JPH0747071A

JPH0747071A - 圧迫止血ベルト

Info

Publication number: JPH0747071A
Application number: JP5193233A
Authority: JP
Inventors: Atsuko Kawasaki; 敦子川崎; Toshimichi Shiromizu; 利通白水; Takefumi Nakashita; 武文中下; Yoshiharu Inui; 芳晴乾
Original assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date: 1993-08-04
Filing date: 1993-08-04
Publication date: 1995-02-21

Abstract

(57)【要約】【目的】帯体の巻き付けが容易で、かつ、帯体の端部
の係止が簡単であるという圧迫止血ベルトを提供する。【構成】非伸縮性もしくは低伸縮性の繊維、不織布或
いはフィルム等からなる帯体の所定位置に硬質ケースを
任意の手段で取付け、この硬質ケースの内部に流体を充
填することによって膨張可能なバルーンを収容させた圧
迫止血ベルトにおいて、上記帯体の一方または上記硬質
ケースに、帯体の他方を貫通させる１本以上の突起物を
設けたものであって、上記突起物の先端部形状を針状に
形成させて中間部の強度を一部低下させたり、或いは、
突起物の先端部形状を略半円に形成するとともに、帯体
の端部に突起物が貫通される１個以上の孔を設けたり、
或いは、上記帯体の一方または上記硬質ケースに、帯体
が挿通するスリット孔と、帯体の端部を貫通させる突起
部とを有するバックルを取付けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、動脈カテーテル検査等
を行なった後、カテーテル挿入傷口を止血するために用
いられる圧迫止血ベルトに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】心臓や脳血管等の造影診断のために、近
年動脈カテーテル検査が行なわれるようになっている。
心臓カテーテル検査は、少数例として切開方式で行なう
場合もあるが、殆ど大部分はカテーテルをケソイ部の大
腿動脈（または上腕動脈）から心臓に向けて進行させ
る、所謂カテーテル穿刺法（セルジンガー法）によって
行なわれている。この検査方式では、大腿動脈に穿刺し
たカテーテルを通して造影剤や各種の薬剤を注入した
り、エンポリゼーション、術前・術後の各種検査を行な
うものであるが、検査終了後、ケソイ部の大腿動脈から
のカテーテルの抜去によるカテーテル挿入傷口からの出
血を防止するため、相当長時間に亘って傷口を圧迫して
止血する必要がある。このような傷口の圧迫止血手段と
して、従来より絆創膏止血方法、或いは、伸縮止血帯方
法（特開昭60− 92746号公報、特開昭60−198139号公報
参照）が提案されている。前者は、傷口にガーゼを当
て、この上に布製絆創膏を３〜４本貼着して上記ガーゼ
の上から傷口を圧迫し、更に上記絆創膏の上に 500〜10
00ｇの砂嚢を載せ、これを絆創膏で固定して12〜24時間
維持する方法である。しかし、この方法では、砂嚢のず
れによって圧迫部位にずれが生じ易いことから、傷口の
止血が不完全になるという問題があった。また、絆創膏
を使用しているため、患者に突っ張り感や痛み、或い
は、掻痒感を与えるとともに、絆創膏カブレを招き易い
といった不具合がある。一方、後者は、上記絆創膏の代
わりに伸縮性の止血帯を用いる方法であるが、巻き方が
複雑で、しかも、圧迫負荷状態が不安定であるという問
題がある。また、伸縮性の止血帯を使用するため、コス
トが高くつき、血液感染症の発生という衛生上の問題が
あるにも拘らず１回限りの使い捨てが難しい。このた
め、再使用する場合には、血液感染症防止のための滅菌
処理を行なわなければならず、衛生的見地からだけでは
なく看護作業の省力化の促進に対しても実用上大きな制
約が認められるという問題がある。

【０００３】そこで、本出願人は上記不具合を解決する
ため、特願平４−２０７９３号において圧迫止血ベルト
を先に出願している。この出願に係る圧迫止血ベルト
を、図10〜図12に基づいて説明する。

【０００４】図10〜図12に示すように、上記圧迫止血ベ
ルトは、非伸縮性もしくは低伸縮性の繊維或いはフィル
ム等からなる帯体（11）の所定位置に硬質ケース（12）
を任意の手段で取付け、この硬質ケース（12）の内部に
流体を充填することによって膨張可能なバルーン（13）
を収容して構成される。

【０００５】上記硬質ケース（12）は、例えば合成樹脂
等の硬質部材でお碗形状に形成され、その上面中央部に
は外側端部に逆止弁（14）を有する流体供給管（15）が
貫通して一体形成されている。

