JP2591158B2 - 放熱性のすぐれた半導体装置用基板 - Google Patents
放熱性のすぐれた半導体装置用基板Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、一段と放熱性にすぐれ、かつ窒化アルミ
ニウム(以下AlNで示す)基焼結基体表面に対する厚膜
回路形成用表面被覆薄層の密着性にすぐれた半導体装置
用基板素材に関するものである。
ニウム(以下AlNで示す)基焼結基体表面に対する厚膜
回路形成用表面被覆薄層の密着性にすぐれた半導体装置
用基板素材に関するものである。
先に同一出願人は、特願平1−25336号として、酸化
イットリウム(以下Y2O3で示す)および酸化カルシウム
(以下CaOで示す)のうちの1種または2種:0.1〜10
%、 を含有し、残りがAlNと不可避不純物からなる組成(以
上重量%、以下%は重量%を示す)、並びに平均層厚:
0.2〜20μmの表面酸化層を有するAlN基焼結基体の表面
に、 実質的に酸化けい素(以下SiO2で示す)で構成された
平均層厚:0.01〜10μmの回路形成用表面被覆層を形成
してなる放熱性のすぐれた半導体装置用基板素材を出願
した。
イットリウム(以下Y2O3で示す)および酸化カルシウム
(以下CaOで示す)のうちの1種または2種:0.1〜10
%、 を含有し、残りがAlNと不可避不純物からなる組成(以
上重量%、以下%は重量%を示す)、並びに平均層厚:
0.2〜20μmの表面酸化層を有するAlN基焼結基体の表面
に、 実質的に酸化けい素(以下SiO2で示す)で構成された
平均層厚:0.01〜10μmの回路形成用表面被覆層を形成
してなる放熱性のすぐれた半導体装置用基板素材を出願
した。
一方、電子機器の高性能化並びに軽薄短小化に対する
要求は依然として強く、これに伴ってハイブリッドモジ
ュールの集積度が増し、この結果発熱も増大するように
なることから、基板にも放熱性が要求され、このため上
記先願発明の半導体装置用基板素材においても、特に熱
伝導度がAlNの0.617cal・cm/sec・cm2・℃に比して0.00
4cal・cm/sec・cm2・℃と相対的に著しく低い回路形成
用表面被覆層としてのSiO2層の層厚をできるだけ薄くし
て、すぐれた放熱性を確保する傾向にあるが、SiO2層の
層厚を0.05〜1μmと極端に薄くすると、このSiO2層表
面には、例えば導体ペーストや抵抗ペーストなどを用い
て集積度に応じた回路を印刷焼成形成することになる
が、上記のように集積度が高い厚膜回路の場合、回路の
焼成形成回数がそれに応じて増加するようになり、この
結果回路形成成分が薄いSiO2層およびAlN基焼結基体の
表面酸化層を通して拡散し(前記表面酸化層は0.05〜15
%の気孔率をもつので層厚の割合には拡散は速い)、Al
N基焼結基体のAlNと反応して気泡(N2)が発生し、これ
が基板素材の表面部に残留するようになることから、Si
O2層の密着性を低下させるばかりでなく、熱伝導性も低
下させ、放熱性低下の原因となるなどの問題が生じるよ
うになり、したがってSiO2層の薄層化は、特に高集積回
路の基板素材では困難であるのが現状である。
要求は依然として強く、これに伴ってハイブリッドモジ
ュールの集積度が増し、この結果発熱も増大するように
なることから、基板にも放熱性が要求され、このため上
記先願発明の半導体装置用基板素材においても、特に熱
伝導度がAlNの0.617cal・cm/sec・cm2・℃に比して0.00
4cal・cm/sec・cm2・℃と相対的に著しく低い回路形成
用表面被覆層としてのSiO2層の層厚をできるだけ薄くし
て、すぐれた放熱性を確保する傾向にあるが、SiO2層の
層厚を0.05〜1μmと極端に薄くすると、このSiO2層表
面には、例えば導体ペーストや抵抗ペーストなどを用い
て集積度に応じた回路を印刷焼成形成することになる
が、上記のように集積度が高い厚膜回路の場合、回路の
焼成形成回数がそれに応じて増加するようになり、この
結果回路形成成分が薄いSiO2層およびAlN基焼結基体の
表面酸化層を通して拡散し(前記表面酸化層は0.05〜15
%の気孔率をもつので層厚の割合には拡散は速い)、Al
N基焼結基体のAlNと反応して気泡(N2)が発生し、これ
が基板素材の表面部に残留するようになることから、Si
O2層の密着性を低下させるばかりでなく、熱伝導性も低
下させ、放熱性低下の原因となるなどの問題が生じるよ
うになり、したがってSiO2層の薄層化は、特に高集積回
路の基板素材では困難であるのが現状である。
そこで、本発明者は、上述のような観点から、上記の
先願発明の半導体装置用基板素材に着目し、これを構成
するSiO2表面被覆層の薄層化を可能にすべく研究を行な
った結果、回路形成用表面被覆層としてのSiO2層の平均
層厚を0.05〜1μmと薄層化した上で、これとAlN基焼
結基体の表面部に形成した表面酸化層との間に、実質的
に酸化ジルコニウム(以下ZrO2で示す)で構成された薄
層、あるいは酸化アルミニウム(以下Al2O3で示す):0.
