JPH033511B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 （産業上の利用分野） 本発明は左右両利き鋏に関するものである。

（従来の技術） 従来、鋏においては右利き若しくは左利き専用
の鋏が提案され、それぞれ親指で一方の鋏片に設
けた操作部を支え、他の指で他方の鋏片に設けた
操作部を引寄せて手を握る様な格好で利用してい
る。

（発明が解決しようとする問題点） 前記提案された右利き若しくは左利き専用の鋏
においては、操作部に対し利用されるべき側の指
の形状に合せた傾斜角が形成されている等、専用
の利き腕以外の腕では利用しずらかつた。

又、例えば右利き専用の鋏を左利きの人が使用
し、特に両鋏片の刃同士が適度に摺接していない
鋏を用いて薄い紙等を切断する場合には、左利き
専用の鋏を用いる場合とは逆に親指で一方の鋏片
に設けた操作部を引寄せ、他の指で他方の鋏片に
設けた操作部を引離し両鋏片の刃同士を適度に摺
接させながら操作するといつた不自然な格好で切
断しなければならないといつた問題があつた。

発明の構成 （問題点を解決するための手段） そこで、本発明は前記問題を解決するためにな
されたものであつて、一対の鋏片の先端側摺接面
両側に刃を形成した刃部材３を設け、該一対の鋏
片の先端側が左右両方向に交差及び開閉可能とな
るように重ね合わせて軸着し、前記鋏片の少なく
とも一方の鋏片の基端側には、同鋏片の側方に対
して選択的に突出し、操作孔を形成する操作部材
を設けたものである。

（作用） 上記構成により、この鋏は少なくとも一方の鋏
片の基端側に設けた操作部材が鋏片の左右いずれ
かの側方に突出されることにより鋏片の左右いず
れの側方にも操作孔が形成され、一対の鋏片の先
端側摺接面に設けられた刃部材の両側の刃のうち
いずれか一方の刃によつて左利きあるは右利き用
の鋏として使用可能となる。

（第一実施例） 以下、この発明を具体化した第一実施例につい
て第１図から第３図に従つて説明する。

図中、１ａ，１ｂは棒状に形成した一対の鋏片
で、この鋏片１ａ，１ｂの先端側摺接面には両側
に刃を形成した刃部材３を、基端側と同一面とな
るように取付け、この一対の鋏片１ａ，１ｂを重
ね合わせて先端側が左右両方向に交差及び開閉可
能となるように軸着されている。

前記両鋏片１ａ，１ｂの基端側両側には収納凹
部４が設けられ、同収納凹部４の外端にあたる両
鋏片１ａ，１ｂの基端部には一対の梃５の基端が
軸着されている。前記梃５の先端にはスライド部
材６の先端が軸着され、同スライド部材６の基端
部両側方には摺動ピン７が設けられている。そし
て、前記摺動ピン７は前記収納凹部４の内端部４
ａ両側面に設けたガイド部８によつてその摺接移
動がガイドされるとともに、その移動範囲が規制
されて、スライド部材６の基端が前記内端部４ａ
より抜け出さないようになつている。

従つて、前記梃５及びスライド部材６よりなる
両操作部材Ｓの一方、即ち第１図に仮想線で示す
外側の操作部材Ｓを実線で示すように側に引き起
こせば、操作孔Ｔが形成される。

さて、上記構成した左右両利き鋏の作用につい
て説明する。

まず、第１図に示すように両鋏片１ａ，１ｂの
外側（鋏片１ａにおいて右側、鋏片１ｂにおいて
左側）の操作部材Ｓをスライドさせることによつ
て引起し、操作孔Ｔを形成すれば、この鋏は右利
き用の鋏として使用可能となる。

次に、この鋏を左利き用の鋏として用いる場合
には、この両鋏片１ａ，１ｂの先端側を第２図に
示すように第１図と反対となるように交差させ、
それぞれの鋏片１ａ，１ｂの外側（鋏片１ａにお
いて左側、鋏片１ｂにおいて右側）の操作部材Ｓ
を引起こして操作孔Ｔを形成する。すると、この
鋏は前記右利き用の場合とは反対側の刃にて切断
可能となるため、左利き用の鋏として使用可能と
なる。

（第二実施例） 次に、第二実施例について前記第一実施例とは
異なるところについてのみ第４図かから第６図に
従つて説明する。

この実施例においては前記第一実施例で用いた
梃５とスライド部材６よりなる操作部材Ｓの代わ
りに、弾性材にて形成され、両鋏片１ａ，１ｂの
基端部に基端が軸着されるとともに、先端側が収
納凹部４の内端部４ａに設けた収納凹部９に対し
引出し可能に収納される操作部材Ｓを設けてい
る。さらに、前記操作部材Ｓの先端部には摺動ピ
ン７を設け、前記収納凹部９の内側面に凹設した
ガイド部８によつて前記摺動ピン７の移動をガイ
ドし、規制させ、前記操作部材Ｓの先端側が前記
収納凹部９内より抜け出さないようになつてい
る。

