JP2595359B2 - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

金属化フィルムコンデンサ

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JP2595359B2 JP1328743A JP32874389A JP2595359B2 JP 2595359 B2 JP2595359 B2 JP 2595359B2 JP 1328743 A JP1328743 A JP 1328743A JP 32874389 A JP32874389 A JP 32874389A JP 2595359 B2 JP2595359 B2 JP 2595359B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、力率改善用などの電力用コンデンサ、電気
機器用コンデンサ、各種電源回路用コンデンサ及び通信
機器などに使用される電子機器用コンデンサに関する。
[従来の技術] 近年、電子機器などの小型化に伴い、これに収容され
る各種電子部品の小型化に対する要求が高まってきてい
る。フィルムコンデンサにおいても、小型化及び大容量
化を目的として種々の材料、構造が検討されている。例
えば、ポリエステルフィルムの両面をアルミ蒸着などに
よって金属化すると共に、その表面にラッカー層を形成
し、これを積層又は巻回して金属化フィルムコンデンサ
とすることが、前記小型化及び大容量化の一手段として
知られている。
また、コンデンサに異常が生じた場合に、発火、爆発
などによって二次災害を引き起こさないように、金属ケ
ースを用いた油含浸のコンデンサには、保安装置が取り
付けられるようになり、さらに、乾式コンデンサにも保
安機構が取り付けられるようになった。従来から提案さ
れているこのような保安機構は、少なくとも一方の電極
(蒸着電極)を分割電極で構成し、この分割電極内に間
欠的な蒸着空白部を設けたものである(例えば、特開昭
58-182216号公報、同57-154823号公報、同58-103113号
公報、同57-210617号公報など)。以下、蒸着空白部間
に残された電極部分を特に「ヒューズ部」と呼ぶ。
[発明が解決しようとする課題] しかし、前記した従来技術においては、ヒューズ部の
溶断によって一旦分割電極が切り離された後の、蒸着電
極空白部を隔てた電極間の沿面の耐圧不足や分割電極溝
に隣接する分割電極間での沿面の耐圧不足に起因して、
蒸着電極空白部や分割電極部でレアーショートが発生
し、結果的に保安性の低下や長期間使用時の電気容量の
減少を招くといった問題点があった。尚、コンデンサに
おいて、このレアショートの発生を防止するために、電
極間隔(蒸着電極空白部の幅又は分割電極溝の幅)を広
くした場合には、同じ容量を確保するために、コンデン
サを大型化する必要があり、好ましくない。
本発明は、従来技術における前記課題を解決するため
になされたものであり、上記したレアーショートを防止
して、保安性の向上を図ることができると共に、長期間
使用する場合の電気容量の減少を防止し、信頼性の向上
を図ることができ、しかも大型化することのない金属化
フィルムコンデンサを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 前記目的を達成するため、本発明に係る金属化フィル
ムコンデンサの第1の構成は、基材フィルムの表面に形
成した対向する2極の金属薄膜電極を含む金属化フィル
ムコンデンサであって、前記2極の金属薄膜電極のう
ち、少なくとも1極の金属薄膜電極を分割電極で構成す
ると共に、前記分割電極の縁端に沿って間欠的な電極空
白部を設け、該電極空白部の幅L(単位:mm)と、コン
デンサのAC定格電圧V(単位:VAC)との関係を、0.0015
≧L/V≧0.0005にしたことを特徴とする。
また、本発明に係る金属化フィルムコンデンサの第2
の構成は、基材フィルムの表面に形成した対向する2極
の金属薄膜電極を含む金属化フィルムコンデンサであっ
て、前記2極の金属薄膜電極のうち、少なくとも1極の
金属薄膜電極を分割電極で構成すると共に、前記分割電
極の縁端に沿って間欠的な電極空白部を設け、該分割電
極の分割電極溝の幅W(単位:mm)と、コンデンサのAC
定格電圧V(単位:VAC)との関係を、0.0015≧W/V≧0.0
005にしたことを特徴とする。
[作用] 前記本発明の第1の構成によれば、2極の金属薄膜電
極のうち、少なくとも1極の金属薄膜電極を分割電極で
構成すると共に、前記分割電極の縁端に沿って間欠的な
電極空白部を設け、該電極空白部の幅L(単位:mm)
と、コンデンサのAC定格電圧V(単位:VAC)との関係
を、0.0015≧L/V≧0.0005にしたことにより、電極空白
部の幅を狭くしても、ヒューズ部が溶断した後の電極空
白部を隔てた電極間に電圧が加わった場合に、電極空白
部でレアーショートが発生することはないので、電極空
白部近傍における絶縁劣化が進んでコンデンサの破壊を
引き起こすことはない。その結果、保安性の向上を図る
ことができると共に、長期間使用する場合の電気容量の
減少を防止することができるので、金属化フィルムコン
デンサの信頼性が向上する。また、このように電極空白
部の幅を狭くしてもレアーショートが発生することはな