5〜40%を含有し、残りがZrO2と不可避不純物からなるZ
rO2−Al2O3複合酸化物固溶体で構成された薄層を、同じ
く0.05〜1μmの平均層厚で介在させると、このZrO2、
あるいはZrO2−Al2O3複合酸化物固溶体からなる薄層に
は、拡散してきた回路形成成分を固溶捕獲して、これが
前記表面酸化層へ拡散移動するのを阻止する作用がある
ので、AlN基焼成基体のAlNと反応することがなく、した
がって気泡の発生もないことから、気泡残留による密着
性および熱伝導性の低下が防止されるようになり、さら
にZrO2層およびZrO2−Al2O3複合酸化物固溶体層が前記S
iO2層および表面酸化層に対してすぐれた密着性を示す
ことと合まって、すぐれた放熱性を確保することができ
るようになるという知見を得たのである。
先願発明の半導体装置用基板素材に着目し、これを構成
するSiO2表面被覆層の薄層化を可能にすべく研究を行な
った結果、回路形成用表面被覆層としてのSiO2層の平均
層厚を0.05〜1μmと薄層化した上で、これとAlN基焼
結基体の表面部に形成した表面酸化層との間に、実質的
に酸化ジルコニウム(以下ZrO2で示す)で構成された薄
層、あるいは酸化アルミニウム(以下Al2O3で示す):0.
5〜40%を含有し、残りがZrO2と不可避不純物からなるZ
rO2−Al2O3複合酸化物固溶体で構成された薄層を、同じ
く0.05〜1μmの平均層厚で介在させると、このZrO2、
あるいはZrO2−Al2O3複合酸化物固溶体からなる薄層に
は、拡散してきた回路形成成分を固溶捕獲して、これが
前記表面酸化層へ拡散移動するのを阻止する作用がある
ので、AlN基焼成基体のAlNと反応することがなく、した
がって気泡の発生もないことから、気泡残留による密着
性および熱伝導性の低下が防止されるようになり、さら
にZrO2層およびZrO2−Al2O3複合酸化物固溶体層が前記S
iO2層および表面酸化層に対してすぐれた密着性を示す
ことと合まって、すぐれた放熱性を確保することができ
るようになるという知見を得たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
って、 平均層厚:0.2〜15μmの表面酸化層を有するAlN基焼
結基体の表面に、 実質的にZrO2、あるいはAl2O3:0.5〜40%を含有し、
残りがZrO2の不可避不純物からなる組成を有するZrO2−
Al2O3複合酸化物固溶体で構成された平均層厚:0.05〜1
μmの拡散防止用下地薄層を介して、 実質的にSiO2からなる平均層厚:0.05〜1μmの厚膜
回路形成用表面被覆薄層を形成してなる放熱性のすぐれ
た半導体装置用基板素材に特徴を有するものである。
って、 平均層厚:0.2〜15μmの表面酸化層を有するAlN基焼
結基体の表面に、 実質的にZrO2、あるいはAl2O3:0.5〜40%を含有し、
残りがZrO2の不可避不純物からなる組成を有するZrO2−
Al2O3複合酸化物固溶体で構成された平均層厚:0.05〜1
μmの拡散防止用下地薄層を介して、 実質的にSiO2からなる平均層厚:0.05〜1μmの厚膜
回路形成用表面被覆薄層を形成してなる放熱性のすぐれ
た半導体装置用基板素材に特徴を有するものである。
なお、この発明の半導体装置用基板素材におけるAlN
基焼結基体としては、Y2O3およびCaOのうちの1種また
は2種:0.1〜10%を含有し、残りがAlNと不可避不純物
からなる組成を有するものが望ましく、これは、Y2O3お
よびCaO成分には、表面酸化層形成時に、きわめて強力
な酸化促進作用を発揮し、比較的短時間で、所定厚さの
Al2O3を主体とした表面酸化層を形成する作用があるほ
か、焼結基体の焼結時に焼結性を向上させて、高強度の
焼結基体を形成する作用があるという理由によるもので
あり、したがってその含有量が0.1%未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方10%を越えると、焼結基
体自体の熱伝導性が低下するようになることから、その
含有量を0.10〜10%とするのがよい。
