JP2594708B2 - 誘電体ハイパスフィルタ - Google Patents

誘電体ハイパスフィルタ

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JP2594708B2
JP2594708B2 JP3035645A JP3564591A JP2594708B2 JP 2594708 B2 JP2594708 B2 JP 2594708B2 JP 3035645 A JP3035645 A JP 3035645A JP 3564591 A JP3564591 A JP 3564591A JP 2594708 B2 JP2594708 B2 JP 2594708B2
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義祥 藤山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同軸型の誘電体共振器
を組合わせた誘電体ハイパスフィルタに関し、特に、誘
電体共振器の回路構成で誘電体フィルタのパス領域を定
め、かつ、減衰極を規定するようにした誘電体ハイパス
フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にハイパスフィルタの構成として
は、図5に示すような基本的構成のものが知られてい
る。これは直列配置のキャパシタンスC1 、C2 ・・・
をそれぞれインダクタンスL1 、L2・・・を介して接
地したものである。このように、キャパシタンスを用い
てフィルタの周波数帯域を設定する場合、コンデンサの
構造上、そのコンデンサが保有する浮遊容量にかなりの
ばら付きがある。これは、フィルタの帯域周波数が低け
れば、殆ど影響がないが、上記周波数が高くなると、設
定すべき減衰極の位置に大きく影響する。例えば、1M
HZのハイパスフィルタを構成する場合に、図6に示す
ように、L1 =6.46μH、L2 =3.86μH、L
3 =6.46μH、C1 =2350pF、C2 =235
0pFに設定した場合、通常、コンデンサの浮遊容量は
0.5pF程度であるから、例えば、コイルが抱える容
量L1 に与える影響は8000分の1程度である。しか
し、1GHZのハイパスフィルタを構成する場合は、図
7に示すように、L1 =0.00646μH、L2
0.00386μH、L3 =0.00646μH、C1
=2.350pF、C2 =2.350pFに設定した場
合、通常、コンデンサの浮遊容量は前記同様、0.5p
F程度であるから、例えば、コイルL1 に与える影響は
10分の1程度になる。従って、浮遊容量のばら付きが
大きい場合には、上記コイルやコンデンサについて相当
幅の調整をしないと、所要の遮断周波数での減衰特性が
得られないのであり、調整が複雑かつ困難である。
【0003】また、このようなフィルタの回路構成で
は、急峻な減衰極を得ることが難しいので、図8および
図9に示すようなコンデンサとコイルとの並列回路構成
がフィルタ回路の構成要素として実際に用いられる。し
かし、この場合でも、1MHZのハイパスフィルタとし
て用いられる時には、例えば、図8のように、L1 =1
7.4μH、L2 =52.3μH、並列コンデンサC1
=3530pF、C2 =2630pF、接地コイルLE1
=12.4μH、LE2=5.35μH、LE3=9.29
μHに設定したならば、フィルタ回路要素に与える影響
は2500ないし4000分の1程度であるのに対し
て、1GHZのハイパスフィルタとして用いられる時に
は、例えば、図9のように、L1 =0.017μH、L
2 =0.052μH、並列コンデンサC1 =3.53p
F、C2 =2.63pF、接地コイルLE1=0.012
μH、LE2=0.053μH、LE3=0.093μHに
設定したならば、フィルタ回路要素に与える影響は6分
の1ないし8分の1程度になってしまう。しかもこの時
のコンデンサ浮遊容量は、図中、点線で示すように存在
し、実質的に、調整困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、高周波帯域の
ハイパスフィルタを構成するのに、上記コンデンサおよ
びコイルによる並列回路(フィルタ構成要素)に代え
て、高誘電率の誘電体を用いた同軸型誘電体共振器を使
用することが提案された。上記同軸型誘電体共振器は、
内導体と外導体との間に誘電体を充填し、複数個配列
し、あるいは共通の外導体を用いて複数個一体化して構
成されており、上記コンデンサおよびコイルによる並列
回路と異なり、構造上、比較的安定した浮遊容量を保っ
ている。しかし、この場合でも、ハイパスフィルタを構
成する場合に、浮遊容量のばら付きがインダクタンスに
与える影響は大きい。従って、一般には、上記外導体を
接地して使用している。
【0005】
【発明の目的】本発明は上記事情に基いてなされたもの
で、同軸型誘電体共振器を使用して、所要の遮断周波数
で減衰特性を得るように調整する場合、その同軸型誘電
体共振器の外導体の浮遊容量を積極的に含めたインダク
タンスを接地することで、この部分で一義的に通過域の
調整ができるようにし、その減衰域を誘電体共振器の共
振周波数に定めた誘電体ハイパスフィルタを提供しよう
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、内導体
と外導体との間に誘電体を充填してなる1/4波長同軸
型誘電体共振器が複数配列されており、該複数の1/4
波長同軸型誘電体共振器は隣接するものどうしの間で一
方の誘電体共振器の内導体の軸方向端部と他方の誘電体
共振器の内導体の軸方向端部とが接続され全体として直