従つて、この実施例においては収納凹部９内よ
り操作部材Ｓの先端側を引き出せば、操作孔Ｔが
形成されるため、第４図及び第６図に示すよう
に、前記第１の実施例と同様の手順で操作部材Ｓ
を引出すことにより、第４図で右利き、第６図で
左利き用の鋏として使用することができる。

（第三実施例） 次に、第三実施例について前記第一実施例とは
異なるところについてのみ第７図から第１０図に
従つて説明する。

この実施例においては棒状に形成した一対の鋏
片１ａ，１ｂの基端側中央部には収納穴１４が凹
設され、、同収納穴１４にはワイヤよりなる操作
部材Ｓが引出し可能に収納されている。前記操作
部材Ｓの基端部には抜け止め部材１５が設けら
れ、前記操作部材Ｓが収納穴１４より抜け出さな
いようになつている。又、前記操作部材Ｓの先端
部には円柱状に設けた係止部材１６が設けられ、
同係止部材１６は鋏片１ａ，１ｂの基端部に二又
状に突設した支持部１７に対し係合離脱可能に形
成されている。

さらに、前記鋏片１ａ，１ｂの基端側中央部内
面には前記係止部材１６が嵌合離脱可能な円筒状
の係止凹部１８が設けられている。なお、前記係
止凹部１８の両側方には切溝１９が設けられ、前
記係止部材１６が係止凹部１８に対しいずれの側
方からも嵌合可能となつている。

従つて、この実施例においては係止部材１６を
支持部１７より離脱させ、操作部材Ｓを収納穴１
４内より引出し、係止部材１６を係止凹部１８に
対し嵌合させれば操作孔Ｔが形成される。そこ
で、第９図に示すように、それぞれの鋏片１ａ，
１ｂから操作部材Ｓを引出し、係止部材１６を、
鋏片１ａ，１ｂの外側から（鋏片１ａにおいて右
側、１ｂにおいて左側）係止凹部１８に対して嵌
合させれば右利き用の鋏として、第１０図に示す
ように鋏片１ａ，１ｂを交差させた後に、上記の
ように外側から係止部材１６を係止凹部１８に嵌
合すれば左利き用の鋏となる。

（第四実施例） 次に、第四実施例について前記第一実施例とは
異なるところについてのみ第１１図から第１３図
に従つて説明する。

この実施例においては棒状に形成した鋏片１
ａ，１ｂの基端部両側に指掛け凹部２４を設け、
その鋏片１ａ，１ｂの基端側と同形状となるよう
に前記指掛け凹部２４と同様の指掛け凹部２５を
両側に形成した板状の操作部材Ｓを、前記鋏片１
ａ，１ｂの左右いずれの側方に対しても選択的に
突出可能となるように鋏片１ａ，１ｂの基端側内
面に凹設した凹部２６に対しその基端側を軸ピン
２７によつて軸着している。

さらに、前記操作部材Ｓの基端両側部には山形
形状に切欠形成された切欠部２８ａ，２８ｂが設
けられ、操作部材Ｓを第１２図に示すように鋏片
１ａ，１ｂの右方に突出させると、前記一方の切
欠部２８ａが前記凹部２６の内端面２６ａに当接
し、同操作部材Ｓの突出量を規制するようになつ
ている。又、同様に第１３図に示すように鋏片１
ａ，１ｂの左方に前記操作部材Ｓを突出させると
他方の切欠部２８ｂが前記凹部２６の内端面２６
ａに当接し、操作部材Ｓの突出量を規制するよう
になつている。

従つて、この実施例においては操作部材Ｓを軸
ピン２７を中心に回動させ、鋏片１ａ，１ｂの外
側方に対して突出させると、指掛け凹部２４と指
掛け凹部２５とによつて操作孔Ｔが形成される。
そこで、第１２図に示すように鋏片１ａ，１ｂの
右側へ操作部材Ｓを回動させれば、この鋏は右利
き用の鋏として使用可能となり、第１３図に示す
ように鋏片１ａ，１ｂの左側へ操作部材Ｓを回動
させれば、この鋏は左利き用の鋏として使用可能
となる。

（第五実施例） 次に、第五実施例について前記第一実施例とは
異なるところについてのみ第１４図及び第１５図
に従つて説明する。

この実施例においては鋏片１ａ，１ｂの基端部
両側を四角形状に切欠いた指掛け凹部２４を設
け、同指掛け凹部２４の先端側内面及び基端側内
面に対しコ字状の操作部材Ｓの両端を回動可能に
取着している。

従つて、この実施例においては操作部材Ｓを第
１４図に想像線で示すように回動させ、鋏片１
ａ，１ｂの外側方に対して突出させると、前記指
掛け凹部２４と操作部材Ｓとによつて操作孔Ｔが
形成される。そこで、第１４図に示すように、そ
れぞれの鋏片１ａ，１ｂの外側に位置している操
作部材Ｓを、外側方に向けて回動させれば右利き
用の鋏として、第１５図に示すように鋏片１ａ，
１ｂを交差させた後、上記同様に外側に位置する
操作部材Ｓを外側方に回動させれば左利き用の鋏
となる。