【０００６】上記バルーン（13）は、例えばゴム等の伸
縮部材で形成され、その開口部を流体供給管（15）の硬
質ケース（12）内に貫入する内側端部に任意の手段で取
付固定されている。

【０００７】上記流体供給管（15）の外側端部には、例
えば手動操作式ポンプおよび圧力計が必要に応じて接続
されるようになっており、圧力計を眺めながらポンプを
操作することによって流体が流体供給管（14）を通して
バルーン（13）に充填されて当該バルーン（13）が膨張
するようになっている。

【０００８】次に、上記構成による圧迫止血ベルトの使
用要領を説明する。

【０００９】カテーテル挿入傷口に当てたガーゼの上に
バルーン（13）を収容させた硬質ケース（12）を、その
開口側をガーゼ側に向けた状態で置いた後、帯体（11）
を患者の身体に巻付ける。この後、流体供給管（15）に
手動操作式ポンプおよび圧力計を接続し、圧力計を眺め
ながらポンプを操作してバルーン（13）内に流体を充填
することにより、バルーン（13）を硬質ケース（12）で
傷口の反対側への膨張を抑制しながら傷口側へ膨張させ
てガーゼを介して傷口を圧迫する。

【００１０】この圧迫止血ベルトによれば、バルーン
（13）の膨張を利用して傷口を圧迫するため、傷口のみ
を圧迫することができるとともに、その圧迫力の調整が
可能であり、しかも、その圧迫力を逆止弁（14）によっ
て長時間に亘って維持することも可能である。また、帯
体（11）に非伸縮性もしくは低伸縮性の繊維或いはフィ
ルム等を使用しているため、突っ張り感や痛み、或いは
掻痒感の発生を回避できるとともに、絆創膏カブレも予
防でき、しかも、安価に提供することができて１回限り
の使い捨てが可能で衛生面にも優れている。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記圧迫止
血ベルトでは、帯体（11）の端部の係止に両面テープや
マジックテープ等の係止手段が用いられており、このよ
うな両面テープやマジックテープ等の係止手段は繰り返
して係止していると接着力が低下するため、装着時に帯
体（11）がはずれたり、ゆるんだりする虞があり、しか
も、係止手段の取付位置が患者の体型により異なるた
め、患者の体型に応じて長さ（サイズ）の異なる帯体
（11）を数種類準備する必要があった。

【００１２】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、帯体の巻付けおよび係止が容易で、しかも、巻付
け後の帯体のはずれやゆるみなどがなく、帯体の長さ
（サイズ）も１種類で対応できる圧迫止血ベルトを提供
することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、非伸縮性もしくは低伸縮性の繊維、不織布或
いはフィルム等からなる帯体の所定位置に硬質ケースを
任意の手段で取付け、この硬質ケースの内部に流体を充
填することによって膨張可能なバルーンを収容させた圧
迫止血ベルトにおいて、上記帯体の一方または上記硬質
ケースに、帯体の他方を貫通させる１本以上の突起物を
設けたものである。

【００１４】また、上記突起物の先端部形状を針状に形
成させたものである。

【００１５】また、上記針状突起物の中間部の強度を一
部低下させて先端部が折れるようにしたものである。

【００１６】また、上記突起物の先端部形状を略半円に
形成するとともに、帯体の端部に突起物が貫通される１
個以上の孔を設けたものである。

【００１７】更に、上記帯体の一方または上記硬質ケー
スに、帯体が挿通するスリット孔と、帯体の端部を貫通
させる突起部とを有するバックルを取付けたものであ
る。

【００１８】

【作用】帯体の一方または上記硬質ケースに、帯体の他
方を貫通させる１本以上の突起物を設けたことにより、
帯体巻付け後、帯体の他方を突起物に貫通させることに
より、帯体を任意の箇所で固定でき、巻き残った部分は
ハサミ等で切断して処理できるようになった。

【００１９】また、突起物の先端部形状を針状に形成さ
せたことにより、帯体巻付け後、帯体の他方を突起物に
突刺して固定することが可能である。

【００２０】また、針状突起物の中間部の強度を一部低
下させて先端部が折れるようにしたことにより、帯体の
他方を突起物に突刺して固定した後、突起物の先端部を
折って取り除くことができる。

【００２１】また、突起物の先端部形状を略半円に形成
するとともに、帯体の端部に突起物が貫通される１個以
上の孔を設けたことにより、帯体巻付け後、突起物に孔
を貫通掛止させて帯体を固定することができる。