基焼結基体としては、Y2O3およびCaOのうちの1種また
は2種:0.1〜10%を含有し、残りがAlNと不可避不純物
からなる組成を有するものが望ましく、これは、Y2O3お
よびCaO成分には、表面酸化層形成時に、きわめて強力
な酸化促進作用を発揮し、比較的短時間で、所定厚さの
Al2O3を主体とした表面酸化層を形成する作用があるほ
か、焼結基体の焼結時に焼結性を向上させて、高強度の
焼結基体を形成する作用があるという理由によるもので
あり、したがってその含有量が0.1%未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方10%を越えると、焼結基
体自体の熱伝導性が低下するようになることから、その
含有量を0.10〜10%とするのがよい。
また、AlN基焼結基体の表面部の表面酸化層は、 酸素分圧:10-2〜1気圧、 水蒸気分圧:10-3気圧低下、 の雰囲気中で、 温度:1100〜1500℃、 に加熱保持の条件で酸化処理を施すことによって形成さ
れる。
れる。
さらに、この発明の基板素材において、表面酸化層の
平均層厚を0.2〜15μmと定めたのは、その厚さが0.2μ
m未満では拡散防止用下地薄層との間に強固な密着性を
確保することができないばかりではなく、拡散防止用下
地薄層中に固溶含有する回路形成成分とAlN基焼結基体
のAlNとの反応を完全に阻止することができず、一方そ
の厚さが15μmを越えると熱伝導性の低下が見られるよ
うになるという理由によるものであり、また拡散防止用
下地薄層の平均層厚を0.05〜1μmと定めたのは、その
厚さが0.05μm未満では、SiO2薄層を通して拡散してき
た回路形成成分の表面酸化層への拡散移動を完全に阻止
することができず、一方その厚さが1μmを越えても、
拡散防止効果が飽和し、むしろ熱伝導性低下の原因とも
なるという理由によるものであり、この場合、ZrO2にAl
2O3を固溶含有させてZnO2−Al2O3複合酸化物固溶体とす
ると、表面酸化層およびSiO2薄層に当する密着性が一段
と向上するようになるので、必要に応じてAl2O3を含有
させるとよいが、その含有量が0.5%未満では所望の密
着性向上効果が得られず、一方その含有量が40%を越え
ると拡散防止効果が低下するようになるので、その含有
量を0.5〜40%としなければならない。さらに、また厚
膜回路形成用表面被覆薄層としてのSiO2薄層の平均層厚
を0.05〜1μmと定めたのは、その厚さが0.05μm未満
では、例えば回路印刷に用いられるペーストの焼成層の
基板素材に対する密着性が不十分であり、一方その厚さ
が1μmを越えると、特に高集積度の場合、十分な放熱
性を発揮することができなくなるという理由によるもの
である。
平均層厚を0.2〜15μmと定めたのは、その厚さが0.2μ
m未満では拡散防止用下地薄層との間に強固な密着性を
確保することができないばかりではなく、拡散防止用下
地薄層中に固溶含有する回路形成成分とAlN基焼結基体
のAlNとの反応を完全に阻止することができず、一方そ
の厚さが15μmを越えると熱伝導性の低下が見られるよ
うになるという理由によるものであり、また拡散防止用
下地薄層の平均層厚を0.05〜1μmと定めたのは、その
厚さが0.05μm未満では、SiO2薄層を通して拡散してき
た回路形成成分の表面酸化層への拡散移動を完全に阻止
することができず、一方その厚さが1μmを越えても、
拡散防止効果が飽和し、むしろ熱伝導性低下の原因とも
なるという理由によるものであり、この場合、ZrO2にAl
2O3を固溶含有させてZnO2−Al2O3複合酸化物固溶体とす
ると、表面酸化層およびSiO2薄層に当する密着性が一段
と向上するようになるので、必要に応じてAl2O3を含有
させるとよいが、その含有量が0.5%未満では所望の密
着性向上効果が得られず、一方その含有量が40%を越え
ると拡散防止効果が低下するようになるので、その含有
量を0.5〜40%としなければならない。さらに、また厚
膜回路形成用表面被覆薄層としてのSiO2薄層の平均層厚
