JP2591058B2 - 塗装仕上げ方法 - Google Patents

塗装仕上げ方法

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JP2591058B2
JP2591058B2 JP9678388A JP9678388A JP2591058B2 JP 2591058 B2 JP2591058 B2 JP 2591058B2 JP 9678388 A JP9678388 A JP 9678388A JP 9678388 A JP9678388 A JP 9678388A JP 2591058 B2 JP2591058 B2 JP 2591058B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は塗装仕上げ方法に関し、特にいわゆる2コー
ト,1ベーク方式の塗装仕上げ方法に関するものである。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
近年、自動車上塗り用塗装においては、メタリック粉
末を配合した塗料を塗装して成るメタリック塗装仕上げ
方法はもとより、着色顔料を配合した塗料を塗装して成
る、いわゆるソリッドカラー塗装仕上げ方法においても
ベースコート塗料を塗装したのちトップコート塗料を塗
装する2コート,1ベーク塗装仕上げ方法の有効性が認識
されてきた。
すなわち、この2コート,1ベーク塗装仕上げによって
得られる塗膜は仕上り外観、肉持感に優れていると共
に、特に従来、耐候性に著しい欠点を有していたビニル
系重合体を主成分とするソリッドカラー塗料は2コー
ト,1ベーク塗装仕上げにすることにより耐候性に優れた
塗膜が得られるなど種々の利点がある。
一般に2コート,1ベーク塗装仕上げ方法はベースコー
ト用塗料としてアミノアルキド樹脂塗料、熱硬化性アク
リル系樹脂塗料などを塗装し、2〜5分間放置しある程
度の溶剤を揮発させた後、ただちに同種のトップコート
用塗料を塗装し、ついで熱風乾燥炉内温度140〜150℃で
20〜30分間焼付けて硬化させるものである。
かかる熱風源としては重油、プロパンガス、都市ガス
あるいは電力等が用いられるが、140〜150℃で加熱硬化
させる従来の熱硬化型塗料を用いる2コート,1ベーク塗
装仕上げ方法では消費する燃料や電力によるコスト上昇
をきたす欠点を有している。
一方、自動車産業において外板・部品等のプラスチッ
ク化が急速に進展しつつある。プラスチック化に伴な
い、その素材の耐熱温度に合致した塗料を選択する必要
にせまられており、汎用プラスチック用として常温硬化
型や低温硬化型塗料を用いる必要がある。
以上のように自動車上塗り用塗装仕上げ方法において
は省エネルギーや素材変換の観点から、塗装作業性、各
種物性、仕上り外観等に優れる常温または低温硬化型樹
脂を用いた2コート,1ベーク用塗料の早急なる開発が切
望されているのが現状である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはかかる上述の諸要求に沿った2コート,1
ベーク塗装仕上げ用の硬化型樹脂塗料を得るべく鋭意検
討した結果、ベースコート塗料用樹脂として、重合性不
飽和基を有するビニル系重合体および重合性不飽和基を
有するオリゴマーを主成分とする樹脂組成物を用い、一
方、トップコート塗料用樹脂として、1分子中に少なく
とも1個のアミノ基を有するビニル系重合体とポリエポ
キシ化合物を配合して成る樹脂組成物を用いることによ
り、こうした要求性能を驚異的に向上させうることを見
い出して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明はメタリック粉末および/または着
色顔料を配合した硬化性樹脂を主成分とする塗料(ベー
スコート)を塗装し、ついで該塗装面に、硬化性樹脂を
主成分としたクリヤー塗料(トップコート)を塗装し、
しかるのちに硬化せしめる塗装仕上げ方法において、該
ベースコート用塗料の樹脂成分として 〔I〕(A)数平均分子量が1500〜60000で重合性不飽
和基を有するビニル系重合体20〜80重量%と、 (B)1分子中に少なくとも2個の重合性不飽和基を含
有し、数平均分子量が200〜1000なるオリゴマー20〜80
重量%と、 (C)重合触媒0.01〜10重量%とを必須の成分として含
んで成る塗料用樹脂組成物 を用い、 また該トップコート用塗料の樹脂成分として、 〔II〕1分子中に少なくとも1個のアミノ基を有するビ
ニル系重合体(A)とポリエポキシ化合物(B)を含ん
で成る樹脂組成物 を用いて複合硬化塗膜を形成させることを特徴とする塗
装仕上げ方法である。
本発明はベースコート用の塗料用組成物〔I〕を塗装
