JP2592966B2 - イオン注入方法及びその装置 - Google Patents
イオン注入方法及びその装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、半導体基板表面に不純物注入層を形成する
イオン注入方法及びその装置に関する。
イオン注入方法及びその装置に関する。
(ロ)従来の技術 半導体集積回路装置の製造工程において、イオン注入
は、微細な領域に精度よく不純物を導入することができ
るため、広く用いられている。
は、微細な領域に精度よく不純物を導入することができ
るため、広く用いられている。
第5図は従来のイオン注入装置の概要を示す構成図
で、31はイオン源である。33は質量分析マグネットで、
イオン引出し電極32によりイオン源31から引き出された
不純物イオンを選択し、所望のイオン種のみ通過させ
る。34は上記質量分析マグネット33で選択された所望の
イオンビームを加速するイオン加速器、35は加速され
たイオンビームの進行方向を制御する集束偏向X−Y
スキャナである。X−Yスキャナ35でX−Y方向に走査
されたイオンビームは試料室36に保持されたウェハー
37に照射される。試料室36内のウェハー37のホルダーは
メカニカルスキャン及び冷媒などによる試料の冷却機構
を具備している。上記ウェハー37の表面にイオン注入し
たい所定パターンのマスクを形成しておくことにより所
定の不純物を所望の部分に注入することが可能となる。
で、31はイオン源である。33は質量分析マグネットで、
イオン引出し電極32によりイオン源31から引き出された
不純物イオンを選択し、所望のイオン種のみ通過させ
る。34は上記質量分析マグネット33で選択された所望の
イオンビームを加速するイオン加速器、35は加速され
たイオンビームの進行方向を制御する集束偏向X−Y
スキャナである。X−Yスキャナ35でX−Y方向に走査
されたイオンビームは試料室36に保持されたウェハー
37に照射される。試料室36内のウェハー37のホルダーは
メカニカルスキャン及び冷媒などによる試料の冷却機構
を具備している。上記ウェハー37の表面にイオン注入し
たい所定パターンのマスクを形成しておくことにより所
定の不純物を所望の部分に注入することが可能となる。
(ハ)発明が解決しようとする課題 ウェハー37に注入される注入イオンが保有するエネル
ギは、イオン源31からのイオン引出電圧とイオン加速器
34で印加される電圧によって決まり、上記イオン引出電
圧を一定値に固定するイオン加速器の電圧で決まること
となる。
ギは、イオン源31からのイオン引出電圧とイオン加速器
34で印加される電圧によって決まり、上記イオン引出電
圧を一定値に固定するイオン加速器の電圧で決まること
となる。
上記加速器34の電圧値は所定の値に設定しておくこと
が一般的であり、第6図に電圧を一定に設定したときの
試料(Si)の深さ方向における注入イオンの分布モデル
を示す。図から判るように、注入イオンの分布は注入エ
ネルギに依存した所定領域IIで最大となるガウス分布と
なり、領域IIよりも表面側の領域Iおよび試料内部側の
領域IIIでの不純物イオン数は、領域IIのそれに較べて
大幅に低下した分布となる。
が一般的であり、第6図に電圧を一定に設定したときの
試料(Si)の深さ方向における注入イオンの分布モデル
を示す。図から判るように、注入イオンの分布は注入エ
ネルギに依存した所定領域IIで最大となるガウス分布と
なり、領域IIよりも表面側の領域Iおよび試料内部側の
領域IIIでの不純物イオン数は、領域IIのそれに較べて
大幅に低下した分布となる。
イオン注入による不純物層のダメージは注入イオンの
静止位置近傍に集中する特性があることから、領域IIに
生じている結晶欠陥などのダメージは、領域I・IIIの
それに較べはるかに大きく、また複雑な転位やクラスタ
などを形成しているものと考えられる。加えて上記のよ
うなイオン注入法をMOSトランジスタのソース・ドレイ
ン形成などの高濃度不純物領域形成に用いた場合、領域
IIの不純物濃度はSiへの固溶度をはるかに越えるものと
なることが多く、その後の熱処理をかなり高温もしくは
長時間行って、領域IIの注入不純物を領域III及び領域
Iに拡散させるぐらいアニールを行わねば、注入イオン
を十分に活性化および置換位置に収めることができなか
った。上記のように高温もしくは長時間のアニールを要
するということは、とりもなおさずイオン注入層の横方
向拡散をうながし、デバイスの集積度を低下させるもの
であり、またこの熱処理がデバイスの他の部分に与える
影響も少なくない。したがって、他の製造工程との整合
性を考えると注入した不純物層を十分に活性化・焼鈍さ
せることは非常に困難であるという課題があった。
静止位置近傍に集中する特性があることから、領域IIに
生じている結晶欠陥などのダメージは、領域I・IIIの
それに較べはるかに大きく、また複雑な転位やクラスタ
などを形成しているものと考えられる。加えて上記のよ
うなイオン注入法をMOSトランジスタのソース・ドレイ
ン形成などの高濃度不純物領域形成に用いた場合、領域
IIの不純物濃度はSiへの固溶度をはるかに越えるものと
なることが多く、その後の熱処理をかなり高温もしくは
長時間行って、領域IIの注入不純物を領域III及び領域
Iに拡散させるぐらいアニールを行わねば、注入イオン
を十分に活性化および置換位置に収めることができなか
った。上記のように高温もしくは長時間のアニールを要
するということは、とりもなおさずイオン注入層の横方
向拡散をうながし、デバイスの集積度を低下させるもの
であり、またこの熱処理がデバイスの他の部分に与える
影響も少なくない。したがって、他の製造工程との整合
性を考えると注入した不純物層を十分に活性化・焼鈍さ
せることは非常に困難であるという課題があった。
(ニ)課題を解決するための手段 この発明は、試料室に搬送されたシリコン半導体基板
内に、所定の不純物イオンを含有するイオンビームを照
射し、低温でアニールすることによって、シリコン半導
体基板の不純物濃度よりも高濃度の不純物イオン注入層
を形成した半導体集積回路装置を製造する際に、イオン
