化すると繊維表
面積が増加するため、表面の反射光が増し、染色した色
が白っぽく見える傾向がある。また同時に細繊化により
触感はよりワキシーな方向になりぬめり感が増す。これ
を改善するため、好ましくは、細繊化繊維表面にも可視
光の波長オーダーの微細な凹凸を付与することが有効で
あり、この目的のためには、紡糸前または紡糸時に無機
微粒子(内部または外部粒子)を添加する。凹凸の周期
は0.2〜0.7μmであることが望ましい。0.2μm以下で
は触感をドライにする効果がほとんど出ないばかりか淡
色化傾向を改善出来ない。
また0.7μmを越えても淡色化傾向が改善されないば
かりかかえってパステル調のくすんだ色調になる。
これらの凹凸は先割れ細繊維表面の少なくとも50%を
覆っていることが望ましい。
本発明糸の中のポリエステル系繊維では特殊な繊維形
態の繊維を容易に得るためには、リン化合物をリン原子
換算で2000ppm以下含有するポリエステルにポリアルキ
レングリコール系水溶性高分子を0.5〜7重量%溶融混
合し、剪断速度が50〜5000/秒でオリフィス孔より押し
出し、ドラフト比が300以上4000未満で引き取り、延伸
後、切断し、アルカリ溶液の溶剤にて溶出処理し、繊維
端部を細分化する方法を採用する。
本発明のポリエステルの場合、通常のアルカリ溶出処
理で簡単にかつコントロール出来る先端分割型のセンイ
が得られる点にある。そのためには基質にリン化合物を
含有するポリエステルを用いることが好ましく、かつポ
リアルキレングリコール系高分子とメルトブレンドし、
高度に両成分を繊維軸方向に概略的に連続して配する点
にある。
詳細なメカニズムは解明出来てないが、リン化合物と
ポリアルキレングリコールを共存せしめ高度に細分配向
させることにより可溶出部分がネット状に配し、可溶出
部分のアルカリ溶出速度が側面方向からよりも断面方向
からの方が著しく増加するため繊維端部のみが細繊に分
割するものと考えられる。
基質ポリエステル中のリン化合物とポリアルキレング
リコール類の量は重要であり、リン化合物の量はポリエ
ステルに対しリン原子換算で2000ppm以下である。リン
化合物量が多いほど細分化には有効であるがリン化合物
量が2000ppmを越えると共重合化の程度が進み、融点の
低下やアルカリ溶出時に分子鎖切断が多量に生じ強力の
低下が著しく実用に供しがたい。
またポリアルキレングリコールまたはその誘導体の量
は少なくともポリエステルに対し0.5〜7wt/%であり、
好ましくは1〜4wt%である。7wt%を越えるとアルカリ
溶出後の原糸強度が著しく低下することや、紫外線によ
る変退色が著しくなるため、衣料やインテリヤ用原糸と
しては適さなくなる。
本発明でいうリン化合物としては5価のリン化合物が
好ましく、より好適にはリン酸、ホスホン酸およびそれ
らの誘導体が挙げられる。具体的な化合物としてはリン
酸、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸トリメチルエステ
ル、リン酸トリエチルエステル、リン酸トリブチルエス
テル、リン酸トリフエニルエステル、リン酸モノメチル
エステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸モノエチル
エステル、リン酸ジエチルエステル、リン酸モノブチル
エステル、リン酸ジブチルエステル、ホスホン酸、ホス
ホン酸のアルカリ金属塩、メチルホスホン酸、メチルホ
スホン酸ジメチルエステル、エチレンホスホン酸ジメチ
ルエステル、フエニルホスホン酸ジメチルエステル、ベ
ンジンホスホン酸ジエチルエステル、フエニルホスホン
酸ジフエニルエステル、ジエチルホスホノエチルプロピ
オネート等が例示され、これらは単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。
