JP2592519Y2 - 熱交換器の偏平チューブ - Google Patents

熱交換器の偏平チューブ

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JP2592519Y2
JP2592519Y2 JP1993035765U JP3576593U JP2592519Y2 JP 2592519 Y2 JP2592519 Y2 JP 2592519Y2 JP 1993035765 U JP1993035765 U JP 1993035765U JP 3576593 U JP3576593 U JP 3576593U JP 2592519 Y2 JP2592519 Y2 JP 2592519Y2
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tube
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heat exchanger
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宗一 加藤
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、複数の冷媒流通路に区
画するインナーフィンが内部に設けられた熱交換器の偏
平チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、パラレルフロータイプの熱交換
器は、波状フィンを介して互いに平行に積層された複数
の偏平チューブの両端側に入側および出側のヘッダタン
クが接続され、双方のヘッダタンクの間で並列的に熱交
換媒体が通流される。
【0003】また、上記偏平チューブとしては、例えば
図7および図8に示すように、チューブ内部に、波状に
形成されたインナーフィン22を挿入して、波状の頂部
がチューブ内の内壁面23に接合され、チューブ流通路
が長手方向に沿う複数の流通路に区画された偏平チュー
ブ21が用いられた熱交換器が知られている(例えば特
開平5−1893号)。
【0004】この種の偏平チューブ21においては、所
定の成形プレートをロール成形等により折り曲げて横断
面長円形のチューブ体に形成し、このチューブ体内にイ
ンナーフィン22を挿入してセットしプレス等により潰
すことによってインナーフィン22の組付けが行なわれ
る。尚、上記インナーフィン22の全体の横幅は、挿入
性を容易にするために、上記チューブ体の横幅よりも余
裕をもって狭く形成されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】上述したインナーフィ
ンが挿入された偏平チューブにおいては、成形プレート
にインナーフィンをセットし、プレス等により成形プレ
ートを折り曲げて偏平チューブを形成してチューブ体と
インナーフィンとの組付けが行なわれるので、成形プレ
ートの折り曲げ時に、インナーフィンがチューブ体の幅
方向に移動してしまうという不都合があった。
【0006】そこで、本考案は、インナーフィンタイプ
の偏平チューブにおいて偏平チューブの組付け時にイン
ナーフィンが幅方向へ移動することなく、所定の位置に
容易に組付けすることの可能な熱交換器の偏平チューブ
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案の偏平チューブ
は、横断面長円形状に形成されたチューブ内流通路に、
波状に形成されたインナーフィンを挿入して、波状の頂
部がチューブの内壁面にろう付けされ、前記チューブ流
通路が長手方向に沿う複数の流通路に区画された熱交換
器の偏平チューブにおいて、前記チューブは、ロール成
形によって一枚の成形プレートを折り曲げるとともに組
付けたものであり、前記インナーフィンの個々の頂部は
フラット面を有し、更に、 イ.前記インナーフィンの波状の凹部に対向する箇所の
チューブ内壁面に内方へ突出する突部を設けること、 ロ.前記インナーフィンの波状の頂部に対向する箇所の
チューブ内壁面に外方へ埋没する、フラット面を有する
凹部を設けること、の双方を備えたものである。
【0008】
【作用】したがって、偏平チューブ内にインナーフィン
を挿入して組み付ける際に、インナーフィンの波状の頂
部が、チューブ体に設けた突部及び凹部の双方に係止さ
れるため、インナーフィンの位置決めが確実となり、従
来のようにインナーフィンが幅方向に移動するという不
都合を回避することができる。さらに、偏平チューブの
内壁面に突部を設けているので、この突部により偏平チ
ューブの強度が向上し、また、偏平チューブの内壁面に