ビームの加速エネルギを段階的に低下させて照射し、か
つ少なくとも加速エネルギを段階的に低下させる際に、
イオンビームの半導体基板への照射を完全に遮断すると
ともに試料室をその他の真空系から隔離してイオン注入
時の真空度を確保しつつ、半導体基板の表面がアニール
を起こさないように温度上昇を低く抑え、それによって
実質的に点欠陥と島状非晶質層が連続した非晶質層の連
続層として分布するシリコン半導体基板の不純物濃度よ
りも高濃度の不純物イオン注入層を形成することからな
るイオン注入方法である。
内に、所定の不純物イオンを含有するイオンビームを照
射し、低温でアニールすることによって、シリコン半導
体基板の不純物濃度よりも高濃度の不純物イオン注入層
を形成した半導体集積回路装置を製造する際に、イオン
ビームの加速エネルギを段階的に低下させて照射し、か
つ少なくとも加速エネルギを段階的に低下させる際に、
イオンビームの半導体基板への照射を完全に遮断すると
ともに試料室をその他の真空系から隔離してイオン注入
時の真空度を確保しつつ、半導体基板の表面がアニール
を起こさないように温度上昇を低く抑え、それによって
実質的に点欠陥と島状非晶質層が連続した非晶質層の連
続層として分布するシリコン半導体基板の不純物濃度よ
りも高濃度の不純物イオン注入層を形成することからな
るイオン注入方法である。
また、この発明のイオン注入方法を適用したイオン注
入装置は、不純物イオン源と、不純物イオン源からイオ
ンを引き出すイオン引出手段と、イオン引出手段により
引き出されたイオンのうち特定のイオンを選択するイオ
ン選択手段と、イオン加速器とこのイオン加速器に印加
される加速電圧を制御する加速電圧制御器とを有し、イ
オン選択手段により選択されたイオンからなるイオンビ
ームの加速エネルギを段階的に低下させて加速する加速
手段と、加速手段により加速されたイオンビームの進行
方向を走査するビーム走査手段と、ビーム走査手段によ
り走査されたイオンビームが導入される開口部分を有す
る試料室と、試料室の開口部分を開閉するゲートとこの
ゲートを開閉するゲート制御器とを有し、試料室に導入
されるイオンビームを間欠的に遮断するとともに不純物
イオン源、イオン引出手段、イオン選択手段、加速手
段、及びビーム走査手段と試料室とを隔離して高真空度
を維持する遮断手段と、予め実験したデータ及び他のプ
ロセスとの整合性によって求められたプロセス条件に基
づいて低温でのアニール効果の高い連続した非晶質注入
層を形成するイオン注入条件を設定し、これを実行する
プログラムを内蔵した制御計算機を有し、このイオン注
入条件を設定したプログラムに従って加速エネルギを段
階的に低下させるよう加速手段を制御するとともにイオ
ンビームの加速エネルギを段階的に低下させる期間でか
つ安定した加速エネルギでのイオンビームの照射中にイ
オンビームを遮断するよう遮断手段を制御する制御手段
とから構成される。
入装置は、不純物イオン源と、不純物イオン源からイオ
ンを引き出すイオン引出手段と、イオン引出手段により
引き出されたイオンのうち特定のイオンを選択するイオ
ン選択手段と、イオン加速器とこのイオン加速器に印加
される加速電圧を制御する加速電圧制御器とを有し、イ
オン選択手段により選択されたイオンからなるイオンビ
ームの加速エネルギを段階的に低下させて加速する加速
手段と、加速手段により加速されたイオンビームの進行
方向を走査するビーム走査手段と、ビーム走査手段によ
り走査されたイオンビームが導入される開口部分を有す
る試料室と、試料室の開口部分を開閉するゲートとこの
ゲートを開閉するゲート制御器とを有し、試料室に導入
されるイオンビームを間欠的に遮断するとともに不純物
イオン源、イオン引出手段、イオン選択手段、加速手
段、及びビーム走査手段と試料室とを隔離して高真空度
を維持する遮断手段と、予め実験したデータ及び他のプ
ロセスとの整合性によって求められたプロセス条件に基
づいて低温でのアニール効果の高い連続した非晶質注入
層を形成するイオン注入条件を設定し、これを実行する
プログラムを内蔵した制御計算機を有し、このイオン注
入条件を設定したプログラムに従って加速エネルギを段
階的に低下させるよう加速手段を制御するとともにイオ
ンビームの加速エネルギを段階的に低下させる期間でか
つ安定した加速エネルギでのイオンビームの照射中にイ
オンビームを遮断するよう遮断手段を制御する制御手段
とから構成される。
従って、この発明によれば、イオンビームの加速エネ
ルギを段階的に低下させて照射し、かつ少なくとも加速
エネルギを段階的に低下させる際に、イオンビームの半
導体基板への照射を完全に遮断し、試料室の真空度を確
保しつつ、半導体基板の表面がアニールを起こさないよ
うに温度上昇を低く抑えているので、実質的に点欠陥と
島状非晶質層が連続した非晶質層の連続層として分布す
るシリコン半導体基板の不純物濃度よりも高濃度の不純
物イオン注入層を安定して均一に形成することができ
る。
ルギを段階的に低下させて照射し、かつ少なくとも加速
エネルギを段階的に低下させる際に、イオンビームの半
導体基板への照射を完全に遮断し、試料室の真空度を確
保しつつ、半導体基板の表面がアニールを起こさないよ
うに温度上昇を低く抑えているので、実質的に点欠陥と
島状非晶質層が連続した非晶質層の連続層として分布す
るシリコン半導体基板の不純物濃度よりも高濃度の不純
物イオン注入層を安定して均一に形成することができ
る。
この発明のイオン注入方法において、半導体基板への
イオンビームの照射が、低温度かつ短時間のアニールで
回復しやすい不純物イオンの注入量の範囲で、かつ固溶
度を越えないように分割しておこなわれることが好まし
い。
イオンビームの照射が、低温度かつ短時間のアニールで
回復しやすい不純物イオンの注入量の範囲で、かつ固溶
度を越えないように分割しておこなわれることが好まし
い。
前記イオン注入方法によれば、アニールの熱処理温度
の低温化、短時間化がはかられる。
の低温化、短時間化がはかられる。
また、半導体基板へのイオンビームの遮断が、加速エ
ネルギを段階的に低下させる期間でかつ予め定められた
値に安定した加速エネルギでのイオンビームの照射中に
