JP2592346Y2 - 収納容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、例えば液体洗剤や柔
軟仕上剤などを収納するプラスチック製の収納容器に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ポリエチレンやポリプロピレ
ンなどのプラスチックをブロー成形などによってボトル
形状にした収納容器が多用されている。

【０００３】ところで、最近では環境保護の見地からこ
れらの収納容器においても、プラスチック使用量の低
減、分別回収の要請がされるようになってきた。

【０００４】ここに、プラスチック使用量を低減するに
は、収納容器の薄肉化が考えられるが、この場合、一般
に、収納容器が柔らかくなってしまって掴みにくくなっ
たり、自立しにくくなる。

【０００５】そこで、薄肉化した収納容器の周囲を紙箱
等で覆ったものが各種提案されている。

【０００６】例えば、実開昭５６−１５０７６６号公報
に示されるものでは、ボトルの注入口近くの周面に厚紙
製の枠体を固着し、注入口にキャップを嵌合させたその
ボトルを別体の厚紙製の箱本体に収納し、この箱本体の
上端部と前記枠体とを固着し、さらに別体の厚紙製の箱
状の上蓋を前記箱本体に破断可能に固着している。

【０００７】実開昭５９−１０６８７３号公報に示され
るものでは、ボトルの注入口近くに鍔を略環状に形成
し、このボトルを厚紙製の箱に収納し、この箱に設けら
れた上側フラップを前記鍔の上に位置させ、さらに別体
のプラスチック製の掛止リングを前記注入口に装着した
のち締め付けてボトルを箱に保持させている。

【０００８】これらは、いずれも部品点数が多く、製
造、組立などに手間がかかるものの、ボトルが薄肉化さ
れていながら、掴みやすく、また自立することができる
ものとなっている。

【０００９】他方、製造、組立などを容易にしたものと
して、実開昭５８−９４６６５号公報に示されるよう
に、外箱の上面部のフラップによってボトルを保持する
ようにしたものもある。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】しかし、前に述べたよ
うに、実開昭５６−１５０７６６号公報に示されるもの
の場合、ボトルの周囲を覆う構成が複雑であり、部品点
数も多く、製造、組立などに手間がかかるという欠点が
ある。また、ボトルと箱本体とは接着剤などによって強
固に貼り合わされるものなので、それらを分離するのが
容易でないという欠点もある。

【００１１】また、実開昭５９−１０６８７３号公報に
示されているものの場合、製造、組立などに手間がかか
る上、プラスチック製の係止リングを採用しているの
で、プラスチック使用量の低減がいま一つ図りにくいと
いう欠点がある。

【００１２】他方、実開昭５８−９４６６５号公報に示
されるものの場合、外箱の上面部のフラップによってボ
トルを保持しなくてはならないため、外箱の展開形状が
複雑なものとなり、収納容器の意匠的な外観形状も限ら
れたものとなる。また、ボトル装着後の外箱の組立も複
雑になるという欠点がある。

【００１３】この考案は、以上の実情を背景として創作
されたもので、十分に補強され、最近の環境保護の見地
からプラスチック使用量の低減、プラスチック製品の分
別回収の促進にも寄与しながら、製造、組立が従来のも
のに比べて簡単で、しかも収納容器の意匠的な外観形状
に対する制約が緩和されている収納容器を提供すること
を目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】この考案は、上記の課題
を解決するために、長方形状の平面形状を有し、内容物
を収納するプラスチック製の容器本体と、この容器本体
を外側から包んで保持するように、前記容器本体と相似
形の長方形状の平面形状を有する平面形状を有する紙箱
とから構成される収納容器において、前記容器本体上部
の一方の短辺部相当部位に鉛直上方に突出する注ぎ口部
を形成する一方、前記容器本体上部の他方の短辺部を矩
形箱体の稜線形状に形成し、 前記紙箱上部の一方の短辺
部相当部位に、この短辺部相当部位の上面部からこの短
辺部相当部位と同じ幅を有する一方の側面部にわたっ
て、前記紙箱の上部を斜めに切り欠いて前記注ぎ口部を
前記紙箱から突出させる上部開口を形成し、さらに、こ
の上部開口の前記上面部側の縁部及び前記上部開口の前
記側面部側縁部のそれぞれに折り重ね部分を形成し、前
記紙箱の底部に前記容器本体を挿入する底部開口を設
け、前記容器本体の上面部側に位置する前記注ぎ口部の
基部に、前記紙箱の上部開口の上側周縁部と嵌合する上
側嵌合凹部を形成するとともに、前記容器本体の側壁部
側に位置する前記注ぎ口部の基部に、前記紙箱の上部開
口の側壁部側周縁部と嵌合する側壁部側嵌合凹部を形成
したことを特徴とする。

