JP2591879B2 - 圧迫止血用ベルト - Google Patents
圧迫止血用ベルトInfo
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Description
を行なった後、カテーテル挿入傷口を止血するために用
いられる圧迫止血用ベルトに関するものである。
近動脈カテーテル検査が行なわれるようになっている。
心臓カテーテル検査は、小数例として切開方式で行なう
場合もあるが、殆ど大部分はカテーテルを鼠蹊部の大腿
動静脈から大動脈に向けて進行させる所謂、カテーテル
穿刺法(セルジンガー法)によって行なわれている。こ
の検査方式では、大腿動静脈に穿刺したカテーテルを通
して造影剤や各種の薬剤を注入したり、エンポリゼーシ
ョン、術前術後の各種検査を行なうものであるが、検査
終了後、鼠蹊部の大腿動静脈からのカテーテルの抜去に
よるカテーテル挿入傷口からの出血を防止するため、相
当長時間に亘ってカテーテル挿入傷口を圧迫する必要が
ある。このようなカテーテル挿入傷口の圧迫止血方法と
して、従来、医師あるいは看護婦によるカテーテル挿入
傷口の約15分間程度の手圧迫の後、カテーテル挿入傷口
にガーゼをあて、このガーゼの上に長さ70cm、幅 5cm程
度の布製絆創膏を 3〜 4本貼着して上記ガーゼの上から
カテーテル挿入傷口を圧迫し、更に上記布製絆創膏の上
に 500〜1000g程度に重量を調整された砂のうを載せ、
この砂のうを布製絆創膏で動かないように固定し、この
固定状態を12〜24時間維持する方法が採用されていた。
法では、カテーテル抜去後、カテーテル挿入傷口にあて
たガーゼ、並びにそのうえに載せた砂のうの固定手段と
して絆創膏を使用しているため、患者に突張り感や痛
み、或いは掻痒感を与えるとともに、皮膚炎や水泡等の
発生を招きやすいといった不具合がある。また、仰向け
に寝ていても少し身体を傾けるだけで砂のうがずれ落ち
易く、このような砂のうのずれによって圧迫部位にずれ
が生じて傷口の止血が不完全になり、皮下血腫等の不都
合も派生する。
よび砂のうに代わるカテーテル挿入傷口の圧迫止血手段
として、特開昭60− 92746号公報或いは特開昭60−1981
39号公報には、伸縮性布からなる圧迫止血用ベルトが提
案されている。しかしながら、これらの圧迫止血用ベル
トでは、巻き方が複雑で、しかも、カテーテル挿入傷口
に作用する圧迫力のレベルを目視で確認することができ
ないとともに、圧迫力を調整する際には圧迫止血用ベル
トを巻き直す必要があり、圧力の負荷状態が不安定にな
るという問題がある。また、高価な伸縮性繊維布を使用
しているため、圧迫止血用ベルトの製造コストが高騰
し、血液の付着による感染症の発生という衛生上の問題
があるにも拘らず使い捨てが難しい。従って、血液感染
症防止のため、使用の度に洗濯と滅菌消毒を繰り返す必
要があり、衛生的見地からだけでなく、看護作業の省力
化の促進に対しても実用上大きな制約が認められてい
る。
して本発明は、非伸縮性もしくは低伸縮性の繊維布等か
らなる帯体の内側に、適当な流体を充填することによっ
て膨張可能な弾性材料から形成されたバルーン、或い
は、常温で柔軟性がある難流体透過性材料から形成され
た袋体を配置したことを特徴とする圧迫止血用ベルトを
提供する。
ン、或いは、難流体透過性材料製の袋体に逆止弁を介し
て流体供給用ポンプおよび圧力計を着脱自在に接続し、
圧力計を眺めながらポンプを操作してバルーン、或い
は、袋体に流体を充填して当該バルーン、或いは、袋体
にを膨張することにより止血部を圧迫させるようにし
た。
基づいて説明する。
トの一実施例を示し、(1)は非伸縮性もしくは低伸縮
性の繊維布等からなる帯体で、所定位置に伸縮性の繊維
布等からなるポケット布(2)を縫着させてポケット
(3)を形成している。(4)は椀形状に形成された合
成樹脂等からなる硬質部材としての硬質ケースで、帯体
(1)のポケット(3)内に開口側をポケット布(2)
に向けた状態で収容されている。(5)は適当な流体
(空気、窒素ガス、炭酸ガス等の気体もしくはゲル状も
含む液体)を充填することによって膨張可能な袋体、例
えばゴム製のバルーンで、帯体(1)のポケット(3)
内に逆止弁(6)を有する流体供給管(7)を突出させ
た状態で、硬質ケース(4)を介して収容されている。
