JP2593523Y2 - 帰還形定電流源回路 - Google Patents
帰還形定電流源回路Info
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- JP2593523Y2 JP2593523Y2 JP1992001260U JP126092U JP2593523Y2 JP 2593523 Y2 JP2593523 Y2 JP 2593523Y2 JP 1992001260 U JP1992001260 U JP 1992001260U JP 126092 U JP126092 U JP 126092U JP 2593523 Y2 JP2593523 Y2 JP 2593523Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案はデジタルマルチメータ
等に用いる帰還形定電流源回路に関し、特に過電圧印加
に対する保護特性を向上させたものである。
等に用いる帰還形定電流源回路に関し、特に過電圧印加
に対する保護特性を向上させたものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の帰還形定電流源回路を図
3を参照して説明する。定電圧源1の出力電圧V0 が抵
抗器R0 を介して、非反転入力端子が共通電位点に接続
された演算増幅器3の反転入力端子に供給され、演算増
幅器3の反転入力端子及び出力端子に、一対の電源出力
端子A及びBが接続される。電源出力端子A,B間に負
荷抵抗(被測定抵抗)RL が接続される。演算増幅器3
の入力電圧をV1 、出力電圧をV2 、利得をAで表す
と、定常時これらの間には、 V1 =−V2 /A ・・・・(1) の関係がある。出力電圧V2 は有限な確定値であり、演
算増幅器3の利得Aは極めて大きい(理想的には無限
大)ので、入力電圧V1 は微小となり、ゼロと見なすこ
とができる。従って、 V1 =0 ・・・・(2) 抵抗器R0 を流れる電流I0 はR0 を抵抗値を表すもの
とすれば I0 =V0 /R0 ・・・・(3) となり、負荷抵抗RL を流れる電流I1 は I1 =−V2 /(RL +RP ) ・・・・(4) となる。演算増幅器3の各入力端子の入力インピーダン
スはそれぞれ極めて高く(理想的には無限大)、内部へ
流れる電流は無視できるので、 I0 =I1 ・・・・(5) (4)式でRP は出力端子Bと隣接して挿入された保護
抵抗器RP の抵抗値である。負荷抵抗RL には定電圧源
1の出力電圧V0 と抵抗器R0 の抵抗値とで定まる一定
の電流I0 =V0 /R0 が供給される。
3を参照して説明する。定電圧源1の出力電圧V0 が抵
抗器R0 を介して、非反転入力端子が共通電位点に接続
された演算増幅器3の反転入力端子に供給され、演算増
幅器3の反転入力端子及び出力端子に、一対の電源出力
端子A及びBが接続される。電源出力端子A,B間に負
荷抵抗(被測定抵抗)RL が接続される。演算増幅器3
の入力電圧をV1 、出力電圧をV2 、利得をAで表す
と、定常時これらの間には、 V1 =−V2 /A ・・・・(1) の関係がある。出力電圧V2 は有限な確定値であり、演
算増幅器3の利得Aは極めて大きい(理想的には無限
大)ので、入力電圧V1 は微小となり、ゼロと見なすこ
とができる。従って、 V1 =0 ・・・・(2) 抵抗器R0 を流れる電流I0 はR0 を抵抗値を表すもの
とすれば I0 =V0 /R0 ・・・・(3) となり、負荷抵抗RL を流れる電流I1 は I1 =−V2 /(RL +RP ) ・・・・(4) となる。演算増幅器3の各入力端子の入力インピーダン
スはそれぞれ極めて高く(理想的には無限大)、内部へ
流れる電流は無視できるので、 I0 =I1 ・・・・(5) (4)式でRP は出力端子Bと隣接して挿入された保護
抵抗器RP の抵抗値である。負荷抵抗RL には定電圧源
1の出力電圧V0 と抵抗器R0 の抵抗値とで定まる一定
