JP2592086Y2 - オーバドア装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はオーバドア装置に係り、
たとえば、電動機やスプリングによって回転される巻胴
にワイヤーを巻回してオーバドアカーテンを開いて上部
に略水平状に収納し、巻胴に巻回されたワイヤーを巻戻
すことによりオーバドアカーテンを垂直状に下降させて
閉じるものに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のオーバドア装置として
は、たとえば、垂直レール部及び上部水平レール部を有
してなる左右のガイドレール間にオーバドアカーテンを
昇降開閉自在に配設し、前記左右のガイドレールの上方
部間にワイヤーを巻回及び巻戻す巻胴を回転自在に設
け、この巻胴に巻戻端部が固着された前記左右のワイヤ
ーの下端部を前記オーバドアカーテンの下端部の左右方
向の両端部に固着する構造が知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】前記従来の構造では、
オーバドアカーテンは下端部の左右方向の両端部が左右
のワイヤーにて昇降開閉され、このオーバドアカーテン
は上昇させて開けた場合には上部に水平状に収納され
る。このとき、オーバドアカーテンの幅方向の両端部は
左右の水平レール部にて支持されるため、このオーバド
アカーテンは中間部がその自重によって下方に撓んで垂
れ下がることがある。特にオーバドアカーテンの下端部
の中間部が下方に撓んで垂れ下がった場合には間口の上
縁より下方に収納状態のオーバドアカーテンの撓んだ中
間部が垂れ下がる問題がある。

【０００４】そこで、オーバドアカーテンの下端部にそ
の幅方向に亘って補強用の横部材を取付けて剛性を高め
るようにすると、その剛性を高める程自重による撓み量
が減少する反面、横部材の形状寸法が大きくなって突出
する部分が多くなり、オーバドアカーテンを上昇させて
開けた場合のヘッドルーム寸法すなわち、オーバドアカ
ーテンを引き上げる天井と横部材の下方に突出した突出
部分との間の寸法が大きくなり、建物によってはオーバ
ドアカーテンを円滑に昇降開閉自在に取付けることが困
難なことがある、という問題がある。

【０００５】本考案は、このような点に鑑みてなされた
もので、オーバドアカーテンが略水平状の収納状態で自
重により中間部が撓んで垂れ下がることを確実に防止で
き、オーバドアカーテンの下端部の剛性を高めてもオー
バドアカーテンの下端部の形状寸法が大きくなることが
なく、オーバドアカーテンを上昇させて収納した場合の
ヘッドルーム寸法が大きくなることもなく、建物によっ
て制約を受けることなくオーバドアカーテンを円滑に昇
降開閉自在に取付けることができる構造が簡単なオーバ
ドア装置を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案のオーバドア装置
は、相対して配設された左右のガイドレールと、この左
右のガイドレールに沿って昇降開閉されるオーバドアカ
ーテンと、巻胴に巻回及び巻戻されて前記オーバドアカ
ーテンを昇降開閉するワイヤーとを具備し、前記オーバ
ドアカーテンには、このオーバドアカーテンを略水平状
に収納したときに下面側となる面の下端部の左右方向の
両端部に取付具をそれぞれ固着し、この両端部の取付具
間に前記オーバドアカーテンの下端部の厚み方向の撓み
を阻止する緊張体を緊張状態で張設するものである。

【０００７】

【作用】本考案のオーバドア装置では、巻胴をワイヤー
を巻回する方向に回転すると、この巻胴にワイヤーが巻
回されるとともに、このワイヤーにてオーバドアカーテ
ンが左右のガイドレールに案内されて上昇され、このオ
ーバドアカーテンにて左右のガイドレール間の間口が大
きく開放され、オーバドアカーテンは略水平状に収納さ
れる。

【０００８】この際、オーバドアカーテンは、その下端
部の左右方向の両端部がワイヤーにて吊持され、かつ、
その幅方向の両端部が左右のガイドレールの水平レール
部にて支持されているが、このオーバドアカーテンの収
納状態に下面側となる面の下端部は左右方向の両端部に
固着した取付具間に張設した緊張体にて支持されている
ため、この緊張体にてオーバドアカーテンの下端部の剛
性が確保され、オーバドアカーテンの下端部は自重によ
り下方に撓んで垂れ下がることが防止される。

【０００９】また、巻胴をワイヤーを巻戻す方向に回転
すると、この巻胴に巻回されたワイヤーが巻戻されると
ともに、このワイヤーにてオーバドアカーテンが左右の
ガイドレールに案内されて下降され、このオーバドアカ
ーテンにて左右のガイドレール間の間口が閉塞される。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の一実施例の構成を図面を参照
して説明する。