いので、コンデンサの大型化を防止することができる。
また、前記本発明の第2の構成によれば、2極の金属
薄膜電極のうち、少なくとも1極の金属薄膜電極を分割
電極で構成すると共に、前記分割電極の縁端に沿って間
欠的な電極空白部を設け、該分割電極の分割電極溝の幅
W(単位:mm)と、コンデンサのAC定格電圧V(単位:VA
C)との関係を、0.0015≧W/V≧0.0005にしたことによ
り、分割電極の分割電極溝の幅を狭くしても、何らかの
原因でヒューズ部の溶断が生じて、分割電極溝に隣接す
る分離された電極部と、分離されていない電極部との間
に電圧が加わった場合に、分割電極溝間でレアーショー
トが発生することはないので、隣接する電極部における
ヒューズ部の溶断が生じることはない。その結果、長期
間使用する場合の電気容量の減少を防止することができ
るので、金属化フィルムコンデンサの信頼性が向上す
る。また、このように分割電極の分割電極溝の幅を狭く
してもレアーショートが発生することはないので、コン
デンサの大型化を防止することができる。
[実施例] 以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明す
る。尚、本発明は下記の実施例によって限定されるもの
ではない。
第1図は本発明に係る金属化フィルムコンデンサの一
実施例を示す展開図である。第1図において、11は基材
フィルムの表面に設けられた蒸着金属などの金属薄膜で
ある。12は金属薄膜11に設けられた電極空白部である。
13は分割電極溝である。Lは電極空白部12の幅(単位:m
m)であり、Wは分割電極溝13の幅(単位:mm)である。
以下、上記のような構成を有する金属化フィルムコン
デンサの製造例について説明する。フィルム基材として
は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピ
レンフィルム、ポリフェニレンサルファイトフィルム、
ポリイミドフィルム、ポリイミドアミドフィルムなどの
樹脂フィルムを使用することができる。金属薄膜11とし
ては、Alなどの蒸着膜を使用することができる。金属薄
膜11は電極としての機能を果たす。尚、この金属薄膜11
の表面にラッカー組成物を乾燥後の厚さが約1μmとな
るように塗布してもよい。
(実施例1) 試料としてポリプリピレンフィルム(厚さ6μmのも
のと8μmのもの、幅80mm)の片面蒸着フィルムを用い
て、AC定格電圧400V(ボルト)、電気容量50μFのコン
デンサを作製した。
そして、電極空白部12の幅Lが、0.05mm、0.1mm、0.1
5mm、0.2mm、0.3mmの各サンプルを作製した。また、分
割電極溝13の幅Wは、一律に0.3mmとした。かかるサン
プルの電極空白部12の幅L(mm)とコンデンサのAC定格
電圧(VAC)との比L/Vは下記の通りである。電極空白部の幅L(mm) L/V値 0.05 0.000125 0.1 0.00025 0.15 0.000375 0.2 0.0005 0.3 0.00075 保安性試験としては、JIS−C−4908に準じて試験を
行った。この結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、誘電体であるフィルムの
厚みにかかわらず、電極空間部12の幅L(mm)とコンデ
ンサのAC定格電圧Vとの比L/Vが0.0005以上のサンプル
は合格率が高いことが確認できた(実験番号4,5)。
これに対して実験番号1〜3の合格率が好ましくなか
ったのは、隣接する電極空白部12、12間の金属薄膜11
(ヒューズ部)が溶断した後の電極空白部12を隔てて電
極間に加わる電圧によって、電極空白部12でレアーショ
ートが発生し、電極空白部12の近傍における絶縁劣化が
進んで、コンデンサの破壊を引き起こしたものと考えら
れる。
ところで、この金属化フィルムコンデンサにおいて、
上記したレアショートの発生を防止するために、電極空
白部12の幅L(mm)を広くした場合には、同じ容量を確
保するために、コンデンサを大型化する必要があり、好
ましくない。従って、コンデンサの大型化を防止しなが
ら、レアショートの発生をも防止するためには、電極空
白部12の幅L(mm)と、コンデンサのAC定格電圧Vとの
関係を、0.0015≧L/V≧0.0005にするのが好ましい。
(実施例2) 試料としてポリプロピレンフィルム(厚さ6μmのも
の、幅80mm)の片面蒸着フィルムを用いて、AC定格電圧
400V、電気容量50μFのコンデンサを作製した。
そして、分割電極溝13の幅Wが、0.05mm、0.1mm、0.1
5mm、0.2mm、0.3mmの各サンプルを作製し、連続耐用性
試験を行なった。すなわち、温度0℃の雰囲気を有する
恒温槽内でAC500Vを印加し、試験前の初期値に対する電
気容量の変化率(ΔC/C)を調べた。尚、この場合、電
極空白部12の幅Lは、一律に0.3mmとした。1000時間後
の電気容量の変化率(ΔC/C)を第2図に示す。
次に、ポリプロピレンフィルムの厚さを8μmとした
以外は前記と同様にして、サンプルを作製し、同様の連
続耐用性試験を行なった。このサンプルの1000時間後の
電気容量の変化率(ΔC/C)を第3図に示す。
第2図及び第3図から明らかなように、誘電体である
フィルムの厚みにかかわらず、電極分割溝13の幅Wが0.