を0.05〜1μmと定めたのは、その厚さが0.05μm未満
では、例えば回路印刷に用いられるペーストの焼成層の
基板素材に対する密着性が不十分であり、一方その厚さ
が1μmを越えると、特に高集積度の場合、十分な放熱
性を発揮することができなくなるという理由によるもの
である。
また、この発明の基板素材は、単層基板の製造に用い
ても、さらにこれに、それぞれ印刷回路を形成した後、
例えば硼珪酸ガラスなどのガラス粉末を有機バインダー
と混合してペースト状とし、これを基板表面に印刷添着
した状態で、2枚以上積み重ね、この基板の積み重ね体
を、前記ガラス粉末の軟化点以上の温度に加熱して焼成
し、相互接合することにより形成される多層基板として
用いてもよい。
ても、さらにこれに、それぞれ印刷回路を形成した後、
例えば硼珪酸ガラスなどのガラス粉末を有機バインダー
と混合してペースト状とし、これを基板表面に印刷添着
した状態で、2枚以上積み重ね、この基板の積み重ね体
を、前記ガラス粉末の軟化点以上の温度に加熱して焼成
し、相互接合することにより形成される多層基板として
用いてもよい。
つぎに、この発明の基板素材を実施例により具体的に
説明する。
説明する。
まず、原料粉末としては、いずれも1〜3μmの平均
粒径を有するAlN粉末、Y2O3粉末、およ びCaO粉末を用意し、これら原料粉末をそれぞれ第1表
に示される配合組成に配合し、ボールミルにて72時間湿
式混合し、乾燥した後、さらにこれに有機バインダーを
添加して混合し、ドクターブレード法によりグリーンシ
ートに成形し、ついで常圧の窒素雰囲気中、温度:1800
℃に2時間保持の条件で焼結して、実質的に配合組成と
同一の成分組成を有し、かつ平面:25.4mm×25.4mm、厚
さ:0.625mmの寸法をもったAlN基焼結基体を製造し、つ
いでこれらの基体に、同じく第1表に示される条件で酸
化処理を施して表面酸化層を形成した後、 (a) ターゲット材質:純度99%のZrO2焼結体、また
はZrO2−1%Al2O3の複合酸化物固溶体焼結材、 ターゲット寸法:直径3mm×高さ10mm、 電力:70W、 基体回転数:10r.p.m.、 スパッタ時間:所定時間、 の条件での高周波スパッタ法、 (b) イソプロピルアルコール:1500gとジルコニウム
テトラブトキシド:600gの割合の混合液、またはイソプ
ロピルアルコール:1500gとジルコニウムテトラブトキシ
ド:350gとアルミニウムジイソプロピレートモノブチレ
ート:150gの割合の混合液中に、基体を浸漬して引上
げ、乾燥を所定厚さになるまで繰り返し行なった後、大
気中に、温度:1000℃に1時間保持して焼成の条件での
ゾルゲル法、 以上(a)または(b)の方法で第1表に示される組
成および平均層厚の拡散防止用下地薄層を形成し、さら
に、 (i)ターゲット材質:純度:99.9%の高純度石英ガラ
ス、 ターゲット寸法:直径3mm×高さ10mm、 電力:100W、 基体回転数:10r.p.m.、 スパッタ時間:所定時間、 の条件での高周波スパッタ法、 (ii) エチルアルコール:500gとエチルシリケート:25
0gの割合の混合液中に、基体を浸漬して引上げ、乾燥を
所定厚さになるまで繰り返し行なった後、大気中に、温
度:1000℃に1時間保持して焼成の条件でのゾルゲル
法、 以上(i)または(ii)の方法で、第1表に示される
平均層厚を有する厚膜回路形成用表面被覆薄層としての
SiO2薄層を形成することにより本発明基板素材1〜12お
よび比較基板素材1〜6をそれぞれ製造した。
粒径を有するAlN粉末、Y2O3粉末、およ びCaO粉末を用意し、これら原料粉末をそれぞれ第1表
に示される配合組成に配合し、ボールミルにて72時間湿
式混合し、乾燥した後、さらにこれに有機バインダーを
添加して混合し、ドクターブレード法によりグリーンシ
ートに成形し、ついで常圧の窒素雰囲気中、温度:1800
℃に2時間保持の条件で焼結して、実質的に配合組成と
同一の成分組成を有し、かつ平面:25.4mm×25.4mm、厚
さ:0.625mmの寸法をもったAlN基焼結基体を製造し、つ
いでこれらの基体に、同じく第1表に示される条件で酸
