JP2591506B2 - 電子写真用現像装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機等に使用される
電子写真用現像装置にかかり、特に電子写真プロセスを
用いて用紙等に複写記録を行う電子写真用現像装置の現
像器の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、電子写真用現像装置における
現像器は、図３に示すように、ケース本体５１の内部に
ミキサー５２，トナー供給ローラ５３，現像ローラ５
４，トナー量制御ブレード５５等を収納する。

【０００３】ここで、この現像器５０が作動している時
は、ミキサー５２が回転することにより、ケース本体５
１内のトナー５６を攪拌する。そして、トナー供給ロー
ラ５３にトナー５６が付着し、このトナー５６が現像ロ
ーラ５４に搬送され、現像ローラ５４の表面にトナー５
６を付着させる。この時、現像ローラ５４は矢印方向に
回転し、トナー量制御ブレード５５により均一に薄層化
され、現像プロセスにより感光体５７へ現像される。

【０００４】また、トナー供給ローラ５３の回転軸５８
ｂの軸受け部６０は、図４に示すようにケース本体５１
とトナー供給ローラ５３の回転軸５８ｂとの間にシール
材５９を圧入することで、回転軸５８ｂとケース本体５
１との隙間をなくし、回転軸５８ｂの部分からトナーが
漏れるのを防止している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の現像器では、回転軸の軸受け部にシール部材を圧
入しているため、圧入時の変形により、回転軸とシール
部材との間に隙間ができ、この隙間部分からトナーがケ
ース本体の外部へ漏れるという不都合があった。

【０００６】また、回転軸とシール部材の間には、回転
軸が円滑に回転し得るように一定の隙間が設けられる
が、余りに隙間を大きくとるとすれば、トナーがこの隙
間から漏れ出すこととなる。この漏れたトナーは、装置
内の汚すと同時に、記録品質を低下させるという問題が
あった。

【０００７】また一方で、この隙間を余りに微小にし、
密閉度を高めるとすれば、回転軸の回転の円滑性がシー
ル部材との摩擦により制限されるという不都合を生じて
いた。

【０００８】

【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、特に現像器内に配設された各種ローラの回転
軸の回転を制限すること無く、且つトナーがケース本体
の外部に漏れ出すことのない現像器を備えた電子写真用
現像装置を提供することを、その目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明で
は、ケース本体内に、現像ローラ，トナー供給ローラ，
トナー収納室および当該トナー収納室内に配設されたミ
キサー等を有するとともに、現像ローラ，トナー供給ロ
ーラおよびミキサーのケース本体側の各回転軸の軸受け
部に、トナー漏れ防止シールが装備されてなる電子写真
用現像装置において、現像ローラ，トナー供給ローラま
たはミキサーの各回転軸のうち、少なくとも一つの軸の
軸受け部と当接する位置に、トナーをケース内へ移送す
る構造のスパイラル溝を設ける、という構成を採ってい
る。

【００１０】また、請求項２記載の発明では、現像ロー
ラ，トナー供給ローラおよびミキサーの全部の回転軸の
軸受け部と当接する位置に、トナーをケース内へ移送す
る構造のスパイラル溝を設けるという構成を採り、その
他の構成は請求項１記載の発明と同様である。

【００１１】さらに、請求項３記載の発明では、ケース
本体に設けられた軸受け部の軸受け穴を、その直径が外
側部分より内側部分が幾分大きな段付き穴で形成すると
いう構成を採り、その他の構成は請求項１または２記載
の発明と同様である。これによって前述した目的を達成
しようとするものである。

【００１２】

【作用】請求項１または２記載の発明では、現像ロー
ラ，トナー供給ローラまたはミキサーの各回転軸の軸受
け部に、ドリル状の構造を有するスパイラル溝を設けて
いる。このため、回転軸とケース本体の軸受け部との隙
間に入り込んだトナーは、回転軸の回転に伴ってケース
本体内へ移送される。

【００１３】また、請求項３記載の発明では、ケース本
体に設けられた軸受け部の軸受け穴は、その直径が外側
部分より内側部分が幾分大きく形成された段付き穴で構
成されているので、回転軸とケース本体の軸受け部との
隙間に入り込んだトナーは、当該段付き部で移動が制限
され、現像器の外部へ漏れ出さない。