凹部を設けて、当該凹部においてろう付けがなされるの
で偏平チューブの強度が向上し、その結果、偏平チュー
ブの肉厚の薄肉化を図ることが可能となる。さらにま
た、一体ろう付け時に、偏平チューブの突部や凹部に亘
ってインナーフィンの頂部のフィレット部が形成される
ので、インナーフィンのフィレット部のろう付け性が向
上する。また、チューブ内流通路に、波状に形成された
インナーフィンを挿入して、波状の頂部がチューブの内
壁面にろう付けされるにあたり、一方で、インナーフィ
ンの個々の頂部にはフラット面が備えられ、他方で、チ
ューブ内壁面に外方へ埋没する凹部もフラット面が備え
られているので、これらフラット面同士によりろう付け
面積が大きくなり、ろう付け性も向上する。
【0009】
【実施例】以下に、本考案の第1実施例を図面に基づい
て説明する。
【0010】本実施例の熱交換器1は、図1に示すよう
に、複数の偏平チューブ2が波状フィン3を介して互い
に平行に積層され、これらの偏平チューブ2の両端部が
それぞれのヘッダタンク4に設けられたチューブ挿入孔
5に挿入され、ろう付けにより一体的に接合されてい
る。尚、図1中、6は盲キャップ、7は入口継手、8は
出口継手を示す。
【0011】上記偏平チューブ2は、図2および図3に
示すように、1枚の成形プレートからなる横断面が長円
形状のチューブ体10と、波状に形成されて上記チュー
ブ体10に挿入されたインナーフィン12とから構成さ
れている。上記チューブ体10は、1枚の成形プレート
をロール成形により折り曲げて、横断面長円形状に形成
されたものであり、側部には屈曲して形成された接合片
11を一体ろう付けにより接合して形成されている。上
記インナーフィン12は、上記チューブ体10内部の幅
寸法よりも短い横幅寸法に形成され、幅方向に波打つ波
状に形成され、上記チューブ体10に挿入してその波状
の頂部12a等を一体ろう付けにより接合されている。
また、図面から明らかなように、個々の頂部12aは、
その先端にフラット面を備えている。
【0012】このような偏平チューブ2は、成形プレー
トを折り曲げて成形成されたチューブ体10にインナー
フィン12を挿入してセットし、プレス等によりチュー
ブ体10を潰してチューブ体10とインナーフィン12
との組付けが行なわれ、一体ろう付けにより、チューブ
体10とインナーフィン12との接合や、上記チューブ
体10の接合片11の接合がおこなわれる。
【0013】さらに、上記偏平チューブ2のチューブ体
10の内壁面であって、上記インナーフィン12の波状
の頂部12aの各々の間、すなわち、インナーフィン1
2の波状の凹部となる各々の箇所に内方へ突出する突部
13が設けられている。
【0014】上記各突部13は、本実施例では、図2に
示すように、偏平チューブ2の長手方向に沿って連続す
るように設けられている。この突部13は、その幅寸法
としては、上記インナーフィン12の頂部12a間の寸
法よりも小さい寸法に形成され、インナーフィン12が
挿入しやすいようになっている。尚、上記各突部13
は、成形プレートに予めプレス等により所定の箇所に設
けられている。
【0015】したがって、本実施例の偏平チューブにお
いては、チューブ体にインナーフィンを挿入して組み付
ける際に、インナーフィンの波状の頂部がチューブ体に
設けた突部に係止されるため、インナーフィンの位置決
めが確実となり、従来のようにインナーフィンが幅方向
に移動するという不都合を回避することができる。ま
た、チューブ体に突部を設けたので、チューブ体の強度
が向上し、チューブ体の肉厚の薄肉化を図ることが可能
となる。さらに、インナーフィンとチューブ体との一体
ろう付け時に、チューブ体の突部に亘り、インナーフィ
ンの頂部のフィレット部が形成されるので、インナーフ
ィンのフィレット部のろう付け性が向上する。
【0016】次に、本考案の第2実施例について説明す
る。
【0017】本実施例では、チューブ体10に設ける突
部13として、図4に示すように、長円形の突部13を
設けたものである。
【0018】すなわち、チューブ体10の内壁面の上記
インナーフィン12の波状の頂部12aの各々の間に、
所定長の長円形状の突部13が所定の間隔を保って間歇
的に設けられている。
【0019】したがって、本実施例でも、上記同様の効
果が得られるとともに、突部が間歇的に設けられている
ので、突部が設けられた区画通流路を流れる冷媒に乱流
効果が付与されることになり、熱交換効率を高めること
ができる。
【0020】次に、本考案の第3実施例について説明す
る。
【0021】本実施例では、チューブ体10に設ける突
部として、図5に示すように、円形の突部13を設けた
ものである。
【0022】すなわち、チューブ体10の内壁面の上記