の電流I0 =V0 /R0 が供給される。
【0003】(5)式に(3),(4)式を代入すれば V2 =−V0 (RL +RP )/R0 ・・・・(6) の関係が得られる。抵抗器R0 の出力端と共通電位点と
の間に互いに逆向きのダイオードD1 ,D2 が接続さ
れ、異常時の演算増幅器3の入力電圧V1 を±0.7V
程度に制限している。演算増幅器3の出力端子にダイオ
ードD3 のアノード及びダイオードD4 のカソードがそ
れぞれ接続され、ダイオードD3 のカソードに正電圧V
C が、またダイオードD4 のアノードに負電圧−VC が
それぞれ印加され、異常時のV2 を±VC 、例えば±5
Vに制限している。なお演算増幅器3にも電源電圧±V
C が供給されている。
の間に互いに逆向きのダイオードD1 ,D2 が接続さ
れ、異常時の演算増幅器3の入力電圧V1 を±0.7V
程度に制限している。演算増幅器3の出力端子にダイオ
ードD3 のアノード及びダイオードD4 のカソードがそ
れぞれ接続され、ダイオードD3 のカソードに正電圧V
C が、またダイオードD4 のアノードに負電圧−VC が
それぞれ印加され、異常時のV2 を±VC 、例えば±5
Vに制限している。なお演算増幅器3にも電源電圧±V
C が供給されている。
【0004】図3Bに示すように、出力端子A,B間に
誤って過電圧Eを印加したとすると、図示のような経路
で電流Iが流れる。V1 はダイオードD1 ,D2 でクラ
ンプされるので小さな値でありこれを無視すれば電流I
は、 I≒(E−VC )/RP ・・・・(7) E≫VC の場合には、 I≒E/RP ・・・・(7′) 保護抵抗器RP には正の温度係数が付与されているの
で、電流Iが流れて、抵抗体の温度が上昇するにつれ
て、抵抗値RP が増大し、これにより電流Iが制限され
る。
誤って過電圧Eを印加したとすると、図示のような経路
で電流Iが流れる。V1 はダイオードD1 ,D2 でクラ
ンプされるので小さな値でありこれを無視すれば電流I
は、 I≒(E−VC )/RP ・・・・(7) E≫VC の場合には、 I≒E/RP ・・・・(7′) 保護抵抗器RP には正の温度係数が付与されているの
で、電流Iが流れて、抵抗体の温度が上昇するにつれ
て、抵抗値RP が増大し、これにより電流Iが制限され
る。
【0005】過電圧Eによる消費電力Pは、 P=EI=E(E−VC )/RP ≒E2 /RP ・・・・(7″) となる。電流Iは(7),(7′)式に示すように、過
電圧Eにほぼ比例して大きくなるので、消費電力Pは可
なり大きくなる恐れがある。
電圧Eにほぼ比例して大きくなるので、消費電力Pは可
なり大きくなる恐れがある。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】負荷抵抗RL の電圧V
L は VL =I0 RL =V0 RL /R0 ・・・・(8) となり、抵抗値RL の増加と共に大きくなるが、その最
大電圧VL max は演算増幅器3の許容最大出力電圧±V
2 max により制限される。演算増幅器3に与える電源電
圧±VC を±5Vとすれば、例えば±V2 max ≒±3.
5Vである。従って、RL +RP には高々V2 max ≒
3.5Vを印加することができ、最大負荷電圧は VL max =V2 max RL /(RL +RP ) ・・・・(9) となり、例えばVL max =2Vのように、保護抵抗器R
P による電圧降下により可なり小さくされる。このよう
に、従来の回路では保護抵抗器RP のために負荷抵抗R
L に印加できる出力電圧のダイナミックレンジが狭い欠
点があった。
L は VL =I0 RL =V0 RL /R0 ・・・・(8) となり、抵抗値RL の増加と共に大きくなるが、その最
大電圧VL max は演算増幅器3の許容最大出力電圧±V
2 max により制限される。演算増幅器3に与える電源電
圧±VC を±5Vとすれば、例えば±V2 max ≒±3.
