JP2598894Y2 - 収納容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、例えば液体洗剤や柔
軟仕上剤などを収納するプラスチック製の収納容器に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ポリエチレンやポリプロピレ
ンなどのプラスチックをブロー成形などによってボトル
形状にしたものが収納容器として多用されている。

【０００３】ところで、最近では環境保護、資源再利用
の見地から、これらの収納容器におけるプラスチック使
用量の低減、使用済みの収納容器の分別回収の要請があ
る。

【０００４】プラスチックの使用量の低減を図る手段と
しては、ボトルの小型化または薄肉化が考えられるが、
特に液体洗剤や柔軟仕上剤などを収納する収納容器は、
内容量が約５００〜１，５００ｍｌと比較的大型である
ことから、係る収納容器の場合には、ボトルの薄肉化が
進められている。

【０００５】ところが、薄肉化されたボトルは、一般
に、柔らかくなってしまって掴みにくくなったり、自立
しにくくなる。

【０００６】そこで、薄肉化したボトルの周囲を紙箱等
で覆ったものが各種提案されている。

【０００７】例えば、実開昭５６−１５０７６６号公報
に示されるものでは、ボトルの注入口近くの周面に厚紙
製の枠体を固着し、注入口にキャップを嵌合させたその
ボトルを別体の厚紙製の箱本体に収納し、この箱本体の
上端部と前記枠体とを固着し、さらに別体の厚紙製の箱
状の上蓋を前記箱本体に破断可能に固着している。

【０００８】実開昭５９−１０６８７３号公報に示され
るものでは、ボトルの注入口近くに鍔を略環状に形成
し、このボトルを厚紙製の箱に収納し、この箱に設けら
れた上側フラップを前記鍔の上に位置させ、さらに別体
のプラスチック製の掛止リングを前記注入口に装着した
のち締め付けてボトルを箱に保持させている。

【０００９】実開昭５８−９４６６５号公報に示される
ものでは、外箱の上面部のフラップによってボトルを保
持するようにしている。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】上記のような収納容器
では、いずれも、ボトルの薄肉化は達成されているもの
の、付属部品の点数が多かったり、フラップを折り曲げ
る順序が複雑であったりして、製造、組立などに手間が
かかるという欠点がある。したがって、組立などに手間
がかかる分だけ分解（ボトルと箱との分離）にも手間が
かかってしまう。また、実開昭５６−１５０７６６号公
報に示されるもののように、ボトルと箱本体とを接着剤
などによって強固に貼り合わせているものでは、分解が
一層しにくいという欠点もある。

【００１１】実開昭５９−１０６８７３号公報に示され
ているものの場合では、プラスチック製の係止リングを
採用しているので、プラスチック使用量の低減がいま一
つ図りにくいという欠点がある。

【００１２】この考案は、このような実情を背景として
創作されたもので、最近の環境保護、資源再利用の見地
から、プラスチック使用量の低減を図るために、ボトル
が薄肉でありながら収納容器としての十分な強度を備
え、しかも、製造、組立および紙箱と容器本体との分離
が従来のものに比べて簡単な収納容器を提供することを
目的としている。

【００１３】

【課題を解決するための手段】この考案は、上記の課題
を解決するために、内容物を収納するプラスチック製の
容器本体と、この容器本体を外側から包んで保持する紙
箱とから構成される収納容器において、 前記紙箱の斜
め上方から前記容器本体を挿入するために、前記紙箱の
上面部と一側面部とからなる一隅角部を切り欠いて、前
記上面部から前記一側面部に及ぶ挿入開口を形成し、こ
の一側面部の下部に残った縦壁部によって前記容器本体
の底部近傍の周面部を支持させ、前記紙箱の上面部側の
前記挿入開口の周縁部を前記紙箱の内側に向けて折り返
し、この折り返した部分に引掛かる係合凸部を、前記紙
箱の前記上面部に接触する前記容器本体の肩面部に設け
たことを特徴とする。

【００１４】

【作用】この考案による収納容器では、容器本体を外側
から包んで保持する紙箱には、容器本体を斜め上方から
挿入できる挿入開口が、紙箱の上部の一方の隅角部を形
成する上面部と一側面部にわたって設けられている。し
たがって、容器本体をその底部側からこの挿入開口に単
に落とし込むだけで、紙箱が容器本体を外側から包む状
態となる。