【００１１】図１において、１は間口２に相対して左右
に一体に立設固定された支柱で、この左右の支柱１には
相対して配設された左右のガイドレール３が固定されて
いる。この左右のガイドレール３は垂直レール部４及び
この垂直レール部４の上端部に前記間口２の上端部から
後上方に向かって略水平状に突出された水平レール部５
を有して形成されている。

【００１２】また、前記左右のガイドレール３間にはオ
ーバドアカーテン６が配設され、このオーバドアカーテ
ン６の両端上下部に設けた図示しない複数の係合ピンが
前記左右のガイドレール３にそれぞれ昇降自在に係合さ
れ、この両端上下部の各係合ピンを介して前記左右のガ
イドレール３に沿って前記オーバドアカーテン６が昇降
開閉されるようになっている。

【００１３】前記オーバドアカーテン６は、左右方向に
長い多数のドアパネル７を上下方向に重ね合わせてそれ
ぞれ図示しないヒンジにて回動自在に連繋して構成され
ている。

【００１４】また、前記左右の支柱１の上端部にはブラ
ケット８が取付けられ、この左右のブラケット８間には
回転軸９が回転自在に軸架され、この回転軸９の両端部
には巻胴10が固着され、この左右の巻胴10には巻取端部
を固着したワイヤー11が巻回されているとともに、この
左右の巻胴10から巻戻された左右のワイヤー11の巻戻端
部にて前記オーバドアカーテン６の最下端部に位置する
ドアパネル７の左右方向の両端部が固着支持されてい
る。

【００１５】また、前記回転軸９には前記左右の巻胴10
にワイヤー11を巻回する方向に向かって附勢したスプリ
ング12が装着されている。そして、左右の巻胴10の巻回
方向及び巻戻方向の回転により前記左右のワイヤー11を
介して前記オーバドアカーテン６は昇降され間口２が開
閉されるようになっている。

【００１６】つぎに、図２に示すように、前記オーバド
アカーテン６の上部に収納した状態時に下面側となる面
の最下端部に位置するドアパネル７の左右方向の両端部
には取付具13が一体に固着され、この左右の取付具13の
内端部には内方に向かって突出した取付片14が一体に折
曲形成されている。また、前記左右の取付片14間には緊
張体15が緊張状態で張設されている。

【００１７】前記緊張体15は、前記左右の取付具13の取
付片14に形成された挿通孔に左右方向に進退自在に挿通
された左右方向のねじ棒16を有し、この左右のねじ棒16
の前記取付片14から外方に突出したねじ軸部17にはロッ
ク用のダブルナット18が進退調節自在に螺着されてい
る。また、前記左右のねじ棒16の内端部に形成された環
状部19間にはターンバックル20が取付けられている。

【００１８】前記ターンバックル20は、前記一方のねじ
棒16の環状部19に連結した一方のねじ杆21と、前記他方
のねじ棒16の環状部19に連結杆22を介して連結した他方
のねじ杆23と、この両ねじ杆21，23のねじ軸部24間に回
動自在に螺着した筒状のねじ締付体25とを有して形成さ
れている。

【００１９】そして、前記ターンバックル20のねじ締付
体25を締め付け方向に回動操作して調節することによ
り、左右の取付具13間の緊張体15が緊張され、この緊張
体15にてオーバドアカーテン６の最下端部に位置するド
アパネル７は幅方向の間隔を保持する緊張状態で支持さ
れるとともに、間口２の上方に収納した状態時にその自
重によって中間部に撓んで下方に垂れ下がることが防止
されるようになっている。すなわち、オーバドアカーテ
ン６の幅方向の両端部が左右の水平レール部５にて支持
された場合において最下端部に位置するドアパネル７が
自重によって中間部が厚み方向の下方に撓もうとするモ
ーメントは緊張体15による打ち消しモーメントによって
打ち消され、このドアパネル７が伸びて下方に垂れ下が
ることが防止されるようになっている。

【００２０】つぎに、前記実施例の作用を説明する。

【００２１】オーバドアカーテン６を引き上げることに
より、左右の巻胴10はスプリング12にて左右のワイヤー
11を巻回する方向に向かって回転され、この左右の巻胴
10に左右のワイヤー11が巻回されるとともに、この左右
のワイヤー11にてオーバドアカーテン６が左右のガイド
レール３に案内されて上昇され、このオーバドアカーテ
ン６が左右の水平レール部５に移行されることにより左
右のガイドレール３の垂直レール部４間の間口２が大き
く開放される。

【００２２】この際、オーバドアカーテン６は、その最
下端部に位置するドアパネル７の左右方向の両端部が左
右のワイヤー11にて吊持され、かつ、その幅方向の両端
部が左右の水平レール部５にて支持されているが、この
オーバドアカーテン６の最下端部に位置するドアパネル
７は収納状態時に下面側となる面の左右方向の両端部に
固着された取付具13間に緊張状態に張設した緊張体15に
て支持されているため、この左右の取付具13及び緊張体
15にてオーバドアカーテン６の最下端部に位置するドア
パネル７の厚み方向の剛性が確保され、オーバドアカー
テン６の最下端部に位置するドアパネル７は自重により
中間部が撓んで垂れ下がることが防止され、かつ、ヘッ
ドルーム寸法が大きくなることが防止される。