した後、トップコート用塗料〔II〕を重ね塗りすれば、
ベースコートでは空気中の酸素がしゃ断され、重合開始
剤〔I−(C)〕の作用によりビニル系重合体〔I−
(A)〕中の重合性不飽和基と、ビニル系オリゴマー
〔I−(B)〕中の重合性不飽和基とが反応し塗膜を形
成し、一方、トップコートではビニル系重合体〔II−
(A)〕中のアミノ基とポリエポキシ化合物〔II−
(B)〕中のエポキシ基との反応により、強固な複合塗
膜を形成させるもので、塗膜外観、低温硬化性に優れた
塗料用樹脂組成物を用いた塗装仕上げ方法を提供するも
のである。
本発明方法に用いる組成物〔I〕の一成分である重合
性不飽和基を有するビニル系重合体〔I−(A)〕の数
平均分子量は1500〜60000、好ましくは2000〜30000であ
る。分子量が1500未満であると加工性の充分な塗膜が得
にくく、60000を越すと塗装作業性が低下するので好ま
しくない。ビニル系重合体〔I−(A)〕中の重合性不
飽和基は、ビニル系オリゴマー〔I−(B)〕の重合性
不飽和基と共重合反応する官能基であり、その含量につ
いてはビニル系重合体〔I−(A)〕1000g中通常0.1〜
5個好ましくは0.2〜3個である。
このビニル系重合体〔I−(A)〕を得るには種々の
方法があるが、最も好ましい方法は、水酸基、カルボキ
シル基、酸無水基、エポキシ基等の少なくとも1種の官
能基を有する骨格重合体に、前記官能基と、相互反応性
の官能基を有する重合性モノマーを反応させる方法であ
る。その具体例には、エポキシ基含有骨格重合体に重合
性多塩基酸(無水物)を反応させる方法、水酸基含有骨
格重合体に重合性多塩基酸無水物を反応させる方法、カ
ルボキシル基(酸無水基)含有骨格重合体に多価水酸基
含有重合性モノマーまたはエポキシ基含有重合性モノマ
ーを反応させる方法、水酸基及びカルボキシル基(酸無
水基)含有骨格重合体にイソシアネート基含有重合性モ
ノマーを反応させる方法等がある。
上掲方法により用いられる(多価)水酸基含有重合性
モノマーの例にはβ−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、β−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレー
ト、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等があり、重
合性一塩基酸の例には(メタ)アクリル酸、イタコン酸
モノメチルエステル等があり、重合性多塩基酸(無水
物)の例には(無水)マレイン酸、フマール酸、(無
水)イタコン酸等があり、エポキシ基含有重合性モノマ
ーの例にはグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)
アリルグリシジルエーテル等があり、またイソシアネー
ト基含有重合性モノマーの例にはβ−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート・トルエンジイソシアネート付加
物、(メタ)アリルアルコール・ヘキサメチレンジイソ
シアネート付加物等がある。また前記の官能基含有重合
性モノマーと併用して骨格重合体を形成する重合性モノ
マーの例には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、イタコン
酸ジエチル、スチレン、α−メチルスチレン等がある。
前記したビニル系重合体〔I−(A)〕やそれぞれの
官能基を有する骨格重合体の製造方法は、公知慣用のラ
ジカル発生剤の存在下で公知慣用の方法により得られ
る。
他の成分であるビニル系オリゴマー〔I−(B)〕と
は重合性不飽和基を有しており、数平均分子量が200〜1
000である。分子量が200未満であると、焼付硬化時にお
いて蒸発飛散し、また1000を越すと組成物の流動性が劣
り硬化が充分に進まず塗膜が耐薬品性に劣る傾向がある
ので好ましくない。重合性不飽和基含量については1分
子当り2〜5個の範囲が好ましい。
かかるオリゴマーには種々のものがあり、そのうち最
も好ましいものは、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ペンタンジオール、2,2−
ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−
3−ヒドロキシプロピオネート等の如き多価アルコール
1モルと2モル以上の(メタ)アクリル酸とのエステル
化物;β−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
