JP2595353Y2

JP2595353Y2 - 空缶潰し機

Info

Publication number: JP2595353Y2
Application number: JP1992034107U
Authority: JP
Inventors: 利雄湯原
Original assignee: 株式会社泰成工業所
Priority date: 1992-05-22
Filing date: 1992-05-22
Publication date: 1999-05-31
Anticipated expiration: 2007-05-22
Also published as: JPH0593686U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は主にアルミやスチール製
の空缶を潰してその体積を減少させるための空缶潰し機
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ビールや飲料水等の液体はプラ
スチック容器やガラスビンあるいはアルミ製やスチール
製の容器に詰められて販売されている。そして、使用済
みのプラスチック容器は潰されて廃棄され、また、空の
ガラスビンは回収されて再利用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、スチー
ル製の容器、いわゆる空缶は強度が高く、容易に潰すこ
とができないため、一般家庭においては、そのまま、燃
えないゴミとして廃棄されているのが現状である。従っ
て、廃棄された空缶は中味が無くなってもその形状をと
どめたままでその体積が変化せず、ゴミとして廃棄した
際に、かさばってしまうといった欠点があった。

【０００４】そこで、本考案はこの問題点を有効に解決
するために案出されたものであり、その目的はアルミ缶
や素手では容易に潰すことができないスチール製の空缶
を簡単に、かつ確実に潰すことができる空缶潰し機を提
供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本考案は、端部に車輪を備えた短冊状の基台上に、両
側を一対の支持片によって起立して設けられた固定片
と、該固定片に近接離間移動して固定片との間に挿入さ
れる缶をその缶軸を挟んで潰すための可動片と、該可動
片に作用点部が係合し、力点部が上下方向に移動するこ
とにより、可動片を固定片側に近接移動させて上記缶を
潰すためのレバー部材と、上記可動片を固定片から離間
移動させ、上記レバー部材の力点部を上方に位置させる
べく付勢するための付勢手段と、上記固定片と可動片と
の間に缶を転がして案内すると共に上記固定片を支持す
る支持片に端部が軸支され、この軸支部を軸として上記
基台の長手方向に回動する缶案内通路部と、該缶案内通
路部の出口部に設けられ、上記固定片より可動片が離間
移動したときに潰すべき缶を切り出すための切出手段
と、潰された缶を排出するための排出通路とを設け、上
記固定片を支持する支持片に端部がピン結合され、この
ピン結合部を軸として上記基台の長手方向に揺動するハ
ンドル部を備えたものである。

【０００６】

【作用】本考案は以上のように構成したため、先ず、作
業員が上記固定片を支持する支持片に揺動自在にピン結
合されたハンドル部を起立させた状態に固定し、このハ
ンドル部材を握って基台を安定させた状態とした後、レ
バー部材の力点部に荷重を加えて踏み降ろすと缶案内通
路部にある缶が切出手段によって固定片側に一つずつ切
り出される。次に、作業員がレバー部材の力点部に加え
た荷重を抜くと、付勢手段によって可動片が固定片から
離間し、切出手段によって切出された空缶が可動片と固
定片の間に落下する。そして、再び作業員がレバー部材
の力点部に荷重を加えて踏み降ろすと、作用点部の移動
によって可動片が固定片に近接し、挟まれている空缶
が、その軸方向に潰されることになる。その後、作業員
がレバー部材の力点部に加えた荷重を抜くと、付勢手段
によって可動片が固定片から離間し、潰された空き缶が
排出通路から排出されることになる。そして、同様な動
作を連続することによって、缶案内通路部にある缶が切
出手段によって固定片側に次々と切り出されると同時
に、潰され、排出されることになる。その後、作業が終
了したならば、上記ハンドル部を上記基台と略平行にな
るように倒して固定すると共に同じく上記缶案内通路部
をこのハンドル部側に回動させて缶案内通路部とハンド
ル部とを折り畳んだ状態とした後、このハンドル部を持
ち上げることで基台の車輪のみを地面に接地させてから
この空缶潰し機全体を引っ張って任意の位置に移動する
ことになる。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の好適一実施例を添付図面に基
づいて詳述する。

【０００８】図１は本考案の空缶潰し機１の一実施例を
示したものである。図示するように、この空缶潰し機１
は、端部に車輪２を備えた短冊状の基台３と、この基台
３の端部に立設された平面コ字形の固定部材４と、この
固定部材４に囲繞されるように位置する摺動部材５と、
この摺動部材５を摺動するレバー部材６と、上記固定部
材４にそれぞれ接続された缶案内通路部７と、ハンドル
部８とから主に構成されている。

