JP2595391B2 - 場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法 - Google Patents
場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法Info
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Description
杭の杭頭処理工法に係り、詳しくは杭径が1600mm
以上の場合に好適に採用される場所打ちコンクリート杭
の杭頭処理工法に関する。
して、現場において杭孔を掘削し、この杭孔内に生コン
クリートを打設して杭を形成する、いわゆる場所打ちコ
ンクリート杭が従来より採用されている。ところで、こ
のような杭を形成する場合には、場所打ちコンクリート
杭の杭頭余盛り部分の不良コンクリートを破砕除去する
必要性がある。しかし、従来から行なわれていたブレー
カー等を使用して破砕除去する方法では、近隣に与える
騒音や振動等による環境悪化といった問題を有してい
る。
方法として、水和により発熱膨張する静的破砕剤を用い
た杭頭処理工法が知られている。この工法は、図3に示
すように静的破砕剤を充填した容器1a…を、鉄筋籠の
主筋2…に結束線3…で取付け、その状態で該鉄筋籠を
杭孔4内に挿入し、予め杭孔4内に満たした掘削時の安
定液中に前記容器1a…を沈め、安定液中の水分を容器
1a…内の静的破砕剤に接触させて該破砕剤を膨張させ
るとともにコンクリートを打設養生させ、その後前記破
砕剤の膨張によって破砕した場所打ちコンクリート杭の
杭頭余盛り部分を除去するものである。
示した杭頭処理方法にあっては、杭径が1500mm程
度までは十分精度良く杭頭余盛り部分を破砕除去できる
が、1600mm程度以上の大径になると破砕剤の破砕
作用が十分機能せず、亀裂の精度が悪くなって余盛り部
分を精度良く破砕除去することが困難になる。
杭径が1600mm程度以上の場合、図4に示すよう
に、鉄筋籠の主筋2…に図3に示した例と同様にして静
的破砕剤を充填した容器1a…を取付け、さらに主筋
2、2間、あるいは主筋2…に取付けた前記容器1a、
1a間に鉄筋5…を組むとともに、これら鉄筋5…によ
って前記容器1a…の内側の、杭孔4の中心部近傍に容
器1b…を取付けて、前述した操作と同様にして杭頭余
盛り部分の破砕除去を行なっている。しかし、この場合
には、コンクリートを打設する際トレミー管が前記中心
部近傍の容器1b…にぶつかってしまう恐れがあり、ま
たぶつかった場合には該容器2b…が鉄筋5…から外れ
てしまい、その破砕効果が得られないといった不都合を
生じる。
で、その目的とするところは、杭径が1600mm以上
の場所打ちコンクリート杭の杭頭処理においても、余盛
り部分を精度良く破砕除去することができる静的破砕剤
を用いた杭頭処理工法を提供することにある。
リート杭の杭頭処理工法では、まず前記静的破砕剤を顆
粒状に成型してこれを透水性の容器内に充填し、この容
器を前記鉄筋籠の、前記コンクリートの杭頭余盛り部分
の下端部に対応する位置の主筋の内側に、周方向に沿っ
て取付けるとともに杭孔の半径方向に少なくとも二重に
取付け、かつこれら容器のうち中心側の容器も主筋に近
接させて取付け、次に該鉄筋籠を杭孔内に挿入して前記
容器を予め該杭孔内に満たされた安定液と接触させ、そ
の後杭孔内にコンクリートを打設することを前記課題の
解決手段とした。
の杭頭処理工法は、特に杭径が1600mm以上の大径
の場合に好適に採用されるものである。この発明に用い
る静的破砕剤としては、酸化カルシウム等の水和により
発熱膨張する膨張性破砕剤を主成分とし、これに公知の
遅延剤等を添加してなるものである。ここで、遅延剤を
添加するのは、その種類および添加量を適宜調整するこ
とにより、静的破砕剤の水和膨張圧の発現時間を所望す
る時間に調整することができるからである。
め顆粒状に成型されたものが用いられる。ここで、静的
破砕剤を顆粒状にするのは、各粒子間に適宜大きさの空
隙を持たせることにより、後述するように杭孔内の安定
液が各粒子に十分接触できるようにするためである。な
お、静的破砕剤を顆粒状に成型する方法としては、ブリ
ケッティングマシンによって静的破砕剤の乾粉を高い圧