また本発明でポリエステル系繊維の場合に好適なポリ
オキシアルキレングリコール系水溶性高分子またはその
誘導体(以下POGと略称する)とは、例えばポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオ
キシドとプロピレンオキシドとのランダムまたはブロッ
ク共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコールにエチレンオキシドを付加して得
られるブロック共重合体、ネオペンチルグリコールやビ
スフェノール系グリコールにエチレンオキシドを付加し
た化合物のごとき両末端が水酸基のポリオキシアルキレ
ン化合物、等をあげることが出来る。これらの化合物の
分子量は1000以上、好ましくは5000〜5万、更に好まし
くは、1万〜2.5万である。
本発明でいうPOGは以上の具体的例に限定されるもの
ではないし、又これら化合物の単独あるいは2種以上の
混合物であってもよいことは言うまでもない。
本発明で使用されるべきPOGは、以上のべたようなPOG
であればよい。更に、この添加含有されるべきPOGにあ
らかじめ酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、有機または
無機のイオン性化合物、その他の添加剤を混合しておい
てもよい。
本発明で使用される重合体(B)の溶出剤としては、
重合体(B)の溶剤、膨油剤、重合体(A)の加水分解
剤、溶剤、膨油剤が挙げられ、重合体(A)がポリエス
テル系繊維の場合は、アルカリ類やアミド類の水溶液が
好ましい。
今1つ肝要なポイントは繊維形成時にポリエステル部
とPOG部を極力、繊細軸方向に長く配する点にあり、こ
の事より紡糸ノズル、オリフィス中の剪断速度とオリフ
ィスを出た後のドラフト比が重要である。オリフィス中
の剪断速度は、ポリエステル中のPOG分散塊を微細化し
ないために剪断速度は少なくする必要があり、剪断速度
は5500/秒以下にする必要がある。しかしながら剪断速
度が50/秒以下では安定な製糸形成がなされず、単糸間
のムラ、単糸切れが生ずる。一旦、断面内でのポリエス
テルとPOGの位置関係が決定された後、両者が固化前に
可能な限り伸長することがPOG層をできるだけ細く連続
化するうえで重要であり、ノズル下のドラフトは高い方
が好ましい。このためノズル下のドラフト比は最低限30
0以上必要であるがドラフト比が4000を越えると紡糸時
にレゾナンスが発生し、太さムラが生じたり単糸切れが
生じてしまう。
ここでいう剪断速度とは次式で算出する。
(丸断面オリフィスの場合) Q=単孔吐出量(g/sec) D=オリフィス孔径(cm) P:ポリマー密度(g/cm3)=1.2 (スリット型オリフィスの場合) W:スリットの長さ(cm) H:スリット巾(cm) またノズル下のドラフト比は次式で換算する。
Vw;紡糸巻取速度(m/分) E;オリフィス出口面積(cm2) かくして得られた未延伸糸を常法で延伸後、アルカリ
溶出前の任意の時点でフィラメント糸の一部もしくは、
すべてを切断し有端化後アルカリ溶出することにより有
端部が50〜500本に細分化するアルカリ溶出時のアルカ
リとしては力性ソーダーもし又は、水酸化カリが適す
る。
アルカリ溶出率はアルカリ溶出の重量(Wo)と溶出後
の重量(W)より次式で算出する。
先端の細分化長及び繊維幹部の微細溝の数及び凹部巾
はアルカリ溶出率により決まる。溶出率は5〜40重量
%、好ましくは8〜30重量である。先端の細繊部表面に
凹凸を付与するために紡糸前又は紡糸時に添加する無機
微粒子としては、シリカ、ジルコニル等の化合物が挙げ
られるが、特にリン酸ジルコニルが好ましく、その添加
量はジルコニル原子換算で繊維当り100〜1000ppm、特に