【００２２】更に、帯体の一方または上記硬質ケース
に、帯体が挿通するスリット孔と、帯体の端部を貫通さ
せる突起部とを有するバックルを取付けたことにより、
帯体巻付け後、帯体の他方をスリット孔に挿通して突起
物で固定を行うことにより、帯体を反作用方向に引っ張
って固定することが可能である。

【００２３】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１〜図４に基づ
いて説明する。

【００２４】図１は本発明に係る圧迫止血ベルトの一実
施例を示す平面図、図２は図１の圧迫止血ベルトの側面
図、図３は図１の圧迫止血ベルトの巻付状態を示す斜視
図、図４は図１の圧迫止血ベルトの巻付時の側面図であ
る。

【００２５】図１および図２において、（１）は非伸縮
性もしくは低伸縮性の繊維、不織布、或いはフィルム等
からなる帯体で、その途中から窓穴（２）が形成され、
この窓穴（２）に網状体（３）が張設されている。網状
体（３）は種々のものを使用しても良いが、例えばプラ
スチック・シートから打ち抜いた格子網状構造物を使用
する。（４）は帯体（１）の一方の端部に任意の手段で
取付けられたバックル状の硬質ケースで、例えば合成樹
脂等の硬質材料でお碗形状に形成された硬質ケース部
（４ａ）と、この硬質ケース部（４ａ）の開口側にフラ
ンジ状に一体形成されたバックル部（４ｂ）とで構成さ
れている。硬質ケース部（４ａ）の上面中央部には逆止
弁（５）を外側端部に有する流体供給管（６）が貫通し
て一体形成されている。バックル部（４ｂ）には帯体
（１）が挿通されるスリット孔（７）が穿設されるとと
もに、帯体（１）の網状体（３）を貫通掛止させる先端
部形状が略半円をなした一対の突起物（８）が突設され
ている。（９）はバックル状の硬質ケース（４）の内部
に収容された流体を充填することによって膨張可能なバ
ルーンで、例えばゴム等の伸縮材料で形成され、その開
口部が流体供給管（６）の硬質ケース部（４ａ）内に貫
入する内側端部に任意の手段で取付固定されている。

【００２６】次に、本発明に係る圧迫止血ベルトの巻付
要領を説明する。

【００２７】図３および図４に示すように、カテーテル
挿入傷口に当てたガーゼの上にバルーン（９）を収容さ
せたバックル状の硬質ケース（４）を、その開口側をガ
ーゼ側に向けた状態で置いた後、帯体（１）を傷口を有
する部位の周りを巻回してその端部を硬質ケース（４）
のバックル部（４ｂ）側に導き、次いで、帯体（１）の
端部を硬質ケース（４）のバックル部（４ｂ）に穿設さ
れたスリット孔（７）に挿通させて折り返すことによ
り、帯体（１）の端部に張設された網状体（３）を硬質
ケース（４）のバックル部（４ｂ）に突設された突起物
（８）に貫通掛止させ、帯体（１）を反作用方向に引張
って任意の箇所で固定する。そして、巻き残った帯体
（１）の余分な部分はハサミ等で切断処理する。この
後、流体供給管（６）に手動操作式のポンプおよび圧力
計を接続させ、圧力計を眺めながらポンプを操作してバ
ルーン（９）内に流体を充填することにより、バルーン
（９）をバックル状の硬質ケース（４）の硬質ケース部
（４ａ）でカテーテル挿入傷口の反対側への膨張を抑制
しながらカテーテル挿入傷口側に膨張させてカテーテル
挿入傷口を圧迫する。

【００２８】本発明の圧迫止血ベルトによれば、帯体
（１）を巻付けた後、帯体（１）の端部に張設された網
状体（３）を硬質ケース（４）のバックル部（４ｂ）に
突設された突起物（８）に貫通掛止させることにより、
帯体（１）を反作用方向に引張って固定させるから、帯
体（１）が逆もどりによってゆるんだりすることがな
く、帯体（１）の巻付け安定性が向上する。このため、
巻付時に帯体（１）がはずれたり、ゆるんだりする虞が
なく、効果的な圧迫止血を行うことができる。また、帯
体（１）を任意の箇所で固定できるから、巻残った帯体
（１）の余分な部分をハサミ等で切断処理するようにす
れば、少し長めの１種類の帯体（１）で殆どの患者に対
応することができ、従来のように長さ（サイズ）の異な
る帯体（１）を何種類も用意する必要がなくなった。