力で連続的に強固なアーモンド状のブリケットに造粒す
る方法や、コンパクティングマシンによって破砕剤の乾
粉をスムースロールで板状に圧縮成型した後、破砕して
造粒する方法などが好適に採用されるが、もちろんその
他の乾式圧縮成型方法も採用可能である。また、静的破
砕剤の顆粒の大きさとしては、少なくとも各粒子間に水
が容易に侵入できるだけの空隙が形成される程度以上で
あればよく、例えば下記第1表に示した粒度分布のもの
が好ましい。
器としては、透水性で例えば管状のものなどが用いられ
る。ここで透水性の容器としては、全体を紙等の浸透性
の材料によって形成したものや、容器の周壁の一部ある
いは開口部を破砕剤が抜け落ちない程度のメッシュから
なるネットで形成したものなどが挙げられる。すなわち
このような容器では、容器自体が水の浸透性(透水性)
を有し、あるいはネット部から容易に水が通過すること
により、透水性の容器となるのである。そして、このよ
うな構成により静的破砕剤を充填した該容器は、後述す
るように安定液と接触した際容易に水分を内部に吸収
し、前記顆粒状の静的破砕剤と水分とを接触させるもの
となっている。
を防止するための安定液としては、ベントナイト溶液や
ベントナイト溶液にCMCや分散剤を添加したものなど
が用いられる。そして、前記容器中の静的破砕剤にこの
ような安定液を吸収させるには、杭孔内に十分安定液を
満たしておけばよく、また安定液が杭孔内中に十分満た
されていない場合にはコンクリート打設時に容器を安定
液中に没し、静的破砕剤に吸水させればよい。
示すように、鉄筋籠の主筋2…に図3に示した例と同様
にして静的破砕剤を充填した透水性の容器10a…を取
付け、さらにこれら容器10a…より杭孔4の半径方向
内側(中心側)にも透水性の容器10b…を配置すると
ともに、これら容器10b…を結束線3…によって主筋
2…あるいは容器10a…に取付け固定する。この場合
に、容器10a、10b…は、形成するコンクリートの
杭頭余盛り部分の下端部に対応する位置となるように、
鉄筋籠のの主筋2…の内側に二重に取付けられ、かつ中
心側の容器10bも主筋2…に近接させて取付けられ
る。
a、10b…を用いて本発明の場所打ちコンクリート杭
の杭頭処理工法を実施するには、まず従来と同様にして
安定液の存在下で杭孔4を掘削する。なお、この場合の
杭孔4の内径は1600mm以上とされる。次に、図1
に示したように予め容器10a、10b…を取付けた鉄
筋籠を用意し、さらにコンクリートが主筋に付着しない
ように主筋縁切材(図示略)を鉄筋籠の主筋2…に取付
ける。
4内に挿入して沈漬する。すると、安定液が容器10
a、10b…内に浸透して顆粒状の静的破砕剤と接触
し、静的破砕剤が膨張を開始する。さらに、安定液とコ
ンクリートとを置換しながらコンクリートを打設し、打
設完了後、コンクリートの強度が発現するまで養生す
る。すると、この間に静的破砕剤の膨張発現が完了して
いるため、土を掘り起こして根切りを行なうときには、
余盛りコンクリートが静的破砕剤の膨張力により予め設
定された位置で破砕されている。
る。図2に示すように、場所打ちコンクリート杭の杭径
Lを3000mm、余盛りコンクリートの深さdを80
0mm、かぶりコンクリートWを140mmとして以下
のように施工した。
ント株式会社製)のB管とM管とを鉄筋籠13に取付
け、さらに静的破砕剤の一種であるCAB(商品名;住
友セメント株式会社製)を丸状のスパイラルシース管1
0a、10b…(最大径38mm、長さ400mm)に
充填し、図1に示すように結束線3…を用いて所定位置
に二重に取付けた。なお、前記CABとして予め顆粒状
に成型したものを用いているのはもちろんである。ま
た、スパイラルシース管10a、10bについてはその
両端開口部をネットで覆い、静的破砕剤が管内より抜け
落ちないようにし、かつ管内に水が容易に浸透するよう
にした。
パイラルシース管を安定液中に沈めた後、コンクリート
を打設した。そして、10日間経過した後土を掘り起こ
したところ、切断予定線(コンクリートの杭頭余盛り部
分の下端)に沿って0.8cm〜2.5cmの亀裂が発生
しており、杭頭部を容易に輪切りすることができ、また
かぶりコンクリートも除去することができた。
ンクリートの杭頭処理工法は、コンクリートの杭頭余盛
り部分の下端部に対応する位置の主筋の内側に、静的破