5Vである。従って、RL +RP には高々V2 max ≒
3.5Vを印加することができ、最大負荷電圧は VL max =V2 max RL /(RL +RP ) ・・・・(9) となり、例えばVL max =2Vのように、保護抵抗器R
P による電圧降下により可なり小さくされる。このよう
に、従来の回路では保護抵抗器RP のために負荷抵抗R
L に印加できる出力電圧のダイナミックレンジが狭い欠
点があった。
【0007】また、従来の回路では過電圧を印加した場
合、保護抵抗器RP の温度上昇の結果によるその抵抗値
の増加によって電流制限が行われるものであり、応答速
度が遅いため、安全性に問題があった。また、誤って過
電圧を印加した場合に過電圧による消費電力が大きく、
発熱量が多いため、実装や構造を大形にしなければなら
ず、小形化の隘路となっていた。
合、保護抵抗器RP の温度上昇の結果によるその抵抗値
の増加によって電流制限が行われるものであり、応答速
度が遅いため、安全性に問題があった。また、誤って過
電圧を印加した場合に過電圧による消費電力が大きく、
発熱量が多いため、実装や構造を大形にしなければなら
ず、小形化の隘路となっていた。
【0008】この考案の目的は、これら従来の問題を解
決して、負荷端子電圧のダイナミックレンジを広く、過
電圧印加に対する保護回路の応答速度を速く、また過電
圧に基ずく消費電力を小さくしようとするものである。
決して、負荷端子電圧のダイナミックレンジを広く、過
電圧印加に対する保護回路の応答速度を速く、また過電
圧に基ずく消費電力を小さくしようとするものである。
【0009】
【問題を解決するための手段】この考案による帰還形定
電流源回路は、出力電圧V 0 の定電圧源を抵抗器(その
抵抗値をR 0 とする)を介して、非反転入力端子が共通
電位点に接続された演算増幅器の反転入力端子に接続
し、その演算増幅器の反転入力端子及び出力端子に、一
対の電源出力端子A及びBをそれぞれ接続し、それら端
子間に接続される負荷インピーダンス素子に、V 0 /R
0 の大きさの定電流を供給するようにした帰還形定電流
源回路において、 前記演算増幅器の出力端子に第1トラ
ンジスタのベースを接続し、前記電源出力端子Bと前記
第1トランジスタのコレクタとの間に、前記第1トラン
ジスタに対し順方向となるようにダイオードを接続し、
前記第1トランジスタのエミッタ及びベースに、第2ト
ランジスタのベース及びコレクタをそれぞれ接続し、前
記第1トランジスタのエミッタを電流制限抵抗器R 1 を
介して、前記第2トランジスタのエミッタと、前記定電
圧源の出力電圧V 0 とは逆極性の電源入力端子とに接続
する。
電流源回路は、出力電圧V 0 の定電圧源を抵抗器(その
抵抗値をR 0 とする)を介して、非反転入力端子が共通
電位点に接続された演算増幅器の反転入力端子に接続
し、その演算増幅器の反転入力端子及び出力端子に、一
対の電源出力端子A及びBをそれぞれ接続し、それら端
子間に接続される負荷インピーダンス素子に、V 0 /R
0 の大きさの定電流を供給するようにした帰還形定電流
源回路において、 前記演算増幅器の出力端子に第1トラ
ンジスタのベースを接続し、前記電源出力端子Bと前記
第1トランジスタのコレクタとの間に、前記第1トラン
ジスタに対し順方向となるようにダイオードを接続し、
前記第1トランジスタのエミッタ及びベースに、第2ト
ランジスタのベース及びコレクタをそれぞれ接続し、前
記第1トランジスタのエミッタを電流制限抵抗器R 1 を
介して、前記第2トランジスタのエミッタと、前記定電
圧源の出力電圧V 0 とは逆極性の電源入力端子とに接続
する。
【0010】
【実施例】この考案の実施例を図1Aを参照して説明す
る。図1Aには図3と対応する部分に同じ符号を付し、
重複説明を省略する。この考案では演算増幅器3の出力
端子及び電源出力端子Bに、トランジスタQ1 のベース
及びコレクタがそれぞれ接続され、そのエミッタは電流
制限抵抗器R1 を介して、定電圧源1の出力電圧V0 と
逆極性の電源入力端子L(この例では負電圧−VC が供
給される)に接続される。