【０００９】この固定部材４は、図２に示すように、缶
軸に沿って設けられた比較的板厚の厚い鋼板製の固定片
９と、この固定片９を両側から支持する鋼板製の二つの
支持片１０ａ，１０ｂとからなっており、上記基台３の
車輪２を備えた端部に、ボルト結合あるいは溶接等によ
って強固に固定されている。また、これら支持片１０
ａ，１０ｂの下端部はそれぞれ向き合うように一端内側
に折り返され、さらに水平方向に折り曲げられたレール
部１１ａ，１１ｂが形成されており、図４に示す後述す
る摺動部材５のベアリング部１２を嵌合するようになっ
ている。また、支持片１０ａ，１０ｂの上端部にはそれ
ぞれヒンジ孔１３ａ，１３ｂが形成されており、後述す
る図３のヒンジロッド２３の両端を貫通させて掛け渡す
ようになっている。

【００１０】摺動部材５は図４に示すように、上記固定
部材４の固定片９と対向するように位置し、比較的板厚
の厚い鋼板製の可動片１４と、この可動片１４の後面に
それぞれ直角に延出された鋼板製の二つの係合片１５
ａ，１５ｂとから構成されており、上記固定部材４の内
部に位置するように配設されている。また、図示するよ
うに、この二つの係合片１５ａ，１５ｂはそれぞれその
上端部に縦長の係合溝１６ａ，１６ｂが形成されてお
り、図３に示すレバー部材６の摺動ロッド１７の両端に
それぞれ設けられた摺動ベアリング１７ａ、１７ｂを係
合するようになっている。また、これら係合片１５ａ，
１５ｂの下端部には複数のベアリング１２が設けられて
おり、上記固定部材４のレール部１１ａ，１１ｂに沿っ
て上記基台３の長さ方向に摺動して上記可動片１４を上
記固定片９に対して近接離間するようになっている。ま
た、可動片１４の上端部には、缶受け板１４ａが係合片
１５ａ，１５ｂ方向斜め上方に傾斜して形成されてお
り、後述する缶切出し手段Ｋの一部を構成している。ま
た、可動片１４の裏面、すなわち係合片１５ａ，１５ｂ
方向の面には、それぞれ縮む方向に付勢された付勢手段
となる二つのコイルバネ１８ａ，１８ｂの一端が接続さ
れており、さらに、これらコイルバネ１８ａ，１８ｂの
他端は図１に示す基台３の上面に形成された突起部１９
ａ，１９ｂにそれぞれ係合されている。

【００１１】レバー部材６は図３に示すように、二つの
鋼板製の逆へ字形をしたアーム板２１ａ，２１ｂからな
っており、これらアーム板２１ａ，２１ｂの後端部には
レバー部材６の力点部となる半円状のペダル２２がこれ
らを架け渡すように形成されている。また、これらアー
ム板２１ａ，２１ｂの先端部にはこれらを一体的に貫通
するようにヒンジロッド２３が設けられており、さら
に、このヒンジロッド２３の両端は前述した固定部材４
のヒンジ孔１３ａ，１３ｂに嵌合してレバー部材６の支
点部を形成している。すなわち、このアーム板２１ａ，
２１ｂはヒンジロッド２３を支点として上下方向に揺動
自在となっている。また、アーム板２１ａ，２１ｂのそ
れぞれの屈曲部同志は摺動ロッド１７で連結されてお
り、この摺動ロッド１７の両端に設けられた摺動ベアリ
ング１７ａ，１７ｂが前述した摺動部材５の係合溝１６
ａ，１６ｂに係合してレバー部材６の作用点部を形成し
ている。また、このヒンジロッド２３と摺動ロッド１７
には、その先端が略直角に折り曲げられた板片状の空缶
ストッパー２４が設けられており、屈曲したその先端部
は後述する缶切出し手段Ｋの一部を構成している。ま
た、これらアーム板２１ａ，２１ｂの間は支持板２６で
連結されており、ペダル２２に大きな力が加わってもこ
れらが捩れたりしないように補強している。尚、これら
アーム板２１ａ，２１ｂ及び支持板２６は一体的に形成
しても良い。