【００１５】

【作用】この考案による収納容器を組み立てるにあたっ
ては、まず、容器本体を、注ぎ口部側を先にして紙箱の
底部開口から挿入してゆく。やがて、注ぎ口部は紙箱の
上部開口から突出するようになる。

【００１６】注ぎ口部の基部には、紙箱の上部開口の上
側周縁部と嵌合する上側嵌合凹部、上部開口の側壁部側
周縁部と嵌合する側壁部側嵌合凹部が形成されているの
で、注ぎ口が突出したところで、注ぎ口部の基部が上部
開口の周縁部に嵌合して保持されるようになる。このよ
うな製造、組立は、従来のものに比べて簡単なものであ
る。しかも、外箱にフラップなどを別途設けていないの
で、収納容器の意匠的な外観形状に対する制約も緩和さ
れている。

【００１７】また、プラスチック使用量の減量化が図ら
れていながら、収納容器としての強度は十分保証された
ものとなっている。したがって、掴みやすく、自立性も
良好である。

【００１８】

【実施例】以下に、この考案による収納容器の実施例
を、図面にもとづいて説明する。

【００１９】図４において、１は内容物として液体洗剤
を収納する収納容器で、液体洗剤が充填される容器本体
としてのボトル２と、このボトル２を外側から包んで保
持する紙箱３とから構成されている。

【００２０】ボトル２は、ポリエチレンをブロー成形し
たもので、収納容量が１５００ｍｌで液体洗剤の容量が
外部から見える程度の半透明となっている。

【００２１】図１に示すように、ボトル２は、ほぼ直方
体形状の本体部４と、その一方の上方隅部から突設され
た注ぎ口部６とから構成されている。そして、本体部４
の下部には底部側嵌合凹部４ａが形成され、この底部側
嵌合凹部４ａの底面には、成形時の金型の開き方向に延
びる２本のＶ溝１４が形成されている。このＶ溝１４は
ボトル２を潰しやすくするために設けたものである。

【００２２】また、本体部４の正面と背面には突出した
目盛り部４ｂが形成され、内容物の残量を知る目安とな
っている。

【００２３】紙箱３は、図２に示すように、ボトル２の
周囲を覆う大きさの箱形状とされ、その底部にはボトル
２を挿入する底部開口８が設けられている。また、紙箱
３の上面部の脇９からその近傍の側面部１０にわたっ
て、ボトル２の注ぎ口部６を紙箱３から突出させる上部
開口１１が形成されている。

【００２４】そして、正面と背面には、ボトル２の突出
した目盛り部４ｂを露出させるために、打ち抜き開口し
た窓１３が設けられている。また、ジッパー１５を設け
て、ボトル２から取りはずしやすくしている。

【００２５】この紙箱３は、セットアップ前には、展開
されたブランクスであり、図３にその一例を示す。図
中、１２ａは上面部、１２ｂ、１２ｃおよび１２ｄは糊
しろ、１２ｅ、１２ｆは折り込みフラップである。この
折り込みフラップ１２ｅを設けたことにより、上面部１
２ａおよび糊しろ１２ｂの端面を保護するとともに、後
述するボトル２との嵌合がより強固なものとなる。