β−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の如き水
酸基含有重合性モノマーと(メタ)アクリル酸とのエス
テル化物である。
また(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無
水)フタル酸、(無水)トリメリット酸等の如き多価カ
ルボン酸(無水物)1モルと2モル以上の水酸基含有重
合性モノマーとのエステル化物;水酸基含有重合性モノ
マー、多価カルボン酸(無水物)及びグリシジル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル
等の如きエポキシ基含有重合性モノマーの反応生成物;
多価カルボン酸(無水物)1モルと2モル以上のエポキ
シ基含有重合性モノマーとのエステル化物;多価アルコ
ール、多価カルボン酸(無水物)及びエポキシ基含有重
合性モノマーの反応生成物;水酸基含有重合性モノマー
の他にイタコン酸、N−メチロール(メタ)アクリルア
ミド、クロトン酸等の如き活性水素含有重合性モノマー
とトルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、これらイソシアネートの多価アルコール付加
物等の如きポリイソシアネートとの反応生成物;カルボ
キシル基含有重合性モノマーとエポキシ樹脂とのエステ
ル化物;多価アルコール、多価アミン等の如き活性水素
含有化合物とイソシアネートエチル(メタ)アクリレー
ト、ビニルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネ
ートの如き1分子中に少なくとも1個の重合性不飽和結
合とイソシアネート基とを併せ有するビニル系モノマー
の反応生成物等もオリゴマーとして使用できるが、製造
法についてはこれらに特に限定されるものではない。
そしてビニル系オリゴマー〔I−(B)〕の使用量は
20〜80重量%である。20重量%未満であると、前記ビニ
ル重合体〔I−(A)〕の重合性不飽和基との架橋反応
が十分に進行せず充分な塗膜性能が得られず、逆に80重
量%を超えた量を配合すればビニル系オリゴマー〔I−
(B)〕の重合性不飽和基同志の架橋反応が主として生
じ、塗膜の加工性が低下する傾向にあり好ましくない。
次に、重合開始剤〔I−(C)〕とは上掲ビニル系重
合体〔I−(A)〕中の重合性不飽和基とビニル系オリ
ゴマー〔I−(B)〕中の重合性不飽和基との共重合反
応を促進させるもので、通常のラジカル開始剤が使用で
きる。ラジカル開始剤の代表例には、アシルパーオキシ
ド、ケトンパーオキシド、ハイドロパーオキシド等、例
えば過酸化ベンゾイルおよびその核置換誘導体、ラウロ
イルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、
シクロヘキサンパーオキシド、キュメンハイドロパーオ
キシド等の過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル等の
アゾ化合物等が挙げられる。
そしてその配合量は0.01〜10重量%であり好ましくは
0.1〜5重量%が適当である。配合量が0.01重量%以下
では硬化性が劣り充分な塗膜性能が得られず、逆に、10
重量%を越えた量を配合すれば塗料の安定性が問題とな
る。
得られた組成物をベースコート塗料に用いるには、該
組成物に無機系または有機系の着色顔料、染料、および
メタリック粉末等を配合して常法の塗料化方法により塗
料を調整すればよい。
ここで着色顔料としては、たとえば、チタン白、弁
柄、オキサイドエローなど無機系のもの、トルイジンレ
ッド、フタロシアニンブルー、ベンジジンエローなど有
機系のもの、またメタリック粉末としてはアルミニウム
粉末、銅粉末、雲母粉末、酸化チタンをコーティングし
た雲母状粉末、MIO(雲母状酸化鉄)などが使用でき
る。
次に、上記ベースコート用塗料の上に重ね塗りを行な
うトップコート用塗料の樹脂組成物〔II〕について説明
する。
本発明のトップコート用塗料樹脂組成物〔II〕を構成
する1分子中に少なくとも1個以上のアミノ基を有する
ビニル系重合体〔II−(A)〕とは1分子中に少なくと
も1個、好ましくは2個以上の、1級アミノ基、2級ア
ミノ基および3級アミノ基から成る群から選ばれた少な
くとも一種のアミノ基を含有するビニル系重合体を指称
するものであるが、耐候性の点からは3級アミノ基が特
に好ましい。かかるビニル系重合体〔II−(A)〕は
1級、2級もしくは3級のアミノ基を含有するビニル系
モノマーを、必要に応じて共重合可能な他のビニル系モ
ノマーと(共)重合する、あるいはカルボン酸無水基
を含有するビニル系モノマーとこれと共重合可能な他の