る。図1Aには図3と対応する部分に同じ符号を付し、
重複説明を省略する。この考案では演算増幅器3の出力
端子及び電源出力端子Bに、トランジスタQ1 のベース
及びコレクタがそれぞれ接続され、そのエミッタは電流
制限抵抗器R1 を介して、定電圧源1の出力電圧V0 と
逆極性の電源入力端子L(この例では負電圧−VC が供
給される)に接続される。
【0011】トランジスタQ1 のエミッタ及びベース
に、トランジスタQ2 のベース及びコレクタがそれぞれ
接続され、そのエミッタは電源端子Lに接続される。電
源出力端子A又はB(この例ではB)と隣接して、ダイ
オードDが挿入される。コンデンサCa 及び抵抗器Ra
より成る直列回路は発振防止用のもので、必要に応じて
付加される。
に、トランジスタQ2 のベース及びコレクタがそれぞれ
接続され、そのエミッタは電源端子Lに接続される。電
源出力端子A又はB(この例ではB)と隣接して、ダイ
オードDが挿入される。コンデンサCa 及び抵抗器Ra
より成る直列回路は発振防止用のもので、必要に応じて
付加される。
【0012】演算増幅器3の各入力端子の入力インピー
ダンスは極めて大きく、流れる電流は無視できるので、
定電流I0 =V0 /R0 =I1 がR L −D−Q1 (C→
E)−R1 の経路を通って負電源に流れる。トランジス
タQ1 のベースには演算増幅器3よりベース電流IB1=
I1 /hFEが供給される。hFEはトランジスタの電流増
幅率である。負荷RL 接続時、R1 の端子電圧Va は
0.7V以下とされるので、Q2 はオフである。 (a)負荷RL 接続時の動作 ダイオードDの順電圧は小さいので、簡単化のため無視
する。電源出力端子Bの電圧をVB とする。I0 =I1
であるから、 I0 =(V0 −V1 )/R0 =(V1 −VB )/RL =I1 ∴VB =−V0 Rl /R0 +V1 (R0 +Rl )/R0 ・・・(10) 演算増幅器3の出力電圧V2 =−AV1 をトランジスタ
回路の電流、電圧で表すと、 V2 =−AV1 =VBE1 +(I1 +IB1)R1 +(−VC )・・・(11) ∴V1 =−{VBE1 +(I1 +IB1)R1 +(−VC )}/A・・・(12) 演算増幅器3の利得Aは極めて大きいので、 V1 =0 ・・・・(13) と見なし得る。従って(10)式より、 VB =−V0 RL /R0 ・・・・(14) V2 は(11)式にIB1=I1 /hFEを代入して、 V2 =VBE1 +I1 (1+1/hFE)R1 +(−VC ) =VBE1 +V0 (1+1/hFE)R1 /R0 +(−VC ) hFE≫1であるので V2 =VBE1 +V0 R1 /R0 +(−VC )・・・・(15) (14)式において、V0 ,R0 は既知であるので、V
B 、つまり負荷の端子電圧を別途測定することによっ
て、負荷抵抗値が求められる。
ダンスは極めて大きく、流れる電流は無視できるので、
定電流I0 =V0 /R0 =I1 がR L −D−Q1 (C→
E)−R1 の経路を通って負電源に流れる。トランジス
タQ1 のベースには演算増幅器3よりベース電流IB1=
I1 /hFEが供給される。hFEはトランジスタの電流増
幅率である。負荷RL 接続時、R1 の端子電圧Va は
0.7V以下とされるので、Q2 はオフである。 (a)負荷RL 接続時の動作 ダイオードDの順電圧は小さいので、簡単化のため無視
する。電源出力端子Bの電圧をVB とする。I0 =I1
であるから、 I0 =(V0 −V1 )/R0 =(V1 −VB )/RL =I1 ∴VB =−V0 Rl /R0 +V1 (R0 +Rl )/R0 ・・・(10) 演算増幅器3の出力電圧V2 =−AV1 をトランジスタ
回路の電流、電圧で表すと、 V2 =−AV1 =VBE1 +(I1 +IB1)R1 +(−VC )・・・(11) ∴V1 =−{VBE1 +(I1 +IB1)R1 +(−VC )}/A・・・(12) 演算増幅器3の利得Aは極めて大きいので、 V1 =0 ・・・・(13) と見なし得る。従って(10)式より、 VB =−V0 RL /R0 ・・・・(14) V2 は(11)式にIB1=I1 /hFEを代入して、 V2 =VBE1 +I1 (1+1/hFE)R1 +(−VC ) =VBE1 +V0 (1+1/hFE)R1 /R0 +(−VC ) hFE≫1であるので V2 =VBE1 +V0 R1 /R0 +(−VC )・・・・(15) (14)式において、V0 ,R0 は既知であるので、V