【００２６】紙箱３の上部開口１１の上側周縁部１１ａ
は、図１に示すように、ボトル２の上面部側に位置する
注ぎ口部６の基部に形成された上側嵌合凹部６ａに嵌合
するようになっている。同様に、紙箱３の上部開口１１
の側壁部側周縁部１１ｂは、ボトル２の側壁部側に位置
する注ぎ口部６の基部に形成された側壁部側嵌合凹部６
ｂに嵌合するようになっている。さらに、紙箱３の底部
開口８の周縁部８ａは、ボトル２の底部に形成された底
部側嵌合凹部４ａに嵌合するようになっている。 これ
らの嵌合は、図２の（Ｄ）、（Ｅ）に示すように、紙箱
３の上部開口１１の周縁部が、ボトル２の注ぎ口部６の
基部に形成された上側嵌合凹部６ａ、側壁部側嵌合凹部
６ｂの底に圧入状態で接していることをいうものであ
り、紙箱３を上方に移動させたときに、紙箱３の上部開
口１１からボトル２が抜け落ちない程度の接触状態を維
持しているものである。したがって、いわゆる係止状態
や係合状態をも含むものである。特に、上側嵌合凹部６
ａには、紙箱３の上面部１２ａと糊しろ１２ｂおよび折
り込みフラップ１２ｅが、上側周縁部１１ａとして嵌合
し、また側壁部側嵌合凹部６ｂには、折り込みフラップ
１２ｆと側面部１０とが折り重なって側壁部側周縁部１
１ｂとして嵌合するので、保持力が強固なものとなって
いる。

【００２７】また、図２の（Ｆ）に示すように、ボトル
２の注ぎ口部６の基部の全周にわたって上側嵌合凹部６
ａおよび側壁部側嵌合凹部６ｂに連なる嵌合凹部６ｃを
形成し、紙箱３の上部開口１１の他の周縁部１１ｃを含
めた周縁部全体が、それらの一連の嵌合凹部の底に圧入
状態で接するようにしてもよい。

【００２８】図５、図６は、ボトルの底部の変形例を示
すもので、ボトル２１の底部側嵌合凹部２１ａの下部に
は、３本のＶ溝２２が形成されている。また、ボトル２
３は底部嵌合凹部を省略したもので、１つの大きなＶ溝
２４が形成されている。これらのようにしても、ボトル
２１、２２は潰しやすいものである。

【００２９】このような構成の収納容器１の組立は、ま
ず、ボトル２を、注ぎ口部６側を先にして紙箱３の底部
開口８から挿入して、注ぎ口部６を紙箱３の上部開口１
１から突出させる。ボトル２は、薄肉のプラスチック製
なので変形しやすく、紙箱３に挿入しやすいものであ
る。このとき、ボトル２の上面部側に位置する注ぎ口部
６の基部に形成された上側嵌合凹部６ａと紙箱３の上部
開口１１の上側周縁部１１ａとが嵌合するとともに、ボ
トル２の側壁部側に位置する注ぎ口部６の基部に形成さ
れた側壁部側嵌合凹部１１ｂと紙箱３の上部開口１１の
側壁部側周縁部１１ｂとが嵌合し、ボトル２の突出した
目盛り部４ｂが窓１３から露出する。

【００３０】なお、この収納容器の組立においては、ボ
トル２に液体洗剤を充填してから行うようにすると、液
だれなどによって紙箱３が汚れることがなく、また内容
物が充填されることにより薄肉のボトル２がしっかりと
成形形状を保持できるので、紙箱３との嵌合がはずれに
くいという利点がある。

【００３１】このような製造、組立は、ボトル２の上か
ら紙箱３を押し込むだけでボトル２に紙箱３が嵌合する
ので、従来のものに比べて簡単なものであり、しかも外
箱に容器本体を保持する専用のフラップなどを別途設け
る必要もない。これによって、収納容器の意匠的な外観
形状に対する制約も緩和されたものとなっている。例え
ば、この実施例では、ボトルの形状がほぼ直方体となっ
ているが、６角柱形状、円柱形状のものなど多様なもの
を実施することができる。

【００３２】さらに、この収納容器は、プラスチック使
用量の減量化が図られており、しかも収納容器としての
強度も十分保証されているので、掴みやすく、自立性も
良好である。