ビニル系モノマーとを共重合させたカルボン酸無水基含
有ビニル系共重合体と、1分子中にそれぞれ少なくとも
1個のカルボン酸無水基と反応しうる活性水素を有する
基および3級アミノ基とを併せ有する化合物とを反応さ
せる、等の公知の方法により調製することができる。
前記の方法によりビニル系重合体〔II−(A)〕を
調製するに当り使用されるアミノ基を含有するビニル系
モノマーの具体例としては、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
トもしくはジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
トの如き各種ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリ
レート類;N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルア
ミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルア
ミドもしくはN−ジエチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミドの如きN−ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリルアミド類;あるいはt−ブチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノプロピル
(メタ)アクリレート、アジリジニルエチル(メタ)ア
クリレート、ピロリジニルエチル(メタ)アクリレート
またはピペリジニルエチル(メタ)アクリレートなどが
挙げられるが、硬化性などの点からすればジアルキルア
ミノアルキル(メタ)アクリレート類およびN−ジアル
キルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類が特に望
ましい。
また、これらのアミノ基含有ビニル系モノマーと共重
合可能な他のビニル系モノマーとして代表的なものを挙
げれば、炭素数1〜22なるアルキル基を側鎖に有するア
ルキル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエ
ン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、マレイン酸もしくはフ
マル酸とC1〜C18なる1価アルコール類とのジエステル
類、または燐酸基含有(メタ)アクリレート類、酢酸ビ
ニルやヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチ
レン等の含フッ素ビニル系モノマーおよびβ−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ
(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリ
レート等のほかに(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フ
マル酸またはイタコン酸の如き不飽和カルボン酸類が使
用できる。
ここでアミノ基含有ビニル系モノマーの使用量は、ア
ミノ基含有ビニル系モノマーを0.5〜100重量%、好まし
くは1〜50重量%であり、該アミノ基含有ビニル系モノ
マーと共重合可能な他のビニル系モノマーを99.5〜0重
量%、好ましくは99〜50重量%を用い共重合させればよ
い。
また、アミノ基含有ビニル系モノマーと共重合可能な
他のビニル系モノマーとして、前掲したようなカルボキ
シル基含有モノマーまたは燐酸基含有(メタ)アクリレ
ート類を併用することにより当該ビニル系重合体〔II−
(A)〕中にカルボキシル基または燐酸エステル結合を
導入せしめることができ、かくすることによって本発明
組成物の硬化性を一層向上せしめることもできる点で、
特に望ましい。
以上に挙げられた各種の単量体から当該ビニル系重合
体〔II−(A)〕を調製するには、従来公知のいずれの
重合方法も適用しうるが、溶液ラジカル重合法によるの
が最も簡便である。
その際に用いられる溶剤類としてはトルエン、キシレ
ン、n−ヘキサン、オクタンの如き各種炭化水素類;酢
酸エチル、酢酸ブチルまたはセロソルブ・アセテートの
如き酢酸エステル系;メチルエチルケトンまたはメチル
イソブチルケトンの如きケトン系;メタノール、エタノ
ール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタ
ノール、sec−ブタノール、エチレングリコールモノメ
チルエーテルの如き各種アルコール系などが使用でき