B 、つまり負荷の端子電圧を別途測定することによっ
て、負荷抵抗値が求められる。
【0013】(14)式より負荷の電圧|VB |は抵抗
値RL と共に増加するが、無制限ではなく、演算増幅器
3の許容最大出力電圧±V2 max により制限される。限
界状態ではトランジスタQ1 は飽和に近付くので、その
とき、VCE1 ≒0.1V,VBE1 ≒0.7Vとなり、V
CB1 ≒−0.6Vとなる。従って、VB =−V2 max−
0.6+VD となる。VD はダイオードDの順電圧でほ
ぼ0.7Vに等しい。よって VB =−V2 max +0.1V≒−V2 max ・・・・(16) となり、VB として例えば−V2 max =−3.5V(±
VC =±5Vの場合)を印加でき、従来例のようにダイ
ナミックレンジがV2 max より保護抵抗器RP による電
圧降下分だけ小さくなるようなことはない。
値RL と共に増加するが、無制限ではなく、演算増幅器
3の許容最大出力電圧±V2 max により制限される。限
界状態ではトランジスタQ1 は飽和に近付くので、その
とき、VCE1 ≒0.1V,VBE1 ≒0.7Vとなり、V
CB1 ≒−0.6Vとなる。従って、VB =−V2 max−
0.6+VD となる。VD はダイオードDの順電圧でほ
ぼ0.7Vに等しい。よって VB =−V2 max +0.1V≒−V2 max ・・・・(16) となり、VB として例えば−V2 max =−3.5V(±
VC =±5Vの場合)を印加でき、従来例のようにダイ
ナミックレンジがV2 max より保護抵抗器RP による電
圧降下分だけ小さくなるようなことはない。
【0014】負荷抵抗RL が外れた場合には演算増幅器
3より大きな出力電流I2 がQ1 (B→E)−R1 の経
路で流れようとするが、抵抗器R1 の端子電圧Va がト
ランジスタQ2 のベース〜エミッタ間のしきい値電圧V
th≒0.7Vを越えようとすると、Q2 がオンになろう
とし、VBE1 ≦VCE2 (sat)≒0.1Vで、トランジス
タQ1 はオフしようとするので、B〜E間の抵抗値は大
きくなり、通過電流は小さくなる。よって、R1 の電圧
Va は減小し、Vth≒0.7Vを越えることはできず、
結局 I2 ≒Vth/R1 ・・・・(17) に制限される。(b)A→Bの方向に過電圧Eを印加し
た場合この場合には図2Aに示す経路でI0 =V0 /R
0 の定電流が流れる。過電圧Eによる消費電力は、 P=EI0 =EV0 /R0 ・・・・(18) 定電流I0 は正常時の電流であり、一般に小さく設定さ
れており、従来の(7),(7′)式のIに比べて例え
ば1桁以上小さくなり、従って消費電力Pもそれだけ小
さくなる。
3より大きな出力電流I2 がQ1 (B→E)−R1 の経
路で流れようとするが、抵抗器R1 の端子電圧Va がト
ランジスタQ2 のベース〜エミッタ間のしきい値電圧V
th≒0.7Vを越えようとすると、Q2 がオンになろう
とし、VBE1 ≦VCE2 (sat)≒0.1Vで、トランジス
タQ1 はオフしようとするので、B〜E間の抵抗値は大
きくなり、通過電流は小さくなる。よって、R1 の電圧
Va は減小し、Vth≒0.7Vを越えることはできず、
結局 I2 ≒Vth/R1 ・・・・(17) に制限される。(b)A→Bの方向に過電圧Eを印加し
た場合この場合には図2Aに示す経路でI0 =V0 /R
0 の定電流が流れる。過電圧Eによる消費電力は、 P=EI0 =EV0 /R0 ・・・・(18) 定電流I0 は正常時の電流であり、一般に小さく設定さ
れており、従来の(7),(7′)式のIに比べて例え
ば1桁以上小さくなり、従って消費電力Pもそれだけ小
さくなる。
【0015】過電圧Eに対してV1 ,V2 は小さな値で