（第六実施例） 次に、第六実施例について前記第一実施例とは
異なるところについてのみ第１６図から第１８図
に従つて説明する。

この実施例においては第１６図に示すように軸
２によつて互いに回動可能に軸着された一対の鋏
片２９，３０の先端側摺接面には、両側に刃を形
成した刃部材３が固設され、さらに前記一方の鋏
片２９にはカツターナイフの刃体３２を収納する
収納部３３が設けられ、前記刃体３２をスライド
溝３４内をスライドするスライダ３５によつて前
記収納部３３から出没可能に形成している。そし
て、前記鋏片２９の基端側には略長四角形状の操
作孔Ｔが透設されている。

前記鋏片３０の基端側には同鋏片３０の左右い
ずれの側方に対しても選択的に突出可能となるよ
うに基端側が軸３６によつて軸着された操作部材
Ｓが設けられ、同操作部材Ｓの先端側には前記操
作孔Ｔと同形状の操作孔Ｔが透設されている。

前記鋏片３０に設けた操作部材Ｓに対応する鋏
片３０中央位置にはロツク部材３８が長手方向に
移動可能に設けられ、その操作部材Ｓ側にはロツ
ク片３９が突設されている。そして、前記ロツク
片３９は前記鋏片３０に設けた操作部材Ｓの基端
面から互いに所定間隔をなして凹設された三個の
凹部４０ａ，４０ｂ，４０ｃのいずれか１つに対
し選択的に係脱可能となつている。

従つて、本実施例においては第１７図に示すよ
うに操作部材Ｓを鋏片３０の右側へ突出させ、ロ
ツク部材３８のロツク片３９を鋏片３０に設けた
右側の凹部４０ｃに対し係合させれば、この鋏は
右利き用の鋏として使用可能となり、前記ロツク
片３９を左側の凹部４０ａに対し係合させればこ
の鋏は左利き用の鋏として使用可能となる。

又、第１８図に示すように前記ロツク片３９を
中央部の凹部４０ｂに対し係合させ、両鋏片２
９，３０を互いに重ね合せ、刃体３２を露出させ
ればこの鋏はカツターとしても使用可能となる。

なお、この発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、この発明の趣旨から逸脱しない範囲で
任意に変更してもよい。

発明の効果 以上詳述したように、本発明においては簡単な
構造にして左右両利き鋏を提供することができる
という産業利用上優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図は本発明を具体化した第一実
施例を示し、第１図は右利き用の鋏としての使用
状態を示す鋏の平面図、第２図は両鋏片を重ね合
せた状態を示す鋏の側面図、第３図は左利き用の
鋏としての使用状態を示す鋏の平面図、第４図か
ら第６図は本発明を具体化した第二実施例を示
し、第４図は右利き用の鋏としての使用状態を示
す鋏の平面図、第５図は両鋏片を重ね合せた状態
を示す鋏の側面図、第６図は左利き用の鋏として
の使用状態を示す鋏の平面図、第７図から第１０
図は本発明を具体化した第三実施例を示し、第７
図は両鋏片を重ね合せた状態を示す鋏の平面図、
第８図は鋏片の基端側を示す側面図、第９図は右
利き用の鋏としての使用状態を示す鋏の平面図、
第１０図は左利き用の鋏としての使用状態を示す
鋏の平面図、第１１図から第１３図は本発明を具
体化した第四実施例を示し、第１１図は両鋏片を
重ね合せた態を示す鋏の平面図、第１２図は右利
き用の鋏としての使用状態を示す鋏の平面図、第
１３図は左利き用の鋏としての使用状態を示す鋏
の平面図、第１４図及び第１５図は本発明を具体
化した第五実施例を示し、第１４図は右利き用の
鋏として用いるべく両鋏片を交差させた状態を示
す鋏の平面図、第１５図は左利き用の鋏としての
使用状態を示す鋏の平面図、第１６図から第１８
図は本発明を具体化した第六実施例を示し、第１
６図は右利き用の鋏としての使用状態を示す鋏の
平面図、第１７図は右利き用の鋏として用いるべ
く操作部材を鋏片の側方へ突出させた状態を示す
平面図、第１８図は両鋏片を重ね合せカツターナ
イフとして用いる状態を示す平面図である。 鋏片１……ａ，１ｂ，２９，３０、刃部材……
３、操作部材……Ｓ、操作孔……Ｔ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一対の鋏片１ａ，１ｂ，２９，３０の先端側
   摺接面両側に刃を形成した刃部材３を設け、該一
   対の鋏片１ａ，１ｂ，２９，３０の先端側が左右
   両方向に交差及び開閉可能となるように重ね合せ
   て軸着し、前記鋏片１ａ，１ｂ，２９，３０の少
   なくとも一方の鋏片１ａ，１ｂ，３０の基端側に
   は、同鋏片１ａ，１ｂ，３０の外側方に対して選
   択的に突出し、操作孔Ｔを形成する操作部材Ｓを
   設けたことを特徴とする左右両利き鋏。