おこなわれるとともに半導体基板の表面が損傷を受けな
い温度まで十分に冷却されるだけの期間におこなわれ、
すでに注入された不純物イオンがイオン注入時に活性化
エネルギを得ないように注入されることが好ましい。
ネルギを段階的に低下させる期間でかつ予め定められた
値に安定した加速エネルギでのイオンビームの照射中に
おこなわれるとともに半導体基板の表面が損傷を受けな
い温度まで十分に冷却されるだけの期間におこなわれ、
すでに注入された不純物イオンがイオン注入時に活性化
エネルギを得ないように注入されることが好ましい。
さらに、半導体基板へのイオンビームの遮断が、加速
エネルギを段階的に低下させる期間でかつ予め定められ
た値に安定した加速エネルギでのイオンビームの照射中
におこなわれるとともに試料室の真空度が十分に回復す
る期間だけおこなわれることが好ましい。
エネルギを段階的に低下させる期間でかつ予め定められ
た値に安定した加速エネルギでのイオンビームの照射中
におこなわれるとともに試料室の真空度が十分に回復す
る期間だけおこなわれることが好ましい。
前記イオン注入方法によれば、半導体基板の表面が損
傷を受けない。また、半導体基板を外気にさらすことな
く処理するので信頼性の高いイオン注入が可能になる。
すでに注入された不純物イオンにイオン注入時に活性化
エネルギを与えないので安定した均一の不純物領域が形
成できる。
傷を受けない。また、半導体基板を外気にさらすことな
く処理するので信頼性の高いイオン注入が可能になる。
すでに注入された不純物イオンにイオン注入時に活性化
エネルギを与えないので安定した均一の不純物領域が形
成できる。
また、前記シリコン半導体基板の不純物濃度よりも高
濃度の不純物イオン注入層を形成する際のアニールが約
600〜900℃の低温でおこなわれることが好ましい。
濃度の不純物イオン注入層を形成する際のアニールが約
600〜900℃の低温でおこなわれることが好ましい。
前記低温のアニールにより安定した均一の不純物領域
が形成できる。
が形成できる。
この発明のイオン注入方法を使用するイオン注入装置
において、イオン源(不純物イオン源)は、当該分野で
公知のものを使用すればよく、例えば固体あるいは気体
から目的イオンを含んだプラズマを発生させて、イオン
を生成する構成であればよい。
において、イオン源(不純物イオン源)は、当該分野で
公知のものを使用すればよく、例えば固体あるいは気体
から目的イオンを含んだプラズマを発生させて、イオン
を生成する構成であればよい。
イオン引出手段は、イオン源で生成されたイオンを引
き出すために設けられるイオン引出し電極及びそのイオ
ン引き出す電極に所定の電圧を印加する電源とで構成さ
れる。
き出すために設けられるイオン引出し電極及びそのイオ
ン引き出す電極に所定の電圧を印加する電源とで構成さ
れる。
イオン選択手段は、代表的には質量分析マグネットを
使用すればよい。
使用すればよい。
加速手段は、イオン選択手段とビーム走査手段との間
に配設されるイオン加速器と、イオン加速器に印加され
る加速電圧を制御する加速電圧制御器とで基本的に構成
される。そして加速電圧制御器がイオン加速器に印加さ
れる加速電圧を変更することにより、イオンビームの加
速エネルギが変更されるものである。
に配設されるイオン加速器と、イオン加速器に印加され
る加速電圧を制御する加速電圧制御器とで基本的に構成
される。そして加速電圧制御器がイオン加速器に印加さ
れる加速電圧を変更することにより、イオンビームの加
速エネルギが変更されるものである。
ビーム走査手段は、イオンビームの進行方向に対して
X方向及びY方向にそれぞれ1対で配設される走査電極
を有するX−Yスキャナで構成すればよい。
X方向及びY方向にそれぞれ1対で配設される走査電極
を有するX−Yスキャナで構成すればよい。
試料室は、基本的に当該分野で公知の構成であってよ
いが、イオンビームの導入される開口を閉塞するゲート
を有している点が従来と異なっている。
いが、イオンビームの導入される開口を閉塞するゲート
を有している点が従来と異なっている。
ゲートは遮断手段の一部を形成するものであり、制御
手段より閉塞の指示がなされた際にゲート制御器によっ
て少なくともイオンビームの加速エネルギが変更される
間のみ開口を閉塞するよう作動制御される。ゲートは、
例えば試料室内に開口を開閉しえるようガイドレールに
よってスライドできるように設けられる。そしてゲート
は、ゲート制御器により制御される高圧ガスにより作動
する圧力ピストンでガイドレールに案内されてスライド
移動されるよう構成すればよい。
手段より閉塞の指示がなされた際にゲート制御器によっ
て少なくともイオンビームの加速エネルギが変更される
間のみ開口を閉塞するよう作動制御される。ゲートは、
例えば試料室内に開口を開閉しえるようガイドレールに
よってスライドできるように設けられる。そしてゲート
は、ゲート制御器により制御される高圧ガスにより作動
する圧力ピストンでガイドレールに案内されてスライド
移動されるよう構成すればよい。
制御手段は、予め実験したデータ及び他のプロセス条
件との整合性によって求めたデータから、アニール効率
の高い非晶質注入層を形成するイオン注入条件を設定
し、これを実行するプログラムを内蔵し、それによって
加速手段が加速エネルギを低下させるよう制御するとと
もに、遮断手段がイオン注入条件によってイオンビーム
を遮断するよう制御する制御計算機で構成すればよい。
件との整合性によって求めたデータから、アニール効率
の高い非晶質注入層を形成するイオン注入条件を設定
し、これを実行するプログラムを内蔵し、それによって
加速手段が加速エネルギを低下させるよう制御するとと
もに、遮断手段がイオン注入条件によってイオンビーム
を遮断するよう制御する制御計算機で構成すればよい。
尚、ここで言うイオン注入条件を決定する方法を以下
に簡単に説明する。
に簡単に説明する。
イオン注入後に、該イオン注入層に施される主要な
(アニールに寄与する)熱処理は、デバイスの品種等に
より異なるが、今、800℃、10分のランプアニールが施
される場合を例にとってみる。
(アニールに寄与する)熱処理は、デバイスの品種等に