あるので、トランジスタQ1 のベース〜コレクタ間にほ
ぼ過電圧Eが印加されるので、そのVCBO (エミッタオ
ープン時のVCB)の大きい、例えば必要に応じ200〜
300Vのものを選べば、破損を容易に防ぐことができ
る。過電圧E印加時にも、この電源回路が定電流動作を
行えるのは、その過電圧をトランジスタQ1 のベース〜
コレクタ間に受け持たせることができ、演算増幅器3を
用いた負帰還増幅回路の動作は支障なく行われるからで
ある。 (c)B→Aの方向に過電圧Eを印加した場合 この場合にはダイオードDがオフとなるので図2Bに示
すような経路で極く僅かのリーク電流Iが流れる。トラ
ンジスタQ1 のコレクタ電流は微小なリーク電流である
のでエミッタ〜コレクタ間での電圧降下は無視できるの
で、コレクタ電圧VC1≒−VC =−5V程度であり、過
電圧Eに比べて、V1 ≒0であるので、ダイオードDの
端子電圧は−VC −(−E)=E−VC となる。従って
ダイオードDとしてその逆方向の許容電圧が過電圧E以
上のものを選べば、破損を容易に防ぐことができる。
あるので、トランジスタQ1 のベース〜コレクタ間にほ
ぼ過電圧Eが印加されるので、そのVCBO (エミッタオ
ープン時のVCB)の大きい、例えば必要に応じ200〜
300Vのものを選べば、破損を容易に防ぐことができ
る。過電圧E印加時にも、この電源回路が定電流動作を
行えるのは、その過電圧をトランジスタQ1 のベース〜
コレクタ間に受け持たせることができ、演算増幅器3を
用いた負帰還増幅回路の動作は支障なく行われるからで
ある。 (c)B→Aの方向に過電圧Eを印加した場合 この場合にはダイオードDがオフとなるので図2Bに示
すような経路で極く僅かのリーク電流Iが流れる。トラ
ンジスタQ1 のコレクタ電流は微小なリーク電流である
のでエミッタ〜コレクタ間での電圧降下は無視できるの
で、コレクタ電圧VC1≒−VC =−5V程度であり、過
電圧Eに比べて、V1 ≒0であるので、ダイオードDの
端子電圧は−VC −(−E)=E−VC となる。従って
ダイオードDとしてその逆方向の許容電圧が過電圧E以
上のものを選べば、破損を容易に防ぐことができる。
【0016】これ迄の説明では、定電圧源1の電圧V0
の極性を正であるものとしたが、もし負に設定する場合
には、図1Bに示すように、トランジスタQ1 ,Q2 を
PNP形とし、ダイオードDの向きを図1Aと反対にし
て、Q1 ,Q2 のエミッタを正の電源電圧+VC が供給
される電源入力端子Hに接続すればよい。また、ダイオ
ードDは電源出力端子A側に挿入してもよい。
の極性を正であるものとしたが、もし負に設定する場合
には、図1Bに示すように、トランジスタQ1 ,Q2 を
PNP形とし、ダイオードDの向きを図1Aと反対にし
て、Q1 ,Q2 のエミッタを正の電源電圧+VC が供給
される電源入力端子Hに接続すればよい。また、ダイオ
ードDは電源出力端子A側に挿入してもよい。
【0017】
【考案の効果】以上述べたように、この考案の回路で
は、演算増幅器3の最大許容出力電圧V2 max にほぼ等
しい電圧を負荷に印加できるので、従来の回路より負荷
電圧のダイナミックレンジが大幅に広くなる。また、A
→B方向に過電圧Eを印加した時でも、定常時の小さな
定電流I0 と等しい電流が出力端子A,B間に流れるだ
けであるので、その時の消費電力を従来より可なり小さ
くでき、回路の実装、構造の小形化につながる。
は、演算増幅器3の最大許容出力電圧V2 max にほぼ等
しい電圧を負荷に印加できるので、従来の回路より負荷
電圧のダイナミックレンジが大幅に広くなる。また、A
→B方向に過電圧Eを印加した時でも、定常時の小さな
定電流I0 と等しい電流が出力端子A,B間に流れるだ
けであるので、その時の消費電力を従来より可なり小さ
くでき、回路の実装、構造の小形化につながる。
【0018】この考案では、従来のように応答速度の遅
い熱応答形の保護抵抗器を用いず、前項の説明から分る
ように、過電圧に対し瞬時に保護動作が行われるので、
安全性の面で有利である。
い熱応答形の保護抵抗器を用いず、前項の説明から分る
