JP2594348Y2 - 釣り用鋏 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、軸体周りで揺動自在に
連結された一対の刃材夫々に、これらの刃材を開閉操作
する一対の握り部を形成して成る釣り用鋏に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、釣り用の鋏は、主として釣り糸の
切断に用いることから、刃材の寸法が比較的短く形成さ
れるものの、事務に用いるもの等と変わらない構造に製
造されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ここで、仕掛を作る際
の鋏の使用形態について考えるに、仕掛を作る際には釣
り鉤に釣り糸を結んだ際、あるいは、釣り糸同士を結ん
だ際等に余分の釣り糸を切断するために専ら用いるもの
の、例えば、多数のエダスを備える仕掛を作る際には、
釣り糸の結び付けを行う動作と鋏を扱う動作とを繰り返
して行うことも多く、このような使用形態では、テーブ
ル等の上面に置いた鋏を取り上げる動作も多く行うこと
になる。しかし、従来からの鋏では、テーブル等に置い
た際に握り部がテーブル等の上面に密接する形態となる
ので、鋏を取り上る際に握り部に指を廻すことができ
ず、鋏の使用時には、取り上げる動作の後に、持ち替え
によって握り部に指を廻す動作を必要としている。

【０００４】このようにテーブル等に置いた鋏を使用す
る際に、少なくとも２動作を必要とするものでは、鋏の
使用に手間が掛かり煩わしいばかりで無く、仕掛を作る
際に手間と時間を必要とするものとなり改善の余地があ
る。本考案の目的は、テーブル等に置いた鋏を取り上げ
る際には、持ち替えを行わずとも、握り部に指を廻して
素早く使用できる釣り用鋏を構成する点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案による特徴構成
は、前記一対の握り部における、夫々の、前記軸体の軸
芯に直交する姿勢の両側面の内の同一方向側に位置する
側面に、この軸芯方向に向けて、前記握り部より外方に
張出す突出部を、夫々形成して成る点にあり、その作
用、及び、効果は次の通りである。

【０００６】

【作用】図１乃至図４に示すように、テーブル等の上面
Ｓに鋏を置いた状態では、一対の握り部３，３における
前記両側面の内の同一方向側に位置する側面、夫々に形
成した一対の突出部４，４がテーブル等の上面Ｓに接触
して、この上面Ｓと握り部３夫々との間に隙間Ｇを形成
するので、鋏を使用する際には、握り部３，３夫々の開
口３Ａ，３Ｂ夫々に指を挿通すると共に、この指をテー
ブル等の上面Ｓ側の隙間Ｇに挿入する形態で握り部３に
指を廻すことが可能になり、鋏の取り上げと同時に握り
部３に指を廻した形態での使用が可能になる。つまり、
この鋏ではテーブル等の上面Ｓに置いた状態で握り部
３，３を持ち上げた形態となるので、従来のように取り
上げる動作の後、持ち替えの動作を行わずとも、取り上
げ動作の１動作で鋏を使用可能な状態で握れるのであ
る。

【０００７】

【考案の効果】従って、テーブル等に置いた鋏を取り上
げる際には、持ち替えを行わずとも、取り上げ動作だけ
で、適正な状態に握り部を握って素早く使用できる釣り
用鋏が合理的に構成されたのである。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図１乃至図４に示すように、その先端に刃面１Ａ
を形成した一対の金属製の刃材１，１を軸体２で相対揺
動自在に連結すると共に、これらの刃材１，１夫々の反
刃面側の端部に樹脂製の握り部３，３を被覆する状態で
形成し、この握り部３，３に挿入した指によって刃材
１，１の開閉操作が可能な釣り用鋏を構成する。尚、前
記刃材１はステンレス等、防錆性能の優れた素材を用
い、又、軸体２はリベット状の部材を用いカシメによっ
て刃材１，１夫々を連結し、又、握り部３，３の一方に
は親指の挿通を許す開口３Ａを形成し、他方には人指し
指、中指等の挿通を許す開口３Ｂを形成している。

【０００９】又、この鋏では一対の握り部３，３におけ
る前記軸体２に直交する姿勢の両側面の内の同一方向側
に位置する側面に、この軸芯Ｘ方向に沿って前記握り部
３，３より外方に張出す一対の突出部４，４を握り部
３，３夫々と一体的に形成してあり、この鋏の使用時に
は図２に示す如く、テーブル等の上面Ｓに、この鋏を置
いた状態で、刃材１の先端部と一対の突出部４，４とが
テーブル等の上面Ｓに接触して安定した姿勢に達すると
共に、この上面Ｓと握り部３，３との間に隙間Ｇを形成
する結果、鋏を使用する際には、握り部３，３夫々の開
口３Ａ，３Ｂ夫々に指を挿通すると共に、この指をテー
ブル等の上面Ｓ側の隙間Ｇに挿入する形態で握り部３に
指を廻すことが可能になり、鋏の取り上げと同時に握り
部３に指を廻した形態での使用が可能になる。

【００１０】〔別実施例〕 本考案は上記実施例以外に、例えば、以下のようにも実
施できる。 （イ） 図５に示すように、前述の実施例と同様に握り
部３，３を構成すると共に、突出部４，４を鋏の両面に
形成して、右利き、左利きの区別なく使用できるよう構
成する。 （ロ） 図６に示すように、握り部３，３夫々を対称な
形に成形することで、一方の側面に突出部４，４を形成
しても右利き、左利きの区別なく使用できるよう構成す
る。 （ハ） 突出部を鋏の反刃面側の端部に形成する、ある
いは、刃面に比較的近接する部位に形成する等、突出部
の形成位置は任意に設定できる。尚、突出部を刃面に比
較的近接する部位に形成したものでは、テーブル等に置
いた状態で刃面側の端部が上方に持ち上がる形態とな
る。 （ニ） 突出部を１つ、若しくは、３つ以上形成する。 （ホ） 握り部が刃材と一体的に金属材で形成されたも
のに適用する。 （ヘ） 握り部に開口が形成されないものに適用する。 （ト） 刃材をセラミックで製造する等、金属材以外の
素材で形成したものに適用する。 （チ） 刃材の刃面の一方に鋸刃状部を形成したものに
適用する。

【００１１】尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面と
の対照を便利にするために符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】釣り用鋏の平面図

【図２】釣り用鋏をテーブル等の上面に載置した状態の
側面図

【図３】釣り用鋏の底面図

【図４】突出部の形状を表す断面図

【図５】別実施例（イ）の釣り用鋏の側面図

【図６】別実施例（ロ）の釣り用鋏の平面図

【符号の説明】

１ 刃材 ２ 軸体 ３ 握り部 ４ 突出部 Ｘ 軸芯

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸体（２）周りで揺動自在に連結された
   一対の刃材（１),（１）夫々に、これらの刃材（１),
   （１）を開閉操作する一対の握り部（３),（３）を形成
   して成る釣り用鋏であって、前記一対の握り部（３），（３）における、夫々の、前
   記軸体（２）の軸芯（Ｘ）に直交する姿勢の両側面の内
   の同一方向側に位置する側面に、この軸芯（Ｘ）方向に
   向けて、前記握り部（３）より外方に張出す突出部
   （４），（４）を、夫々形成して成る 釣り用鋏。