2mm以上(W/Vの値が0.0005以上)であれば、1000時間後
の電気容量の変化率(ΔC/C)の低下は少なかった。す
なわち、電気容量の減少が防止されることが確認され
た。
これに対して、電気分割溝13の幅Wが0.2mm未満(W/V
の値が0.0005未満)のサンプルは電気容量の減少が大き
く、好ましいものではなかった。このように電気容量が
大きく減少したのは、何らかの原因でヒューズ部の溶断
が生じて、分割電極溝13に隣接する分離された電極部
と、分離されていない電極部との間に電圧が加わり、分
割電極溝13、13間でレアーショートが発生して、隣接す
る電極部におけるヒューズ部の溶断が生じたからである
と考えられる。
ところで、この金属化フィルムコンデンサにおいて、
上記したレアショートの発生を防止するために、分割電
極溝13の幅W(mm)を広くした場合には、同じ容量を確
保するために、コンデンサを大型化する必要があり、好
ましくない。従って、コンデンサの大型化を防止しなが
ら、レアショートの発生をも防止するためには、分割電
極溝13の幅W(mm)と、コンデンサのAC定格電圧Vとの
関係を、0.0015≧W/V≧0.0005にするのが好ましい。
(実施例3) 電極空白部12を隔てた電極間の沿面の耐圧不足による
レアーショートを確認するために、厚さ6μmのポリプ
ロピレンフィルムを用いた上記実施例1と同様のコンデ
ンサを作製し、AC定格電圧を変化させて、保安性試験を
行なった。この結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように、AC定格電圧を低い値に設
定したにもかかわらず、L/V値が0.0005未満の試料は保
安性試験で低い保安性合格率を示した。また、不合格試
料の破壊箇所はすべて電極空白部12でのレアーショート
であった。これにより、電極空白部12を隔てた電極間の
沿面の耐圧不足によるレアーショートは、L/V値が0.000
5未満のときに発生することが確認された。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る金属化フィルムコ
ンデンサの第1の構成によれば、電極空白部の幅を狭く
しても、ヒューズ部が溶断した後の電極空白部を隔てた
電極間に電圧が加わった場合に、電極空白部でレアーシ
ョートが発生することはないので、電極空白部近傍にお
ける絶縁劣化が進んでコンデンサの破壊を引き起こすこ
とはない。その結果、保安性の向上を図ることができる
と共に、長期間使用する場合の電気容量の減少を防止す
ることができるので、金属化フィルムコンデンサの信頼
性が向上する。また、このように電極空白部の幅を狭く
してもレアーショートが発生することはないので、コン
デンサの大型化を防止することができる。
また、本発明に係る金属化フィルムコンデサの第2の
構成によれば、分割電極の分割電極溝の幅を狭くして
も、何らかの原因でヒューズ部の溶断が生じて、分割電
極溝に隣接する分離された電極部と、分離されていない
電極部との間に電圧が加わった場合に、分割電極溝間で
レアーショートが発生することはないので、隣接する電
極部におけるヒューズ部の溶断が生じることはない。そ
の結果、長期間使用する場合の電気容量の減少を防止す
ることができるので、金属化フィルムコンデンサの信頼
性が向上する。また、このように分割電極の分割電極溝
の幅を狭くしてもレアーショートが発生することはない
ので、コンデンサの大型化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る金属化フィルムコンデンサの一実
施例を示す展開図、第2図及び第3図は本発明の一実施
例の試験時容量変化を示す特性図である。 11:金属薄膜 12:電極空白部 13:分割電極溝 L:電極空白部の幅 W:分割電極溝の幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 進 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 国谷 一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−225625(JP,A) 特開 昭59−14628(JP,A) 特開 昭61−46011(JP,A) 特開 昭58−103113(JP,A) 実開 昭57−114220(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材フィルムの表面に形成した対向する2
    極の金属薄膜電極を含む金属化フィルムコンデンサであ
    って、前記2極の金属薄膜電極のうち、少なくとも1極
    の金属薄膜電極を分割電極で構成すると共に、前記分割
    電極の縁端に沿って間欠的な電極空白部を設け、該電極
    空白部の幅L(単位:mm)と、コンデンサのAC定格電圧
    V(単位:VAC)との関係を、0.0015≧L/V≧0.0005にし
    たことを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
  2. 【請求項2】基材フィルムの表面に形成した対向する2
    極の金属薄膜電極を含む金属化フィルムコンデンサであ
    って、前記2極の金属薄膜電極のうち、少なくとも1極
    の金属薄膜電極を分割電極で構成すると共に、前記分割
    電極の縁端に沿って間欠的な電極空白部を設け、該分割
    電極の分割電極溝の幅W(単位:mm)と、コンデンサのA
    C定格電圧V(単位:VAC)との関係を、0.0015≧W/V≧0.
    0005にしたことを特徴とする金属化フィルムコンデン
    サ。
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