より異なるが、今、800℃、10分のランプアニールが施
される場合を例にとってみる。
そのイオン注入層(イオン注入後、800℃、10分のラ
ンプアニールが施された注入層、実際には、デバイスの
製作工程を流す)の評価をきわめて簡単に行う方法とし
てシート抵抗ρs(Ω/□)を測定するのが一般的であ
る。シート抵抗は次式 で近似され、キャリア濃度n,移動度μの深さ方向xへの
関数として表わされる物理的な意味をもっている。
ンプアニールが施された注入層、実際には、デバイスの
製作工程を流す)の評価をきわめて簡単に行う方法とし
てシート抵抗ρs(Ω/□)を測定するのが一般的であ
る。シート抵抗は次式 で近似され、キャリア濃度n,移動度μの深さ方向xへの
関数として表わされる物理的な意味をもっている。
注入された不純物イオンが、その後の熱処理によって
有効に寄与しているかを知るためには、その注入層のシ
ートキャリア数Nsを測定すればよく、本発明のアニール
処理に際して注入条件の割り出しには、古典的な測定技
術であるファンデアパウ(Van・dea・PAUW)法を主に用
いた。
有効に寄与しているかを知るためには、その注入層のシ
ートキャリア数Nsを測定すればよく、本発明のアニール
処理に際して注入条件の割り出しには、古典的な測定技
術であるファンデアパウ(Van・dea・PAUW)法を主に用
いた。
シートキャリア数Nsは、磁界をBz、電流をIx、ホール
電圧VH、電子の電荷をeとすると、 で簡略化して近似することができる。
電圧VH、電子の電荷をeとすると、 で簡略化して近似することができる。
そして、シート抵抗ρsは、ファンデアパウ法を用い
て、 により求めることが出来る。
て、 により求めることが出来る。
ここでfは、試料の形状ファクター、 rAB・CDは、CD端子間の電位差をAB端子間に流した電
流で除した値、 rAC・DAは、DA端子間の電位差をBC端子間に流した電
流で除した値とする。又、四探針法で測定したシート抵
抗のデータもあわせて考慮する。注入法のホールモビリ
ティμH[cm2/V・sec]は、 で簡略化して近似することができる。
流で除した値、 rAC・DAは、DA端子間の電位差をBC端子間に流した電
流で除した値とする。又、四探針法で測定したシート抵
抗のデータもあわせて考慮する。注入法のホールモビリ
ティμH[cm2/V・sec]は、 で簡略化して近似することができる。
上記方法にて求めたシートキャリア濃度Nsを注入量で
除した値NA及びμHが高いほどその注入層は良くアニー
ルがなされている(実際にはデバイス特性も重視)と判
断する。
除した値NA及びμHが高いほどその注入層は良くアニー
ルがなされている(実際にはデバイス特性も重視)と判
断する。
800℃、10分のランプアニールで、このNs・μHがも
っとも高くなるような(ただしμHは、Nsが高くすると
一般に低くなるので両値の整合性も考える)注入条件を
割り出せば、それがもっとも回復効率の良い注入条件で
あるとする。したがってこの注入条件は注入するイオン
種や注入する量、その後の熱処理条件に応じてプログラ
ム設定がなされるものである。もちろん、熱処理のみの
が基準となるのではなくて、イオン注入装置の能力や稼
働率も考慮してプログラム設定がなされることは言うま
でもない。
っとも高くなるような(ただしμHは、Nsが高くすると
一般に低くなるので両値の整合性も考える)注入条件を
割り出せば、それがもっとも回復効率の良い注入条件で
あるとする。したがってこの注入条件は注入するイオン
種や注入する量、その後の熱処理条件に応じてプログラ
ム設定がなされるものである。もちろん、熱処理のみの
が基準となるのではなくて、イオン注入装置の能力や稼
働率も考慮してプログラム設定がなされることは言うま
でもない。
尚、この発明は回復しやすい注入欠陥の発生する注入
領域、たとえば80KeVでのAsイオン注入の場合、Nsを注
入量で除した値NAが同じアニール処理でも1015ions/cm2
注入による損傷が1014ions/cm2や1016ions/cm2の場合よ
りも回復しやすい等の物理的現象を応用するものであ
り、本発明で言う、点欠陥と島状非品質層が連続して非
晶質層を形成する注入とは、イオン種により異なるが、
このあたりの注入による欠陥と等価の非品質層(欠陥
層)を生ぜせしめることを指しいる。
領域、たとえば80KeVでのAsイオン注入の場合、Nsを注
入量で除した値NAが同じアニール処理でも1015ions/cm2
注入による損傷が1014ions/cm2や1016ions/cm2の場合よ
りも回復しやすい等の物理的現象を応用するものであ
り、本発明で言う、点欠陥と島状非品質層が連続して非
晶質層を形成する注入とは、イオン種により異なるが、
このあたりの注入による欠陥と等価の非品質層(欠陥
層)を生ぜせしめることを指しいる。
(ホ)作用 上記方法にてイオン注入した形成したイオン不純物層
は、比較的低温の熱処理で回復しやすくプロセスの低温
化をはかることができる。また分割して注入するためイ
オン注入時の温度上昇が抑えられ、レジストマスクの保
護及び注入時のREDやアニール現象などのプロセス上の
不明確な要素が軽減できるほか、加速エネルギの変更時
にイオンビームをエンドステイションから完全に遮断す
るので試料室の真空度は常に高いレベルに保つことがで
きる。
は、比較的低温の熱処理で回復しやすくプロセスの低温
化をはかることができる。また分割して注入するためイ
オン注入時の温度上昇が抑えられ、レジストマスクの保
護及び注入時のREDやアニール現象などのプロセス上の
不明確な要素が軽減できるほか、加速エネルギの変更時
にイオンビームをエンドステイションから完全に遮断す
るので試料室の真空度は常に高いレベルに保つことがで
きる。
(ヘ)実施例 以下、この発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。
る。
第1図は本発明のイオン注入装置の概要を示す構成図
で、イオン源1、イオン引出し電極2、質量分析マグネ
ット3、イオン加速器4、X−Yスキャナ5、試料室
(エンドステイション)6、ビームライン−エンドステ