【００１２】缶案内通路部７は図１及び図５に示すよう
に、空缶２５を、その軸方向に互いに並べて上記固定部
材４の固定片９と摺動部材５の可動片１４との間に案内
するものであり、両側部がそれぞれ上方に折り曲げられ
た断面コ字形をしている。そして、その出口部は上記固
定部材４の固定片９の上端部に載置された状態となって
いると共に、出口先端部が上記ヒンジロッド２３に支持
され、さらに入口部はこれより斜め上方に傾斜するよう
に設置されている。従って、使用時には投入された空缶
２５が順次出口側に転がり落ちるような状態になってお
り、不使用時にはヒンジロッド２３を支点としてレバー
部材６側に回動するようになっている。

【００１３】また、この缶案内通路部７の出口部には図
５に示すように、缶切出し手段Ｋが備えられている。こ
の缶切出し手段Ｋは上述したように、空缶ストッパー２
４と、缶受け板１４ａとから構成されており、後述する
作用によって缶案内通路部７内の空缶２５を一つずつ上
記固定部材４の固定片９と摺動部材５の可動片１４との
間に切り出して案内するようになっている。

【００１４】ハンドル部８は図１及び図２に示すよう
に、作業時に作業員がこれを把持するためのものであ
り、固定部材４の二つの支持片１０ａ．１０ｂを跨ぐよ
うに斜め起立した略逆Ｕ字形のパイプ体２７からなって
いる。そして、その両下端部は固定部材４の二つの支持
片１０ａ，１０ｂの下端部に設けられたピン孔２８ａ，
２８ｂにそれぞれ揺動自在に軸支されている。また、パ
イプ体２７であってこれら軸支部のやや上方にはそれぞ
れ固定ネジ２９が設けられており、これら固定ネジ２９
を、固定部材４のピン孔２８ａ，２８ｂに対して高さの
異なる位置に形成された上部ネジ孔３０ａ，３０ｂ、下
部ネジ孔３１ａ，３１ｂに螺合させることで、略逆Ｕ字
形のパイプ体２７を基台３に対して斜め上方に起立或い
は平行に倒した状態に固定できるようになっている。

【００１５】また、図５及び図６に示すように、固定部
材４の固定片９と摺動部材５の可動片１４との間であっ
て固定片９側に位置する基台３には、缶軸方向に開口す
ると共に、斜め下方に貫通した排出通路３２が形成され
ており、缶軸方向に潰されて板状に変形した空缶２５ａ
が落下するようになっている。尚、この排出通路３２の
開口の大きさは潰されて体積が減少した缶２５ａのみが
通過する程度の大きさに形成されているのは勿論であ
る。

【００１６】尚、図１中３３は、飛散防止カバーであ
り、空缶を潰した際に、空缶の一部や中味等が飛散しな
いように防止するものである。そして、この飛散防止カ
バー３３も缶案内通路部７と同様に、ヒンジロッド２３
にヒンジ結合され、このヒンジロッド２３を支点にして
レバー部材６側に回動するようになっている。

【００１７】次に、本考案の作用を説明する。

【００１８】図５に示したような状態で先ず、作業員が
レバー部材６のペダル２２に足を乗せ、これを踏み降ろ
すと、レバー部材６はヒンジロッド２３を支点として下
方に回動する。すると、図６に示すように、これによっ
てアーム板２１ａ，２１ｂの屈曲部同志に連結された摺
動ロッド１７が前方に移動し、摺動ロッド１７の摺動ベ
アリング１７ａを係合している摺動部材５が固定部材４
のレール部１１ａ，１１ｂに沿って作業員に対して、前
方に押出され、摺動部材５の可動片１４が固定部材４の
固定片９に接近し、この間に位置している空缶２５をそ
の缶軸方向に押し潰すことになる。また、図示するよう
に、この状態では、缶切出し手段Ｋの空缶ストッパー２
４の先端部が持ち上がって空缶２５の流れを解除し、缶
案内通路部７内の次の空缶２５が缶切出し手段Ｋの缶受
け板１４ａ上に転がり落ちてくることになり、誤って可
動片１４の裏面、すなわちレバー部材６側に落ちてしま
う虞がない。