【００３３】本考案の収納容器によれば、収納容器のプ
ラスチック製容器本体と紙箱とが共に長方形状の平面形
状を有し、紙箱上面部の長方形状の一方の短辺部に形成
された上部開口が、斜めに切りかかれ、水平断面より大
きく形成されているので、容器本体の注ぎ口を紙箱内に
挿入するとき、挿入が容易である。次ぎに、上部開口が
斜めに切りかかれ、注ぎ口が鉛直上方に突出することに
より、紙箱を容器本体の上方に移動させようとするとき
に、上部開口が水平に形成される場合に較べて紙箱の上
部開口が注ぎ口の基部に掛かりやすくなり、摩擦抵抗が
大になるので、容器本体のみが置き去りにされたり、紙
箱を掴んで持ち上げたときに容器本体が紙箱から抜け落
ちることが防止される。加えて、注ぎ口部の基部に、紙
箱の上部開口の上側周縁部と嵌合する上側嵌合凹部が形
成され、容器本体の側壁部側に位置する注ぎ口部の基部
に、紙箱の上部開口の側壁部側周縁部と嵌合する側壁部
側嵌合凹部が形成されていることにより、注ぎ口部が紙
箱からさらに一層抜けにくくなる。また、紙箱及び容器
本体が矩形断面形状を有し、紙箱と容器本体とが相似形
状の矩形状体で互いに接触し、紙箱上部の他方の短辺部
が容器本体上部の他方の短辺部を覆っているので、左右
方向の変形に対して強く、容器本体の内容物の量が少な
くなって、容器本体が変形しやすくなっても、容器本体
が紙箱から脱落することがない。従って、この考案によ
る収納容器は、上記の構成とすることにより、十分に補
強され、最近の環境保護の要請にも対応してプラスチッ
ク使用量の低減が図られ、プラスチック製品の分別回収
の促進にも寄与しながら、製造、組立が従来のものに比
べて簡単で、しかも意匠的な外観形状に対する制約も緩
和されたものとなっている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案による収納容器のボトル（容器本
体）を示すもので、（Ａ）は側面図、（Ｂ）は正面図で
ある。

【図２】 同じく紙箱を示すもので、（Ａ）は側面図、
（Ｂ）は正面図、（Ｃ）は平面図、（Ｄ）〜（Ｆ）はボ
トルとの嵌合状態を示す断面図である。

【図３】 同じく紙箱の展開図である。

【図４】 同じく収納容器の斜視図である。

【図５】 ボトルの底部の変形例を示す斜視図である。

【図６】 ボトルの底部の変形例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 収納容器 ２ ボトル（プラスチック製の容器本体） ５ 一方の上隅部 ６ 注ぎ口部 ６ａ 上側嵌合凹部 ６ｂ 側壁部側嵌合凹部 ３ 紙箱 ８ 底部開口 １１ 上部開口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭58−136468（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−34438（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−94665（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65D 23/00 - 25/56

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長方形状の平面形状を有し、内容物を収
   納するプラスチック製の容器本体と、この容器本体を外
   側から包んで保持するように、前記容器本体と相似形の
   長方形状の平面形状を有する平面形状を有する紙箱とか
   ら構成される収納容器において、 前記容器本体上部の一方の短辺部相当部位に鉛直上方に
   突出する注ぎ口部を形成する一方、前記容器本体上部の
   他方の短辺部を矩形箱体の稜線形状に形成し、 前記紙箱上部の一方の短辺部相当部位に、この短辺部相
   当部位の上面部からこの短辺部相当部位と同じ幅を有す
   る一方の側面部にわたって、前記紙箱の上部を斜めに切
   り欠いて 前記注ぎ口部を前記紙箱から突出させる上部開
   口を形成し、さらに、この上部開口の前記上面部側の縁部及び前記上
   部開口の前記側面部側縁部のそれぞれに折り重ね部分を
   形成し、 前記紙箱の底部に前記容器本体を挿入する底部開口を設
   け、 前記容器本体の上面部側に位置する前記注ぎ口部の基部
   に、前記紙箱の上部開口の上側周縁部と嵌合する上側嵌
   合凹部を形成するとともに、前記容器本体の側壁部側に
   位置する前記注ぎ口部の基部に、前記紙箱の上部開口の
   側壁部側周縁部と嵌合する側壁部側嵌合凹部を形成した
   ことを特徴とする収納容器。