【００２３】また、必要に応じて緊張体15のターンバッ
クル20のねじ締付体25を締め付け方向または弛緩方向に
回動操作することにより、オーバドアカーテン６の最下
端部に位置するドアパネル７に対する幅方向の間隔を保
持する緊張状態が適度に簡単に調節設定される。このた
め、オーバドアカーテン６の設置時または設置後の状況
に応じて最下端部のドアパネル７に対する幅方向の間隔
を保持する緊張状態の調節が容易に行われ、自重により
最下端部のドアパネル７が撓んで垂れ下がることがない
状態に調節設定される。

【００２４】また、左右の巻胴10をそれぞれのワイヤー
11を巻戻す方向に向かって回転されると、この左右の巻
胴10に巻回された左右のワイヤー11が巻戻されるととも
に、この左右のワイヤー11にてオーバドアカーテン６が
左右のガイドレール３に案内されて下降され、このオー
バドアカーテン６にて左右のガイドレール３間の間口２
が閉塞される。

【００２５】つぎに、前記実施例では、オーバドアカー
テン６の最下端部に位置するドアパネル７に対する幅方
向の間隔を緊張保持する緊張体15はターンバックル20を
用いた構造について説明したが、これに限らず、最下端
部に位置するドアパネル７の撓みを保持するものであれ
ばよく、この緊張体15は、たとえば、図３に示すよう
に、オーバドアカーテン６の収納時に下面側となる面の
最下端部に位置するドアパネル７の左右方向の両端部に
固着された左右の取付具13の取付片14には前記実施例の
場合と同様にダブルナット18にて抜け止めされた左右方
向のねじ棒16間に緊張体としての索条26を緊張状態で張
設するようにしてもよい。

【００２６】そして、前記索条26にてオーバドアカーテ
ン６の最下端部に位置するドアパネル７に対する幅方向
の間隔を緊張状態を保持し、オーバドアカーテン６の最
下端部に位置するドアパネル７が自重により下方に撓ん
で垂れ下がることを防止するようにしてもよい。

【００２７】また、前記実施例では、左右の取付具13及
びこの左右の取付具13間に緊張状態で張設する緊張体15
はオーバドアカーテン６の最下端部に位置するドアパネ
ル７に取付ける場合について説明したが、これに限ら
ず、オーバドアカーテン６の最下端部に位置するドアパ
ネル７の上部に位置するドアパネル７に対しても前記実
施例と同様に取付けるようにしてもよい。

【００２８】

【考案の効果】本考案によれば、左右のガイドレールに
沿って昇降開閉されるオーバドアカーテンの収納状態時
に下面側となる面の下端部の左右方向の両端部には取付
具をそれぞれ固着し、この両端部の取付具間にオーバド
アカーテンの下端部の幅方向の間隔を保持する緊張体を
緊張状態で張設するようにしたので、オーバドアカーテ
ンを上昇させて間口を開口した際にオーバドアカーテン
の下端部が自重により撓んで垂れ下がることを確実に防
止でき、オーバドアカーテンの下端部の剛性を高めても
オーバドアカーテンの下端部の形状寸法が大きくなるこ
とがなく、オーバドアカーテンを上昇させて開けた場合
のヘッドルーム寸法が大きくなることもなく、建物によ
って制約を受けることなくオーバドアカーテンを円滑に
昇降開閉自在に取付けることができ、その構造も簡単な
オーバドア装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すオーバドア装置の斜視
図である。

【図２】同上オーバドア装置の一部を示す拡大正面図で
ある。

【図３】他の実施例のオーバドア装置の一部を示す正面
図である。

【符号の説明】

３ ガイドレール ６ オーバドアカーテン 10 巻胴 11 ワイヤー 13 取付具 15，26 緊張体

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 相対して配設された左右のガイドレール
   と、この左右のガイドレールに沿って昇降開閉されるオ
   ーバドアカーテンと、巻胴に巻回及び巻戻されて前記オ
   ーバドアカーテンを昇降開閉するワイヤーとを具備し、 前記オーバドアカーテンには、このオーバドアカーテン
   を略水平状に収納したときに下面側となる面の下端部の
   左右方向の両端部に取付具をそれぞれ固着し、この両端
   部の取付具間に前記オーバドアカーテンの下端部の厚み
   方向の撓みを阻止する緊張体を緊張状態で張設すること
   を特徴とするオーバドア装置。