イション間ゲート7、加速電圧制御器8、ゲート制御器
9、制御計算器10より構成される。イオン源1として
は、固体ソースの場合加熱器で高温加熱してソース蒸気
をつくり、フィラメントから出た電子と衝突電離させて
イオンを生成する。ガスを使う場合もソース蒸発がガス
に変わるだけで同様である。このイオン源1で生成され
たイオンは、イオン引出し電極2によりイオン源1から
ビームラインに引き出されてイオンビーム(図中破線)
となる。このイオンビームは質量分析マグネット3の中
を通過すると、イオンビーム中のイオンの質量の差を利
用して特定のイオンビームのみがイオン加速器4に導
入される。イオン加速器4で加速されたイオンビーム
は、X−Yスキャナ5の機能で偏向制御を受けて試料室
6内のウェハー11面を走査する。このウェハー11はメカ
ニカルスキャン機構(図示せず)を備えたウェハーホル
ダー12に固定される。試料室6へのイオンビーム導入口
に設けられたビームライン−エンドステイション間ゲー
ト7は、ゲート制御器9によって制御され、制御計算機
10内に設定したイオン注入条件のプログラムによって自
動的に開閉制御される。
で、イオン源1、イオン引出し電極2、質量分析マグネ
ット3、イオン加速器4、X−Yスキャナ5、試料室
(エンドステイション)6、ビームライン−エンドステ
イション間ゲート7、加速電圧制御器8、ゲート制御器
9、制御計算器10より構成される。イオン源1として
は、固体ソースの場合加熱器で高温加熱してソース蒸気
をつくり、フィラメントから出た電子と衝突電離させて
イオンを生成する。ガスを使う場合もソース蒸発がガス
に変わるだけで同様である。このイオン源1で生成され
たイオンは、イオン引出し電極2によりイオン源1から
ビームラインに引き出されてイオンビーム(図中破線)
となる。このイオンビームは質量分析マグネット3の中
を通過すると、イオンビーム中のイオンの質量の差を利
用して特定のイオンビームのみがイオン加速器4に導
入される。イオン加速器4で加速されたイオンビーム
は、X−Yスキャナ5の機能で偏向制御を受けて試料室
6内のウェハー11面を走査する。このウェハー11はメカ
ニカルスキャン機構(図示せず)を備えたウェハーホル
ダー12に固定される。試料室6へのイオンビーム導入口
に設けられたビームライン−エンドステイション間ゲー
ト7は、ゲート制御器9によって制御され、制御計算機
10内に設定したイオン注入条件のプログラムによって自
動的に開閉制御される。
ここで制御計算機10は、予め実験したデータ及び他の
プロセス条件との整合性によって求めたデータから、ア
ニール効率の高い非晶質注入層を形成するイオン注入条
件を設定し、これを実行するプログラムを内蔵し、加速
電圧を任意の値に調整安定化させる。加速電圧制御器8
とビームライン−エンドステイション間ゲート7の開閉
機構は、ゲート制御器9に設定したプログラムにしたが
って制御される。
プロセス条件との整合性によって求めたデータから、ア
ニール効率の高い非晶質注入層を形成するイオン注入条
件を設定し、これを実行するプログラムを内蔵し、加速
電圧を任意の値に調整安定化させる。加速電圧制御器8
とビームライン−エンドステイション間ゲート7の開閉
機構は、ゲート制御器9に設定したプログラムにしたが
って制御される。
上記イオン注入装置は、イオンに加える加速電圧を第
2図に示すように、当初の加速電圧E1が時間と共に段階
的により低い加速電圧E2,E3…へとプログラムに従って
変更する機能をもち、更には上記加速電圧を次の低加速
電圧値に変化させている期間、ビームライン−エンドス
テイション間ゲート7を閉じてビームがウェハー11に照
射されないように完全に遮断し、ウェハ表面の十分な冷
却をはかる。この冷却時間については加速電圧およびビ
ーム電流が予め定められた値に十分に安定し、なおかつ
ウェハー表面が十分に冷却されるだけの期間する。尚、
同一加速電圧においても注入時間が長くなる場合、すな
わちウェハー11の深い位置に多量にイオン注入をおこな
う場合には、途中に冷却期間を設定し、分割してイオン
注入する。
2図に示すように、当初の加速電圧E1が時間と共に段階
的により低い加速電圧E2,E3…へとプログラムに従って
変更する機能をもち、更には上記加速電圧を次の低加速
電圧値に変化させている期間、ビームライン−エンドス
テイション間ゲート7を閉じてビームがウェハー11に照
射されないように完全に遮断し、ウェハ表面の十分な冷
却をはかる。この冷却時間については加速電圧およびビ
ーム電流が予め定められた値に十分に安定し、なおかつ
ウェハー表面が十分に冷却されるだけの期間する。尚、
同一加速電圧においても注入時間が長くなる場合、すな
わちウェハー11の深い位置に多量にイオン注入をおこな
う場合には、途中に冷却期間を設定し、分割してイオン
注入する。
上記工程における注入量の設定は、各エネルギーにお
いてウェハーの深さ方向の不純物イオンピーク濃度領域
近傍に、連続した非晶質層が発生する条件に選ばれる。
例えば第3図は上記実施例に示した加速電圧で注入した
場合のSiウェハー表面から深さ方向に生じる注入イオン
濃度分布を示す。
いてウェハーの深さ方向の不純物イオンピーク濃度領域
近傍に、連続した非晶質層が発生する条件に選ばれる。
例えば第3図は上記実施例に示した加速電圧で注入した
場合のSiウェハー表面から深さ方向に生じる注入イオン
濃度分布を示す。
最も大きい加速電圧E1(第2図)で注入した場合のウ
ェハー11すなわちSi基板内部での注入イオン濃度分布
は、第3図中曲線C1のガウス状分布(正確にはガウス分
布に近似される)に対応する。ここで不純物注入量は、
加速電圧E1でそのピーク濃度近傍に非晶質層K1を形成す
るように設定される。該非晶質層K1は点欠陥や島状非晶
質層と固溶度以上の注入に起因して生じる高密度欠陥集
合体層との間に生成される。
ェハー11すなわちSi基板内部での注入イオン濃度分布
は、第3図中曲線C1のガウス状分布(正確にはガウス分
布に近似される)に対応する。ここで不純物注入量は、
加速電圧E1でそのピーク濃度近傍に非晶質層K1を形成す
るように設定される。該非晶質層K1は点欠陥や島状非晶