る。
またラジカル発生剤としては通常ビニル系モノマーの
重合に用いられているものであれば、いずれでも使用し
うるが、そのうち代表的なものを挙げればアゾビスイソ
ブチロニトリル、ジ−tert−ブチルパーオキシドまたは
ベンゾイルパーオキシドなどであり、必要に応じてメル
カプタン類、α−メチルスチレンや「ジペンテンT」
(日本テルペン化学(株)製品)などの如き、常用され
ている連鎖移動剤を使用することもできる。
つぎにの方法により1分子中に少なくとも1個のア
ミノ基を有するビニル系重合体〔II−(A)〕を調製す
る際に使用されるカルボン酸無水基を含有するビニル系
共重合体は、無水マレイン酸や無水イタコン酸の如きカ
ルボン酸無水基を有するモノマーと、これらと共重合可
能なモノマー類とを、上記した溶剤類のうちアルコール
系を除いた溶剤中でラジカル重合せしめることにより調
製することができる。
当該カルボン酸無水基を含有するビニル系共重合体を
調製する際に用いるカルボン酸無水基を有するモノマー
と共重合可能なモノマーとしては、前記した如きアミノ
基を含有するモノマーと共重合可能なビニル系モノマー
のうち水酸基を含有するモノマー以外はいずれもが使用
できる。
上記したカルボン酸無水基を含有するモノマーの使用
量は、耐候性、耐アルカリ性などの点から0.5〜50重量
%、さらには1〜20重量%が好ましく、他方の共重合性
モノマーの使用量は99.5〜50重量%、さらには99〜80重
量%が好ましい。
次に、前記したカルボン酸無水基と反応しうる活性水
素を有する基(以下、活性水素含有基と略記する)およ
び3級アミノ基を併有する化合物とは、この活性水素含
有基として水酸基、1級もしくは2級のアミノ基、また
はチオール基の如き各基を有する化合物を指称するもの
であるが、それらのうちでも最も好ましい化合物として
は3級アミノ基を有するアルコール類および3級アミノ
基を有する1級または2級アミン類などが挙げられる。
ここで、3級アミノ基含有アルコール類の代表的なもの
にはジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノ
ール、ジ−n−プロピルアミノエタノール、ジイソプロ
ピルアミノエタノール、ジ−n−ブチルアミノエタノー
ル、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−
(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、N−(2−ヒド
ロキシエチル)ピロリジン、N−(2−ヒドロキシエチ
ル)アジリジン、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロ
ピルアミン、N,N−ジエチル−2−ヒドロキシプロピル
アミン、トリエタノールアミンまたはトリプロパノール
アミンなどがあるが、さらに当該3級アミノ基含有アル
コール類としては、以上に挙げられたもののほかにも、
エタノールアミン、プロパノールアミンの如きアミノア
ルコール類と、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの如
き3級アミノ基を有する(メタ)アクリレート系モノマ
ーとの付加物、あるいは該3級アミノ基含有(メタ)ア
クリレート系モノマーとβ−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートの如き水酸基含有モノマーなどとの共重合
によって得られる側鎖に3級アミノ基と水酸基とを併有
するビニル系重合体もまた使用できる。
次に、前記した3級アミノ基含有の1級または2級ア
ミン類として代表的なものには、N,N−ジメチルエチレ
ンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミンの如きN,N
−ジアルキルエチレンジアミン類;N,N−ジメチル−1,3
−プロピレンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロピレ
ンジアミンの如きN,N−ジアルキル−1,3−プロピレンジ
アミン類;N,N−ジメチル−1,4−テトラメチレンジアミ
ン、N,N−ジエチル−1,4−テトラメチレンジアミンの如
きN,N−ジアルキル−1,4−テトラメチレンジアミン類;
N,N−ジメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、N,N−
ジエチル−1,6−ヘキサメチレンジアミンの如きN,N−ジ
アルキル−1,6−ヘキサメチレンジアミン類;またはN
−メチルピペラジン、N−エチルピペラジンの如きN−