500〜900ppmが染色鮮明性、製糸操業性の点で好まし
い。
以下実施例を用いて詳細を説明するが特に限定を加え
るものではない。
(実施例) 実施例−1 テレフタル酸1000部、エチレングリコール787部、ト
リエチルアミン1.8部及び三酸化アンチモン0.4部をオー
トクレーブに仕込み窒素置換後、ゲージ圧2.5kg/cm2
加圧して240℃で生成する水を蒸留塔より連続的に除去
しながらエステル化反応を行った。反応開始後120分経
過後放圧しエステル化率が95%の生成物を得た。この生
成物に100g/の濃度のトリメチルホスフェートのエチ
レングリコール溶液をリン原子換算濃度で得られるポリ
マーに対し1100ppmとなるよう添加し、常圧窒素雰囲気
下で10分間撹拌した。ついで240℃に昇温した重縮合反
応器に移送し、60分を要して275℃まで昇温しつつ反応
系の応力を徐々に下げて0.1mmHgとして更に同温同圧で1
00分間重縮合反応を行なった。
窒素で常圧にもどした後、ポリエチレングリコール
(平均分子20,000)にあらかじめヒンダードフェノール
系の酸化防止剤である、1,3,5−トリメチル2,4,6−トリ
ス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン(チバガイギー社製、商品名イルガノッ
クス・1330)を1.0%添加し、溶融化混合しものを、ポ
リエチレングリコール含有量が2重量%となるように加
えて重合を完結し、極限粘度〔η〕0.635(フェノール
/テトラクロルエタン=6/4の混合溶媒中30℃で測定)
のポリエチレングリコール含有ポリエステルを得た。こ
のポリマーを用い紡糸温度が275℃で、オリフェス径が
0.8mmφの48ホールの紡糸ノズルで1ノズル当り28g/分
の吐出量で押し出し、1500m/分で巻き取り168デール−4
8フィラメントの未延伸糸を得、常法(ホットロラー80
℃、ホットプレート150℃)で2.24倍に延伸し、75デニ
ール48フィラメントの延伸糸を得た。該延伸糸を経糸と
して、経糸に通常のポリエステルフィラメント75デニー
ル72フィラメントを用い8枚繻子組織で布帛とし、通常
の精練仕上げ後、起毛加工してスエード調布帛とし、力
性ソーダー30g/の90℃の浴中で20%の減量加工後、染
色仕上げした。その評価結果を表−1に示した。
実施例−2 実施例−1の重合時のトリメチルホスフェートを加え
る前に、酢酸ジルコニルのエチレングリコール溶液(50
g/)を得られるポリマーに対してジルコニウム原子換
算濃度で800ppmとなるように加え、10分撹拌後、トリメ
チルホスフェートを酢酸ジルコニルの2倍モルとなるよ
う加え、さらに10分撹拌後、実施例−1と同法にしたが
いポリエチレングリコールを2重量パーセント含有し、
内部粒子が内在するポリエステルポリマーを得た。同ポ
リマーを紡糸温度285℃でオリフィス径が、0.9mmφの30
ホールの紡糸ノズルより1ノズル当り42gの吐出量で押
し出し1300m/minで巻きとり290デニール30フィラメント
の未延伸糸を得、常法で2.9倍に延伸し100デニール30フ
ィラメントの延伸糸を得た。該延伸糸をパイル糸とし、
地糸にポリエステル加工糸75デニール48フィラメント糸
を用い、ダブルラッセル機で編成カットして、カットパ
イル布帛を得た。同布帛を60g/のカセットソーダー溶
液で18%減量加工後、染色加工した。その結果を表−1
に示した。
実施例−3 実施例−1の初期エチレングリコール投入時エチレン
グリコールに分散したシリカゾル(日本エアロジルox−
50)を200g/のEG分散液をポリエステルに対しシリカ
が3.0重量パーセント含有するように投入し、以下は実
施例−1と同法でシリカ及びトリメチルホスフェートと
ポリエチレングリコールを含有するポリマーを得た。該