このバルーン(5)の流体供給管(7)には、例えば手
動操作式のポンプ(8)および圧力計(9)が接続され
るようになっており、圧力計(9)を眺めながらポンプ
(8)を操作することによって、流体が流体供給管
(7)を通してバルーン(5)内に充填されて当該バル
ーン(5)が膨張するようになっている。
領を説明する。
後のカテーテル挿入傷口(A)にガーゼ(10)を載せ、
その上にバルーン(5)を収容しているポケット(3)
のポケット片(2)をガーゼ(10)側に向けた状態で置
いた後、例えば、図4に示すように、帯体(1)を患者
の腰部の周りに1回以上捲回してその端部を絆創膏等の
固定手段を利用して係止することにより、患者の身体に
巻き付ける。
ると、バルーン(5)の流体供給管(7)に手動操作式
のポンプ(8)および圧力計(9)を接続し、圧力計
(9)を眺めながらポンプ(8)を操作してバルーン
(5)内に流体を充填することにより、図5に示すよう
に、バルーン(5)を硬質ケース(4)によりカテーテ
ル挿入傷口(A)の反対側への膨張を抑制させながらカ
テーテル挿入傷口(A)側に膨張させ、ガーゼ(10)を
介してカテーテル挿入傷口(A)を圧迫すると同時に、
帯体(1)を患者にしっかりと固定する。
体にすると、気体に比べてバルーン(5)およびそれに
取付けられた逆止弁(6)から漏れ難く、万一漏れても
帯体(1)等が濡れて直ぐに分かり、圧迫力を一定に保
つことが容易である。
ルーン(5)の膨張を利用してカテーテル挿入傷口
(A)を圧迫させるので、カテーテル挿入傷口(A)の
みを圧迫することができ、それ以外の部位には圧迫感が
殆ど伝播しない。しかも、患者の体形に応じて圧力計
(9)を眺めながらポンプ(8)を操作することによっ
て、流体のバルーン(5)への充填量を調整してカテー
テル挿入傷口(A)に付加される圧迫力の大きさを自由
に選択することにより、その患者に適した圧迫止血を行
なうことができるとともに、その選択した圧迫力を逆止
弁(6)によって長時間に亘って維持することが可能で
あり、必要に応じてコンピューターによる自動圧迫力制
御を採用することも可能である。更に、帯体(1)に非
伸縮性もしくは低伸縮性の繊維布等を使用しているか
ら、突張り感や痛み、或いは掻痒感の発生が回避される
とともに、皮膚炎や水泡も予防される。
で、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本
発明の要旨に基づいて種々の設計変更が可能である。
ムを用いているが、常温で柔軟性がある難流体透過性材
料、例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、軟質塩化ビニル、塩化ビニリデン、ナイロン6 、ナ
イロン6-6 、ナイロン12等の熱可塑性合成樹脂やポリエ
チレンテレフタレートとポリエチレン等の複合物質等で
あれば、ゴム以外でも可能である。
がある難流体透過性材料からなる袋体(11)を用いた場
合の実施例であって、上記袋体(11)を流体の充填によ
って膨張可能なようジャバラ状に形成し、この袋体(1
1)を、図6に示すように、帯体(1)のポケット
(3)内に折畳んだ状態で硬質ケース(4)を介して収
容させ、この袋体(11)内に流体供給管(7)を通して
流体を充填させることによって、図7に示すように、袋
体(11)を膨張させてガーゼ(10)を介してカテーテル
挿入傷口(A)を圧迫するようになっている。尚、この
実施例では硬質ケース(4)と袋体(11)は別体に形成
されているが、一体的に成形しても良い。
(1)のポケット(3)内にカテーテル挿入傷口(A)
の反対側への膨張を抑制する硬質ケース(4)を介在し
て収容させるようにしているが、図8に示すように、袋
体(11)を帯体(1)のポケット(3)内に硬質ケース
(4)を介在させないでむき出し状態のまま収容させて
も、帯体(1)が非伸縮性もしくは低伸縮性の繊維布等
であるため、袋体(11)は帯体(1)によってカテーテ
ル挿入傷口(A)の反対側への膨張を抑制されることに
なり、これにより、図9に示すように、袋体(11)はカ
テーテル挿入傷口(A)側だけに膨張することができ、
ガーゼ(10)を介してカテーテル挿入傷口(A)を圧迫
するのに十分な圧迫力を得ることができる。従って、袋
体(12)は必要に応じて硬質ケース(4)を介在して帯