【００１４】

【実施例】本発明の一実施例を、図１乃至２に基づいて
説明する。

【００１５】ここで、図１は本実施例の電子写真用現像
装置に備えられた現像器１に使用される、トナー供給ロ
ーラ１２の回転軸の軸受け部２２の構造を概略した断面
図であり、符号１５はスパイラル溝を示し、符号１２ａ
は回転軸を示す。

【００１６】また、図２は現像器１の構造を概略した断
面図であり、符号１０がトナーを示し、符号１１ａ，１
２ａ，１３ａがそれぞれ回転軸を示す。

【００１７】まず、図２に示すように、現像器１のケー
ス本体１ａの内部には、トナー１０を攪拌するためのミ
キサー１１が設けられ、回転軸１１ａによって回動自在
に、ケース本体１ａの軸受け部（図１参照）で支持され
ている。

【００１８】また、ミキサー１１の先端部が回転する円
周の近傍には、トナー１０を供給するためのトナー供給
ローラ１２が、ミキサー１１の回転軸１１ａと平行な回
転軸１２ａによって回動自在に、ケース本体１ａの軸受
け部２２に支持されている。

【００１９】また、トナー供給ローラ１２の近傍には、
このトナー供給ローラ１２と互いに外周部で接触する現
像ローラ１３が、トナー供給ローラ１２の回転軸１２ａ
と平行な回転軸１３ａによって回動自在に、ケース本体
１ａの軸受け部（図示略）に支持されている。この現像
ローラ１３の上方には、現像ローラ１３の外周面に付着
するトナー１０の量を規制するトナー量制御ブレード１
６が収納されており、ケース本体１ａに固定されてい
る。また、トナー量制御ブレード１６は、ブレード自体
の弾性により、現像ローラ１３に押しつけられている。

【００２０】さらに、現像ローラ１３の近傍の、ケース
本体１ａの外側には、現像ローラ１３と互いに外周部で
接触する感光体１４が、現像ローラ１３の回転軸１３ａ
と平行な回転軸によって回動自在に、電子写真用現像装
置の所定の軸受け部（図示略）に支持されている。

【００２１】また、図１は現像器１に配設されたトナー
供給ローラ１２の回転軸１２ａの軸受け部２２を示す断
面図であり、符号２０は段付き穴を示す。

【００２２】まず、ケース本体１ａの外壁には、トナー
供給ローラ１２の回転軸１２ａが挿入されるための段付
き穴２０が穿孔されており、また、段付き穴２０は、そ
の直径がケース本体１ａの外側部分より内側部分が幾分
大きく形成されて構成されている。そして、この段付き
穴２０の外側の一部分が回転軸１２ａの軸受け部２２と
なる。

【００２３】また、段付き穴２０のケース本体１ａの外
側には、段付き穴２０の中心軸と同軸で、ドーナツ状で
形成されたトナー漏れ防止のシール１９が圧入され、ケ
ース本体１ａと回転軸１２ａとの隙間をなくしている。
このシール１９は弾性部材、例えばゴム性のＯリング等
により形成されている。

【００２４】また、回転軸１２ａのうち、軸受け部２２
に当接する位置には、ドリル状のスパイラル溝１５が形
成されている。そして、回転軸１２ａの回転方向に対応
して、段付き穴２０に入り込んできたトナー１０をトナ
ー収納室１ｂに搬送する方向にスパイラル溝１５の傾斜
が形成されている。また、スパイラル溝１５は、ケース
本体１ａの外側はシール１９の厚み方向の中心近傍まで
形成され、一方、ケース本体１ａの内側は段付き穴２０
の端面より僅かに内側まで形成されている。

【００２５】次に、本実施例の電子写真用現像装置に使
用される現像器１の機能を説明する。

【００２６】まず最初に、図２に示すように、ミキサー
１１の回転によりトナー１０が攪拌され、トナー供給ロ
ーラ１２の近傍に供給される。そして、所定の速度で回
転しているトナー供給ローラ１２にトナー１０が付着す
る。

【００２７】つぎに、トナー供給ローラ１２と互いに外
周面で接する現像ローラ１３にトナー１０が供給され、
この現像ローラ１３の外周面にトナー１０が付着する。
ここで、トナー供給ローラ１２と現像ローラ１３とは、
互いに回転方向が同一で、お互いの接する部分は滑り接
触を生じ、これによって、現像ローラ１３の外周面全体
にトナー１０が供給される。また、現像ローラ１３の上
方に配設され、これと当接するトナー量制御ブレード１
６によって、現像ローラ１３の外周面のトナー１０の量
が均一に制御される。