アルキルピペラジン類;あるいは上記3級アミノ基含有
(メタ)アクリレート系モノマーと、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピ
ペラジン、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン
またはアンモニアなどとの付加物などがある。
そして、前記したカルボン酸無水基を含有するビニル
系共重合体と、1分子中にそれぞれ少なくとも1個のカ
ルボン酸無水基と反応しうる活性水素を有する基および
3級アミノ基とを併せ有する化合物とからビニル系重合
体〔II−(A)〕を得るにはカルボン酸無水基を含有す
るビニル系共重合体中の酸無水基の1当量に対し、1分
子中にそれぞれ少なくとも1個のカルボン酸無水基と反
応しうる活性水素を有する基および3級アミノ基とを併
せ有する化合物中の活性水素含有基が0.5〜3当量程度
となるような比率で両者を混合し、室温から120℃程度
までの温度範囲で反応させればよい。
次に前記ビニル系重合体〔II−(A)〕の硬化剤であ
るポリエポキシ化合物〔II−(B)〕として代表的なも
のを掲げると次のようなものがある。すなわち、ポリエ
ポキシ化合物とは1分子中に少なくとも2個のエポキシ
基を含有する化合物であり、グリセリンのポリグリシジ
ルエーテルやソルビトールのポリグリシジルエーテルの
如き脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテルや
グリシジル(メタ)アクリレート共重合体の如き側鎖に
エポキシ基を有するビニル系重合体が耐候性の点で好ま
しい。ポリエポキシ化合物の使用量はビニル系重合体
(II)の反応性官能基(アミノ基およびカルボキシル
基)の1当量に対してエポキシ基が0.2〜5当量、好ま
しくは0.5〜3当量程度となるような割合で用いれば良
い。
得られた樹脂組成物〔II〕は、トップコート塗料に用
いるのでそのままクリヤー塗料として用いることができ
るが、必要に応じて透明感を損わない程度に着色顔料ま
たは染料を適宜添加することができる。調製されたベー
スコート用塗料およびトップコート用塗料には必要に応
じてレベリング剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤等各種の
慣用の添加剤を混合させることができる。
かくして配合されたベースコート用塗料を一層目とし
て塗装し半乾燥ないし乾燥状態に達せしめた後、二層目
にトップコート用塗料を塗装し常温または低温で加温す
るとラジカル発生と共にトップコート用塗料の重ね塗り
により空気しゃ断されたベースコート用塗料に含有され
る重合性不飽和基の重合反応が進行し硬化が起る。一
方、トップコート用塗料においては、ビニル系重合体の
アミノ基とポリエポキシ化合物との硬化反応により強固
な塗膜が形成される。
本発明組成物を用いたベースコート用塗料およびトッ
プコート用塗料の塗装には、エアースプレー塗装や静電
吹付け塗装等が美粧効果を充分発揮するためには好適で
あり、ベースコート用塗料の膜厚(乾燥膜厚として、以
下同じ)は5〜50μmの範囲、好ましくは10〜20μmの
範囲を適当とし、トップコート用塗料の膜厚は10〜100
μmの範囲、好ましくは10〜60μmの範囲で塗装され
る。
ベースコート用塗料のウェット塗膜の乾燥条件と、ベ
ースコートとトップコートの塗装間隔は約20℃で1〜45
分間、好ましくは2〜20分間がよく、またベースコート
の塗膜を強制乾燥する場合は60〜80℃の温風で0.5〜5
分間加温するだけでよい。すなわち、上記の乾燥条件で
ベースコートの塗膜を指触乾燥ないし半硬化乾燥状態に
達せしめた後、トップコートの塗装を行なう。トップコ
ートの乾燥は60〜100℃の温風で30〜60分程度強制乾燥
させることが硬化性の点や生産性の点で好ましいが、ベ
ースコート用塗料とトップコート用塗料の種別や性質に
応じ適宜乾燥・硬化条件を変更しても差支えない。
〔効果〕
以上のように、本発明の組成物を用いた2コート1ベ
ーク塗装方法を実施することにより、通常のプラスチッ
ク素材の耐熱温度以下の常温または低温加温乾燥で光
沢、肉持感および塗膜性能のすぐれた複合硬化塗膜を形
成することができ、従来の熱硬化性アクリル樹脂塗料や
アミノアルキド樹脂塗料と比較して遜色のない塗装仕上
げが得られることから本組成物を用いた塗料系は、熱源
の節約や金属・プラスチック一体塗装法による塗装作業
性の向上などに著効があり、さらに本発明組成物は貯蔵
安定性に優れており、生産性の向上に大きく寄与するも
のである。
〔実施例〕
次に本発明を製造例、実施例により具体的に説明する
が、以下において部は特に断わりのない限りすべて重量