ポリマーを用い、0.8mmφのオリフィス径のノズルより
紡糸温度280℃単孔当り0.6g/分の吐出量で押し出し1300
m/分で引取り単糸が4.2dの未延伸トウを得た。同未延伸
糸を3.3倍に延伸熱セットクリンプ付与後38mmにカット
し1.4d、38mmのポリエステル綿を得た。同綿を行い60S/
1の紡績糸を作り平織布を得た。同布を精練プレセット
後、50g/のカセイソーダー溶液でアルカリ溶出処理
し、15%減量加工した。同布帛を染色加工後、ファイナ
ルセットをして仕上布を得た。その結果を表−1に示し
た。
比較例−1 実施例−2を同一のポリマーを行い紡糸温度285℃で
オリフィス径が0.3mmφ30ホールの紡糸ノズルより38g/
分の吐出量で押し出し1300m/分で引き取り263デニール
−30フィラメントの未延伸糸を得、2.6倍に延伸して100
デニール30フィラメントの延伸糸を得た。実施例−2と
同法でカットパイル布帛を得、同法でアルカリ溶出染色
加工した。その結果を表−1に示した。
比較例−2 実施例−1で、トリメチルホスフェートとポリエチン
グリコールを加えない以外は全く同条件でレギュラーの
ポリエステルチップを得、紡糸温度285℃でオリフィス
径が0.9mmφ48ホールのノズルより吐出量を28gで押し出
し、1500m/分で引き取り168デニール48フィラメントの
未延伸糸を得、2.24倍に延伸し75デニール48フィラメン
トの延伸糸とし実施例−1と同法でスエード調の染色布
を得た、その結果を表−1に示した。
評価方法 繊維幹部の凹凸評価及び細繊部の表面状態 染色布の表面の有端繊維を5mmカットし白金蒸着後、
走査型の電子顕微鏡にて5000倍に拡大し繊維幹部の凹凸
数及び細繊部の長さ及び表面の状態を50ケ所計測し、そ
の平均値を算出した。
細繊部の細分化本数 染色布の有端繊維を5mmカットサンプリングし、アク
リル樹脂で包埋し、ミクロトームで5μm厚にカットし
て、細繊部の断面写真を得、700倍の写真より目視で断
面形状及び細化本数を計測した。
染色状の評価 染色仕上布を目視判定し、3段階に分類評価した。
○:レギュラー糸より深色である。
△:レギュラー糸とくらべて大差ない。
×:レギュラー糸より淡くみえる。
触感評価 染色布帛を感能評価し4段階に評価した。
4級:ドライでキシミ感がありタッチがソフトである。
3級:タッチがソフトであるがぬめり感がつよい。
2級:ドライであるがソフト感がない。
1級:ごわごわしかつぬめり感がつよい。
(発明の効果) 本発明糸は有端端部のみが細繊化しソフトな触感と張
り腰、弾発性を同時満足し得る繊維であり、更には繊維
幹部と細繊部に微細な凹凸を付与することにより、深色
性とドライな触感をも同時満足し得る繊維である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維幹部が0.5〜10デニールで繊維軸方向
    に0.2〜0.9μmの中の微細溝を有する有端繊維であり、
    該繊維の先端部が長さ10μm〜2mmで50〜500本の不定形
    断面の極細繊維に先割れしていることを特徴とする先割
    れ繊維。
  2. 【請求項2】リン化合物をリン原子換算で2000ppm以下
    含有する繊維形成性熱可塑性重合体(A)に該重合体と
    実質的に非相溶性の重合体(B)を0.5〜7重量%配合
    せしめて、剪断速度50〜5500/秒、ドラフト比300〜4000
    を満足する条件で溶融紡糸し、延伸することにより得ら
    れた繊維を切断し、該切断繊維を前記重合体(B)の溶
    出剤で処理することを特徴とする請求項(1)記載の先
    割れ繊維の製造法。
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