【００２８】そして、現像ローラ１３の近傍に設けら
れ、互いに外周部で接触する感光体１４の外周面の対応
する位置にトナー１０が付着し、このトナー１０が印字
用紙等（図示略）に転写されて、印字情報が印字され
る。

【００２９】また、図１に示すように、回転軸１２ａの
ケース本体１ａの軸受け部２２と当接する部分には、ド
リル状のスパイラル溝１５が形成されている。このた
め、トナー供給ローラ１２の回転軸１２ａが図中の矢印
方向から見て時計回りに回転すると、段付き穴２０に入
り込んだトナー１０は、スパイラル溝１５の回転によっ
て生じるドリル効果により、トナー収納室１ｂに搬送さ
れることとなり、トナー１０がケース本体１ａの外側に
漏れ出すのが防止される。

【００３０】また、上述の如く、トナー供給ローラ１２
の回転軸１２ａを支持する軸受け部２２は、段付き２０
穴で形成されているので、この段付き穴２０に入り込ん
だトナー１０は図１に示す段差部２３で制止され、上記
スパイラル溝１５のドリル効果と共に、トナー１０がケ
ース本体１ａの外側に漏れ出すのが防止される。ここ
で、スパイラル溝１５及び段付き穴２０は、トナー供給
ローラ１２の回転軸１２ａ及びこの軸受け部２２にのみ
設けているが、ミキサー１１の回転軸１１ａや現像ロー
ラ１３の回転軸１３ａに適用することもできる。

【００３１】

【発明の効果】請求項１または２記載の発明によれば、
スパイラル溝の回転により生じるドリル効果により、回
転軸とケース本体の軸受け部との隙間に入り込んだトナ
ーが、ケース本体の内側に搬送されることで、現像器の
外側に漏れ出さないという優れた効果を有する電子写真
用現像装置を提供できる。

【００３２】また、シールの密閉度を高めることなく、
トナーの漏れ出しを防止できるので、回転軸の回転の円
滑性が制限されない、という優れた効果を生じる。

【００３３】さらに、請求項３記載の発明では、請求項
１または２記載の発明により生じる効果に加え、回転軸
の軸受け部を段付き穴で形成しているので、回転軸とケ
ース本体との間に入り込んだトナーは、当該段付き穴の
段差部で移動が制止され、トナーが現像器の外部に漏れ
出すのがより防止される、という優れた効果を生じる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の概略を示す断面図である

【図２】図１に開示した回転軸を備えた現像器の概略を
示す断面図である。

【図３】従来の現像器の概略を示す断面図である。

【図４】図３に開示したトナー供給ローラの回転軸の軸
受け部の概略を示す断面図である。

【符号の説明】 １ 現像器 １ａ ケース本体 １ｂ トナー収納室 １０ トナー １１ ミキサー １１ａ 回転軸 １２ トナー供給ローラ １２ａ 回転軸 １３ 現像ローラ １３ａ 回転軸 １５ スパイラル溝 １９ シール ２０ 段付き穴 ２２ 軸受け部

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケース本体内に、現像ローラ，トナー供
   給ローラ，トナー収納室および当該トナー収納室内に配
   設されたミキサー等を有するとともに、前記現像ロー
   ラ，トナー供給ローラおよびミキサーの前記ケース本体
   側の各回転軸の軸受け部に、トナー漏れ防止シールが装
   備されてなる電子写真用現像装置において、 前記現像ローラ，トナー供給ローラまたはミキサーの各
   回転軸のうち、少なくとも一つの回転軸の軸受け部と当
   接する位置に、トナーをケース内へ移送する構造のスパ
   イラル溝を設けたことを特徴とする電子写真用現像装
   置。
2. 【請求項２】 前記現像ローラ，トナー供給ローラおよ
   びミキサーの全部の回転軸の軸受け部と当接する位置
   に、トナーをケース内へ移送する構造のスパイラル溝を
   設けたことを特徴とする請求項１記載の電子写真用現像
   装置。
3. 【請求項３】 前記ケース本体に設けられた軸受け部の
   軸受け穴は、その直径が外側部分より内側部分が幾分大
   きく形成された段付き穴であることを特徴とする請求項
   １又は２記載の電子写真用現像装置。