【００１５】この状態において、まず、容器本体の底部
近傍の周面部は、紙箱の前記一側面部の下部に残った縦
壁部を含んだ四つの側面部によって横方向から支持され
る。また、紙箱の上面部に接触する容器本体の肩面部に
設けられた係合凸部は、紙箱の上面部側の挿入開口の周
縁部を紙箱の内側に向けて折り返した部分に引掛かって
いるので、紙箱が容器本体を外側から完全に包んだとき
には、紙箱は容器本体に対してすでにセットアップされ
ており、しかもぐらつくようなこともない。

【００１６】この状態、すなわち正立状態から紙箱を掴
んで傾けても、容器本体は、その底部近傍の周面部が紙
箱の側面部に支持され、かつ、係合凸部が紙箱の折り返
した部分に引掛かっているので、容器本体は挿入開口か
ら外側方向に向かってずり落ちるようなことはない。ま
た、紙箱は、四つの側面部と底面部および上面部を備え
ているので、収納容器が傾けられているか否かに拘ら
ず、使用中の収納容器としての強度は十分にある。

【００１７】一方、内容量が少なくなった容器本体は、
肉薄なので、軽くつぶすことができ、これによって、容
器本体の肩面部と紙箱の上面部との間に指が入る程度の
隙間を容易につくることができ、この隙間を手がかりと
して、係合凸部と折り返した部分との引掛かりをはずし
て容器本体を挿入開口から簡単に引き出すことができ
る。

【００１８】

【実施例】以下に、この考案による収納容器の実施例
を、図面にもとづいて説明する。

【００１９】図５において、１は内容物として液体洗剤
や柔軟仕上剤を収納する収納容器で、液体洗剤などが充
填される容器本体としてのボトル２と、このボトル２を
外側から包んで保持する厚紙製の紙箱３とから構成され
ている。

【００２０】紙箱３には、ボトル２を斜め上方から挿入
するための挿入開口４が、図４に２点鎖線で示すよう
に、上部の一方の隅角部５を形成する上面部６と一側面
部７にわたって設けられている。

【００２１】この紙箱３は、セットアップ前には、図２
に示すような展開形状とされており、ボトル２の一方の
肩面部Ｂ1（図１参照）と接触する部分は、特に強度を
もたすために３枚のフラップ８ａ、８ｂ、８ｃより構成
している。

【００２２】なお、９はセットアップのための糊しろで
ある。また、１２、１３は、後述するように、ボトル２
に引掛かるために折り返す部分である。１４、１５は、
１０、１１とともに、セットアップしたとき、底面部と
なるフラップである（図３参照）。

【００２３】紙箱３の一側面部７の下部に残った縦壁部
７ａは、図１などに示すように、ボトル２の底部近傍の
周面部２ａを、他の三つの側面部とともに支持するよう
になっている。

【００２４】図１に示すように、紙箱３の上面部６側の
挿入開口４の周縁部３ａは、紙箱３の内側に向けて折り
返した部分となっている。また、紙箱３の一側面部７側
の挿入開口４の周縁部３ｂも同様に、紙箱３の内側に向
けて折り返した部分となっている。

【００２５】一方、ボトル２は、ポリエチレンをブロー
成形したもので、収納容量が１５００ｍｌと大きなもの
で、図１に示すように、他方の肩面部Ｂ2が湾曲された
ほぼ直方体形状とされている。上方に向けて突設された
注ぎ口部１６にはキャップ１７が取り付けられている。

【００２６】このボトル２の肩面部Ｂ1、すなわち紙箱
３の上面部６に接触する部分には、紙箱３の前記折り返
した部分３ａに引掛かる係合凸部１８がボトル成形時に
形成されている。また、ボトル２の側面底部、すなわち
紙箱３の縦壁部７ａに接触する部分にも、紙箱３の前記
折り返した部分３ｂに引掛かる補助的な係合凸部１９が
ボトル成形時に形成されている。