【００２９】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、図５および図６に示すように、硬質ケース
（４）のバックル部（４ｂ）に突起物（８）だけを硬質
ケース（４）の中央方向に向って斜めに突設し、帯体
（１）の端部をカテーテル挿入傷口を有する部位の周り
を巻回して硬質ケース（４）のバックル部（４ｂ）側に
導いた後、図７に示すように、帯体（１）の端部に張設
された網状体（３）を突起物（８）に貫通掛止させて帯
体（１）を固定させても良い。

【００３０】また、帯体（１）の端部に孔を多数穿設
し、この孔を硬質ケース（４）のバックル部（４ｂ）に
突設された突起物（８）に貫通掛止させて帯体（１）を
固定させても良い。

【００３１】また、図８に示すように、突起物（８）の
先端部形状を針状に形成し、この突起物（８）に帯体
（１）の端部を突刺して帯体（１）を固定させても良
い。この場合、突起物（８）の中間部に例えば切込みを
入れる等して強度を一部低下させておけば、帯体（１）
を突刺した後、図９に示すように、突起物（８）の先端
部（８ａ）を折って取り除くことにより、皮膚損傷等の
虞がなくなる。

【００３２】更に、本発明の圧迫止血ベルトは血管カテ
ーテル検査に拘らず、カテーテル治療、腎臓等の透析や
各種注射針等の挿入傷口の止血に用いることができる。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
帯体を巻付けた後、帯体の端部を突起物に掛止すること
により、帯体を任意の箇所で固定することができるか
ら、帯体が逆戻りによってゆるんだりすることがなく、
帯体の巻付け安定性が向上し、巻付時に帯体がはずれた
り、ゆるんだりする虞がなくて効果的な圧迫止血をなし
得るるとともに、帯体の両端部に従来のような両面テー
プ、マジックテープ等の係止手段が不要になり、製造コ
ストの低減化が図れる。また、巻残った帯体の余分な部
分をハサミ等で切断して処理するようにすれば、少し長
めの１種類の帯体で殆どの患者に対応できるようになっ
た。更に、ある程度止血が完了すれば、患者の負担を軽
減するために圧迫力を弱めるのが望ましいが、本発明に
係る圧迫止血ベルトでは、突起物に係止する帯体の位置
をずらせることによって圧迫力を簡単に調整することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る圧迫止血ベルトの一実施例を示す
平面図である。

【図２】図１の圧迫止血ベルトの側面図である。

【図３】図１の圧迫止血ベルトの巻付状態を示す斜視図
である。

【図４】図１の圧迫止血ベルトの巻付時の側面図であ
る。

【図５】本発明に係る圧迫止血ベルトの他の実施例を示
す平面図である。

【図６】図５の圧迫止血ベルトの側面図である。

【図７】図５の圧迫止血ベルトの巻付時の側面図であ
る。

【図８】針状の突起物を示す図面である。

【図９】針状の突起物の貫通後を示す図面である。

【図10】従来の圧迫止血ベルトの平面図である。

【図11】従来の圧迫止血ベルトの側面図である。

【図12】従来の圧迫止血ベルトの要部断面図である。

【符号の説明】

１帯体３網状体４硬質ケース４ａ硬質ケース部４ｂバックル部５逆止弁６流体供給管７スリット孔８突起物９バルーン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】非伸縮性もしくは低伸縮性の繊維、不織
布或いはフィルム等からなる帯体の所定位置に硬質ケー
スを任意の手段で取付け、この硬質ケースの内部に流体
を充填することによって膨張可能なバルーンを収容させ
た圧迫止血ベルトにおいて、上記帯体の一方または上記硬質ケースに、帯体の他方を
貫通させる１本以上の突起物を設けたことを特徴とする
圧迫止血ベルト。
【請求項２】上記突起物の先端部形状を針状に形成さ
せたことを特徴とする請求項１の圧迫止血ベルト。
【請求項３】上記針状突起物の中間部の強度を一部低
下させて先端部が折れるようにしたことを特徴とする請
求項２の圧迫止血ベルト。
【請求項４】上記帯体の端部に突起物が貫通される１
個以上の孔を設けたことを特徴とする請求項１の圧迫止
血ベルト。
【請求項５】上記突起物の先端部形状を略半円に形成
するとともに、帯体の端部に突起物が貫通される１個以
上の孔を設けたことを特徴とする請求項１の圧迫止血ベ
ルト。
【請求項６】上記帯体の一方または上記硬質ケース
に、帯体が挿通するスリット孔と、帯体の端部を貫通さ
せる突起部とを有するバックルを取付けたことを特徴と
する請求項１の圧迫止血ベルト。