インナーフィン12の波状の頂部12aの各々の間に、
所定径の円形の突部13が所定の間隔を保って間歇的に
設けられている。
【0023】したがって、本実施例でも、上記第2実施
例と同様の効果を得ることができる。
【0024】次に、本考案の第4実施例について説明す
る。
【0025】本実施例では、図6に示すように、チュー
ブ体10の外壁面を平面に形成するとともに、インナー
フィン12の波状の頂部12aに対向する箇所のチュー
ブ内壁面に外方へ埋没する凹部14を設けたものであ
る。また、図面から明らかなように、凹部14は、その
先端にフラット面を備えている。
【0026】この場合も、チューブ体にインナーフィン
を挿入して組み付ける際に、インナーフィンの波状の頂
部がチューブ体に設けた凹部に係止されるため、インナ
ーフィンの位置決めが確実となり、従来のようにインナ
ーフィンが幅方向に移動する不都合を回避することがで
きる。また、チューブ体の外壁面を平面に形成したの
で、つまりチューブ体の外壁に凹凸がないので、偏平チ
ューブのヘッダータンク挿入が容易化され、ろう付けも
確実なものとなる。さらに、インナーフィンとチューブ
体との一体ろう付け時に、チューブ体の凹部に亘り、イ
ンナーフィンの頂部のフィレット部が形成されるので、
インナーフィンのフィレット部のろう付け性が向上する
とともに、当該凹部が薄肉状であっても、この部位にろ
う付けがなされるので、総合的に偏平チューブの強度が
向上するものである。
【0027】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
偏平チューブ内にインナーフィンを挿入して組み付ける
際に、インナーフィンの波状の頂部が、チューブ体に設
けた突部及び凹部の双方に係止されるため、インナーフ
ィンの位置決めが確実となり、従来のようにインナーフ
ィンが幅方向に移動するという不都合を回避することが
できる。
【0028】
【補正の内容】さらに、偏平チューブの内壁面に突部を
設けているので、この突部により偏平チューブの強度が
向上し、また、偏平チューブの内壁面に凹部を設けて、
当該凹部においてろう付けがなされるので偏平チューブ
の強度が向上し、その結果、偏平チューブの肉厚の薄肉
化を図ることが可能となる。さらにまた、一体ろう付け
時に、偏平チューブの突部や凹部に亘ってインナーフィ
ンの頂部のフィレット部が形成されるので、インナーフ
ィンのフィレット部のろう付け性が向上する。また、チ
ューブ内流通路に、波状に形成されたインナーフィンを
挿入して、波状の頂部がチューブの内壁面にろう付けさ
れるにあたり、一方で、インナーフィンの個々の頂部に
はフラット面が備えられ、他方で、チューブ内壁面に外
方へ埋没する凹部もフラット面が備えられているので、
これらフラット面同士によりろう付け面積が大きくな
り、ろう付け性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に係り、熱交換器の正面図
である。
【図2】偏平チューブの斜視図である。
【図3】偏平チューブの横断面図である。
【図4】本考案の第2実施例に係り、偏平チューブの斜
視図である。
【図5】本考案の第3実施例に係り、偏平チューブの斜
視図である。
【図6】本考案の第4実施例に係り、偏平チューブの断
面図である。
【図7】従来例に係り、偏平チューブの斜視図である。
【図8】同上の偏平チューブの横断面図である。
【符号の説明】
1 熱交換器 2 偏平チューブ 12 インナーフィン 12a 頂部 13 突部 14 凹部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】横断面長円形状に形成されたチューブ内流
    通路に、波状に形成されたインナーフィンを挿入して、
    波状の頂部がチューブの内壁面にろう付けされ、前記チ
    ューブ流通路が長手方向に沿う複数の流通路に区画され
    た熱交換器の偏平チューブにおいて、前記チューブは、
    ロール成形によって一枚の成形プレートを折り曲げると
    ともに組付けたものであり、前記インナーフィンの個々
    の頂部はフラット面を有し、更に、下記イ.ロの双方
    備えたことを特徴とする熱交換器の偏平チューブ。 記 イ.前記インナーフィンの波状の凹部に対向する箇所の
    チューブ内壁面に内方へ突出する突部を設けること。 ロ.前記インナーフィンの波状の頂部に対向する箇所の
    チューブ内壁面に外方へ埋没する、フラット面を有する
    凹部を設けること。
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