列に結合されており、前記複数の1/4波長同軸型誘電
体共振器のそれぞれはインダクタンスを介して接地され
ていることを特徴とする、誘電体ハイパスフィルタ、が
提供される。
【0007】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて具体
的に説明する。図1及び図2には、本発明の一例とし
て、4個の同軸型誘電体共振器1A,1B,1C及び1
Dで構成される誘電体フィルタが示されている。ここ
で、上記同軸型誘電体共振器はそれぞれ角筒状の外導体
3及び円筒状の内導体4の間に誘電体材料5(ここでは
誘電率εr =93の高誘電率のものを使用する)を充填
したものであり、λ/4で共振する公知の1/4波長同
軸型誘電体共振器の構成を有する。また、ここでは、リ
ード6が全ての誘電体共振器1A〜1Dの内導体4を貫
通して延びており、かくして隣接する誘電体共振器どう
しは内導体の端部どうしがリード6を介して接続され、
誘電体共振器1A〜1Dは全体として直列的に結合され
ている。また、上記共振器を支持する基板7には各誘電
体共振器1A〜1Dの外導体3に接続される所要の大き
さのパターンコイル8B、8C、8D、8Eがあり、こ
れらは基板7の下に設けた接地電極板9と接続され、イ
ンダクタンスL2 、L3 、L4 、L5 を構成している。
この等価回路が図2である。尚、図2において、L1
基板7上に誘電体共振器1Aと隣接して形成されリード
6及び接地電極板9と接続されているパターンコイル8
A(図1参照)により構成されるインダクタンスを示
す。
【0008】このような構成では、上記誘電体フィルタ
の減衰極の周波数は上記誘電体共振器の共振周波数によ
って決定され、遮断周波数から減衰極までの周波数とそ
の深さは共振器が構成するインピ−ダンスと回路を構成
するインダクタンスにより設定される(図3参照)。な
お、ここでは、図4の回路構成のものをコンピュ−タで
シュミレ−トしており、各要素は、コイルのインピ−ダ
ンスL1 =15μH、L2 =10μH、L3 =13μ
H、L4 =10μH、L5 =15μH、本発明に係わる
構成(外導体をインヅクタンスを介して接地する)の同
軸型誘電体共振器STLのインピ−ダンスZ0 =10
OHM、その共振周波数F0 =900MHZである。
【0009】このようにして構成されたハイパスフィル
タは、上記同軸型誘電体共振器の外導体3が保有する浮
遊容量を含めた形で、上記インダクタンスの調整ができ
るから、従来のそれに比べて、減衰特性の調整が極めて
容易である。なお、上記構成では、使用するインダクタ
ンスの大きさが、従来使用している値よりも小さくなる
ので、浮遊容量などの要因に対して強く、安定してお
り、従来のフィルタのインピ−ダンスより低いインピ−
ダンスで、各段が構成できる。
【0010】
【発明の効果】本発明は以上詳述したようになり、同軸
型誘電体共振器は所要の周波数域に共振周波数を持ち、
かつ、上記共振周波数を減衰極として、誘電体フィルタ
のパス領域を定めるように、その外導体を所要のインダ
クタンスを介して接地するので、上記同軸型誘電体共振
器をハイパスフィルタに使用するとき、その設定された
共振周波数の帯域での遮断周波数の設定、減衰特性の調
整などが容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明するための斜視図であ
る。
【図2】上記実施例の等価回路図である。
【図3】上記実施例の減衰特性線図である。
【図4】上記特性線図を得るためコンピュ−タに設定し
た各要素の構成図である。
【図5】従来例の説明のための回路構成図である。
【図6】従来例の回路構成図である。
【図7】従来例の回路構成図である。
【図8】従来例の回路構成図である。
【図9】従来例の回路構成図である。
【符号の説明】
1、1A、1B 共振器 3 外導体 4 内導体 5 誘電体材料 6 リ−ド 7 基板 8A、8B パタ−ンコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高杉 充教 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇 部興産株式会社 宇部研究所内 (72)発明者 林 祥太郎 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇 部興産株式会社 宇部研究所内 (56)参考文献 実開 昭55−72331(JP,U) 実開 昭63−5703(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内導体と外導体との間に誘電体を充填し
    てなる1/4波長同軸型誘電体共振器が複数配列されて
    おり、該複数の1/4波長同軸型誘電体共振器は隣接す
    るものどうしの間で一方の誘電体共振器の内導体の軸方
    向端部と他方の誘電体共振器の内導体の軸方向端部とが
    接続され全体として直列に結合されており、前記複数の
    1/4波長同軸型誘電体共振器のそれぞれはインダクタ
    ンスを介して接地されていることを特徴とする、誘電体
    ハイパスフィルタ。
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JPS602654Y2 (ja) * 1978-11-10 1985-01-25 株式会社相模無線製作所 ハイパスフイルタ回路
JPS635703U (ja) * 1986-06-30 1988-01-14

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