化処理を施して表面酸化層を形成した後、 (a) ターゲット材質:純度99%のZrO2焼結体、また
はZrO2−1%Al2O3の複合酸化物固溶体焼結材、 ターゲット寸法:直径3mm×高さ10mm、 電力:70W、 基体回転数:10r.p.m.、 スパッタ時間:所定時間、 の条件での高周波スパッタ法、 (b) イソプロピルアルコール:1500gとジルコニウム
テトラブトキシド:600gの割合の混合液、またはイソプ
ロピルアルコール:1500gとジルコニウムテトラブトキシ
ド:350gとアルミニウムジイソプロピレートモノブチレ
ート:150gの割合の混合液中に、基体を浸漬して引上
げ、乾燥を所定厚さになるまで繰り返し行なった後、大
気中に、温度:1000℃に1時間保持して焼成の条件での
ゾルゲル法、 以上(a)または(b)の方法で第1表に示される組
成および平均層厚の拡散防止用下地薄層を形成し、さら
に、 (i)ターゲット材質:純度:99.9%の高純度石英ガラ
ス、 ターゲット寸法:直径3mm×高さ10mm、 電力:100W、 基体回転数:10r.p.m.、 スパッタ時間:所定時間、 の条件での高周波スパッタ法、 (ii) エチルアルコール:500gとエチルシリケート:25
0gの割合の混合液中に、基体を浸漬して引上げ、乾燥を
所定厚さになるまで繰り返し行なった後、大気中に、温
度:1000℃に1時間保持して焼成の条件でのゾルゲル
法、 以上(i)または(ii)の方法で、第1表に示される
平均層厚を有する厚膜回路形成用表面被覆薄層としての
SiO2薄層を形成することにより本発明基板素材1〜12お
よび比較基板素材1〜6をそれぞれ製造した。
なお、比較基板1〜6は、拡散防止薄層が存在しない
か、あるいは存在してもその厚さがきわめて厚いもので
ある。
か、あるいは存在してもその厚さがきわめて厚いもので
ある。
ついで、この結果得られた各種の基板素材に対して、
高集積度の厚膜回路形成に相当する繰り返し焼成加熱、
すなわち、Ag−20%Pd合金粉末の導体ペーストを用いて
スクリーン印刷し、温度:125℃に10分間保持して乾燥し
た後、温度:850℃に10分間保持して焼成の工程を10回繰
り返し行なう繰り返し焼成加熱を施した状態で、レーザ
ーフラッシュ法にて熱伝導度を測定すると共に、ピーリ
ング試験を行ない、ピーリング強度を測定し、密着性を
評価した。
高集積度の厚膜回路形成に相当する繰り返し焼成加熱、
すなわち、Ag−20%Pd合金粉末の導体ペーストを用いて
スクリーン印刷し、温度:125℃に10分間保持して乾燥し
た後、温度:850℃に10分間保持して焼成の工程を10回繰
り返し行なう繰り返し焼成加熱を施した状態で、レーザ
ーフラッシュ法にて熱伝導度を測定すると共に、ピーリ
ング試験を行ない、ピーリング強度を測定し、密着性を
評価した。
なお、ピーリング試験は、基板素材の焼成層上に直
径:0.9mmのL字上に曲げた無酸素銅ワイヤーをSn−Pb共
晶合金はんだを用い、温度:215℃でろう付けし、このろ
う付けワイヤーを基板素材の表面と直角方向に引張り、
この時のピーリング高度(引きはがし強度)を測定する
ことにより行なった。これらの測定結果を第1表に示し
た。
径:0.9mmのL字上に曲げた無酸素銅ワイヤーをSn−Pb共
晶合金はんだを用い、温度:215℃でろう付けし、このろ
う付けワイヤーを基板素材の表面と直角方向に引張り、
この時のピーリング高度(引きはがし強度)を測定する
ことにより行なった。これらの測定結果を第1表に示し
た。
第1表に示される結果から、本発明基板素材1〜12
は、いずれも高い熱伝導度とピーリング強度を示すのに
対して、比較基板素材1〜3は、拡散防止用下地薄層の
形成がないので、回路形成成分がSiO2薄層および表面酸
化層を通して拡散し、基板素材のAlNと反応して気泡を
形成するため、熱伝導度およびピーリング強度とも低
く、また比較基板素材4〜6は、拡散防止用下地層の厚
さが厚いので、熱伝導度の低下が避けられないことが明
らかである。
は、いずれも高い熱伝導度とピーリング強度を示すのに
対して、比較基板素材1〜3は、拡散防止用下地薄層の