質層と固溶度以上の注入に起因して生じる高密度欠陥集
合体層との間に生成される。
次に加速電圧を加速電圧E2に下げた時の濃度分布は曲
線C2で表わされ、その注入損傷である非晶質層K2とな
る。この時の注入量も上記非晶質層K2がアニールされや
すい結晶欠陥層となるよう設定される。そして加速電圧
を加速電圧E2よりもさらに低い加速電圧E3に設定した際
の濃度分布およびその非晶質層は、曲線C3と非晶質層K3
に対応する。このように加速電圧を順次変更するに従
い、その不純物分布のピーク濃度が同じ程度の範囲内に
なるように注入することにより、Si基板表面から深さ方
向に均一な非晶質層欠陥帯KBを形成する。尚第3図は、
先の注入時に生じたSi層のダメージを考慮して、後の注
入時のピーク濃度を低く設定している。上記非晶質層欠
陥帯KBは後の熱処理で回復しやすい注入量の範囲で注入
され、かつ固溶度を越えないように分割して注入される
ので、その後の他のプロセスに係わる熱処理をより容易
に回復可能である。また、分割して注入するので、一時
にSi基板に照射されるイオンビームの絶対量が少なくな
り、かつ加速電圧を変更する際に充分な冷却期間を設定
しているため、イオンビーム注入に伴う温度上昇を防止
し、素子およびレジストマスクなどを保護するととも
に、注入時の加熱によるアニール現象などのプロセスシ
ュミレーション上で不確定な要素となるものを軽減する
ことができる。
線C2で表わされ、その注入損傷である非晶質層K2とな
る。この時の注入量も上記非晶質層K2がアニールされや
すい結晶欠陥層となるよう設定される。そして加速電圧
を加速電圧E2よりもさらに低い加速電圧E3に設定した際
の濃度分布およびその非晶質層は、曲線C3と非晶質層K3
に対応する。このように加速電圧を順次変更するに従
い、その不純物分布のピーク濃度が同じ程度の範囲内に
なるように注入することにより、Si基板表面から深さ方
向に均一な非晶質層欠陥帯KBを形成する。尚第3図は、
先の注入時に生じたSi層のダメージを考慮して、後の注
入時のピーク濃度を低く設定している。上記非晶質層欠
陥帯KBは後の熱処理で回復しやすい注入量の範囲で注入
され、かつ固溶度を越えないように分割して注入される
ので、その後の他のプロセスに係わる熱処理をより容易
に回復可能である。また、分割して注入するので、一時
にSi基板に照射されるイオンビームの絶対量が少なくな
り、かつ加速電圧を変更する際に充分な冷却期間を設定
しているため、イオンビーム注入に伴う温度上昇を防止
し、素子およびレジストマスクなどを保護するととも
に、注入時の加熱によるアニール現象などのプロセスシ
ュミレーション上で不確定な要素となるものを軽減する
ことができる。
上述したようなイオンビーム注入法をMOS電界効果ト
ランジスタのソース・ドレイン形成に利用した応用例を
第4図を用いて説明する。
ランジスタのソース・ドレイン形成に利用した応用例を
第4図を用いて説明する。
(a) P型シリコン基板21上に熱酸化によるゲート酸
化膜22を形成し、更に該ゲート酸化膜22上にゲート電極
膜23を形成した後ホトレジストを全面塗布し、電極形成
用ホトレジストパターン24及びゲート電極膜23、ゲート
酸化膜22を順次エッチングする。
化膜22を形成し、更に該ゲート酸化膜22上にゲート電極
膜23を形成した後ホトレジストを全面塗布し、電極形成
用ホトレジストパターン24及びゲート電極膜23、ゲート
酸化膜22を順次エッチングする。
(b) ホトレジストを除去し、残留するゲート電極23
およびゲート酸化膜22をマスクにしてP型シリコン基板
21に加速電圧E1で75As+イオンを注入する。上記加速電
圧E1は、注入されたイオンのピーク濃度が1018〜1021/c
m3程度となる注入量例えば2×1015/cm2になるよう、例
えば80KeVに設定されている。
およびゲート酸化膜22をマスクにしてP型シリコン基板
21に加速電圧E1で75As+イオンを注入する。上記加速電
圧E1は、注入されたイオンのピーク濃度が1018〜1021/c
m3程度となる注入量例えば2×1015/cm2になるよう、例
えば80KeVに設定されている。
(c) 加速電圧E1で所定の注入量が注入されたらビー
ムを例えば5分程度遮断し試料の十分な冷却を行う。
ムを例えば5分程度遮断し試料の十分な冷却を行う。
(d) 次にイオンビームの加速電圧を例えば40KeVの
加速電圧E2とし75As+イオンを例えば注入量1.5×1015/c
m2で注入し、続いてビーム遮断期間を設けて冷却する。
加速電圧E2とし75As+イオンを例えば注入量1.5×1015/c
m2で注入し、続いてビーム遮断期間を設けて冷却する。
(e) さらにイオンビームの加速電圧を例えば20KeV
の加速電圧E3に変更し75As+イオンを例えば注入量7×1
014/cm2で注入する。この時上記加速電圧E1で注入した
時の最大欠陥領域K1(図中×印)と加熱電圧E2で注入し
た時の最大欠陥領域K2(図注△記)と加速電圧E3で注入
した最大欠陥領域K3(図中○印)とは、島状欠陥と棒状
欠陥・点欠陥とが連続した非晶質を形成するような濃度
として注入されたもので、欠陥密度が同程度となるよう
に予め実験および計算によって求められたイオン注入プ
ログラムに従って遂行される。
の加速電圧E3に変更し75As+イオンを例えば注入量7×1
014/cm2で注入する。この時上記加速電圧E1で注入した
時の最大欠陥領域K1(図中×印)と加熱電圧E2で注入し
た時の最大欠陥領域K2(図注△記)と加速電圧E3で注入
した最大欠陥領域K3(図中○印)とは、島状欠陥と棒状
欠陥・点欠陥とが連続した非晶質を形成するような濃度
として注入されたもので、欠陥密度が同程度となるよう
に予め実験および計算によって求められたイオン注入プ
ログラムに従って遂行される。
上記(a)〜(e)のプログラム注入を複数回行い、
所定の絶対量が導入されたN+注入層25を形成する。
所定の絶対量が導入されたN+注入層25を形成する。
(f) 続いて、後の製造工程により熱処理することに
よって、N+高濃度不純物領域26が形成される。上記熱処
理はデバイスの品種などによって温度および処理時間は