体(1)のポケット(3)内に収容させれば良い。
ット(3)を形成させているポケット布(2)に伸縮性
の繊維布等が用いられているが、ポケット(3)をその
内部でバルーン(5)或いは袋体(11)が自由に膨張し
得るようダブダブ状に余裕を持って形成するようにさせ
れば、ポケット布(2)は非伸縮性もしくは低伸縮性の
繊維布等でも良い。
(2)にバルーン(5)が露出するように開通孔(12)
を設けても良い。このようにポケット布(2)に開通孔
(12)を設けると、図11に示すように、バルーン(5)
をその一部を開通孔(12)から突出させた状態で膨張さ
せることができ、これによってカテーテル挿入傷口
(A)への圧迫力をより一層強化することが可能であ
る。
ット(3)内にバルーン(5)或いは袋体(12)を収容
させることによって帯体(1)にバルーン(5)或いは
袋体(12)を取付けるようにしているが、バルーン
(5)或いは袋体(12)を接着剤や止着具等の取付手段
によって帯体(1)の所定位置に一体的に取付けるよう
にしても良い。また帯体(1)の幅がバルーン(5)或
いは袋体(12)を実質的に全部被覆するだけの幅があれ
ば、帯体(1)とバルーン(5)或いは袋体(12)との
間の摩擦結合が一種の取付手段として実質的に機能する
ため、特別な取付手段を構成しなくともバルーン(5)
或いは袋体(12)の固定が可能である。
は低伸縮性の繊維布を使用しているから、突張り感や痛
み、或いは掻痒感の発生が回避され、皮膚炎や水泡も予
防される。圧迫手段として流体を充填することによって
膨張可能な袋体を使用したから圧迫範囲が狭くなり、カ
テーテル挿入傷口のみを圧迫する止血機能が確保される
一方で、それ以外の部位には圧迫感が殆ど伝播しない状
態が作り出される。また、流体を充填することによって
膨張可能な袋体に逆止弁を介してポンプおよび圧力計を
接続することにより与圧構体を構成しているので、カテ
ーテル挿入傷口に付加すべき圧迫力の大きさを自由に選
択することが可能となるとともに、その調整した圧迫力
を逆止弁によって長時間に亘って維持することが可能と
なる。また、流体を充填することによって膨張可能な袋
体により圧迫と固定が同時に行なわれているため、操作
性が良好で、また、砂のうなどを必要としないためコン
パクトで持ち運び容易な圧迫止血ベルトが提供される。
更に、ポンプと圧力計を除く構成部材は従来品に比較し
て大幅に安価であるため1回限りの使い捨てが可能であ
り、衛生管理面の改善と省力化の促進に対しても注目す
べき効果が発揮される。
面図である。
縦断面図である。
ト位置でのバルーン膨張前の状態を示す縦断面図であ
る。
図である。
ト位置でのバルーン膨張時の状態を示す縦断面図であ
る。
トの他の実施例のポケット位置における袋体膨張前の状
態を示す縦断面図である。
る袋体膨張時の状態を示す縦断面図である。
ベルトの他の実施例のポケット位置における袋体膨張前
の状態を示す縦断面図である。
る袋体膨張時の状態を示す縦断面図である。
用ベルトの他の実施例のポケット位置におけるバルーン
膨張前の状態を示す縦断面図である。
けるバルーン膨張時の状態を示す縦断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 非伸縮性もしくは低伸縮性の繊維布等か
らなる帯体の内側に、適当な流体を充填することによっ
て膨張可能な袋体を配置した圧迫止血用ベルトであっ
て、上記袋体が弾性材料から形成されたバルーンである
ことを特徴とする圧迫止血用ベルト。 - 【請求項2】 非伸縮性もしくは低伸縮性の繊維布等か
らなる帯体の内側に、適当な流体を充填することによっ
て膨張可能な袋体を配置した圧迫止血用ベルトであっ
て、上記袋体が常温で柔軟性がある難流体透過性材料か
ら形成されたことを特徴とする圧迫止血用ベルト。 - 【請求項3】 上記袋体と帯体との間に、当該袋体が止
血部の反対側へ膨張するのを規制するための硬質部材を
介在させたことを特徴とする請求項1または2記載の圧
迫止血用ベルト。 - 【請求項4】 上記袋体に逆止弁を介して流体供給用ポ
ンプおよび圧力計を着脱自在に接続させたことを特徴と
する請求項1乃至3のいずれか記載の圧迫止血用ベル
ト。
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