【００２７】これによって、挿入開口４から紙箱３の外
側方向に向かって抜けてずり落ちようとするボトル２
は、紙箱３に確実に支持されることとなる。

【００２８】これらの係合凸部１８、１９と折り返した
部分３ａ、３ｂとの引掛かりは、挿入開口４からボトル
２を完全に落し込むだけで容易にされるものである。

【００２９】次に、このような構成の収納容器１の取り
扱いを説明する。

【００３０】まず、セットアップされている紙箱３の挿
入開口４に、ボトル２をその底部側から単に落とし込む
だけで、紙箱３がボトル２を外側から包む状態が得られ
る。

【００３１】この状態においては、まず、ボトル２の底
部近傍の周面部２ａ（係合凸部１９など）は、紙箱３の
一側面部７の下部に残った縦壁部７ａを含んだ四つの側
面部によって横方向から支持される。また、紙箱３の上
面部６に接触するボトル２の肩面部Ｂ1に設けられた係
合凸部１８は、紙箱３の上面部６側の挿入開口４の周縁
部を紙箱３の内側に向けて折り返した部分３ａに、すで
に引掛かっているので、紙箱３がボトル２を外側から包
んだときには、紙箱３はボトル２に対してすでにセット
アップされており、しかも紙箱３がボトル２に対してぐ
らつくようなこともない。

【００３２】この状態、すなわち収納容器１が正立状態
から紙箱３を掴んで傾けても、ボトル２は、その底部近
傍の周面部２ａが紙箱３の側面部に支持され、かつ、係
合凸部１８が紙箱３の折り返した部分３ａに引掛かって
いるので、ボトル２は挿入開口４から外側方向に向かっ
てずり落ちるようなことはない。また、紙箱３は、四つ
の側面部と底面部および上面部６を備えているので、ボ
トルが傾けられているか否かに拘らず、使用中の収納容
器１としては十分な強度を備えている。

【００３３】一方、内容量が少なくなってきたボトル２
は、肉薄なので、軽くつぶすことができ、これによっ
て、ボトル２の肩面部Ｂ1と紙箱３の上面部６との間に
指が入る程度の隙間を容易につくることができ、この隙
間を手がかりとして、係合凸部１８と折り返した部分３
ａとの引掛かりをはずしてボトル２を挿入開口４から簡
単に引き出すことができる。

【００３４】なお、図６に示すように、ボトル２の底部
に、３つのＶ溝２１、…を形成したり（図中（Ａ）参
照）、１つの大きなＶ溝２２（図中（Ｂ）参照）を形成
して、ボトル２を一層つぶしやすいものとするようにし
てもよい。

【００３５】

【考案の効果】以上説明したように、この考案による収
納容器は、上記の構成とすることにより、最近の環境保
護、資源再利用の見地から、プラスチック使用量の低減
を図るために、ボトルが薄肉でありながら収納容器とし
ての十分な強度を備え、しかも、製造、組立および紙箱
と容器本体との分離が従来のものに比べて簡単であると
いう利点を備えたものとなっている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案による収納容器を示す一部断面した
側面図である。

【図２】 同じく紙箱の展開状態を示す平面図である。

【図３】 同じく紙箱を底面側から見た平面図である。

【図４】 同じく収納容器の側面図である。

【図５】 同じく収納容器の全体の外観を示す斜視図で
ある。

【図６】 ボトルの底部の変形例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 収納容器 ２ ボトル（容器本体） １８ 係合凸部 Ｂ1 肩面部 ３ 紙箱 ３ａ 折り返し部分 ４ 挿入開口 ５ 隅角部 ６ 上面部 ７ 一側面部 ７ａ 縦壁部

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65D 77/06 B65D 1/09

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内容物を収納するプラスチック製の容器
   本体と、この容器本体を外側から包んで保持する紙箱と
   から構成される収納容器において、前記紙箱の斜め上方から前記容器本体を挿入するため
   に、前記紙箱の上面部と一側面部とからなる一隅角部を
   切り欠いて、前記上面部から前記一側面部に及ぶ挿入開
   口を形成し 、 この一側面部の下部に残った縦壁部によって前記容器本
   体の底部近傍の周面部を支持させ、 前記紙箱の上面部側の前記挿入開口の周縁部を前記紙箱
   の内側に向けて折り返し、 この折り返した部分に引掛かる係合凸部を、前記紙箱の
   前記上面部に接触する前記容器本体の肩面部に設けたこ
   とを特徴とする収納容器。