JP2593210B2 - 超電導線の固定方法 - Google Patents

超電導線の固定方法

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章則 山崎
恵一 蛯原
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、超電導線の固定方法に関し、さらに詳し
くいうと、超電導線の安定化材を除去し、フイラメント
を露出した部分に対する固定方法に関するものである。
〔従来の技術〕
第3図は従来の超電導線の固定方法の一例を示すもの
で、(1)は接続しようとする超電導線、(2)は安定
化材を除去してフイラメントを露出した後、複数の超電
導線(1)の個々のフィラメント(8)を撚り合わせて
スポツト溶接された接続部、(3)は接続部(2)の機
械強度を得るために巻き付けたステンレス箔、(5)は
超電導線(1)およびステンレス箔(3)を固定するた
めの補強部、(6)は超電導線(1)およびステンレス
箔(3)の先端部を補強部(5)に固定するためのはん
だである。
第4図は第3図のIV−IV線に沿う断面図であり、
(7)はステンレス箔(3)と接続部(2)との間およ
び接続部(2)の内部に出来た微小な空隙、(8)は接
続部(2)を構成する個々のフィラメントである。第5
図は超電導線(1)の他の例を示すもので、(4)は接
続部(2)の全体を固定するために巻き付けた銅箔、
(6)は銅箔(4)を用いることで、超電導線(1)お
よび接続部(2)の全体を補強部(5)に固定するはん
だである。そして、第6図に示すように、このものの場
合にも第4図と同様に接続部(2)の内部に微小な空隙
(7)が形成されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の超電導線の固定方法は以上のようになつている
が、いずれの方法を取つても、安定化材を除去した接続
部(2)およびこれを構成するフイラメント(8)には
んだ(6)が直接溶着せず、これらの間に微小な空隙
(7)が多数発生することとなりこれが原因でフイラメ
ント(8)が微小に動き接続部(2)の臨界電流にバラ
ツキを生じたり、線材の特性を十分に活用出来なかつた
り等の問題点があつた。
この発明は、上記のような問題点を解消するためにな
されたもので、安定化材除去部のフイラメント間に生じ
た微小な空隙を無くして安定化材除去部を強固に固定、
一体化して、臨界電流を高い値で安定することのできる
超電導線の固定方法を得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る超電導線の固定方法は、超電導線の安
定化材を除去してフィラメントを露出し、次にこのフィ
ラメントにはんだのヌレ性を活かすめっきを施し、その
後に前記フィラメント間の空隙部にまではんだを浸透し
て、前記安定化材を除去した後の前記フィラメントを固
定するものである。
〔作用〕
この発明における超電導線の固定方法は、個々のフイ
ラメントに均一なめつきが施されることにより、はんだ
のヌレ性が十分活かされ細部にまではんだが浸透する。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図について説明する。第1
図および第2図はこの発明の一実施例を示すもので、第
3図ないし第6図と同一または相当部分は同一符号を付
し、その説明は省略する。
図において、(9)はフイラメント(8)に析出した
銅めつきの膜、(10)ははんだ(6)が接続部(2)の
内部まで浸透しやすくするために接続部(2)の周囲に
巻いた結束線である。
次に、超電導線の固定方法について説明する。個々の
フイラメント(8)が露出した安定化材除去部に均一な
銅めっきを施し、その後銅めっきの膜(9)が形成され
た接続部(2)は洗浄処理される。次に、接続部(2)
に結束線を間隙をもたせて巻き付け補強部(5)、超電
導線(1)、接続部(2)および結束線(10)が一体に
なるように全体にはんだ(6)を流し、接続部(2)は
固定化される。このとき、フイラメント(8)の表面に
は銅めつきの膜(9)が形成されているので、はんだ
(6)のヌレ性が十分に活かされ、細部にまではんだ
(6)が浸透し、従来あつた空隙(7がなくなり、接続
部(2)の全体に渡つてはんだ(6)が完全に密着し、
接続部(2)は強固に固定化される。
なお、上記実施例では、銅めつきを例に取つて説明し
たが、はんだと容易に溶着する例えばスズ等のめっきで
あってもよい。また、めつきの処理方法としては、電気
めつき、無電解めつき、真空蒸着等であつてもよい。
また、結束線(10)の代りにはんだ(6)が入りやす
くした状態の箔でもよいし、補強部(5)と接続部
(2)とを結束線(10)を用いて一括して巻き付けても
よい。また、補強部(5)は、接続部(2)にはんだ
(6)を溶着したときに十分な強度が得られれば省略し
てもよい。
さらに、上記実施例では超電導線(1)の接続部
(2)の固定方法を示したが、連続した超電導線の途中
の安定化材を除去した安定化材除去部にこの発明を適用
しても同様の効果を奏する。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明によれば、フイラメン
トが露出した超電導線の安定化材除去部にめつきを施
し、さらにはんだで安定化材除去部を固定することによ
り、はんだのヌレ性が十分活かされ細部にまではんだが
浸透し、安定化材除去部が強固に固定、一体化され、安
定化材除去部の臨界電流が高い値で安定化し、設計の自
由度、および高品質が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す接続部の要部側断面
図、第2図は第1図のII−II線に沿う断面図、第3図は
従来の超電導線の接続部の一例を示す要部側断面図、第
4図は第3図のIV−IV線に沿う断面図、第5図は従来の
超電導線の接続部の他の例を示す要部側断面図、第6図
は第5図のVI−VI線に沿う断面図である。 (1)……超電導線、(6)……はんだ、(8)……フ
イラメント、(9)……膜。 なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 章則 兵庫県赤穂市天和651番地 三菱電機株 式会社赤穂製作所内 (72)発明者 蛯原 恵一 兵庫県赤穂市天和651番地 三菱電機株 式会社赤穂製作所内 (72)発明者 湊谷 敏秀 兵庫県赤穂市天和651番地 三菱電機株 式会社赤穂製作所内 (56)参考文献 特開 昭59−224081(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超電導線の安定化材を除去してフィラメン
    トを露出し、次にこのフィラメントにはんだのヌレ性を
    活かすめっきを施し、その後に前記フィラメント間の空
    隙部にまではんだを浸透して、前記安定化材を除去した
    後の前記フィラメントを固定することを特徴とする超電
    導線の固定方法。
JP63294662A 1988-11-24 1988-11-24 超電導線の固定方法 Expired - Lifetime JP2593210B2 (ja)

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JP2921241B2 (ja) * 1992-02-26 1999-07-19 三菱電機株式会社 超電導線の接続方法および接続構造

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