【００１９】次に、図６の状態で作業員がレバー部材６
のペダル２２から足を離すと、摺動部材５に連結された
付勢手段となるコイルバネ１８の付勢力によって摺動部
材５が固定部材４のレール部１１ａ，１１ｂに沿って引
き戻されると共に、レバー部材６のペダル２２が上方、
すなわち元の位置に戻されることになる。また、潰され
た缶２５ａは排出通路３２から落下すると同時に、缶受
け板１４ａ上に位置している空缶２５は缶受け板１４ａ
の傾斜によって摺動部材５の可動片１４と固定部材４の
固定片９の間に落下することになる。また、これによっ
て切出し手段Ｋの空缶ストッパー２４の先端部が下が
り、缶案内通路部７の空缶２５の流れを止めることにな
るため、同時に複数の空缶２５が摺動部材５の可動片１
４と固定部材４の固定片９の間に落下することがない。

【００２０】そして、再び上述したような、同様な動作
を連続することによって、缶案内通路部７にある缶２５
が切出手段Ｋによって一つずつ切り出されて、缶受け板
１４ａ上に待機すると同時に、次々と潰され、排出され
ることになる。

【００２１】このように、本考案はアーム部材６のヒン
ジロッド２３を支点部、ペダル２２を力点部、摺動ロッ
ド１７を作用点部とし、力点部に加わった作業員の重力
方向の力を摺動ロッド１７によって横方向に変換し、こ
の横方向の力を摺動部材５に伝達し、押出し力に変換し
て空缶２５をその缶軸方向に潰すようにしたものである
ため、アルミ缶は勿論、比較的強固なスチール製の空缶
２５といえども容易に、かつ確実に潰すことができる。
しかも、上述したように、切出し手段Ｋにより潰される
ために缶案内通路部７から切出される空缶は一回の動作
で必ず一つずつとなっており、潰し作業は子供等の体重
の軽い作業員でも容易に行うことができる。また、缶案
内通路部７に潰そうとする空缶２５を乗せるだけで、そ
の自重によって摺動部材５の押え面１４と固定部材４の
当接面９の間に次々と転がり落ちるため、潰し作業はペ
ダル２２を踏むだけでよく、作業効率も極めて高いもの
となる。また、ハンドル部８を備えたことにより、固定
部材４及び作業員の姿勢が安定し、作業がしやすくなっ
ている。また、上述したように、ハンドル８、缶案内通
路部７、飛散防止カバー３３はそれぞれレバー部材６側
に回動することができ、折り畳み自在となっているた
め、収納もコンパクトになると共に、基台３に車輪２を
備えたことにより、その持ち運びが簡単となる。

【００２２】

【考案の効果】以上、要するに本考案によれば、アルミ
缶は勿論、素手では容易に潰すことができないスチール
製の空缶を簡単に、かつ確実に潰すことができ、その大
きさを約１／５（１３mm）に縮小することができるた
め、ゴミ処理が容易になる等といった優れた効果を発揮
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】本考案に係る固定部材の一実施例を示す斜視図
である。

【図３】本考案に係るレバー部材の一実施例を示す斜視
図である。

【図４】本考案に係る摺動部材の一実施例を示す斜視図
である。

【図５】空缶を潰す前の各種部材の状態を示す断面図で
ある。

【図６】空缶を潰した際の各種部材の状態を示す断面図
である。

【符号の説明】

１空缶潰し機６レバー部材７缶案内通路部９固定片１４可動片１８付勢手段２５空缶３２排出通路Ｋ切出し手段

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】端部に車輪を備えた短冊状の基台上に、
両側を一対の支持片によって起立して設けられた固定片
と、該固定片に近接離間移動して固定片との間に挿入さ
れる缶をその缶軸を挟んで潰すための可動片と、該可動
片に作用点部が係合し、力点部が上下方向に移動するこ
とにより、可動片を固定片側に近接移動させて上記缶を
潰すためのレバー部材と、上記可動片を固定片から離間
移動させ、上記レバー部材の力点部を上方に位置させる
べく付勢するための付勢手段と、上記固定片と可動片と
の間に缶を転がして案内すると共に上記固定片を支持す
る支持片に端部が軸支され、この軸支部を軸として上記
基台の長手方向に回動する缶案内通路部と、該缶案内通
路部の出口部に設けられ、上記固定片より可動片が離間
移動したときに潰すべき缶を切り出すための切出手段
と、潰された缶を排出するための排出通路とを設け、上
記固定片を支持する支持片に端部がピン結合され、この
ピン結合部を軸として上記基台の長手方向に揺動するハ
ンドル部を備えたことを特徴とする空缶潰し機。