砕剤を充填した透水性容器を杭孔の半径方向に少なくと
も二重に取付け、かつこれら容器のうち中心側の容器も
主筋に近接させて取付け、さらに杭孔内に挿入して容器
内の顆粒状の静的破砕剤を予め該杭孔内に満たされた安
定液と接触させるものであるから、特に杭孔径が160
0mm以上の大径の場合にも静的破砕剤の水和膨張によ
って余盛りコンクリートの破砕処理を容易に行なうこと
ができ、しかもトレミー管が前記中心側の容器にぶつか
ってしまうことも防止することができる。
法において、使用する鉄筋籠における静的破砕剤を充填
した容器の配置を示す平面図である。
る。
において、使用される鉄筋籠における静的破砕剤を充填
した容器の配置の一例を示す平面図である。
において、使用される鉄筋籠における静的破砕剤を充填
した容器の配置の他の例を示す平面図である。 2 主筋 4 杭孔 10a、10b 容器 13 鉄筋籠
Claims (1)
- 【請求項1】 掘削時の安定液を満たした杭孔内に、予
め静的破砕剤を取付けた鉄筋籠を挿入した後コンクリー
トを打設し、コンクリートの杭頭余盛り部分を前記静的
破砕剤の水和膨張作用により破砕するようにした場所打
ちコンクリート杭の杭頭処理工法において、まず前記静
的破砕剤を顆粒状に成型してこれを透水性の容器内に充
填し、この容器を前記鉄筋籠の、前記コンクリートの杭
頭余盛り部分の下端部に対応する位置の主筋の内側に、
周方向に沿って取付けるとともに杭孔の半径方向に少な
くとも二重に取付け、かつこれら容器のうち中心側の容
器も主筋に近接させて取付け、次に該鉄筋籠を杭孔内に
挿入して前記容器を予め該杭孔内に満たされた安定液と
接触させ、その後杭孔内にコンクリートを打設すること
を特徴とする場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17999191A JP2595391B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17999191A JP2595391B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0586618A JPH0586618A (ja) | 1993-04-06 |
JP2595391B2 true JP2595391B2 (ja) | 1997-04-02 |
Family
ID=16075554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17999191A Expired - Lifetime JP2595391B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 場所打ちコンクリート杭の杭頭処理工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2595391B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002322643A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-08 | Nishimatsu Constr Co Ltd | 場所打ちコンクリート杭の施工方法 |
JP6106412B2 (ja) * | 2012-11-12 | 2017-03-29 | 株式会社長谷工コーポレーション | 場所打ち杭の杭頭処理方法 |
CN110185037B (zh) * | 2019-06-27 | 2024-07-26 | 中铁五局集团建筑工程有限责任公司 | 一种灌注桩无机械破桩头方法及结构 |
CN113565492A (zh) * | 2021-07-23 | 2021-10-29 | 中建四局贵州投资建设有限公司 | 一种孔径检测笼式井径器 |
-
1991
- 1991-07-19 JP JP17999191A patent/JP2595391B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0586618A (ja) | 1993-04-06 |
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