形成がないので、回路形成成分がSiO2薄層および表面酸
化層を通して拡散し、基板素材のAlNと反応して気泡を
形成するため、熱伝導度およびピーリング強度とも低
く、また比較基板素材4〜6は、拡散防止用下地層の厚
さが厚いので、熱伝導度の低下が避けられないことが明
らかである。
上記のように、この発明の基板素材は、厚膜回路形成
用表面被覆薄層としてのSiO2薄層と基体表面部に形成し
た表面酸化層との間に介在させたZrO2またはZrO2−Al2O
3複合酸化物固溶体からなる拡散防止用下地薄層によっ
て、SiO2薄層の厚さを薄くし、かつ高集積度の繰り返し
回路形成に適用しても、回路形成成分が基体のAlNと反
応して気泡を形成することがないので、すぐれた熱伝導
性と密着性が確保され、すぐれた放熱性を発揮するなど
工業上有用な特性を有するのである。
用表面被覆薄層としてのSiO2薄層と基体表面部に形成し
た表面酸化層との間に介在させたZrO2またはZrO2−Al2O
3複合酸化物固溶体からなる拡散防止用下地薄層によっ
て、SiO2薄層の厚さを薄くし、かつ高集積度の繰り返し
回路形成に適用しても、回路形成成分が基体のAlNと反
応して気泡を形成することがないので、すぐれた熱伝導
性と密着性が確保され、すぐれた放熱性を発揮するなど
工業上有用な特性を有するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 忠治 埼玉県大宮市北袋町1―297 三菱金属 株式会社中央研究所内 (72)発明者 神田 義雄 埼玉県大宮市北袋町1―297 三菱金属 株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭53−102310(JP,A) 特開 昭62−46986(JP,A) 特開 昭62−182182(JP,A) 特開 平2−205345(JP,A) 特開 平2−207554(JP,A) 特開 平2−207555(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】平均層厚:0.2〜15μmの表面酸化層を有す
る窒化アルミニウム基焼結基体の表面に、 実質的に酸化ジルコニウムで構成された平均層厚:0.05
〜1μmの拡散防止用下地薄層を介して、 実質的に酸化けい素で構成された平均層厚:0.05〜1μ
mの厚膜回路形成用表面被覆薄層を形成してなる放熱姓
のすぐれた半導体装置用基板素材。 - 【請求項2】平均層厚:0.2〜15μmの表面酸化層を有す
る窒化アルミニウム基焼結基体の表面に、 酸化アルミニウム:0.5〜40重量%を含有し、残りが酸化
ジルコニウムと不可避不純物からなる組成を有する複合
酸化物固溶体で構成された平均層厚:0.05〜1μmの拡
散防止用下地薄層を介して、 実質的に酸化けい素で構成された平均層厚:0.05〜1μ
mの厚膜回路形成用表面被覆薄層を形成してなる放熱性
のすぐれた半導体装置用基板素材。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Family Applications (1)
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FR3028050B1 (fr) * | 2014-10-29 | 2016-12-30 | Commissariat Energie Atomique | Substrat pre-structure pour la realisation de composants photoniques, circuit photonique et procede de fabrication associes |
-
1989
- 1989-05-22 JP JP12828589A patent/JP2591158B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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