異なるが、上記イオン注入のプログラムは、予め熱処理
によって所望のアニールが得られるように設定する。熱
処理は、例えばランプアニールの場合、アニール温度60
0℃〜900℃で10分程度である。
よって、N+高濃度不純物領域26が形成される。上記熱処
理はデバイスの品種などによって温度および処理時間は
異なるが、上記イオン注入のプログラムは、予め熱処理
によって所望のアニールが得られるように設定する。熱
処理は、例えばランプアニールの場合、アニール温度60
0℃〜900℃で10分程度である。
尚、イオン注入の際、エッジ直下の欠陥集中を低減さ
せるためのマスクエッジに非常に薄くなだらかなサイド
ウォールを形成してイオン注入すると信頼性が向上す
る。
せるためのマスクエッジに非常に薄くなだらかなサイド
ウォールを形成してイオン注入すると信頼性が向上す
る。
以上本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、
本発明は上記実施例に限定されるものではなくその要旨
を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言
うまでもない。たとえば、本実施例では、深い注入の方
が浅い注入よりもピーク濃度が高くなる様に注入した
が、深さ方向への濃度が均一となるように注入しても、
また表面の方が濃度が高くなる様に注入してもかまわな
い。また、注入不純物は砒素に限定されるものではな
い。
本発明は上記実施例に限定されるものではなくその要旨
を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言
うまでもない。たとえば、本実施例では、深い注入の方
が浅い注入よりもピーク濃度が高くなる様に注入した
が、深さ方向への濃度が均一となるように注入しても、
また表面の方が濃度が高くなる様に注入してもかまわな
い。また、注入不純物は砒素に限定されるものではな
い。
(ト)発明の効果 以上詳述したように本発明によるイオン注入方法及び
装置を用いれば、主要な製造工程を変更することなしに
従来よりもアニール効率のよい低抵抗不純物層を形成す
ることが可能であり、高集積の半導体デバイスの製造に
おいてその効果は絶大である。また半導体基板表面から
深さ方向に決められた範囲内の濃度で注入することによ
り、実験的に求められた回復しやすい欠陥を均一に発生
せしめ、低い温度で活性化するイオン注入層を形成する
ことができる。
装置を用いれば、主要な製造工程を変更することなしに
従来よりもアニール効率のよい低抵抗不純物層を形成す
ることが可能であり、高集積の半導体デバイスの製造に
おいてその効果は絶大である。また半導体基板表面から
深さ方向に決められた範囲内の濃度で注入することによ
り、実験的に求められた回復しやすい欠陥を均一に発生
せしめ、低い温度で活性化するイオン注入層を形成する
ことができる。
第1図は本発明のイオン注入装置の概要を示す構成図、
第2図は加速電圧の一実施例の印加パターン例を示すグ
ラフ、第3図は同実施例によるSiウェハー表面から深さ
方向に対する注入イオン濃度分布を示すグラフ、第4図
(a)〜(f)は本発明をMOS電界効果トランジスタの
ソース・ドレイン形成に応用した製造工程を示す工程
図、第5図は従来のイオン注入装置の概要を示す構成
図、第6図は従来例における加速電圧を一定に設定した
時の試料の深さ方向における注入イオンの分布モデルを
示すグラフである。 1……イオン源、2……イオン引出し電極、 3……質量分析マグネット、 4……イオン加速器、 5……X−Yスキャナ、6……試料室、 7……ビームラインエンドステイション間ゲート 8……加速電圧制御器、9……ゲート制御器、 10……制御計算機、11……ウェハー、 12……ウェハーホルダー、 21……P型Si基板、 23……ゲート電極、 26……イオン注入による高濃度不純物領域。
第2図は加速電圧の一実施例の印加パターン例を示すグ
ラフ、第3図は同実施例によるSiウェハー表面から深さ
方向に対する注入イオン濃度分布を示すグラフ、第4図
(a)〜(f)は本発明をMOS電界効果トランジスタの
ソース・ドレイン形成に応用した製造工程を示す工程
図、第5図は従来のイオン注入装置の概要を示す構成
図、第6図は従来例における加速電圧を一定に設定した
時の試料の深さ方向における注入イオンの分布モデルを
示すグラフである。 1……イオン源、2……イオン引出し電極、 3……質量分析マグネット、 4……イオン加速器、 5……X−Yスキャナ、6……試料室、 7……ビームラインエンドステイション間ゲート 8……加速電圧制御器、9……ゲート制御器、 10……制御計算機、11……ウェハー、 12……ウェハーホルダー、 21……P型Si基板、 23……ゲート電極、 26……イオン注入による高濃度不純物領域。
Claims (6)
- 【請求項1】試料室に搬送されたシリコン半導体基板内
に、所定の不純物イオンを含有するイオンビームを照射
し、低温でアニールすることによって、シリコン半導体
基板の不純物濃度よりも高濃度の不純物イオン注入層を
形成した半導体集積回路装置を製造する際に、 イオンビームの加速エネルギを段階的に低下させて照射
し、かつ少なくとも加速エネルギを段階的に低下させる
際に、イオンビームの半導体基板への照射を完全に遮断
するとともに試料室をその他の真空系から隔離してイオ
ン注入時の真空度を確保しつつ、半導体基板の表面がア
ニールを起こさないように温度上昇を低く抑え、それに
よって実質的に点欠陥と島状非晶質層が連続した非晶質
層の連続層として分布するシリコン半導体基板の不純物
濃度よりも高濃度の不純物イオン注入層を形成すること
からなるイオン注入方法。 - 【請求項2】前記遮断が、加速エネルギを段階的に低下
させる期間でかつ予め定められた値に安定した加速エネ
ルギでのイオンビームの照射中におこなわれるとともに
半導体基板の表面が損傷を受けない温度まで十分に冷却
させるだけの期間に行われ、すでに注入された不純物イ
オンがイオン注入時に活性化エネルギを得ないように注
入されることを特徴とする請求項1記載のイオン注入方