ように、過電圧に対し瞬時に保護動作が行われるので、
安全性の面で有利である。
【図1】この考案の実施例を示す回路図。
【図2】図1の回路の出力端子間に誤って過電圧を印加
した場合に流れる電流経路を示す回路図。
した場合に流れる電流経路を示す回路図。
【図3】従来の帰還形定電流源回路の回路図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−78415(JP,U) 実開 昭60−124045(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02H 3/08 - 3/52
Claims (1)
- 【請求項1】 出力電圧V 0 の定電圧源を抵抗器(その
抵抗値をR0 とする)を介して、非反転入力端子が共通
電位点に接続された演算増幅器の反転入力端子に接続
し、その演算増幅器の反転入力端子及び出力端子に、一
対の電源出力端子A及びBをそれぞれ接続し、それら端
子間に接続される負荷インピーダンス素子に、V0 /R
0 の大きさの定電流を供給するようにした帰還形定電流
源回路において、 前記演算増幅器の出力端子に第1トランジスタのベース
を接続し、前記電源出力端子Bと前記第1トランジスタ
のコレクタとの間に、前記第1トランジスタに対し順方
向となるようにダイオードを接続し、前記第1トランジ
スタのエミッタ及びベースに、第2トランジスタのベー
ス及びコレクタをそれぞれ接続し、前記第1トランジス
タのエミッタを電流制限抵抗器R 1 を介して、前記第2
トランジスタのエミッタと、前記定電圧源の出力電圧V
0 とは逆極性の電源入力端子とに接続することを特徴と
する、帰還形定電流源回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992001260U JP2593523Y2 (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 帰還形定電流源回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992001260U JP2593523Y2 (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 帰還形定電流源回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0559333U JPH0559333U (ja) | 1993-08-06 |
JP2593523Y2 true JP2593523Y2 (ja) | 1999-04-12 |
Family
ID=11496490
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992001260U Expired - Lifetime JP2593523Y2 (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 帰還形定電流源回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2593523Y2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5140271A (ja) * | 1974-09-30 | 1976-04-03 | Toray Industries | Kannetsuhatsunetsutainoondoseigyohoho |
JPS60124045U (ja) * | 1984-01-31 | 1985-08-21 | 富士電機株式会社 | 出力トランジスタの保護回路 |
-
1992
- 1992-01-17 JP JP1992001260U patent/JP2593523Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0559333U (ja) | 1993-08-06 |
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