基準であるものとする。
製造例1(ビニル系重合体〔I−(A)〕の調製例) キシレン890部を撹拌装置、不活性ガス導入口、温度
計および冷却器を備えた4つ口フラスコに仕込んで120
℃に保持し、次いでメチルメタアクリレート458部、エ
チルアクリレート485部、アクリル酸57部からなるモノ
マー混合物とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の5
部およびtert−ブチルパーオキシオクトエート(TBPO)
の10部からなる混合物を4時間を要して滴下し、さらに
同温度で20時間保持させた後、2−メチルベンツイミダ
ゾール3部、ハイドロキノン3部およびグリシジルメタ
アクリレート111部を加え、120℃に6時間加熱して、不
揮発分52.1%、粘度(ガードナー粘度、25℃以下同様)
I−J、数平均分子量10000および酸価2.4なる樹脂溶液
を得た。以下このビニル系重合体溶液を〔I−(A)−
1〕と略記する。
製造例2(同上) メチルメタアクリレート270部、エチルアクリレート2
10部、β−ヒドロキシエチルメタアクリレート130部、
n−ドデシルメルカプタン10部、アゾビスイソブチロニ
トリル15部、ベンゾイルパーオキサイド5部および酢酸
エチル2000部を80℃に15時間加熱した。次いで酢酸エチ
ル170部を留出除去したのち、無水マレイン酸49.5部を
加え、80℃に1時間加熱して不揮発分69.2%、粘度Y−
Z、数平均分子量4000および酸価42.5なる樹脂溶液を得
た。以下このビニル系重合体を〔I−(A)−2〕と略
記する。
製造例3(ビニル系重合体〔II−(A)〕の調製例) 製造例1と同様の反応器にトルエン300部および酢酸
ブチル400部を仕込んで窒素雰囲気下に110℃に昇温し
た。次いで、スチレン100部、メチルメタクリレート400
部、n−ブチルメタクリレート300部、n−ブチルアク
リレート130部、アクリル酸30部、無水マレイン酸40
部、AIBN10部、TBPO5部、n−ブチルパーオキシベンゾ
エート(TBPB)5部およびトルエン300部から成る混合
物を3時間に亘って滴下し、しかるのち同温度に15時間
保持して反応を続行させ、NVが50%でnが10,000なる
酸無水基とカルボキシル基とを有するビニル系重合体の
溶液を得た。
次いで、このビニル系重合体を70℃に降温したのち、
これにN,N−ジメチルアミノエタノールの40部を添加し
てから同温度に5時間保持し、さらにn−ブタノールの
270部を加えてNVが45%なる3級アミノ基とカルボキシ
ル基とを含有するビニル系重合体(II)の溶液を得た。
以下この重合体の溶液をビニル系重合体〔II−(A)−
1〕と略記する。
実施例−1〜−5 第1表に示した配合比率(重量部)で常法の塗料化方
法により各別にトップコート塗料およびベースコート塗
料を調製したのち、キシレン/トルエン/酢酸エチル=
30/50/20(重量比)なる混合溶剤でスプレー粘度まで希
釈し、リン酸亜鉛処理鋼板にベースコート塗料およびト
ップコート塗料の乾燥塗膜がそれぞれ、15μmおよび20
μmになるよう、また2種の塗料の塗装間隔を2分間と
し、エアースプレーにて塗装し60℃で30分間加熱せしめ
ることにより硬化塗膜を得た。この様にして得られた各
塗膜の物性評価の結果を第1表に示す。物性評価は強制
乾燥後、3日間室温放置したのち行った。
評価方法 ◎…非常に優れる

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタリック粉末および/または着色顔料を
    配合した硬化性樹脂を主成分とする塗料(ベースコー
    ト)を塗装し、ついで該塗装面に硬化性樹脂を主成分と
    したクリヤー塗料(トップコート)を塗装し、しかるの
    ち硬化せしめる塗装仕上げ方法において、該ベースコー
    ト用塗料の樹脂成分として 〔I〕(A)数平均分子量が1500〜60000で重合性不飽
    和基を有するビニル系重合体20〜80重量%と、 (B)1分子中に少なくとも2個の重合性不飽和基を含
    有し、数平均分子量が200〜1000なるオリゴマー20〜80
    重量%と、 (C)重合触媒0.01〜10重量%とを必須の成分として含
    んで成る塗料用樹脂組生物 を用い、 また該トップコート用塗料の樹脂成分として、 〔II〕1分子中に少なくとも1個のアミノ基を有するビ
    ニル系重合体(A)とポリエポキシ化合物(B)を含ん
    で成る樹脂組成物を用いて複合硬化塗膜を形成させるこ
    とを特徴とする塗装仕上げ方法。
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