法。 - 【請求項3】前記照射が、低温度かつ短時間のアニール
で回復しやすい不純物イオンの注入量の範囲で、かつ固
溶度を越えないように分割しておこなわれることを特徴
とする請求項1または2記載のイオン注入方法。 - 【請求項4】前記遮断が、加速エネルギを段階的に低下
させる期間でかつ予め定められた値に安定した加速エネ
ルギでのイオンビームの照射中におこなわれるとともに
試料室の真空度が十分に回復する期間だけおこなわれる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載
のイオン注入方法。 - 【請求項5】不純物イオン源と、 不純物イオン源からイオンを引き出すイオン引出手段
と、 イオン引出手段により引き出されたイオンのうち特定の
イオンを選択するイオン選択手段と、 イオン加速器とこのイオン加速器に印加される加速電圧
を制御する加速電圧制御器とを有し、イオン選択手段に
より選択されたイオンからなるイオンビームの加速エネ
ルギを段階的に低下させて加速する加速手段と、 加速手段により加速されたイオンビームの進行方向を走
査するビーム走査手段と、 ビーム走査手段により走査されたイオンビームが導入さ
れる開口部分を有する試料室と、 試料室の開口部分を開閉するゲートとこのゲートを開閉
するゲート制御器とを有し、試料室に導入されるイオン
ビームを間欠的に遮断するとともに不純物イオン源、イ
オン引出手段、イオン選択手段、加速手段、及びビーム
走査手段と試料室とを隔離して高真空度を維持する遮断
手段と、 予め実験したデータ及び他のプロセスとの整合性によっ
て求められたプロセス条件に基づいて低温でのアニール
効果の高い連続した非晶質注入層を形成するイオン注入
条件を設定し、これを実行するプログラムを内蔵した制
御計算機を有し、このイオン注入条件を設定したプログ
ラムに従って加速エネルギを段階的に低下させるよう加
速手段を制御するとともにイオンビームの加速エネルギ
を段階的に低下させる期間でかつ安定した加速エネルギ
でのイオンビームの照射中にイオンビームを遮断するよ
う遮断手段を制御する制御手段と、を備えてなるイオン
注入装置。 - 【請求項6】前記シリコン半導体基板の不純物濃度より
も高濃度の不純物イオン注入層を形成する際のアニール
が600〜900℃の低温でおこなわれることを特徴とする請
求項1から4のいずれか一つに記載のイオン注入方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1284604A JP2592966B2 (ja) | 1988-10-31 | 1989-10-30 | イオン注入方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27698388 | 1988-10-31 | ||
JP63-276983 | 1988-10-31 | ||
JP1284604A JP2592966B2 (ja) | 1988-10-31 | 1989-10-30 | イオン注入方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02263435A JPH02263435A (ja) | 1990-10-26 |
JP2592966B2 true JP2592966B2 (ja) | 1997-03-19 |
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ID=17577134
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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---|---|
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---|---|---|---|---|
JPH06318559A (ja) * | 1993-05-07 | 1994-11-15 | Hitachi Ltd | 高エネルギーイオン注入による半導体装置の製造方法 |
JP4677546B2 (ja) * | 2000-10-06 | 2011-04-27 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 半導体装置の作製方法 |
US7528389B2 (en) * | 2005-03-15 | 2009-05-05 | Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. | Profile adjustment in plasma ion implanter |
US8673753B1 (en) * | 2012-12-03 | 2014-03-18 | Advanced Ion Beam Technology, Inc. | Multi-energy ion implantation |
KR102595286B1 (ko) * | 2016-09-05 | 2023-10-31 | 삼성전자주식회사 | 시간에 따라 연속적으로 제어되는 파라미터를 포함하는 이온 빔 장비, 이를 이용한 패턴 형성 방법, 및 이를 이용한 자기 기억 소자의 제조방법 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5375854A (en) * | 1976-12-17 | 1978-07-05 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | Production fo semiconductor device |
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1989
- 1989-10-30 JP JP1284604A patent/JP2592966B2/ja not_active Expired - Fee Related
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